森の歳時記

日々刻々と変化する、森の様子をお伝えします。

〜 2003年7月号 〜



▲ 最初の水辺。タイコウチ、ヤゴなどがいます
2003年7月26日(土)
 夏休みイベント 「水辺の生き物を探そう!」

 
今日は第一回目の夏休みイベントがありました。
天気も今年初めての夏らしい日で、イベントにはぴったりの日です。午前中だけでしたが、日焼けでひりひりするとの話しも。

 
先生はおなじみ澤田先生。まず最初はセンター内でビデオを見ました。そしていよいよ森の水辺へ。

 この森の水辺は、昔流れていた水路を復元したもので、生き物は一匹もいないはずなのですが、トンボが真っ先に増えてきました。森ではカに悩まされているのですが、トンボのおかげか、最近減って来ています。

 上流部の浅い所から下流部の深い場所まで、普通に歩けば15分くらいの所を2時間くらいかけて歩きました。

 長靴を履いてきた子が多かったので、怖いものなし、というような勢いで水辺に夢中になっていました。

 トンボはシオカラトンボ、マイコアカネ、マユタテアカネ、ショウジョウトンボ、アジアイトトンボなどを捕まえました。

 生き物が増えて来たとはいえ、まだまだ少ないので、最後は捕まえた昆虫たちを逃がして終わりです。
 

▲みんなで捕まえた昆虫の観察
▼ 何を捕まえられたかな? ▼ おまけ ▼ 空中戦は、ちょっと無理かな?



2003年7月23日(水) 定例活動日
 
昨晩から降り続く雨脚は弱まることが無く参加者があるか心配しましたが今回も10人余りの参加がありました。
 はじめに、河辺いきものの森きのこ調査員さんの「今日のきのこ」の観察会から…
 今日の作業は
1.森のあちこちに生えつづける竹の成敗
 竹は地下茎を使って様々な場所に筍をを出し栄養をためながら勢力拡大をねらっています。竹林以外に進出する竹をカッパを着て退治しています。雨のため11時頃で成敗を終わり刃物研ぎへ…
2.炭焼き窯の整備
 平日には、ひとりでコツコツと炭焼き名人が窯を整備されています。今日は2人の若者を引き連れ大規模にメンテナンが進んだようです。
3.昼食班
 素麺、黒豆の豆腐、天ぷら、おにぎり、ドーナッツなど
 夏場のため作業は昼からはありませんでした。

▲ 雨の中自然観察会(この時小雨)雨がたくさん降っていろんなキノコが出ています。

▲ いたるところで勢力復活中の竹。まるで竹の海の様な所で奮闘中。この後雨脚が強くなる。

▲ 炭焼き窯の補修作業(屋根があるから大丈夫))

▲ 雨が強くなってきたため刃物研ぎ大会へ

▲ 黒豆の豆腐。味の決め手は愛情。只今注入中。



2003年7月17日(水)

珍しいシロテンマ、4年ぶりに発生

 
待ちに待っていたシロテンマがついに発生しましたが、この森の生態系調査を実施された環境設計鰍フ梅原徹氏からシロテンマに関する解説をいただきましたので紹介します。氏のコメントの最後にもありますが、この森では様々な動植物が生存できるような環境を、今後も維持していきたいと決意を新たにしています。
 
以下紹介文

 いきものの森には晩春に腐生ランのオニノヤガラがたくさん出ますが、整備前にはオニノヤガラ(Gastrodia elata Blume)の品種、シロテンマ(forma pallens Tuyama)もありました。愛知川河辺林「建部の森」の自然,−河辺いきものの森自然環境調査業務報告書−,1997,3.八日市市.の口絵カラー写真、オニノヤガラの左側、花の写真がそれです。数本あったうち、この個体は標本(T.Umehara, 7217)として、大阪市立自然史博物館に収蔵されています。しかし、最初の発見地は園路の拡幅で失われ、ここ数年は見ることができなくなっていました。それが今年、復活したことをお知らせいただいたのを機会に、シロテンマにまつわる話題をお伝えしたいと思います。(左下へ続く)


