里山保全活動団体「遊林会」


モリイコ!第10回目あらかし隊

2023.02.23

今日は、モリイコ!あらかし隊の10回目最終回でした。

早速森たんけんに出発です。21日火曜日に降った雪が積もっていたので、子どもたちは大はしゃぎ!
雪のウサギを作ったりして、遊んでいました。森を進むと木の高い所に大きな節が。雪玉の的当てが始まりました。

この時期は、ツバキの花が咲いているのですが、花の終わり頃なのか、雪の重みで落ちたのか、たくさんの森に落ちていました。それを拾って、森の守り神さんの耳飾りにしていました。

くさはら広場をたんけんしていると、なにやらシェルターから声が。「ここにヘルメットあるで!」
みんなでシェルターの下に集まってみると、たくさんのヘルメットが!?

さらに、そのヘルメットには1文字ずつ書かれていました。それを、並び替えると・・・、

「きを きって もりを まもろう」の、ミッションが出現しました。
「木を きったら、あかんのちゃう?」などのコメントが。

なぜ、木を伐ることが、森を守ることにつながるのかを紙芝居で説明しました。
この森は、50年ほど前までは、人が生活するために森に入り、木を伐ったり、落ち葉かきをしていた場所で、明るかったそうです。
しかし、日常生活で、木や落ち葉を使わなくなり、森に人が入らなくなることで、だんだんと暗い森へと変わっていきました。
そこで、25年前に、この森を、明るく、いきものや植物がたくさん棲め、人も集まることのできる場所にしようと、保全活動を毎月行い始めました。その時の活動団体が、隊長たちの所属している「遊林会」。また、その時の活動の合い言葉が、「木を伐って森を守ろう」です。
地面に光があたるように、森を暗くしていた常緑樹(一年中葉っぱをつけている木)や、竹を、たくさん伐りました。保全活動を続けていく中で、もっと多くの人が利用できるようにと、2002年に、この「河辺いきものの森」として、ネイチャーセンターや作業小屋、遊歩道が完成しました。
河辺いきものの森ができた後も、毎月ボランティアの方と保全活動を行うことで、みんなも知っているように、明るい場所や暗い場所など色々な環境が維持され、多くのいきものが棲むことが、できています。
「じゃあ、保全活動をしなかったら(木をきらなかったら)森はどうなるのかな?」と質問すると、「前と同じ暗い森に、また戻ってしまう」、「河辺いきものの森じゃなくなっちゃう」と答えてくれました。1年間、この森で多くの体験をしてきた中で、子どもたちが、この森を大切にしたいと思ってくれたのが、嬉しかったです。

そこで、「木を伐って森を守ってくれるかな?」と聞くと、みんな手を挙げてくれました。

女の子だけでの集合写真。

後から男の子も集合。

木を伐る場所に向かっていると、一人の子が、「ウサギいる!」
隊長も正直半信半疑で、本当かな~?と思っていると、
なんと!なんと!
本当に野生のノウサギが、みんなの前を横切って行きました!!

隊長は、この森で今まで1回しか野生のノウサギを見たことがないのですが、そんな、とても貴重な体験を、あらかし隊のみんなが出来て良かったです!
みんなの森を守りたいという気持ちがウサギさんに伝わって、みんなの保全活動の様子を見に来てくれたのかな?

そして、萌芽更新(木を伐って、森を若返らせている)の場所で、森を暗くしていまう常緑樹(一年中葉がある木)の伐採をしました。
自分たちで相談して、2班に分かれました。伐採する木を、予め隊長がマークした木から、班で相談して選びました。

伐採する前に、木はどっちに倒れる確認し安全な場所にいること、木の伐り方、ノコギリの使い方を隊長に教えてもらってから伐りました。初めは、「堅いな~」と言って苦戦していた子も、何回か伐ってみると、コツをつかんだようで、ノコギリからギコギコと良い音を出しながら伐っていました。

みんなのおかげで、伐った場所が明るくなりました。

ここで、ちびっ子カメラマンが登場!みんなの作業のベストショットを撮ってくれました!

木を伐り倒したら終わりではありません。伐り倒した木を上手に利用することまでが、保全活動です。伐り倒した大きな木をみんなで協力して、作業小屋の前まで、持って帰りました。

一休みしてから、2人1組に分かれて、持って帰って来た木を、太い部分は、薪にするために、薪ストーブの長さ(ノコギリの長さがちょうど同じです)に伐りました。

細い部分は、焚き付け用の柴に活用させていただきます。

 

お昼ご飯を食べて体力を回復した後は、伐った木の細い枝の部分を使って色えんぴつ作りをしました。
①芯の色と、枝を選ぶ

②穴を開けて、芯を入れる

③小刀を使って、芯がでるように削る

竹のお箸作りで小刀を使ったのですが、使い方を、しっかり覚えていてくれていました。

④自分の好きな長さに切る

長いものや短いもの、太いもの、曲がっているものなど、世界に1つだけの素敵な色えんぴつが出来ました。

 

そして、モリイコ!最後のミッション。「みんなで、森たんけんに行こう!」です。
これまでの森たんけんは隊長が行き先を決めていましたが、最後のの森たんけんは、どこに行くのか、どのルートを通るのか、みんなで相談して、決めました。
「ハリヨ池行きたい」「水辺の林行きたい」「屋外トイレは、トイレに行きたくなったら行こう」「カブトムシのベットは、時間があったら」「順番どうする?」などなど。一人だけで無く、色々な子が意見を出し合っているのが、良かったです。

3回目の活動で、川のいきものつかみで入った池も、今日は冷たかったようです。それでも元気に魚は泳いでいました。

9回目の活動で、雪が積もった時に、水辺の林で雪を固めて水切りをしたのが思い出に残っていたようで、今日もみんなで挑戦していました。

青木隊長はなんと、反対岸まで行きました!

気がつくと、青木隊長が小さくなっていました・・・。

みんな、最後の最後まで、この森での活動を楽しんでいました。

 

さて、森から帰ってきたら、1年間のふりかえりをしました。

「カレー美味しかった!」「隊長と雪合戦した!」「ウサギ見れた!」など、色々なコメントがありました。

そして、モリイコ!の1年間を通して撮り貯めた写真の中から、厳選した写真をフォトフレームとしてプレゼントさせていただきました。

保護者の皆さまには、モリイコ!活動の趣旨をご理解いただき、1年間の活動を温かく見守ってくださり、本当にありがとうございました。
当日の送迎、着替えやお弁当などのサポートのお陰で、私たちも安心してお子さまたちの対応をさせていただくことができました。
これからもご家族皆さまで自然の中ですごす時間を大切にしていただけたら幸いです。
モリイコ!の活動を通して、あらかし隊の子どもたちの心に未来へつながる希望の芽がたくさん芽生えていますように。
お子さまの成長をこれからもずっと応援しています。

あらかし隊のみんなへ
みんなと出会うことができ、本当に良かったです。また、会えると嬉しいので「隊長~、森にきたよ!」って、いつでも遊び来てくださいね。
隊長みんなで待っています。
それでは、また会う日まで!  1年間、どうもありがとうございました。 隊長一同

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