'09年5号 No.132

☆作業日あれこれ

  今年になって初めて快晴の第2土曜日です。時は春、桜の花真っ盛り、地域では多くの所で祭りです。心浮き浮きするような定例の作業日、しかし、クマは昨夜の飲酒が少し残る身体で参加であります。この日はNHKの取材もあるのですが、例によって皆さんにはその旨伝えて参加を促すようなことはしていません。どれだけ参加者があるかは、蓋を開けてみなければわからないのがいつもの遊林会流です。

 観察会は、ウメノキゴケを使用した草木染の実演からです。事前にアンモニア水に浸して発酵した抽出液は、元のウメノキゴケとは似ても似つかぬ濃い赤紫色です。作業小屋の前にその液を加えて煮詰める鍋とカセット・コンロが用意してあるのを目ざとく始まる前に見つけた参加者の中には、こりゃ朝から春の野草の天ぷらでも試食する観察会かと期待していた向きもあったようですが・・・・。今までに森の様々な材料を使って染めた生地を紹介、誰かが絹みたいな光沢やなと感想をもらして、フクちゃんから「絹なんです!」とたしなめられていました。媒染にミョウバンを使用して完成です。草木染は、時として材料からは想像できない色に発色、柔らかな色合いと共にその辺りが魅力のようです。森ではフクちゃんが、染色講座に力を入れていますので興味のある方はご参加下さい。
 草木染の実演が終われば、春の森へマムシグサやヤマザクラの花を愛でに森の奥まで移動です。遅れて咲くカスミザクラは多いのですが、ヤマザクラはこの森に数本、大きいのはお墓の近くの1本のみとなっています。その木も根本からひこばえが沢山出ており、樹勢が衰えているのは一目瞭然です。平らな森では成長が早いと言われているサクラもコナラやアベマキには勝てず、樹冠を覆われ、このままでは枯れていく定めのようで気になっています。この森のヤマザクラを絶やさないためには、幼樹を探し出して移植するか、それとも時間がかかりますが実生から育てることも必要かと考えます。


  タラノキの山

   汗ばむほどの快晴の中で作業開始、まず青年部長が基本的には管理をしない北側の堤防に沿った竹林の雪で折れたタケの整理作業です。余りに沢山のタケが折れて、オニノヤガラの観察や通常のパトロールにも支障を来すので作業をしました。午後からは他の活動との掛け持ちの多い青年部長に代わって、亀仙人がリーダーでしたが、例のNHKの取材カメラが回ったために張り切りすぎて、一同、数日先の筋肉痛が心配だとか申しておりました。
 草庫の隣ではアラカシの萌芽退治です。リーダーはこの日初めての園芸おたくのフジタです。アラカシは、樹幹を伐らなくても萌芽する性質が強く、株立ち状態になってしまいます。このエリアは、高木の落葉樹と中木のアラカシやヤブツバキなどの常緑樹を残して林床のアオキなどを除去した、薄暗いけれども見通しの利く管理をしています。中木の常緑樹のために林床の照度が低く、林床の生産性は低いのですが、アラカシだけは中木の幹となる木から養分を得ますので主幹の周りから発生した萌芽はそれなりの成長をします。
 マルは炭焼名人などと共に、雪のために折れて樹冠にぶら下がっている枝処理です。高枝鋏や鋸、ロープを利用して、観察路近くの頭上のこうした枝を処理していますが、上を見上げっぱなしで顎と腕の疲れる作業です。
 4班目は、春の食材集めです。楽しそうにザルを持ったちびっ子と母親の一群、リーダーはドブネズミ殿、調理班のからは、「少しでよいからね。」と言われていたのですが、我が道を行くリーダーの下、どないなったのやら。この森の春の山菜ではタラの芽が一番でしょうが、飲み助に好評なのがノビルです。森の外の愛知川の堤防に出て、ちびっ子達は自分たちの口には合いそうもないノビルを掘っておりました。他にはヨモギ、カンゾウ、ヤマウドはまだ芽が出たばかりで、次会のアテといったところでしょうか。  

 この日は地域のお祭りのためにいつもの調理班が少ないのでカレーとなっていましたが、それだけに収まらず、天ぷら、豚汁、新タマネギのサラダなどと豪華です。この日は昼食後にインタビューとの殺生な取材のために、一様赤い顔で映らないようには気を遣いました。この日、久しぶりにいつものトラ御用達テーブルは賑やかだったように感じましたが、午後には作業にかかられるところがさすがでありました。NHKの放送は、4月20日ということで、この通信が届く頃には終わっており、顔の赤さを皆様にチェックされずに済んだことは何よりでありました。

 5月27日(水) 週日活動日 森の居酒屋は5月6日 午後7時頃〜
5月9日(第2土曜日) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210
 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@e-omi.ne.jp


