里山保全活動団体「遊林会」


20周年記念事業を開催しました!

2023.02.09

今日は、河辺いきものの森・20周年記念事業「次世代につなげる里山づくり」(1日目)を開催いたしました。
東近江市内で里山保全活動をされておられる方や河辺いきものの森に興味を持ってくださっている方、市内外合わせ25名の方がご参加くださいました。
まず、はじめに東近江市企画部森と水政策課の丸橋課長から「次世代につなげる里山づくり」についての説明を聞きました。
植生遷移の話から、河辺いきものの森はどのようにしてきたのか、また今後どのように管理していくことが大切なのか、利用していく人が考え決めていく必要があることなどを聞き、河辺いきものの森への理解を深めていただきました。

今日は森を若返らせるため、どんぐりの木(アベマキ)を伐って、木を更新させる「萌芽更新」という保全活動を行います。
皆さんもヘルメット、ノコギリを着用して、萌芽更新をする現地へ向かいました。
また、今回は薪の専門業者でいらっしゃいます「薪遊庭(まきゆうてい)」の村山英志さんを講師でお迎えしました。
薪販売、薪ストーブ、木の伐採など、薪に関すること全般を専門とされておられます。

午前中は2002年に一度伐っている2株の萌芽更新作業、午後からは胸高周囲(地面から120㎝の高さで計測した幹回り)が126㎝の高木伐採の見学を行いました。
村山さんから、安全に作業するための伐採時の注意点や伐り方を教わったあと、2班に分かれ作業を行いました。

まずは、のこぎりで木を伐りました。大人の男性が多かったので、細い木はあっという間に伐ることができました。

倒したい方向へ確実に倒すため、追い口、受け口を作り、基本に忠実に作業しました。この木は少し太かったので、何人かで交代で伐りました。

伐採後の確認です。ツルがしっかり残り、ほぼ希望通りの場所へ倒すことができました。「このツルの幅、受け口の向きが大切。木の伐採はプロでも失敗することもあり、難しい。正確に受け口を作らないと思ってもみない方向に倒れてしまいます。」と説明していただきました。

太いところはシイタケのホダ木、もっと細いところは、森にくる子どもたちの工作の材料などに使用するため、全員で木を切り分けていきました

もっと太い木は、村山さんにチェーンソーで伐っていただきました。

この木は測ってみると長さが16mあり、倒れると思ってたより大きいなという感じでしたが、皆さんがすすんで切り分けてくださり作業が一気にすみました。

切り分けた木は軽トラに積んでネイチャーセンターまで運びました。

予定していた萌芽更新が無事終わりましたので、ここで昼食にしました。
今回は「あいとうむすび」さんのおにぎり弁当をご準備しました。とても美味しいお弁当でした。ごちそうさまでした!

午後からは、いよいよ高木伐採。その中でも、特殊伐採という方法を見せていただきました。
先にロープをかけておき、道具を装着して12mくらいの高さまで登って行かれるのです。

皆さんと少しずつ上がっていかれる村山さんを見守りました。

こちらの2枚の写真↓は、事前準備のものです。特別な道具を使い、木にロープを安全な場所にかけていきます。
ゆっくりと上に上がられる姿がとてもかっこ良かったと遊林会の男性スタッフは目をキラキラさせていました。

そして、木の上に上がられたら、伐採後に伐った木を吊るすため木にロープを巻き、準備ができたらチェーンソーで伐っていかれました。
私もそうですが、「こういった作業を初めてみた!とても勉強になります」と言ってくださっている方がたくさんおられました。

上部の枝を伐った後は、チルホールをかけて、チェーンソーで伐採してくださいました。「ピシッ、パキッ」といった音がした後、ゆっくりと木は倒れていきました。

そして、木を測量してみると、17m30㎝ありました。

太いところは薪にするため40㎝~45㎝の玉切りに、太ももサイズは90㎝にしてシイタケのホダ木用に、細いところは工作の材料に、切り分けていきました。

大きな木で片付けが大変かと思いきや、こちらも皆さんのご協力のお陰で一気に運びだしてくださり片付きました。

最後に切った木の確認をしました。
樹齢を見てみると、約70歳の木でした。70年の月日、森や森にくる人を眺め、たくさんの恵みをいただいたこのどんぐりの木に感謝をしながら、切り株を眺めました。どんぐりの木は伐ったら終わりではありません。必ず、周りから芽をふきます。しっかりと根を張った大木の新しい芽は、勢いがあります。柔らかな芽は小さないきものたちの食べ物や棲みか、そして命の営みが行われ、命は続いていきます。未来にこの森を残すためには、こうして新しい森を作ることも大切になってきます。

70年のいのちを無駄にしないように、この後は冬の寒さを温めてくれる薪や自然のめぐみを美味しくいただけるシイタケのホダ木、子どもたちがこの森をさらに楽しめる工作材料などに、有効に活用させていただきます。

ご参加いただきました皆さま、今日は本当にありがとうございました。
イベントは終了ですが、森の保全活動はこの先もずっと続きます。今日、河辺いきものの森の保全活動をもっと体験してみたいと思ってくださった方は今後の活動にお越しいただけると嬉しいです。また、そうでなくても河辺いきものの森に遊びに来ていただきたいですし、今後の遊林会の保全活動を応援していただければ嬉しいなと思います。
最後になりましたが、一日講師をつとめてくださった薪遊庭の村山英志さんには、安全に活動するために大切なことを大変分かりやすくご指導いただきました。ケガや事故もなく、リスクの高い伐採作業を無事終了できましたことも本当に感謝しております。ありがとうございました。村山さんの今後のご活躍を心から願っております!

春になったら、今日伐ったどんぐりの木が芽吹いてきますので、この後どうなっていくのか?ぜひ見に来ていただきたいなと思います。
また、2月11日(土)には2回目のイベントを開催します。今度は親子参加が多く、子ども向けの内容となっております。どんな活動になったか、またご紹介させていただきます。よろしくお願いいたします!  くまき

 

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