'09年3号 No.130

☆作業日あれこれ

   未明、枕元には土砂降りの雨音が聞こえておりました。やれやれ2ヶ月続きの悪天候かいなと思いながら参加したのですが、森に着く頃には雨も上がり、気温も急に上昇してきました。この日の観察会は、夜半の雨に蹴散らされたのか少し少ない人数で開始、大人のための森のクイズラリーで担当はブンチャン、冬の森を周りながら三択問題に皆さん挑戦です。交流広場では、細長い葉っぱのこの植物は、ヤブランなのかヒガンバナ、それとも シュンランでしょうかという問題です。ヒントとして「葉見ず花見ず」という別名がありますと書かれていますので、知る人には易しい問題です。森には他にも細長い葉のジャノヒゲ、キチジョウソウがありますが、中でも問題の3種類の植物は葉の大きさや生え方がよく似ています。慣れるとクマなどは葉の色で見分けてしまいます。その他にもヤブランは、根本の近くの葉が細くなり軸のようになっているので区別できます。「葉見ず花見ず」が別名なのは、花が咲く頃には葉がなく、葉が茂るときには花が見当たらないことを言っているわけで、年中葉を見ることのできるシュンランとヤブランは外れとなり、答えはヒガンバナでした。この森には、同じように花が咲く時には葉が見当たらない艶やかなナツズイセンもあります。ヒガンバナは有史以前の大陸からの帰化植物ですが、ナツズイセンは学者により諸説有り、帰化植物かどうかはっきりしません。
 問題を解いた後は現場でそれぞれの葉の比較とシュンランの花芽と種の観察です。シュンランは結実することが極めてまれで、種子は毎年森全体で株は無数にあれども一株見つかるか否かという状況です。ラン科の種子は、シュンランだけでなく森にあるオニノヤガラもエビネも種というよりは粉という感じで、ひとつの鞘の中に数え切れない数の種子が詰まっており、風で飛ばされて新しい生息場所を確保しますが、種子に栄養がないために他の菌類から養分を得て育つことをマルが解説、スタッフの園芸お宅は土壌の中にラン菌が必要なランの育て方を期待に違わず説明してくれました。

  この日の作業は、人数がいつもより少なそうなのでメニューをひとつ省いて実施です。メインは雪害で荒れている駐車場の近くの竹林で折れたタケの伐採と工作用の竹材の選別で、リーダーは青年部長、運搬人は今年はスギ花粉が飛ぶようになっても森に現れる軽トラ野郎です。新人も加わりハードな作業に従事、この日は気温がぐんぐん上昇、冬だというのに大汗でした。
 もう一つの作業は、ケヤキの林で生き残っているタケの根から発生している細いタケ退治、別名:竹退治ゲリラ作戦です。(いつも作業小屋から近い東側から進めるので、どうしても西の端まで手が回らないのです)本来は夏の間にする方が地上で生産した栄養分を地下茎に蓄えないのでより効果的なのですが、この時期だと他の植物が冬枯れでタケの青さが目立ち、刈りやすいのでこの時期の作業にしています。今回はいつも手薄な西側から作業開始、予想通り見事に茂っています。長刀モドキで刈るのですが、太い物だと木ガマでやった方が楽です。いずれにせよ出来るだけ地上に近い部分で刈らなければ、残した竹の竿から新しい枝が出て葉を茂らせ光合成をしますので要注意です。しかし、この作業、徹底的に殲滅したと思っていても後で同じ所を違う目で見ると必ず刈り残した物が見つかり、人のやることに完璧はないなぁと改めて感じる作業です。
 
   冬なのにポカポカ陽気の中での作業は汗だくでしたけれど、お昼には森の居酒屋ほども例の物が飲まれることはありませんでした。炊き込み御飯に粕汁、五目豆、水菜の煮浸しなどをあてにクマもノン・アルコールで喉を潤しました。トラ御用達テーブルは炭焼名人や焼鳥名人、大先生が不在、その性ではないのですが、飲む人もなく午後の作業に備えて完全スタンバイ・モードです。それでもいつものミーティングでは、新人お二人を紹介、和やかな一時を過ごしました。その中で調理班から、粕汁について考えてみれば半分近くも精米で量を落とした米を使った贅沢な料理だと発言がありましたが、発言の主(ソメヤンハサケヤメター氏)はその上澄み液を浴びるように飲んでおったわけで、どちらが贅沢かと大笑いになりました。そんなあんばいですから、お昼が終わると一同、作業に一目さん、季節外れの陽気の中で午後もキッチリと汗を掻きました。遊林会はこのところ、雨喜びを忘れてしまったようです。

 3月25日(水) 週日活動日 森の居酒屋は3月11日 午後7時頃〜
3月14日(第2土曜日) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210
 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@e-omi.ne.jp