   絶好の作業日和に恵まれた第4水曜日には、花粉症を脱した軽トラ野郎殿が久しぶりにお出ましとなり、これにいつもの面々や新人さんも加えて26人の参加があり、久しぶりに活気のある第4水曜日となりました。作業内容は1月からほぼ毎週行っている大雪で折れた枝等の処理作業。この作業は、本日の活動で一応のキリをつけたいと考えていたリーダー・マルは、膨大な処理量が予想されるため最後まで残していたカシの林での処理作業を宣言、作業班全員でこれに当たりました。原則としてこの区域は「植生遷移にまかせる区域」、要するに放ったらかしにすると決めていた区域なのですが、冬の間は折れていてもそれほど目につかなかった枝が、今の時期はその葉がまっ茶色になり、惨憺たる有様。これを何とかしようというわけです。あちこちにぶらさがる茶色の葉を見て、「まだこんなにあったんか…」というつぶやき声が聞こえる中、各人黙々と作業をこなしていき、あっという間にお昼。この日はいつも通りのとってもおいしい炊き込みごはんを始め、タラノメやヤマウドなどこの時期ならではの山菜の天ぷらに山番さん差し入れのタケノコ料理、春キャベツの料理など盛りだくさんでした。いつもなら13時過ぎまでのんびりと過ごすはずですが、この日は少し様子が違います。マルが席を立つ前に、既に何人かがヘルメットをかぶり始め、軽トラが動き出す始末。マルも急いで追いつくと、既に現場では作業が再開されていました。こうして、みなさんの頑張りもあって、見事14時過ぎには予定していた処理作業をすべて終了し、カシの林もかなりすっきりとなりました。いわゆるギャップができたことで、この後どういう植物が育ってくるでしょうね。

☆森のゴールデンウィークは?

 すぐそこに迫ったゴールデンウィークを前に、スタッフはいつものようにクイズの準備をしています。今年は未就学児でも、森を楽しんで参加してもらえるようにと、このゴールデンウィークからミニミニクイズというものを始めることになりました! 従来の小学生向きのものよりやさしくて、小さな子どもでもチャレンジできるような、そして楽しんでもらえるようなものにしたいなぁと思いながら作っています。もちろん小学生向きのクイズは上級編までしっかり準備してありますし、クイズ7問以上正解者には森オリジナルの景品もあるので、お出かけの予定がない日やのんびり自然の中で過ごしたい日は是非森へ足をお運び下さいね。 クイズの実施日はネイチャーセンターの休館日(4月30日・5月4日)をのぞく休日(4月29日・5月2・3・5・6日)の5日間です。毎年、短い期間にも関わらずたくさんの子どもたちがクイズに挑戦しに来 てくれています。今年もお天気に恵まれて、森がにぎやかな声に包まれることを願っているスタッフ達です。  

☆緑のつどいとコンサート

 今年のみどりのつどいは大凧まつりと同日の5月31日(日)です。例年同様バザーや森のおなじみのクイズラリーなどを予定していますので、応援と参加をお待ちしています。 恒例の関連事業で行う森のコンサートは5月16日(土)に行います。何と今回は、大阪センチュリー交響楽団のメンバーに学校の先生やオペラハウスの楽団員を加えた、打楽器コンサートです。とっても大きなマリンバ(木琴)や色々なパーカッションを使っての楽しいパフォーマンスで、美しい音楽を届けてくださいます。チケットの販売・予約については4月22日から開始していますので、詳しくはネイチャーセンターまでおたずね下さい。  

☆森のスタッフルーム情報


  タラノキの山

   新年度の事業もいよいよ動き出しました。まず、県のやまのこ。一校目は4月24日の南比都佐小学校でした。春休みが終わったあと、しばらく静けさに包まれていた森に子どもたちの笑い声が戻ってきました!学校にあわせたクイズラリーを楽しんだあとは季節に合わせた拾いもので森の中を探検です。今年はできたての「モリモリ図鑑」を使ったプログラムもさっそく取り入れましたよ!図鑑を使うということで、来校前夜のスタッフルームはてんやわんや。どんなプログラムがいいの???スタッフは知恵をしぼって考えます。うんうんうなって悩みます。パッとひらめいて思いつきます!これの繰り返しです。一生懸命考えた新プログラムでも、定着するかどうかは小学生次第だからこれからの実施の中でいろいろと形を変えていくんでしょうね。 そして、引き続いてのシニア向け講座。これもいろんなアイデアが出されたので「どれにしようかなぁ・・・」と、みんなで選んで準備をし始めていますよ。大きなテーマは「森で健康になろう!」森の中での活動を通して元気な人が増えて、新しい人を連れてきてくれるような講座ができるように日々みんなで頑張っているのでご期待下さいね。  

☆5月の作業日のお昼は?

 タケノコがそろそろ顔を出しはじめるでしょうか。時期があったらタケノコを使った一皿、山菜のフキやウドを使った天ぷらや炊き込みごはんなどが期待できそうです。  
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 
世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://yurinkai.org or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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