里山保全活動団体「遊林会」


第9回 大人の森あそび

2023.11.05

3連休の最終日は、河辺いきものの森で「第9回大人の森あそび」を開催しました。
このイベントは東近江市のエコツーリズム(http://higashiomi-ecotourism.blog.jp/ )の一環として取り組んでいます。
今回は「秋の森あるき&花炭をつくろう!」がテーマです。
午前は秋の森を歩きながら花炭の材料あつめ、午後からは出来上がった花炭でオブジェをつくりました。
今回は10名の参加者の皆さまがご参加くださいました。初参加の方の中には、「スマイルネット(ケーブルTV)で森あそびの紹介をされていたのを見て来ました!」と言ってくださる方もおられました。

▼センター前でこの森のドングリの木の種類を説明をしていたら、アキグミの実を食べるためにエナガの群れがやってきました。私たちにとっては、近くで可愛いエナガを見ることができてラッキーでした!

▼河辺いきものの森は、生きている植物やいきものの採集は禁止されているのですが、今日は花炭をつくるため、少しだけ葉をいただくことにしました。花炭はだいたいどんなものでもできるようですが、実際は焼いてみないと分かりません。常緑樹の葉や木の実など、少し固めのものの方が花炭になった後も壊れにくいのですが、どんなものがいいかなぁと森のあちこちを探しました。「気づいたら、上も見ずに下ばっかりみてたわ~。」と言いながら、皆さんあちこち探されておられました。自然をじっくり見てくださるこの時間が個人的には好きな時間でした♪

▼ヤブツバキの木に綺麗に弾けた実を発見。少しいただきました。ヤブツバキの実を割ると中からツバキオイルが出てきます。「手カサカサやし、ちょっと塗っておこかなぁ」と天然のツバキオイルを塗られている様子も楽しそうでした♪

▼どの葉がいいかなぁと見ていたら、直径1㎜くらいのカタツムリの赤ちゃんを発見。「赤ちゃんの時から殻ってあるんやねぇ!小さいねぇ。」と観察されていました。

▼約1時間の森あるきは時間が足りないほど。。色んなものを見つけながら楽しい森あるきでした。帰ってきた後は、花炭を焼く準備に取り掛かりました。まずは、ブリキ缶の蓋にキリで穴を空けます。

▼木の実や木の葉を缶に詰めていきます。詰めすぎると炭化できないので、あまり詰めすぎないようにするのが上手く焼くコツです。どれにしようか迷いながら、丁寧に詰めてくださいました。

▼その後は3グループに分かれて火を熾し、缶を網の上にのせます。方法は炭を焼く原理と同じで、蒸し焼き状態にして、二酸化炭素、一酸化炭素、水素がガスになって揮発し、炭化していきます。

▼折鶴も花炭にできると聞いたので、実験してみることにしました。さて、どうなるのでしょうか。。

▼キリで開けた穴から白い煙が出てきているのは、上手くいっている証拠です。中々、火加減の調整が難しく、蒸気で蓋が浮いてくるので、石を置いて調整してみたり、片時も目が離せませんでした。

▼火にかけてから35分。きっと上手く焼けているはず!と信じて、一旦お昼休憩にしました。今回は、森らしくメスティンで「栗ご飯」を炊きました。栗は「甘栗」を代用してみたのですが、皆さん「美味しいよ!」「炊きたてご飯、嬉しい!」とおっしゃってくださっていて、私たちも嬉しかったです。

▼お昼ご飯の後は、いよいよ花炭の仕上がりを確認です。ドキドキの瞬間、みんなで蓋を開けると真っ黒に変化した花炭が出来上がっていました!「わぁ!できてる」と嬉しそうな声があちこちで聞こえていました。

▼葉も実もパリパリになっているので、ピンセットを使って丁寧に出していきました。

▼出来上がった花炭は黒光りしていて、本当に綺麗でした☆

▼折鶴は形が崩れて上手く焼けていませんでした。残念。。紙は難しいことがよく分かりました。。

▼出来上がった花炭とドライフラワーを合わせてオブジェも作っていただきました。日本では古くから炭が利用されており、炭文化を広めたのは茶道だと言われています。花炭は「飾り炭」といい、500年の歴史があります。花炭は茶道の世界では湯を沸かす炭と同じように使用され、優雅で高貴なものとして重宝されていたそうです美しく文化のある花炭を、また脱臭効果や気の浄化などの効果もありますので、お部屋や玄関などに飾ってお楽しみいただければ嬉しいなと思います。皆さんの作品を一部ご紹介いたします。

▼最後は栗風味の紅茶と栗最中でお茶タイムをしながら、今日一日の振り返りをしました。

・火加減が難しかったけれど、なんとか花炭ができて良かったです
・中が見えないので、怖かったけど上手く作れて良かったです
・蓋を開けた時、花炭が出来ているのを見て感動しました!
・森あるきがすごく気持ちがよく、近場にこんな素敵な場所があるんだなと思いました。
・思っている以上にたき火が楽しかった!
・道端の草や木が綺麗な花炭に変化することに感動しました
・これを焼いたらどうなるかな?と想像することが楽しかった
などの、ご感想をいただきました。

私たちも「花炭つくり」は初企画でちゃんとできるか心配もありましたが、ドキドキしながらの体験はやっぱりいいですね!
大人になっても「遊び・学び・感動」を大切にしたいなと思った一日でした。
この後、秋が深まると森の色も変わってきます。虫の変わりに野鳥の声もたくさん聞こえてきます。冬へとむかう森もとても素敵なので、また遊びに来ていただければ幸いです。
ご参加いただきました皆様、今日も本当にありがとうございました。
また、お会いできることを楽しみにしております!

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