里山保全活動団体「遊林会」


モリイコ!第10回目ならがしわ隊

2023.02.19

今日はモリイコ!ならがしわ隊の10回目。いよいよ最終回でした。
朝から雨が降っていて、ならがしわ隊のみんなが雨の森での活動を楽しむことができるだろうか?と少し心配していましたが、
集合時間に集まった全員がカッパ、長靴、傘、そして着替えもバッチリ準備していて、森に行く気満々でした。
「晴れたら虹が見れるかも!」 「雨で木が喜んでるわ!」という声が聞こえてきました。
それでは雨の森たんけんに出発です!

最終回の森たんけんの行先は隊長が決めるのではなく、目的地も道順もみんなで決めてもらいます。
ならがしわ隊は全員が行きたい場所、思い出の場所を出し合って、その全部に行くと決めました。

松の葉っぱの先にできる「雨まんじゅう」を触ったり、

傘に葉っぱを貼り付けて、隊長の名前を書いてくれました。

最初の目的地のシェルターは雨が降っていたので上には上りませんでしたが、シェルターの下には雨に濡れていない枯れ葉がたくさんあって、葉っぱのシャワーや、隊長に葉っぱをたっぷり被せて隠したりしました。

次の目的地は森の神様の野神さん。1年間たのしくモリイコの活動ができた報告をしました。

「森の中は木が傘になってくれてるから、あんまり濡れへんな」
と言う子がいるかと思えば、竹を揺らして上からたくさんの雨が落ちてきて、傘やカッパに大きな音を立てて当たるのがおもしろくて、竹の他にも色んな木々を揺らしている子もいました。

野鳥観察壁の近く。丸太の上を歩きながら、「秋にここで木の実を使って色塗りをしたのが楽しかったので、今日も来てみたかった場所」と教えてくれました。みんなそれぞれに思いで深い場所、お気に入りの場所が森の中にできたようです。

石の裏にカワゲラの幼虫を発見!
みんな長靴を履いていたので、水辺では川の中に入っていきものを見つけていました。

隊長が見つけた「クリスタルイモムシ」(半透明のこのいきものはガガンボの幼虫だそうです)

この小さないきものは「エイにみえるよ!」。長く伸びたしっぽや、幅広の胴体がたしかにエイみたいです。子どもたちの想像力はおもしろいです。
モリイコ最終回の森たんけんは雨となってしまいましたが、1年間森で活動してきたならがしわ隊のみんなは、雨の日ならではの森の楽しみ方をたくさんしてくれていました。

たんけんから戻って、お昼ご飯を食べ終わったみんなに大きな荷物が届きました。
 
届いた荷物を開けてみると、中にはたくさんのヘルメットが入っていました。
ヘルメットには文字と数字が書かれていて、数字の順番にヘルメットを並べてみると「きをきってもりをまもろう」となりました。
モリイコ!最後のミッションです!!

先ずは、なぜ木を伐る事が森を守ることになるのか?
そのお話を隊長から紙芝居で教えてもらいました。

この森は50年ほど前までは人が生活するために、森に入り木をきったり、落ち葉をかいたりしていた場所で明るかったそうです。
しかし、生活で木や落ち葉を使わなくなり、森にも人が入らなくなってだんだんと暗い森へと変わっていきました。
そこで25年前にこの森を、明るくいきものや植物がたくさん住めて、人も集まることができる場所にしようと隊長たちの所属している「遊林会」という団体ができ、保全活動を毎月行い始めました。合い言葉は「木をきって森を守る」。森を暗くしていた常緑樹(一年中葉っぱをつけている木)をきり、地面に光があたるようにしました。竹もたくさん生えていたのでそれもきりました。活動を続けていく中で、もっと多くの人が利用できるように2002年にこの河辺いきものの森としてネイチャーセンターや作業小屋、遊歩道が完成したんです。
河辺いきものの森ができた後も、毎月ボランティアの方と保全活動を行うことで、みんなも知っているように多くのいきものがすんでいて、明るかったり暗かったりいろんな環境の森が維持できています。

「じゃあ、保全活動をしなかったら(木をきらなかったら)森はどうなるのかな?」と質問すると、
「真っ暗になって入れなくなっちゃう」、「いきものが少なくなっちゃう」という声が。

子どもたちには少し難しい質問かもしれませんが、これまで10回の森での活動を通じて、保全活動の必要性を理解してくれているのかな、と嬉しく思いました。
お話を聞いたら、みんな準備を整えて、「木をきって森を守ろう!」と出発しました。


今回は特別にモリイコ号に乗って出発です!

作業の前に萌芽更新の説明を隊長から聞きました。萌芽更新している若い木に太陽の光がたっぷり当たるように、常緑樹を伐ってもらいました。

雨の中でしたが、みんな頑張ってくれました。

伐った木は無駄にすることなく、太い部分は薪として活用できるサイズに短くしました。

使い終わった道具はしっかりお掃除をしてなおしてくれました。

細い枝も大切に活用しました。
今日は細い枝を使って色鉛筆を作りました。小刀も過去の活動で使ったことがあったので、徐々に感覚を思い出してきて、みんな上手に枝を削ってオリジナルの色鉛筆を作ることができました。

最後はレクチャールームに移動して、1年間の活動の振り返りをしました。

過去の映像を見ながら、「作ったお箸まだある!」「染色したカバン使ってる!」「たき火で食べたウィンナー美味しかった!」などの声がたくさん聞けました。なかには「セイタカアワダチソウを抜いたことや、つるりんを作ったのも保全やな!」という声もありました。

モリイコでは毎回たくさんの写真を撮影しています。たくさんの写真の中から、一人一人の写真をセレクトして作ったフォトフレームをプレゼントさせていただきました。

保護者の皆様にはモリイコ!活動の趣旨をご理解いただき、1年間の活動を温かく見守ってくださり、本当にありがとうございました。
当日の送迎、着替えやお弁当などのサポートのお陰で、私たちも安心してお子さまたちの対応をさせていただくことができました。
これからもご家族皆さまで自然の中ですごす時間を大切にしていただけたら幸いです。
モリイコ!の活動を通して、ならがしわ隊の子どもたちの心に未来へつながる希望の芽がたくさん芽生えていますように。。
お子さまの成長をこれからもずっと応援しています。

ならがしわ隊のみんなへ
学校も年齢も違う友達と一緒に春夏秋冬、晴れ、雨、雪の日の森でたくさんの体験をしてくれました。ここで見て、触って、感じたことが一つでも多く心に残ってくれれば嬉しく思います。
みんなと出会うことができ、本当に良かったです。また、会えると嬉しいので「隊長~、森にきたよ!」って、いつでも遊び来てくださいね。
隊長みんなで待っています。
それでは、また会う日まで!  1年間、どうもありがとうございました。   隊長一同

 

 

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