   第4水曜の作業日は、あいにくの雨模様。ひさしぶりに、作業小屋の前の遊林会雨天作業所が開設されました。この雨は本当にやむのだろうか!?と思うほどの雨で、参加人数も最近人気の木ままクラブに負けて、昼食班含め10人程度でした。予定していた竹の材取りは断念し、今回は、昨年の12月に折れた枝を、太いものは薪に、ドングリの木はほだ木に、まっすぐスマートなものは炭焼き用に、その他の枝は柴にと仕分けしていきました。午前中の約2時間ほど、わりと多くの木を仕分けしたと思ったのですが、処理できたのは、ネイチャーセンター前につまれている木の1/4程度・・・あらためて年末の雪はすごかったんだなぁ、と作業を行う度に感じています。  お昼は、鮭の粕汁で雨で体も心も寒かったこの日にぴったりのメニューでした。他にはひじきや、菜の花のからし和えなど、計8品でおいしいお昼をいただきました。午後からの作業は、「わしはまだできるぞ!」との声もあったのですが雨天中止に。今月は晴れて作業日和になることを願います。   

☆家庭料理第大集合!

   2月22日、朝早くから総勢11名でマーガレットステーションへ乗り込んだのは、遊林会の料理班。建物裏で、炊き込みご飯と豚汁を作る姿は石原軍団も真っ青の手際の良さでした。


  家庭料理大集合!

 今回参加した「東近江じまん家庭料理大集合!」は、東近江の食文化のよさを再発見したいという思いから開催されたものでした。出品されたお料理は、丁字麩のからしあえ、いもぼう、黒豆煮などほんとうに伝統的なものからコンニャクのサラダやおからコロッケなどコンビニに置いてもうけそうなもの、紫色が鮮やかなブルーベリーのかきもちのような変わり種などさまざまでした。一度にいろいろなお料理をいただいて感じたことは、「やっぱり遊林会のエースのごはんはおいしい!」ということ。 みなさん、今月も活動日に参加して汗を流したあとに美味しいご飯を召し上がってくださいね。    

☆スタッフルーム情報

   ついに完成しました!「植物モリモリ図鑑」。思い返せば一年前、森の図鑑を作ろうと一念発起したときのスタッフの図鑑に対する思いはバラバラだったような気がします。思い通りに作業が進まないスタッフルームはまさに修羅場!というのは冗談ですが、締切直前はみんなキリキリしていたんです。ひとつのものを複数の人間が作り上げるということは、楽しいだけではうまくいかないもの。だからこそ、印刷・製本されたものを手にした瞬間は踊り出したくなるくらい幸せなものでしたよ!この図鑑は森に来る子どもたちとの学習の場で使うことになりますが、何冊かはセンターに置くのでみなさんにも使っていただけます。ぜひ手にとってご覧になって、森へズカズカ入って下さいね。

 さてさて、図鑑が一段落したスタッフたちは春休みの子ども向けイベントの考案や、残りの大人講座のことにシフトチェンジしています。2月21日に開催した木工講座では、大作を手に笑顔で帰って行かれた方、すっかり木工の世界に魅せられてチェーンソーを購入された方もいて大成功でした。そして3月7日は染色講座。今回は今が花盛りの梅の枝と椿の花びら染めに挑戦します!来月号でみなさんにいい報告ができますように、最後の調整をしてるところです!   

☆春休み子ども向けイベント情報

   もうすぐ子どもたちは春休み!あたたかさも手伝って、今から心待ちにしているお子さんも多いんじゃないかな?今年もいきものの森ではいろいろな子ども向けイベントを準備しています。お知り合いのお子様がおいでの方はご一緒に森へお越し下さいね。  


  これが噂のモリモリ図鑑

森の定番、クイズラリー
春休み期間中、毎日(月曜日はのぞく)開催しています
大きな木と遊ぼう!!
3月26日、木の枝にロープをかけて大きなブランコを作ったりベッドを作ったり・・・大きな木と遊びます◎たき火に挑戦!!
4月1日、たき火に使うのは森の中から自分たちで取ってくる小枝や葉っぱ。火がついたあとにもおたのしみを準備しています
森のげいじゅつか!
4月2日、森にある木や枝を使って思いつくまま作品を作る人気イベントです
赤ちゃんドングリを探しにいこう!
3月28日、秋に落ちたドングリはいったいどうなったかな?みんなでいっしょに見に行きます
絵本の世界をのぞいてみよう!!
4月4日、薪ストーブの前でおはなし会。そのあと森へ入って絵本の世界を体感します。
下の2つは新しい試みで、幼稚園児が対象です。どちらも子どもと一緒に楽しんでもらえるような企画になっています。ご興味をもたれた方は、ホームページをご覧ください。  

☆3月の作業日のお昼は?

  いよいよ芽吹きの季節です。サクサク触感が美味しい、ほろにが天ぷらがテーブルに並ぶ・・・かもしれません。お楽しみに!  
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 
世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://yurinkai.org or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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