里山保全活動団体「遊林会」


モリイコ!第10回目 くぬぎ隊

2023.02.04

今日のモリイコ!は10回目、最終回になります。「最終回やけど、どんな気持ちかな?」と聞くと「普通」「もう一回5月(最初)からやりたい」などの意見が。泣いても笑っても今日がくぬぎ隊のメンバーで活動するのは最後になります。

楽しく活動できるよう、モリイコ!のルールを復習し、早速森へ出かけました。


12月に湯気がたっていた池、その時は外気温がかなり冷え込んでいて地下水をくみ上げているため、この池の水が温かく感じたんですが今日はいかに?
「ん~・・・」冷たかったようです。

しかし、今日も朝は冷え込んだので森の中に置いている防水バケツの水がすべて凍っていました。チョップで割れるかな??

「いった~い!!」 結局、地面にたたきつけて割っていました。


1月下旬に降った雪が森にはまだ残っていたので、雪だるまを作ったり、雪でキャッチボールをして遊びました。

雪の上にいきものの足跡や、うさぎのウンチも発見できましたね。


シェルターの下に行くと、何やら文字や数字のかかれたヘルメットが見つかりました。
「あっ、これ数字の順に並べたらミッションになるんちゃう?」
さすがです、もう10回も活動していたら、隊長たちからのメッセージにすぐに気付いてくれました。

ヘルメットを並べて出てきた今日のミッションは「木をきって森を守ろう」でした。

まずは、森を守るためになぜ木を伐るのかを説明しました。
この森は50年ほど前までは人が生活するために、森に入り木をきったり、落ち葉をかいたりしていた場所で明るかったそうです。
しかし、生活で木や落ち葉を使わなくなり、森にも人が入らなくなってだんだんと暗い森へと変わっていきました。
そこで25年前にこの森を、明るくいきものや植物がたくさん住めて、人も集まることができる場所にしようと隊長たちの所属している「遊林会」という団体ができ、保全活動を毎月行い始めました。合い言葉は「木をきって森を守る」。森を暗くしていた常緑樹(一年中葉っぱをつけている木)をきり、地面に光があたるようにしました。竹もたくさん生えていたのでそれもきりました。活動を続けていく中で、もっと多くの人が利用できるように2002年にこの河辺いきものの森としてネイチャーセンターや作業小屋、遊歩道が完成したんです。
河辺いきものの森ができた後も、毎月ボランティアの方と保全活動を行うことで、みんなも知っているように多くのいきものがすんでいて、明るかったり暗かったりいろんな環境の森が維持できています。
「じゃあ、保全活動をしなかったら(木をきらなかったら)森はどうなるのかな?」と質問すると、「また暗くなる」「昔に戻る」、他には「休まずする!(保全活動を)」という声が。

隊長たちの説明の意味がちゃんと伝わっているんだなと嬉しくなりました。

なので、今日は森を暗くしている木をきって、地面やそのそばにある萌芽更新をしているどんぐりの木に光をあてることにしました。

ヘルメットをかぶって、「木をきって森を守るぞ~!」


萌芽更新というのは、保全の方法の1つです。ドングリの木をきると切り株から芽が出てきます。種から生えたものより成長が早いため、その芽を育て、15年ほどたつと、伐採し、また芽を育てるというもので、看板に説明が書かれているので見ながら説明を聞きました。今日は4年前に萌芽更新をするためにドングリの木をきったエリアに生えている常緑樹をきりました。


あらかじめ赤いテープがついた木の中から自分たちがきりたい木を探しました。木が決まったら、隊長から木を倒す方法や、ノコギリの使い方などを教えてもらいました。


直径7~10センチの木を今日は12人で4本きり倒しました。


きれた木は道まで運び出します。これがけっこう重い。みんなで協力して、運び出しました。


道に出したら、まっすぐの部分は45センチにきっていきます。きったものは、乾かして薪ストーブなどに使用します。


年輪を数えていると8歳。「僕と同い年や。」「僕とは違うわ。」自分が生きてきた年数分、この森を見てきた木達。きって終わりではなく、薪にして使わせていただきますからね!


こんな太い薪もできました!

