里山保全活動団体「遊林会」


第5回 大人の森あそび

2023.02.25

今日は第5回「大人の森あそび」を開催しました。
風が強く寒いになりましたが、5名の方がご参加くださいました。
「大人の森あそび」は東近江市のエコツーリズム(http://higashiomi-ecotourism.blog.jp/ )の一環として取り組んでいます。
今回は「冬の森あるき&竹伐り体験とたき火を楽しもう♪」というテーマで行いました。
外に出ると「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴くジョウビタキのメスが出迎えてくれました(赤丸のところにいます)。人懐っこい野鳥なので、みんなでゆーっくり近づき可愛らしい姿を見ることができました。

冬の森ですが、春も少しずつやってきています。昔々、愛知川は暴れ川と呼ばれ大洪水が何度もあったと聞いています。そのたびに、いろいろな植物の種がこの森に流れつき、根をおろしています。特に、山地性の植物が標高125mに自生していることは大変珍しく、今も保全活動をしてそういった植物を守っています。
その代表的な植物の一つが「キクザキイチゲ」です。3月末頃から約2週間ほど開花し、夏前には姿を消してしまいます。このことから「スプリングエフェメラル(春の妖精)」と呼ばれています。開花はまだまだ先ですが、葉っぱの下には小さな小さな芽が出かけている姿を見ることができました。真っ白なキクに似た花はとても可憐でかわいい姿をしています。また、春に見にきていただきたいです。

その後は、冬ならでは「冬芽」の観察をしました。どんな樹木も枝を見ると、小さな芽がついているのを見かけます。その中には、葉や花芽などが小さく折りたたまれています。この木はアラカシですが、春に出てくる葉は芽鱗と呼ばれるもので覆われ、まるで葉っぱのジャンバーや毛布のようです。そんなお話をしながら、植物たちの寒い冬の乗り越え方をルーペを使って観察しました。

足元をみるとドングリがいっぱい落ちていました。ドングリから赤みのある根っこが伸びていることを見つけてくださいました。「どんぐりって、根からのびるんやぁ」といいながら地面の観察へ。キノコやコケ、草をみながら「これは何?あれは何?」と聞いてくださり、みなさん見つけるのがとても上手だなと思いました。

現在、若い森づくりのために更新している場所も見学していただきました。
私:「伐ったら若返るっていいですよね!」
参加者さん:「私も切って若返りたいわ」
などと掛け合いを楽しみながら、昔の森の活用方法についてもお話しました。

森のおすすめ。ヤブニッケイの葉の柑橘系の香りもお楽しみいただきました。

森をぐるっと回ってきたところで、今回のテーマである「竹伐り体験」に挑戦しました。
この森の竹はハチクと呼ばれ、冬に伐採作業をしています。細い竹なので、子どもや女性の方も切りやすいです。受け口、追い口、危険な場所の確認をした後、竹の伐採を行いました。お二人で、とても上手に伐採してくださいました。

伐採後は長ーい竹をみんなでヨイショ、ヨイショと運びました。

森から戻ってきたら竹を解体です。伐った竹は、主に環境学習で使用する工作の材用に使います。「思ったより硬い…」といいながら決まっている長さに切り分け、枝の部分は子どもたちがケガをしないように枝払いもしていただきました。

枝先はファイヤーサークルで燃やしました。

連携プレーのお陰で竹の解体が終了しました。ありがとうございました!

その後は、午後からのたき火で作るロールパン用の串作りをしました。「小刀も何年ぶりかなぁ」「鉛筆はカッターナイフで削ったけど」とお話しながら、プチ工作を楽しんでいただきました。

串作りができたところでお昼ご飯にしました。今日はあいとうむすびさんのおにぎりをご準備しました。一番人気だという「鮭」味。とても美味しかったです。ご馳走さまでした。

昼食後、冬芽の本をみんなで見た後、もう一度冬芽を観察にいきました。

冬芽の下の葉がとれた後をよく見てみると、顔のような模様が見えます。模様に見えるのは「維管束」と呼ばれる水の通り道です。小さな小人たちがこちらを見ているようでとても可愛いのです。「ほんとや、小人に見える?あっちはどうかな?」といいながら、小人探しを楽しまれていました。

観察の後は、もう一つのテーマである「たき火体験」を行いました。今日は「柴刈り」から挑戦です。乾いた小枝を探しにいきました。

柴刈りの後は、早速たき火です。「あー、マッチっていつから触ってないかな?ちゃんとすれるかなぁ?」と、ドキドキしながら挑戦!でも、皆さん、着々と火がつき、どんどん火を大きくされていました。

今日はお昼をすぎても寒かったので、たき火はとても温まりましたね。

全員、たき火ができ、炭を入れたところで、おやつの準備です。朝、用意した串にウインナーをさして、ロールパンを作ります。「生地がやわらかくて気持ちいい~」といいながら、クルクルロールパンを作りました。

その後、温かい火を囲みながらロールパンを焼いていきました。1人1人巻き方が違うので、焼きあがっていくうちに形が変わっていくのも面白かったです。
いろんなお話をしながら楽しいひと時でした。

そして、待つこと約15分。じっくり、こんがり、美味しそうに焼けました!自然の恵みに感謝‼

ドリップコーヒーも入れて、みんなで試食です。

最後は火を囲んで振り返りをしました。
・竹は思っていたより硬かったけど、貴重な体験ができました。
・たくさん褒めてもらえて嬉しかった!(たき火、小刀、とてもお上手でした‼)
・流行っているソロキャンプもいいなぁ。たき火台が欲しくなりました。
・たき火は普段中々できない体験なので、去年に引き続き参加して良かったです。
・子どものころにたくさん来ていた森には、大人になってから来てみても楽しかったです。冬芽などの森の観察も楽しかったです。
・キャンプに行くと火熾しはパパの担当だったけど、今日のたき火で自身がついたので、私も火熾し担当ができそう⁈と思いました。
などのご感想をいただきました。

森に来ていただくこと、そして、森を活用すること。このことは、森を守るためには必要です。
ですが、何よりも森に来て「楽しい」体験をしていただくことが大切だと思っています。
今日、ご参加のみなさまには、楽しい時間を森でお過ごしいただけたようで本当に良かったなと思いました。
ご参加いただきまして、ありがとうございました!
春の森もすぐ近くまで来ていますね。生命力あふれる春の森は、とても素敵です。また、いつでも森にお越しくださいね。お待ちしております。

次回の大人の森あそびは、3月25日(土)「春の森あるき&苔のテラリウムづくり」です。まだ、定員に空きがございますので、興味のある方はぜひともご参加ください!よろしくお願いいたします。  くまき

 

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