里山保全活動団体「遊林会」


大阪自然史博物館・友の会の皆さまが来訪されました

2023.12.04

昨日は大阪市立自然史博物館・友の会の行事で34名の会員の皆さまが河辺いきものの森にお越しくださいました。コロナ前は合宿型の観察会を開催されておられたとのことで、今年はその代替えとして夏と冬の2日間に分けて開催され、夏は生き物観察、冬は里山保全の体験をしていただきました。

この企画は学芸員の横川さんと評議員の井上さんがいつか河辺いきものの森で開催しようと10年越しで温めておられたものです。コロナ禍もありましたが、私たち団体にとっては返ってよい機会を与えていただく事業となりました。

▼大阪自然史博物館・友の会の評議員の皆さま

▼遊林会は25年間続けている保全活動の経緯と活動内容、活用としての環境学習の事例を紹介させていただき、保全活動だけでなく環境学習を並行して行うことで河辺いきものの森が循環していることをお伝えしました。

▼オリエンテーションの後は、午後からの保全活動場所の下見をしながら森の観察会です。午後からは焼き芋も焼くため、朝からファイヤーサークルに火を焚いて灰を温めます。皆さまにも薪をくべていただきました。

▼サルオ周辺で早速、アカネズミの巣穴を見つけて教えてくださいました。いつもよく通る場所にあったのに全く知らなくてビックリ!

▼こちらは、サトクダマキモドキの産卵痕を見つけてくださった時の写真。細枝をハサミで割ると、中にはびっしりと卵が入っていました!

▼「こういう建物の隙間や風のあたりにくいところは虫たちの冬越しにぴったりなんですよ。」と教えてくださったところには、こんなところに!と思うような隙間にカマキリ(チョウセンカマキリ)の卵を見つけてくださいました。

▼穴の中には泥バチの巣がありました。

▼横川学芸員は保全活動場所と作業内容の他に、植物に関する観察会も同時に行ってくださいました。どのお話も面白く聞き逃さないように、私は耳をダンボにしていました。

▼120年に一度咲くと言われるハチクの花が河辺いきものの森でも開花したのですが、今日はなかなか見ることができない種の姿を教えていただくことができました。1時間40分の下見と観察会は時間が足りないほど。道中の会員の皆さまとの会話も楽しくてあっという間の時間でした。

▼午後からは焼き芋の準備をして、ファイヤーサークルに投入。熱くした灰の中で約1時間じっくり焼きます。焼き芋もコロナ禍になってからは中止していたので、大量に焼くのは4年振り。皆さま、楽しみにされていたのでややプレッシャーでした。。笑

▼焼き芋投入の後は、保全活動の開始です。今回は、竹伐り隊、柴刈り隊、落ち葉かき隊、常緑樹刈り隊の4つの隊に分かれて開始です。
遊林会のスタッフの他に井田代表理事やボランティアメンバーにも応援に入ってもらい、隊のリーダーをお願いしてそれぞれの場所に移動しました。

▼常緑樹刈り隊はモチツツジ周辺のアラカシ、アオキの伐採です。アオキは枝が地面につくだけでも発根してどんどん増えるので、できるだけ抜いていただきました。抜いたアオキですぐに始まる観察会☆横川学芸員さすがです!

▼根がしっかり張っているアオキ。「ちょっと手伝って~」とお父さんがいうと、「分かった~」とお子さんたち。「うんとこしょ、どっこいしょ!」とリアル‟大きなカブ”(絵本)の世界で、ほっこり素敵な一コマでした。

▼落ち葉かき隊は林床を明るくして花が咲きやすくするために落ち葉をかきました。皆さまのすごい頑張りで茶色だった地面が緑色に変わるほど!

▼落ち葉の下に希少種のクチナシグサを見つけました。光が当たるようになったのですくすく育つと思います。

▼道具の隙間で冬越しをしかけていたヤモリを見つけました。

▼落ち葉かきのお楽しみは落ち葉のトランポリン♪今日はフワフワすぎて、トランポリンよりも落ち葉のプールでした。

▼before

▼after

▼竹伐り隊は数本伐れたらいいかなと思っていたら約1時間で10本もの竹を伐ってくださいました。柴刈り隊も良質の柴をたくさんとってくださったので、この冬はたき火の時に困ることがなさそうです。皆さん、森を守っていただきまして、ありがとうございました。
活動の後はお楽しみの焼き芋☆じっくり焼けたのでトロトロの焼き芋に仕上がっていました。皆さんの「美味しい~♡」と、とろけるお顔が嬉しかったです。

▼いつも遊林会の保全活動の終わりには報告会を行っているので、同じようにそれぞれの隊の報告をしていただきました。
・のこぎりを使って木や竹を伐ることは、とても達成感があった。
・柴刈りがくせになりそう
・楽しかった
・落ち葉にもぐるのが楽しかった
など、楽しみながら保全活動をしていただけたことをお聞きでき、とても嬉しかったです。
友の会では、常時観察会は行っていますが、実際に自然を守る活動をしていないので、今回の取り組みは非常に良い体験になりましたと最後のあいさつで横川学芸員がおっしゃってくださっていました。

▼最後はネイチャーセンター前で集合写真を撮りました。

友の会の皆さんは本当に自然が大好きな方たちが集まっておられ、「この森は楽しいねぇ。3日ぐらいいたいねぇ~」などと、お話してくださいました。初めましての方も出会って2回目の方もおられましたが、私も皆さんともっと一緒に活動したいな、森を歩きたいなと思いました。森が皆さんとの距離をぐっと縮めてくれたのだと思います。
遊林会は「人と自然、人と人をつなげること そして、自然とのふれあいを通して豊かな心を育むこと」をミッションにしていますが、今回の事業を行い、森を真ん中にして人と人、人と自然がつながることの素晴らしさを感じました。
今回は遠方からお越しいただき、本当にありがとうございました。
とても素敵な一日でした♪少し遠いですが、またいらしていただければ嬉しいです。

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