里山保全活動団体「遊林会」


モリイコ!第10回目 こなら隊

2023.02.18

今日は、モリイコ!こなら隊10回目、最終回の活動でした。
朝のあいさつをしたら、いつも通りに森へ出発です。


くさはら広場にはマツの木が生えています。
そのマツの葉で葉っぱ相撲をしました。


こちらでは、たくさん落ちたマツボックリを拾って、お気に入りのマツボックリを選びました。
マツボックリを見て、「お花みたい」「ハチの巣の形」「うろこ」などいろんな意見がでてきて、新たな発見になりました。

シェルターの下から「何か見つけたで!」の声が。


たくさんのヘルメットが置かれています。ヘルメットには文字が書かれており、それを並び替えると

「きをきってもりをまもろう」
今日のミッションが出てきました。

「やりたい!」「どの木をきるの?」子どもたちのやりたい気持ちがせっていましたが、一度着席してもらい、「なぜ、木をきることが森を守ることになるのか」を紙芝居で説明しました。


この森は50年ほど前までは人が生活するために、森に入り木をきったり、落ち葉をかいたりしていた場所で明るかったそうです。
しかし、生活で木や落ち葉を使わなくなり、森にも人が入らなくなってだんだんと暗い森へと変わっていきました。
そこで25年前にこの森を、明るくいきものや植物がたくさん住めて、人も集まることができる場所にしようと隊長たちの所属している「遊林会」という団体ができ、保全活動を毎月行い始めました。合い言葉は「木をきって森を守る」。森を暗くしていた常緑樹(一年中葉っぱをつけている木)をきり、地面に光があたるようにしました。竹もたくさん生えていたのでそれもきりました。活動を続けていく中で、もっと多くの人が利用できるように2002年にこの河辺いきものの森としてネイチャーセンターや作業小屋、遊歩道が完成したんです。
河辺いきものの森ができた後も、毎月ボランティアの方と保全活動を行うことで、みんなも知っているように多くのいきものがすんでいて、明るかったり暗かったりいろんな環境の森が維持できています。

「じゃあ、保全活動をしなかったら(木をきらなかったら)森はどうなるのかな?」と質問すると、
「木が育ちすぎて歩けなくなってしまう」、「暗い森になる」、「虫とか動物が森からいなくなっちゃう」、「みんなが困る」という声が。

紙芝居は5分程度の内容なのですが、この森で10回活動している中で、いきものがたくさん住んでいること、暗い場所や明るい場所いろいろな環境がこの森には存在していることを身をもって知っているということもあり、このような答えを返してくれたのかなと思います。

「みんなが言ってくれたような森にしないために、今日は木をきって森をまもってくれますか?」と聞くと「はーい!」


ヘルメットを装着し、みんなで森を守るぞ!「エイエイオー!」

今日は森を暗くしている木をきって、地面やそのそばにある萌芽更新をしているどんぐりの木に光をあてることにしました。
萌芽更新というのは、保全の方法の1つです。ドングリの木をきると切り株から芽が出てきます。種から生えたものより成長が早いため、その芽を育て、15年ほどたつと、伐採し、また芽を育てるというもので、看板に説明が書かれているので見ながら説明を聞きました。今日は4年前に萌芽更新をするためにドングリの木をきったエリアに生えている常緑樹をきりました。


冬に葉っぱがついている木が今日きる常緑樹です。今日は子どもたち同士でチーム分けをし、隊長たちがあらかじめマークをしていた木の中から自分たちがきりたい木を選びました。


まずは木の下に立ち、空を見上げ確かに葉っぱによって少し足下が暗いことを確認しました。
その後、どっち向きに木を倒すのか、木をきっているときに危険な場所はどこか、など説明を聞き直径7センチほどの木を切り倒しました。
子どもたちはみんなノコギリを上手に使っていて感心しました。


切り終わったら森から運び出し、木をばらしていきます。


根元の太い部分は薪ストーブ用の薪に、細い枝の部分は焚き付け用の柴にするため切り分けました。


たくさん切れたよ!このチームはネズミモチという木をきったのですが年輪を数えると20年ほど。光をもとめてななめに生えていました。
一生懸命成長したこの木々たち、決して無駄にはせずよく乾かして薪ストーブで使わせていただきますね。


約1時間ほどの作業で一輪車いっぱいの薪とリヤカーいっぱいの枝葉が集まりました。
みんながきってくれたお陰で森が明るくなりました。周りのドングリの木たちは光が当たるようになって、きっと喜んでいると思います。森を守ってくれて、どうもありがとう!お疲れさまでした!

