里山保全活動団体「遊林会」


保全活動1000回記念イベントを開催しました!

2025.02.11

2月8日(土)は遊林会の保全活動でした。そして、この日は河辺いきものの森が2002年3月に開館してから数えて、ちょうど1000回目の活動日でした。それをを記念して、「遊林会の保全活動1000回記念イベント」を開催いたしました。これまで保全活動にご参加いただいた皆様を中心にご案内させていただいたところ、当初は100名を超える参加ご希望をいただきました。ですが、前日はこの冬一番の大寒波到来。想像以上の大雪で残念ながらご参加いただけない方もおられましたが、当日は総勢74名での記念イベントとなりました。
午前中は保全活動を予定しておりましたが、雪のため中止し、11時30分からの開催セレモニーからはじまり、昼食、遊林会の1000回の活動の軌跡をたどった動画鑑賞と河辺いきものの森の丸橋所長による講演会を行いました。

▼こんな天気だし雪かき手伝うよ~と早くから来てくださり、まずは全員で雪かきから。明け方から振りかけた雪はふわふわのかき氷のようでした。皆さん手伝ってくださったので、雪かきが早く終わり大助かりでした!

▼かいても、かいても積もる雪……。

▼天気予報通りの極寒。火を見てるだけで温かく感じました。

▼雪かきの後の一服。「みなさん、一服しましょうよ」とKくんがコーナー豆を挽いてコーヒーを入れてくれました。なんて気が利く計らい☆美味しかった!ありがとうございました!

▼こちらは、親子で雪だるま作り。立派なウェルカム雪だるまになりました。ありがとうございます!
 

▼こちらは、食事班。今回の昼食は、コロナ禍でストップしていた炊きだしを久しぶりに行いました。食事班担当にはボランティアメンバー、スタッフの他に、食事班で大活躍してくださっていた初代・山番のご夫妻もお手伝いに入ってくださいました。45Lの寸胴鍋で約100人前の豚汁作り。野菜もご自宅で栽培されたものをふんだんにご用意してくださり、冬野菜たっぷりのめちゃくちゃおいしい~!豚汁が出来上がりました。

▼今回はお楽しみもたくさん。ボランティアのYさんからはありがとうメッセージ入りのチョコレートの差し入れ、市内在住の日本画家の垣見真由美さんからは1000回記念のためにポストカードをこの日のためにご準備して参加者全員にプレゼントしてくださいました。遊林会からは、今は亡き陶芸作家のMさんからご寄付いただいた焼き物(コップ、お茶碗、お皿を昔は食事の時に使わせていただいていました)を欲しい方にお持ち帰りいただきました。焼き物コーナーはバザーみたいに賑わっていました。ポストカードをお家に飾っていただいたり、コップをお家で使っていただいたり、森を思い出してもらえますと嬉しいです。

▼開催セレモニーでは、1000回記念イベントのために制作してくださったメッセージボードをお披露目しました。小学校に上がる前から家族で保全活動に参加してくれたいたMちゃん。幼い頃から絵を描くことが大好きで、高校生の時には春休み前になると毎年クイズラリー用のボードを制作してくださっていました。東京の大学を出た後は、東京で制作活動をして生活をされているのですが、「お世話になった森のために恩返しをしたい」と言ってこの日のために帰省し、2/6~2/7と2日間かけて大作を完成させてくださいました。「大変やったやろ?」と聞くと「いやぁ、全然。楽しかったぁ~!」と満面の笑み。Mちゃんの森と遊林会を愛する想いが伝わってきました。ボードの背景の手形のスタンプは1/22の保全活動時にボランティアの皆さんにご協力いただきました。手形はたくさんの人の手が入っている森を表していて、そこにMちゃんの森の絵が融合。

