
保全活動日(河辺いきものの森)
2025.06.14
今日は天気予報通り、朝から雨の一日でした。
そんな中、午前中の森の保全の定例活動日には14人の方がご参加くださり、スタッフを合わせ19人での活動になりました。
▼第2土曜日は恒例の観察会から始まります。今回のテーマは「虫こぶ」。森の中で目立つ存在ではありませんが夏前になるとあちこちで見られ、「葉っぱにあるこれは何ですか?」とよく聞かれます。タマバエやタマバチ、キジラミやアブラムシなどが産卵のために葉っぱを噛んだり、刺したりするとだ液や分泌液により葉っぱにこぶやイボのような形のものができます。これが「虫こぶ」なのですが、小さないきものたちのシェルターになり、食べものになり、棲みかに変わります。
▼解説の後は、森に虫こぶを探しにいきました。これは、ケヤキの葉につく虫コブです。
▼クヌギの枝には丸い虫こぶが。手に取ってよく見ると、小さな穴が空いていました。去年できた虫こぶなので、もう大人になって出ていったようでした。
▼ムラサキシキブの花は満開を迎えています。近くに寄ると甘~い香りがしました。
▼カマツカの葉っぱを観察すると、葉っぱの後ろにポコッとした虫こぶがついていました。
▼ヨモギの葉っぱにはふわふわした虫こぶがついていて、「あらぁ~思ったより小さい。じゃあ、この中に入っている虫はどれだけ小さいんだろう?」と親子で話しておられました。
▼足元を観察していると、オオカマキリの赤ちゃんが見つかりました。
▼小さくて可愛かったですね~♡
「虫こぶの虫は決まってるの?」という質問がありました。虫たちは食べる植物が決まっているものが多いので、その植物がないと生きていけない虫がいます。そのためにも河辺の森は生物多様性を目指して保全活動を続けていますとお答えしたのですが、「そういうことなんだね~」と観察会を通して気付いてくだった方がおられて嬉しいなと思いました。
▼観察会の後は保全活動です。
今日の作業は、
・くさはら広場周辺のセイタカアワダチソウ抜き
・ドングリの実生周辺のササ刈り(手刈り)
でした。
▼こちらは、セイタカアワダチソウ抜き隊のメンバー。一輪車を持って出発です。
▼作業場所でどんな草でどの場所にあるのか確認してから抜いていきました。
▼作業をしているといろんないきものに出会いました。雨の中、羽化をしていたギンヤンマを偶然見つけました。体の色がとても美しかったですね。カナヘビとご対面☆
▼こんなにたくさんのセイタカアワダチソウを抜くことができました!作業メンバーによると雨なので抜きやすかったとの声も聞きましたが、雨の中、本当にありがとうございました!
▼こちらは、ドングリの実生の周りのササを刈っています。周りを刈ってマークをしておくと、草刈り機で間違って刈ってしまうということが無くなります。
▼綺麗に刈ってくださってありがとうございました!これなら、どれを残すかが分かりやすいです。
▼萌芽してきた不要な枝がたくさんあったので伐りました。小学生と中学生の兄弟さんは草刈りガマと剪定ばさみと色んな道具を上手に使いながら頑張ってくれました。
▼作業終了5分前。ミヤコカンアオイの周りのササ刈りを開始!
▼みんなで協力して5分間ですっきり刈ってくださいました。お陰で光りがしっかり当たるようになりました。こちらも、ありがとうございました!
▼作業終了後は使った道具も自分たちでしっかり片付けをしてくれる子どもたち。頼もしい姿です!
保全活動の報告会では、
・雨だったからセイタカアワダチソウが抜きやすかった
・始めはセイタカアワダチソウがどれなのか分からなかったけど、慣れてくると植物の見分けがつくようになった
・作業しながら羽化したてのギンヤンマなど色んないきものに出会えたことが良かった
・道具を使うことが難しかった
・色んな作業ができて楽しかった
などの感想が聞けました。
雨の中の作業は濡れたりするし大変ですが、たくさんの方がご参加くださり、一緒に活動ができとても嬉しかったです。ご協力いただきまして、本当にありがとうございました!
午後からはモリイコ!の一日体験を開催しました。今年度モリイコ!に応募され、抽選で落選されたお子さまを対象にしています。こちらも雨の中での活動でしたが、12人の子どもたちが参加してくださいました。
▼始めは今の森の様子やいきもののお話から。
▼雨が強く降ってきたので、野鳥観察小屋でオオバコズモウをしながらの雨宿り。
▼「あっ、カニがいる!」雨の日は水の中ではなく地面を歩いているサワガニに出あうことがあります。
▼石をどかしてサワガニさがしです。
▼「5匹も見つけたよ~☆」と見せてくれました。
▼今日はしっとり雨の日なので、カタツムリにもい~っぱ出会えました。ウルウルです。
▼雨の森たんけんから帰ってきた後は、隊長たちが捕まえておいたいきものつかみを楽しみました。これは大人気のカナヘビ。カナヘビに優しい持ち方を教えてもらいました。
▼こちらは、ダンゴムシとカブトムシの幼虫コーナーです。カブトムシの成虫が見たいからまた夏に来たいと言ってくれている子もいました。立派なカブトムシになって欲しいですね。
▼残念ながら死んでしまったトンボがいたのですが、ルーペを使って観察しました。「死んだらどうなるの?」と聞かれたので、「どうなると思う?」「天国に行く。体はどうなるの?」「他のいきものたちの食べ物に変わるんだよ」「そうなんだぁ」と言うやり取りがありました。いきものの命を通して、自然の循環のお話をさせていただけた瞬間でした。
▼こちらは、ダンゴムシコーナー。ダンゴムシたちがケースの中でレースをしているみたいで面白かったそうです。
▼それを見たスタッフが紙でレーンを作ってくれました。みんな集まってきて、ダンゴムシレースは大盛り上がりでした。
最後の振り返りでは、
・雨だからカタツムリがいっぱいいた
・いきものつかみが楽しかった
・自然のいきものがつかめて楽しかった
・初めていきものに触れて楽しかった
・ダンゴムシレースが楽しかった
などの感想が聞けました。
秋に2回目の一日体験があるのですが、全員、秋も行きたいと言って帰ってくださいました。雨の日は体が濡れたり、気持ちが進まないこともありますが、雨の日だからこその出会いや偶然の発見がありましたね。また、行きたいと思っていただけて、私たちスタッフはとても嬉しいです☆
午前、午後と雨の中の活動で心配していましたが、無事一日を終えることができました。保全活動、イベントにと、たくさんの方が来てくださり森も喜んでいると思います。どんな天気の日も森って面白いんだと気付いてくださった一日でしたら幸いです。ご参加くださってありがとうございました♪
次回の保全活動は6月19日(木)です。ずいぶん気温が上がってきそうですので、ご参加の方は体調にお気をつけてお越しください。よろしくお願いいたします。