▲ シロテンマ▼(2003年7月15日撮影)

▲ オニノヤガラ(2002年6月)
 
 実は最初、オニノヤガラとシロテンマは図鑑にあるように、シロテンマのサイズが小さく、花の色が白いだけで、とくに区別すべきものとは考えていませんでした。報告書にオニノヤガラとして一括して載せたのも、そうした理由からです。ただし、花季がずいぶんちがうことについては少し気になっていました。おなじ日に撮影したにもかかわらず、左の写真(シロテンマ)が満開なのに、右の写真(オニノヤガラ)はすでに果実になっていたからです。

 報告書が印刷され、全国の研究者や知人に送ると、お二人からこの植物についての反応がありました。まず、大分の荒金正憲さんから、左の写真はナヨテンマ(Gastrodia gracilis Blume)ではないかというご指摘がありました。ナヨテンマだとすると、別種です。そこで、博物館に収めた標本を再検討しました。花をぬるま湯で戻し、検鏡しましたが、唇弁のかたちはオニノヤガラとよく似たものでした。そこで、ナヨテンマではないとご返事しました。


 もう一人、横浜の堀内洋さんからは、花のほうはシロテンマで、現在のところオニノヤガラの品種あつかいだが、別種ではないかと考えているとお知らせいただきました。シロテンマは全体に小さく、花はまばらに少数しかつかないこと、花の色は白っぽいこと、花季がまったくちがい、オニノヤガラより約一月遅く咲くことを観察しておられました。(右へ続く)
 ▲オニノヤガラ(2003年6月3日撮影)





 形態的にはオニノヤガラと種をわけるほどの違いはなく、ラン科のプロに聞いても、ラン科によくある花色の違いだろうとの意見でした。しかし、上記の違いは別種であることを疑わせます。花季のちがいはポリネーター(送粉者)がちがう可能性が高く、最近の分子生物的手法を使えば、案外簡単に別種ということになるかもしれません。私も今は別種を確信しています。

 ところでシロテンマのような腐生植物は、どちらかといえば腐植がたまり、うっそうとした森林に生える種類です。人の活動に適した明るく開けた林に生えることはありません。生きものの森には、さまざまな環境に生える植物が共存できる、きめ細かな管理が求められ、それが実行されてきたことが、シロテンマの復活につながったと思います。最近はやりの、どこにでもある一様な植生管理ではなく、環境の多様さに適応したさまざまな生きものに対応できる、ゆきとどいた管理を今後ともお願いしたいと思います。





2003年7月12日(土)

 定例活動日&6周年記念
遊林会の活動が始まったのは5年前の6月。
6周年記念の活動日です。

 観察会と作業が始まった時は雨降りでしたが、途中からはしっかり晴れました。

 作業メニューは
1.竹林の整理
 駐車場から入ってくるあたりの竹林を綺麗に。不法投棄を防ぐためでもあります。

2.竹退治
 竹が出てきては困る場所での竹を退治。ひょろひょろの細い竹ですが、刈っても刈っても出てきます。

3.林床管理
 屋外トイレ周辺で森を明るくするために、常緑樹(主にアラカシ)を伐って、薪や柴にします。細かいものはチッパーで緑の道作りを。

4.雑草退治
 竹も強いですが、クズも強い。草原広場の管理のためクズやセイタカアワダチソウ、笹状の竹を退治です。

5.昼食
 今回は6周年記念なので、久しぶりにソメヤンハサケガスキー氏による焼きそばをメインに、スープ、焼き鳥などなど。久しぶりに薫製の差し入れもありました。


▲ チッパーでの緑の道作り


▲ 堅くなる前に竹退治

 今回は市の組合さんの参加や、清水川を炭で綺麗にするために地元の人達が炭窯の見学に来られました。

 午前中しっかり作業し、午後からは、みんなで6周年記念を祝いました

 初めて活動に参加した人の自己紹介、参加された組合さんの感想、どんな作業をしたのか、などいつもの話のあと、これまでの活動の経緯活動に対する思い入れをそれぞれ話していただきました。