作業小屋に戻ると「ブイ~~~ンッ!」という音が響いています。

この森はボランティアの方と森の保全をしているのに加え、定期的に森の管理してくれる作業員の方達がおられます。今日はその方達の活動の日でもあり、みんなと同じく木の伐採作業をされていました。チェーンソーの手入れをされている時間にちょうど重なったため、みんな興味津々で見せてもらいました。かっこよかったね。

伐採は力もいっぱい使って疲れた様子でしたが、ご飯を食べて元気もりもりに。

お昼休みは雨が降っていたので、作業小屋やネイチャーセンターの展示室、テントの下で遊んで過ごしていました。


お昼からは、朝にきった細い枝を使い、枝の色鉛筆づくりを行いました。

「本当に書けるの?」「学校に持っていっていいの?」「何本作れるの?」みんな興味がありすぎて質問攻めです。

3センチほどの色芯を枝の中に入れてあるので、きちんと書けます。もちろん書いたら芯が短くなるのでまた削って使ってくださいね。


自分で作りたい色の芯と木の太さを選び、小刀で削っていきます。
小刀は6回目の活動でお箸を作るのに使いました。その時は竹を削りました。
今日は木なので、そのときより堅いはずです。手が痛くなるまでがんばって削っている子もいました。


今日は、木の皮もけずっている子も多かったです。灰色の皮をけずると白くてきれいな幹がでてきて、少しだけ皮を残してその対比を見せたり、2本のうち1つは皮付き、1つは皮なしで作ったりと、子どもたちのオリジナリティあふれる素敵な作品ができあがりました。


工作の時間が終わったら、自分たちから掃除やな!とホウキを取り出して掃いてくれました。ありがとう!

色鉛筆作りの後は、モリイコ!最後のミッション。
内容は「みんなで森たんけんにいこう!」でした。
いつもは隊長がルートを決めていましたが、今回のルートは自由。「ルートはみんなで決めてくれていいよ。ただし、みんなで仲良くたんけんに行くこと!」がルールだよと隊長から聞くと「川に行きたい」「実がいっぱい見つかるところ」「朝に木をきったところ」「野神さん」「葉っぱの笛ができるところ」とたくさんの意見が。


みんなのいきたい場所を地図で確認し、どのように回るかを確認し、制限時間までに帰ってくる約束で出発しました。


ふわふわの苔を見つけました。モリイコ!は5歳児から小学3年生の異年齢の子どもたちが活動しています。こちらが特に声掛けするわけでもなく、お姉さんが小さな子に「すごいふわふわで気持ちいいよ。触ってみる?」と教えてあげます。こういった場面を10回の活動の中で何度も見ることができました。住んでいる場所も学年も違う子どもたちが集まって森で過ごすうちに、こうして絆のようなものが生まれていること、とっても嬉しく思います。


7回目(11月)に食べた「フユイチゴ」がまた食べたい!と探してみましたが、なかなか見つかりません。ちょっと時期が遅いのかもしれませんが、探していると小さなフユイチゴが残っていました。以前にやったこと、いった場所などそういったこともしっかり覚えてくれているのも嬉しいですね。


森の中で枯れた枝についたキノコを発見したので、なんというキノコなのか図鑑を見て調べてみました。
何かな?と知りたいな?と思ったときにすぐに調べることができるのも、少人数で行えるモリイコならではだなぁと思います。

他にも、森のスーパーボールを今日来ている子、全員に渡したい!といって探してくれたり、雨が降ってきたら、傘のない子に傘をさしてあげたりと子どもたちの優しい姿をたくさん見ることができた一日でした。

森たんけんから帰ってきた後は、レクチャールームで1年間のふりかえりをしました。

「覚えてるわ」「あの虫、手にのせたらこしょばかったわ」「足湯気持ちよかった」など、スライドを見ながら次々に子どもたちの呟きが聞こえてきます。
たくさんのことをしましたね。何が一番心に残っているかな?


最後は、隊長から1人1人にフォトフレームをプレゼント。
1年間の活動の中で選びきれないほど素敵な写真がたくさんありましたが、それぞれのとっておきの笑顔や頑張っている姿、お友達との思い出の写真で作りました。気に入っていただければ嬉しいです!


「モリイコ!全部が楽しかった!」と、最後にみんなが言ってくれていましたが、隊長たちも本当に楽しい1年間をすごさせていただきました。
そして、保護者の皆様にはモリイコ!活動の趣旨をご理解いただき、1年間の活動を温かく見守ってくださり、本当にありがとうございました。
当日の送迎、着替えやお弁当などのサポートのお陰で、私たちも安心してお子さまたちの対応をさせていただくことができました。
これからもご家族皆さまで自然の中ですごす時間を大切にしていただけたら幸いです。
モリイコ!の活動を通して、こなら隊の子どもたちの心に未来へつながる希望の芽がたくさん芽生えていますように。。
お子さまの成長をこれからもずっと応援しています。

こなら隊のみんなへ
みんなと出会うことができ、本当に良かったです。また、会えると嬉しいので「隊長~、森にきたよ!」って、いつでも遊び来てくださいね。
隊長みんなで待っています。
それでは、また会う日まで!  1年間、どうもありがとうございました。   隊長一同

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