'09年4号 No.131

☆作業日あれこれ

   またもや雨、今年になってから第2土曜日はずーっとこんな天気、中でも本日は最悪、観察会が始まる時間になってもかなりの雨脚です。クマは、午後は雨喜びと勝手に決めて、急遽三平モドキに連絡、お迎えを依頼です。森に着くと作業小屋の前では、炭焼名人が帆布を利用した仮屋根に貯まった雨水抜きに専念されています。風呂釜数杯分の雨水の重さで小屋とセンターの間に刺し渡した竹が折れてしまっています。運動会などの帆布のテントに風呂釜2杯分の水が貯まった状態なのです。サイフォンの原理を利用して水抜き(とても持ち上がらない)ですが、その内に参加者が増えてくると、いつもの通りみんなであーでもないこーでもないと工夫が始まります。こうした改善行為が日本の工業(実業)を支えてきたのだと妙に感心してしまいます。それは派遣労働や契約社員といった雇用の切り捨ての中では、育たないだろうとも考えてしまいます。仕事に対する誇りと愛社精神があってのことだと思うからです。かつてアメリカの労働の質を問題にしましたが、全く我が国も同じ道のようです。資本は労働があって形作られる物なのに、株主の権利の方が重視されるような時代は間違いだと、場違いなこの場で怪気炎を上げてしまいます。我々は食について安いだけでなく安全と言うことを考えるようになりましたが、工業製品についても安いだけでなく生産する労働者を人間扱いしているかどうかを考える時期ではないかと仮屋根に貯まった水から思いが巡ってしまいました。
 時間になれば観察会スタートといくところなのですが、この日は雨を予想して三平モドキが作業小屋でできる内容を用意していました。木を使った1字が2枚に別れた漢字のカード(寿司屋の湯飲みにある魚漢字の木バージョン)にそれぞれの葉を印刷して、柊、椿、榎とくっつけてなんと読むかとか常緑樹を集めるとか、ゲーム風にやっていました。

 さてこの日の作業は、3班体制で正面入口の藪の整理、年末の大雪で折れた枝へのシイタケ菌打ち、昼食班です。藪の整理班は合羽を着て、まずは棘のあるタラノキ伐りからです。道路から見えるところにタラノメが沢山出るので、シーズンには歓迎したくないお客さんがこっそりとお見えになるのでその対策も兼ねています。この場所は元は竹藪で、抜根して裸地にしたのでパイオニア植物であるタラノキがはびこったのです。その他にはムラサキシキブや木イチゴの仲間も生えています。


  タラノキの山

 伐った大量のタラノキは芽が発生する部分を入れるように切り揃えてタラノメ増殖作戦の仕込み材料と午後にしました。作業小屋の前では、遅れて参加したチビッコ達も交えてこのシーズン恒例のシイタケの菌打ち作業です。今シーズンはあまり木を伐採しなかったので、雪で折れた枝の中からほだ木に使える物をピックアップです。山番さんがファイヤー・サークルの前に積み上げてくださった木の中から適当な物を抜き出して長さを揃えたりしてほだ木を確保しました。少ないだろうと用意したシイタケ菌が、途中で不足してしまい、三平モドキが買い足しに走っておりました。炭焼き小屋では、別働隊の炭焼名人と弟子志願者が久しぶりに炭焼の準備で原材料のクヌギやカシの木を詰めていました。ここでもいつものようにデーターを取りながら名人の炭焼道が展開されることでしょう。  
 
 雨の中の作業でしたが、藪整理班は時間いっぱい頑張ってなかなか作業小屋に戻ってきません。この日は今まで浪人として時折現れていた西澤氏が、市長になって初めての作業日には挨拶に来たいとスケジュールの合間を縫っての昼飯参加なので、時間には始めたいと考えていたものですから、クマは時間を気にしておりました。
 この日のお昼は炊込御飯にポトフ、肉ジャガがメイン、その他にもコールスローやシイタケの炒め物などです。(クマが)酔う前にと市長の挨拶を途中で入れたのですが、そこで気付いたのはどうも雨喜びの雰囲気ではないということです。雨にもかかわらず皆様(この天気にもかかわらず40人ほどが参加)、午後も作業という感じなのです。この日、トラ御用達テーブルは全く元気なし。我らが見習いテーブルでは、カメ仙人、親方、蛇掴み名人などでそれなりにいただいていましたが・・・・。無事に恒例のミーティングを終えたところで、皆様は作業開始だというのに青年部長が延長モード突入、誘惑に弱いクマはひとたまりもありません。この日、在りし日のように皆様のひんしゅくをかってしまったクマでありました。

 4月22日(水) 週日活動日 森の居酒屋は4月8日 午後7時頃〜
4月11日(第2土曜日) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210
 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@e-omi.ne.jp