 その後は

イ.ハリヨ池で冷やしたビールをのんびりと飲みながらの無礼講サミット(映像はわけあって公開できません)が行われたり、

ロ.子供達と一緒にザリガニ釣り(ハリヨ池にまだたくさんいる!)、

ハ.カロム(うしまろ氏の倉庫から)、

ニ.酔い覚ましのためにレクチャールームでの映画(山の郵便配達・中国の里山風景がよかった)

など、それぞれのんびりとした午後を過ごしました。

 


 豊作、ですか?





▲ 気合いの入った焼きそば!

 

▲いつもより賑わう食事風景です




▲ 今回はザリガニハンターです
 
2003年7月9日(水)

 最近、いきものの森で問題になっていたザリガニ。
ちょくちょくと子供がつかまえていたのですが、スネークハンターは凝り方が違います

 森の居酒屋で集まってくる人が、「なにしてんの?」とハリヨ池で捕まり、最後は総勢7名でザリガニ釣りにいそしみました。

 詳しくは掲示板へ。うしまろ氏の解説が全てです。
味は、なかなかのものでしたよ。


 (注!) 勝手に取って食べないでくださいね。
(k)

▲ 見てください、この鮮やかさ!

▲ 食べてみないとわかんないよ。



2003年7月4日(金)

 今日は、岐阜の向陽中学校が体験学習のために、森をおとずれました。

 この森ならではの、森を知るクイズラリーをしたあと、里山の保全活動として、薪づくりとタケ刈りを体験しました。

 薪作りは、一班に一本以上のアラカシを伐って、50cmに切りそろえる作業をしました。みんな一心不乱に作業をしていました。
 
 一方、ドングリ広場でのタケ刈り
最初はカマの切れ味にこわごわでしたが、その後は扱いにも慣れ、手さばきもなかなかのものになりました。


 蒸し暑く、蚊も多い日でしたが、意外に楽しんでいってくれました。

 終わってから、「面白かった!」との声も聞けました。
来年もまた来て下さいね〜。


 

▲アメンボの足の数は何本?答えは・・・6本!
▼刈っても刈っても出てくるタケ刈り。結構夢中?

▲黒瀬さんかぞえ年101歳です。いつまでもお元気で。
そして、タケと言えば・・・
 もうすぐ七夕です
ネイチャーセンター前には、七夕のササ・・・ならぬタケがかかげられました。 

 そこへ、この森の訪問最高齢者記録になる黒瀬さんがいらして下さいました。
さっそく、短冊に「森の自然は楽しい」と書いて飾り、森のクマの案内で、森の散策を楽しんでもらいました。

 今の季節、木道からヤブカンゾウの花を楽しむことが出来ます。車イスの方も是非どうぞ。(n)




▲ ドングリの木の子どもはどれかな・・・?
 2003年7月2日(水)

北小4年生総合学習スタート!!
 
 前日は雨でしたが、当日はとてもいいお天気
 今日から、近所の北小学校4年生の総合学習がスタートです。

 今回はなんと、この森初の20問クイズラリー
 みんな、昨年も何度か森に来ていただけあって、さすが
 すらすらと問題をといていきます。
 正答率は15問。
 なかなか優秀です!

 中には、クイズラリーから帰ってきたあと、分からなかった問題を、ネイチャーセンター内のふくろう文庫でしらべる子も
 感心、感心。

 次回は、来週水曜日です!
(n)

▲途中にちょっとより道。大物のザリガニを捕獲中。

▲自由時間も休まず、元気いっぱい!



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