里山保全活動団体「遊林会」


そとイコ!川ガキ育成塾「琵琶湖の固有種ビワマスの遡上を見に行こう!」を開催しました!

2023.10.29

今日、10月29日(日)は、今年4回目の『そとイコ!川ガキ育成塾』を開催しました。また、このイベントは東近江市のエコツーリズム(http://higashiomi-ecotourism.blog.jp/ )の一環として取り組んでいます。

今回は「琵琶湖の固有種ビワマスの遡上を見に行こう!」というテーマで、愛知川漁業協同組合の村山邦博組合長を講師にお迎えし、愛知川支流・渋川(永源寺)でビワマスの観察会を行いました。親子6組14人の方がご参加くださいました。

▼あいさつの後、まずは村山組合長からビワマスのお話をお聞きしました。ビワマスは琵琶湖の固有種であり、貴重な魚だということ。川で生まれ、琵琶湖に降り、4~5年したら産卵のためにまた川を上がってきます。しかし、渓流で産卵し、30kmもの遡上するビワマスが見れるのは「渋川」だけと教えていただきました。温度が高いと遡上しないし、一昨日、昨日と降った雨のお陰でビワマスがぐっと増えており、足元で見れるビワマスの遡上する力、力強く生きる本能を見て、楽しんでいただきたいとお話してくださいました。その後、愛知川漁業協同組合の関係者の方が作成された動画を見せていただき、ビワマスに会いに行く準備をバッチリ整えました!

▼気持ちの良い青空のもと、冷たくなった心地よい風に吹かれ出発です!

▼すぐ降りた場所で早速ペアで泳いでいるビワマスを見つけました。

▼川に降りると「あっ、あそこにいる!」とさら見つけることができました。

▼1週間前の下見では数匹しか確認できませんでしたが、今日はたくさんのビワマスが目の前でゆっくり泳ぐ姿、逆にすごい速さで泳いでいく姿、メスがバシャバシャと尾びれを動かす姿を何度も見ることができ、あちこちで「わぁ!大きい!」と歓声が上がっていました。
そして、川底が白くなっているところが産卵床です。「あそこに卵を産んでいるから絶対踏んではいけないよ」と教えていただきました。

▼この先の2.5mの堰堤の場所まで移動したのですが、大きな岩を登ったり、降りたり、まるで冒険のようでした!怖いという子どもたちは誰もいなくて、1人で頑張るたくましい姿をたくさん見せていただきました。

▼途中で産卵し、命を終えたメスのビワマスに出会いました。村山組合長は命を終えたビワマスに「おつかれさま」と声をかけてくれると嬉しいとおっしゃっていたのですが、心の中で「おつかれさま」と言ってくれていたのかな?優しく撫でてくれている子どもたちの姿が見られました。

▼岩の道は大変でしたが、「こんな流れが速いところや大きな岩場の間を遡上してくるんだね!すごいね!」と親子で話しながら、ビワマスの力強さを感じてくださっている様子でした。さぁ、堰堤はもうすぐです!

▼堰堤に到着。愛知川本線でもビワマスは産卵はしていますが、土砂が多いため渋川の清流を求めて遡上してくるそうです。しかし、500mほど上流に2.5mの堰堤があり、その上にビワマスは遡上できないため過密になり、同じ所で産卵してしまうので、返って産卵床を壊してしまうそうです。そのため、3年前から単管パイプで作った魚道を設置して、2.5mの高さの堰堤の上にビワマスを上げる対策を取られています。

▼この魚道は村山組合長とビワマスを守りたいと思うボランティアの方たちとで作られました。10/19と10/21の2日間の作業日で総勢70人もの方の手がかかっています。今年は設置4日目で遡上したと聞いており、20匹は遡上していると教えてくださいました。魚道での対策は大成功ですね。今日は残念ながら、魚道を上がるビワマスは見れませんでしたが、魚道を上がった所にあった産卵床を皆さんに見ていただけました。

▼堰堤から帰る途中、皆さんの足元にビワマスがすっと通っていきました。「さようなら」と言ってくれていたのかな?近くで大きな魚を見れることが少ないので、最後に泳ぐ姿を見ていただけて良かったです。

▼帰る道中、また命を終えたメスと出会いました。村山組合長が「オスもメスもこうやって命が終わるんや。このメスはお腹が膨れてる。もしかしたら、卵があるかもしれんな」とお尻の辺りをハサミで少し切り、お腹の中に残ったビワマスの卵を見せてくださいました。触ってもつぶれなくて「ぷにぷにやぁ~」「なんか生臭い。。」などと言いながら、みんなで触らせていただきました。

▼持ち上げて重さも確かめてみました。

▼村山組合長から「朝、ヤマカガシがいたから注意してな」と聞き、帰りは周りを気にしながら山の中を歩いて帰りました。

▼目の前には素敵な山の景色が広がっていて、みんなでハイキングに行ってきたような雰囲気もまた素敵でした。

▼戻ってきた後は、みんなで振り返りをしました。村山組合長からは「昔は川の中を覗いたら、アユや色んな魚もいっぱいいて水の中がキラキラしていた。今は少なくなってきてるけどな。これかもビワマスが遡上してくる渋川を守り、ビワマスの素晴らしさを伝えたいと思っています。なので、皆さんもビワマスのことを伝えてもらい、みんなでビワマスを守れると嬉しいです」とお話してくださいました。

参加者の皆さまからは、
・お魚がめっちゃきれいだった(子ども)
・最後にビワマスの卵がさわれたこと(子ども)
・魚道を初めて知りました。まっすぐだと思っていたので、U字になっていたのを実際に見れてよかった(子ども)
・たくさんのビワマスに出会えて、愛知川支流・渋川の恵みの素晴らしさを感じられました。魚道、生き物と人との共存環境作りがすごいと思いました(大人)
・近くで泳いでいる所が見れてとても良かったです。川で遊ぶ経験がないので、川の中を歩いたり、体験できたことが良かったです(大人)
などなど、たくさんの感想をいただき、渋川の魅力も知っていただけたようで、とても嬉しかったです。今日はご参加いただきまして、本当にありがとうございました!

ビワマスツアーは今年で2回目ですが、村山さんを始めとする愛知川清流会の皆様が川を守ってくださっているお陰で、私たちもまた皆さまに喜んでいただけるエコツアーを開催し、部無事終了するできました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。お世話になり、ありがとうございました。私たちも引き続き里山を守り、これからも自然の楽しさや面白さを皆さまにお伝えできるように頑張ります☆

あと、1週間ほどビワマスの遡上を見ることができるようです。12月頃には稚魚が生まれるそうです。「いつでも川に来てください!」とおっしゃってくださっているので、春にはたくさんの稚魚も見れるようですし、また渋川に遊びに行っていただければ嬉しいなと思います。
また、自然の中でお会いしましょうね!

 

 

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