木をきり倒すのは、堅くて思っていたより大変で、また足下が雪だったので寒くて冷たかったと思うのですが、道にだして薪にする作業になったら、「休憩しぃや」と言っても「大丈夫」と黙々とノコギリを動かしていたのが印象的でした。

感想を聞いてみると「楽しかった!」「いっぱいノコギリできったから、めっちゃ暑くなった」などの声があがりました。

とってもよくがんばったので、お腹もぺこぺこです。木をネイチャーセンター前まで運んで来て、枝と薪を分けておろし、使ったのこぎりの手入れまでしっかりできたら、お昼ご飯をいただきました。


お昼休みもそれぞれ今日しか出来ない、雪を使った遊びで楽しみました。

お昼休みが終わったら、お昼からの活動ですが、その前に昨日と今日は隊長の誕生日ということで、子どもたちから歌のプレゼントが♪

歌だけでなく、雪で作ったケーキもプレゼント。サプライズに隊長たちも喜んでくれていました。

お昼からの活動は、午前中きった木の枝を使って工作を行いました。何を作ったかというと「木の鉛筆」です!


木の枝にドリルで穴をあけてもらい、そこに色鉛筆の芯(約3センチ)を入れます。


小刀を使い、木を削って・・・


削れた!!

このあと、ノコギリで自分の好きな長さにきれば完成です。

世界に1本しかないこの鉛筆。
「筆箱に入れられるよう細い木にしよう」「青色が欲しい」「学校で使いたいし黒でつくる」と自分で枝や色を選ぶ子どもたちはとても楽しそうでした。
実際、枝を削り始めると思っていた以上に木が堅くて「できひん!」と根をあげてしまう子もいましたが、隊長からのエールや他のお友だちががんばっている姿をみて、みんな1本以上は完成させることができました。
この鉛筆を使いながら、小刀で削ったことだけでなく、ノコギリできりたおした木のこと、木をきることで森があかるくなったこと、それらも思い出してくれると嬉しいです。

そして今日はもう一つミッションがありました。
モリイコ!最後のミッションは「森たんけん」。いつもは隊長たちがルートを決めているのですが、最後はみんなで相談して好きなところにいっても良いというルールです。

「水辺にいきたい」「ぽぽハウスにのぼりたい」「林冠トレイルにのぼりたい」「お墓参りしたい!?」など様々な意見がでました。

地図を見ながら、いきたい場所へみんなで向かいました。今日の目的地は水辺の林。

地図は持ってはいますが、だいたいの道がもう頭の中に入っている子ばっかり。こっちいこう!とダッシュで進んで行きます。


目的地の水辺では、川をはさんだ雪合戦。それはそれは盛り上がりました。終わった後はほっぺを真っ赤にし「はぁ~めっちゃ遊んだ」「暑い、暑い」と息があがりながら作業小屋へと帰りました。最後のミッションも思いっきり楽しんでくれたようです。

いつもであれば、これで挨拶をして終了になるのですが、今回は最終回なので15時からはお家の方にもきていただき、1年のふりかえりを行いました。

スライドを使って、1年間どんなことをしてきたのかをふりかえったのですが、写真を見ながら「これしたした!」「覚えてる!」「楽しかったやつ」など活動を思い出してくれました。

みんなはどの活動が特に楽しかったですか?今日はみんなの意見を聞くことができなかったので、ぜひアンケートで隊長たちに教えてくださいね。


最後はノートの返却です。そしてモリイコ!でのみんなの素敵な顔を集めたフォトフレームを、隊長からプレゼントしました。
みんな同じ写真かと思いきや、一人一人違うので、「全部の写真に僕がうつっている!」と喜んでくれました。
載せきれなかったほど、とっても素敵な顔を隊長たちに見せてくれました。がんばっている姿に悔しい姿、喜ぶ姿などモリイコ!でたくさん経験したと思います。その経験がこれからのみんなの生活の中で活かされていくことをとっても楽しみにしています。

最後になりますが、保護者の皆様には送迎やお弁当など、たくさんのご協力をいただき誠にありがとうございました。
ふりかえりの後半でアナウンスさせて頂きましたが、ご家族で保全活動などにも参加していただけると大変嬉しく思います。
また、アンケートのご回答にもご協力いただけると助かります。いただいた回答は、来年度へつなげさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。

河辺いきものの森は24時間365日いつでも空いていますが、ネイチャーセンターは月曜日と祝日の翌日が休館日となっています。
また森に遊びに来てくれたら、隊長一同喜びますのでぜひ遊びに来てくださいね。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。モリイコ!くぬぎ隊のみなさん1年間どうもありがとうございました。 隊長一同

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