   第4水曜日は雨か曇りかはっきりしない肌寒い天気で、スギ花粉症絶頂期ということもあってかわずか3人でスタート。とはいえ、人数が少なくても活動するのが遊林会。スタッフ2名を含む5人で年末の大雪で折れた枝(まだあります!)の処理作業を開始しました。そうしているうちに1人2人と参加者が増えたのですが、この日から春休みとなった小学生と新中学1年生たちが森に遊びにきて、それを目ざとく見つけたイズミがお昼ごはんをエサ?に作業に勧誘、結果5人の子どもたちも作業に加わりました。ノコギリで木を伐る子どもたちからは「ディズニーランドより楽しい!」との声もある一方、リーダーのマルに「足手まといですみません」と大人びたことを言う子どももいましたが、彼らは既にこの森に何十回も来ているので、なかなかどうしてみんなきっちりと作業をこなしました。その間、昼食づくり班は第4水曜日ならではの豪華料理を作ってくださり、結局お昼には子どもたちを含め20人の顔が並びました。うち4人が新人さんだったのですが、4人とも2008年度に森で開いた大人向け講座に参加した方で「講座を受けて一度作業に来てみようと思った」とうれしい声をいただき、講座を開いた甲斐があったなと感じました。午後からは小雨の降る中、林床をきれいにする下草刈りなどの作業を行い、春休みに子どもたちが森の中で安全に遊べるようにしました。    

☆森のスタッフルーム情報

 春休みの期間中、小学生の子どもたちはたくさん森に遊びに来てくれますが、なんと、今年から大学生となる子ども(?)が2人も森に遊びに来てくれました。センターオープン当時、小学校6年生の時から森に遊びに来てくれていた子ども達です。久しぶりに森に来て、増えた建物にビックリしたり、あんなことをして遊んだのを覚えているよ、などと話してくれました。2人という決して多くはない数字ですが、その2人の記憶に森での体験が残っていて、再び森に来てくれるいうのは、とても嬉しいことです。  一方、遊林会事務局でもある花と緑の推進課の職員はトミーこと富田氏が森での4年の勤務を経て住宅課へ異動となり、替わりに愛東 菜の花館から村井氏がやってきました。     

☆春休みイベントの結果は?

   今年の春の森のイベントは5種類を企画しました。人気のプログラムはそのままで、新しい試みは3才児対象のプログラム。結果はキャンセル待ちが20名以上(!)のイベントが出て、嬉しい悲鳴が。高学年は習い事で忙しいのか、小学校低学年のプログラムに人気があります。3才児向けのプログラムも滑り出し上々。申し込み不要・恒例のクイズラリーも盛況で、100人以上の入場者、初めての人も常連さんも、大賑わいの春休みでした。


  春休みイベント・ハイジのブランコ

    

☆2008年度の森の利用状況

   2008年度の森の入場者は19,507人で、2002年度に開設して以来微減傾向にあります。開設して年々入場者が減るのはこの種の施設でありがちなことですが、その割りには「今までで一番忙しかったよね」というのがスタッフの声です。それもそのはず、上記入場者数のうちスタッフがプログラムを組んで対応した団体利用の人数は11,437人、回数にして365回にもなり、昨年度の森への出勤日(296日)で割ると、毎日38.6人・1.2団体を受け入れたことになります。その上昨年度は植物図鑑も作成したので忙しいはずです。おかげさまで遊林会の環境学習等のプログラムは学校等に評判が良く、毎年来てくれる学校に加えクチコミで評判を聞いた新たな学校からの申し込みもあり、一般入場者数が減る中、団体利用者数は2002年以来ほぼ変化なく推移しています。なお昨年度は小学校の利用者数が過去最高となりました。しかしスタッフはこの数字を追っているのではありません。数字よりもプログラムの質!を徹底した方針としており、たとえこの先利用者数が減っても、中身を伴わない客寄せだけのプログラムはしたくありません。こうした姿勢を貫いてきたことが、結果的に現在の数字に結びついているのだと考えています。  ちなみに昨年度の遊林会の保全活動(作業のみ)は49回、1,041人の参加がありました!     

☆会計監事の交替

   遊林会には会長と会計監事の二つの役職と臨時に設ける理事職があります。遊林会では、会長も事務担当者もひとりでは資金を動かすことが出来ません。会計監事には後日のチェックではなく支出の都度チェックしていただいています。支出を客観的に見ていただけるよう出来るだけ実際に遊林会に参加しない人を会計監事にお願いしていますが、この度、退職により会計監事も辞されました。記念にとご寄付をいただきました。ありがとうございました。実を言いますと監事殿は皆様のマドンナだったのですが、後任にも同様に負けず劣らずのマドンナ殿にお願いしました。クマの好みかとお叱りを受けるかも知れませんが、若い頃意のままにならなかった方ですから、これからも情実は通用しないものと諦めております。まずは役職交替のお知らせです。      

☆4月の作業日のお昼は?

  4月は地元のお祭りのため、エース級が軒並み欠席です。となると、久々のカレーに春の山菜か?
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 
世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://yurinkai.org or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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