絵にはMちゃんのこんな思いが込められていました。「遊林会が未来に羽ばたいて欲しいの願いが一つ。そして、かわべぇには人間じゃない視点でのいきもりの今までとこれからを見守っててほしいなあと。遊林会はもちろん人の手による森との関わり合いの形ですが、森の中にはコゲラとかカブトムシとかいろいろないきものがいて、人間も含めていきもの達が循環する中で、かわべぇはいきもりのキャラクターとしてずっと森を見続けてくれてるんじゃないかと。人の手で紡がれた森や葉を遥か上から見てくれる構図として飛んでるかわべぇを配置しました!」とのこと。
「河辺いきものの森との想い出」をテーマに約120名の方の心温まる森の想い出で紡がれたメッセージボードはネイチャーセンターでしばらく展示しておりますので、ご来館の際にご覧いただけますと幸いです。

▼森で育った子たちもメッセージを書いてくれました。

▼そして、全員で集合写真。良い記念になりました。

▼寒い中での配膳、ありがとうございました。極寒だったので、温かい豚汁で体も心もぽかぽかに。本当に美味しいので「もう一杯食べていい?」とあちこちで聞こえていました。中には3杯も食べてくれた子も!嬉しい☆遊林会の醍醐味である食事。皆さんとの久しぶりの昼食タイム。楽しかったです♪食事班の皆さん、美味しい豚汁を作ってくださって本当にありがとうございました。ご馳走様でした‼

▼レクチャールームの窓際では、真っ白な銀世界を見ながらのランチ。雪のお陰で素敵なカフェになりました。

▼昼食後、井田代表理事からのあいさつの後は、遊林会の26年間の軌跡を辿った動画鑑賞を行いました。

▼NHKの番組・プロジェクトXにちなんだ「プロジェクトY」はスタッフの山北の目利きによる抜群の写真選別と総監督、青木が動画制作兼プロデューサーで取り組んだ最高傑作‼動画が始まると場内のあちこちから「これ、本家か⁈」と、どよめきが起きました。また、1000回に及ぶ数々の活動、共に歩んで来られた方々やご苦労もあれば楽しかった思い出は数知れず。これまでの道のりを思い出し涙する方もおられました。遊林会の歴史をとても上手くまとめてあるので、ぜひ多くの皆さまにご覧いただきたいのですが、著作権の関係もあり、残念ながらYouTubeやSNSに上げることができせん。。もう一度観たい!との声が多いので、今後の保全活動時にご覧いただけるようにしたいと思っております。どうぞお楽しみに♪

▼動画鑑賞の後は、河辺いきものの森の丸橋所長による講演会でした。「未来に豊かな里山をつなげるために」というテーマで大人向けにご講演いただきました。環境を守ることは、足元の自然を守ることの大切さを知り、自ら関わる仕組み作りが必要だと気付いたことをきっかけに遊林会の活動、市の職員を通して所長が取り組んで来られたことを元にご講演くださいました。東近江市には他の市町村にはない、森里川湖の豊かな自然があります。それらを活かした環境学習施設としてのこれからの河辺いきものの森の役割、また、他の環境学習施設やエコツアー、里山保育、漁協、企業、大学との連携がよりよい環境学習につながること、これからの未来に向けて遊林会の活動への課題や熱い想いを込めてお話くださいました。

▼ご講演の後は、4~5人グループに分かれて、スタッフが進行役に入り振り返りの時間を取りました。振り返りのテーマは3つ。
①自己紹介と保全活動に参加したきっかけ
②活動の中で想い出に残っていること
③講演会を聞いて未来に豊かな里山をつなげるためにできそうだと思うこと。または関心を持ったこと
15分の予定でしたが、思い出話も含めて盛りあがり25分に延長したほど。これから取り組めそうな事や課題、つながりやきっかけづくりが未来につながる事など、短時間でしたが、みんなで未来を語り合えるとても良い時間になりました。
そして、やはり大切にしたいのは子どもたちだと言う話が多く出ました。参加者さんのお子さんが小さい時、「こんな小さい子を活動に連れてきてもいいのかな?」と思った時に、「子どもがいてくれる事が大事なんや。自分らがいなくなった時にその子どもらが今度は自分らがやろうと思って帰ってきてくれる。だから、子どもを大事に育てんとあかんのや」と、年配の皆さんがおっしゃっておられたそうです。参加してくれていた17歳の学生さんは、「3歳~4歳の頃、母と森に来た事が自然とつながるきっかけになった。今、周りで自然に興味を持っている同級生が少ないと感じる。小さい頃から自然に触れる体験や機会がないと、突然興味を持つことは難しそう。だからこそ、小さい頃からの自然体験が大切と思う」と話してくれていたそうで、森で育った子どもの声が直接聞けたことも貴重な時間でした。

▼そんな振り返りの時間、窓の外では幼少期から森に来てくれていた子たちが大きなかまくら作りを楽しんでいました。みんな中学生、高校生、大学生と大きくなり、中々会えないので、今日はまるで同窓会。雪が無くても何でも自然の中から面白いもの見つけ楽しめる子たちですが、とにかく滅茶苦茶楽しそう(笑)この雪は、もしかしたら森の神様からのプレゼントだったのかなと思いました。また一つ、森で仲間とすごした楽しい思い出が心に残ってくれたら嬉しいです。

なんで、またこの日に限って大雪なん。。。と少し気落ちしましたが、雪だったから心に残る一日で良かったのかな。あちこちで再会を喜び、語り合い、笑い合い。皆さまにとって、やっぱり森は楽しかったと思っていただけた一日であれば幸いです。記念すべき善き日を皆さまと共に過ごすことができ、本当に嬉しい思いでいっぱいです。
 

最後になりましたが、丸橋所長には公務ご多忙の中、ご準備をしていただき、遊林会のために大変貴重なご講演をしていただきましたこと、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。たくさんの気付きと学び、講演後にはそれぞれの気持ちも共有でき、大変良い時間になりました。本当にありがとうございました。
この森で、人と自然、人と人がつながり、お互いを思いやる温かな気持ちが育まれてきたこと、想いを引き継いできたことが、1000回の保全活動につながっているのだと思っています。遊林会は「人と自然、人と人をつなぐ森づくり」をミッションに皆さまと共に活動してきましたが1000回を迎え、このミッションを達成できていることを実感しております。
森で体験したこと、感じたことを日常生活の中で活かしてくださっていることを知ることができましたし、何よりもこんなにたくさんの方に遊林会は支えていただいているのだと実感し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
自然のために、そして未来を担う子どもたちのために、これからもまたこつこつと皆さまと共に保全活動を続けていきたいと思っております。

また、早くから来て雪かきを手伝ってくださった方々、受付や配膳、集合の声掛けや片付けを最後まで手伝ってくださった方々など、皆さんが自主的に手伝ってくださったお陰で保全活動1000回記念イベントを大成功で終了することができました。みんなで協力し、作りあげることが遊林会なんだと学ばせていただくこともできました。
この度は足元の悪い中、ご参加いただきまして、本当にありがとうございました。今後とも、末永く遊林会をよろしくお願いいたします。

最後にスタッフ一押しの一枚をご紹介。
小さな頃から何度となく森に遊びに来ていたAくん。参加していた元スタッフが帰る際、子ども2人それぞれに「また来てね~!」と手をにぎり優しい眼差しで声をかけてくれていました。すっかりお兄ちゃんになったAくん、小さな子に優しく接してくれている姿に大きくなったなぁと成長を感じて私たちスタッフも温かい気持ちになりました。何気ない一瞬なのですが、それはこれまでの彼らの温かな心のやり取りがあったからこそ時を経て生まれた一瞬でした。優しく温かい社会は、人と自然、人と人がつながること、そして時間をかけて育まれていく事を彼らを見て改めて気付かせていただきました。やっぱり森は大切な事を教えてくれます。そんな瞬間でした。

それでは、次回、1001回目の活動は2月20日(木)です。保全活動はどなたでもご参加できます。

一緒に森を守っていきましょう。皆さまのご参加をお待ちしております!

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