'09年1号 No.128

☆2009年、年の初めに

  遊林会の活動も12年目に入ります。最近、チャレンジ精神が不足してきたのではという言葉を聞くこともあります。遊林会のモットーのひとつは「継続は力なり」で、着実に月日を重ねて来ましたが、少々手堅過ぎた面もあるのではないでしょうか。新しい年、以前のように外に向けての情報発信や新しい活動などにも取り組んでいかねばと考えております。皆様との日々の活動の上に、それらを築ければと考えております。

☆作業日あれこれ

   12月の第2土曜日は遊林会の忘年会を兼ねた作業日。忘年会モードのためか出足は遅く、9時きっかりには始まりません。見回してみると気合いを入れて飲もうという自転車組や送迎付きの姿は既にあり、こりゃ、飲み助の集まりが敬遠されたかと不安がよぎりましたが、少し遅れて観察会のスタートです。担当は三平モドキ、草原広場の驚くべき事実の披露です。目立つのはススキの株ばかりなのですが、最近調べてみると、なんとなぁーということが起こっていたのです。草原広場は竹林の竹を根こそぎ駆逐して裸地からのスタートでしたが、微妙に凹凸があり、ケヤキの根元など土の盛り上がった凸部では、それまで見なかったオカトラノオが埋土種子から復活、初夏に見事な花を咲かせていました。一方、雨が降れば湿気る凹部では、イグサの仲間やドクダミ等が生え、微地形に合わせて適者生存をするんだと感心したものです。その内にメルケンカルカヤが一面を占拠、クズやセイタカアワダチソウのようには駆逐しづらいと諦めていたのですが、近年、少数派のススキが草丈でメリケンカルカヤを被圧(陽の光が充分に当たらず)して一面のススキ原になっていたのです。ここにきてじっとススキを観察すると、湿気ている凹部に生えているものは背が高く竹林のタケのような感じで生えているではありませんか。穂や葉もよく見れば違っています。
 大先生、「こりゃオギ(荻)じゃわい。湿った所が好きなオギがこんな所にまで進出、乾いた所が好きなススキと棲み分けとるわい。」となったわけです。ススキの地下茎は広がりませんが、オギの地下茎はタケのように横に伸びてそこから筍のように芽を出します。日本の草原の原風景となる植生を保全しようとしているわけですが、自然の摂理には脱帽です。そしてここの住人、日本で一番小さなネズミのカヤネズミです。昨年は鳥の巣にそっくりな巣を発見できず、家出したのかと心配していたのですが、今年は事前調査で発見しており紹介しました。これも草原広場の豊かな生態系の一環として誇れることです。毎年管理してきた活動の成果をかみしめる観察会でした。


市長&袴なおき

  この日の作業は午前中だけですから、皆さん、パワー全開でした。草原広場ではススキ&オギの機械刈り、ヘムスロイド村御一行様+α殿(その内、適当なニックネームを進呈しなければ・・・・)は作業が始まる前に刈払機の刃先を調整、万全の体制で従事。猛者連中ばかりの作業ですから余裕を持って終了しました。
 例年より1ヶ月繰り上げた落葉掻きは落葉が乾いていたので作業がはかどりました(濡落葉になると面倒ですから皆様もご注意を・・・・)。子ども達は落葉を入れる囲いの中で飛び跳ねて圧縮、サボればお昼に餅があたらないとのお母さんの一言にいつも以上にハッスルです。
 ケヤキの林等では、長刀モドキを手に枯れ野になって目立つお目こぼしのタケ退治、毎年毎年際限のない作業ですが、このおかげで竹林の復活はないのですからおろそかには出来ません。竹林では、青年部長を筆頭にいつもの間引きとクラフト材料としての整理です。

 お昼準備には、93歳のバアも応援、参加最高齢は反戦爺・黒瀬翁ですが、実働では最高齢更新中です。忘年会は毎年、餅つきで始まりますが、刈払作業を終え早上がりした突撃隊長や亀仙人は臼が冷えないようにお湯を満たして餅つきスタンバイです。手返しは誰かと譲り合いをしているところへ市長参上、即決です。さる大会に臨む途上のためスーツ姿でしたが、お供に持たせた着替えを取り出し準備完了。つき手志願は森のリヤカー運転手、父親にクラブ活動が終わる時間に迎えに来てもらって剣道の袴姿で参加です。落葉掻きで大活躍の子ども達は市長の手返しでの餅つきです。 つき上がれば、市長の発声で乾杯と共に忘年会が始まりましたが、途中で新型インフルエンザ対策の啓発やいつものミーティングをちゃんとやっておりました。もちろんその後はトラ共が集まって延長戦。たいした事故もなく今年一年の無事を祝う穏やかな忘年会でありました。   

 1月28日(水) 週日活動日 森の居酒屋は1月7日 午後7時頃〜
1月10日(第2土曜日) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@e-omi.ne.jp

  今年最後の活動日となったのはクリスマスイブの24日。いつもは祝日の次の日は休みなのですが、その夜はコンサートがあるということで、イブ活動日です。作業道具はヘルメットにチェーンソー、ロープに革手袋。そう、タラノキの伐採です。9年前、ケヤキ広場の竹を皆伐をスタートに、”いっせいのーで”で始まったケヤキとタラノキの成長量競争ですが、高さ・太さともに先駆種のタラノキの勝利、ケヤキが9年で直径5cm以下に対して、直径20cm以上のものがたくさんありました。このままではケヤキの幼樹が育たないので、思いきって切ることにしました。革手袋はトゲ対策です!それでもあちこちから”痛っ”という声が聞こえてきました。  お昼のメインはおでん。前日からクツクツ炊いた 大根と牛すじがトロトロでバッチリです。松本隊長の絶品エビ豆もあり、ついついエビ豆を食べ過ぎた某スタッフがお腹を抱えてうんうんとうなっておりましたとさ。  

☆スタッフルーム情報

  冬の森の環境学習のオススメはたき火競争!特に4年生を対象とした県のやまのこ事業では、この季節、メインイベントです。連日、森は子どもたちのたき火で白くくもっていたんです。子どもたちの焚き火競争クリア条件は、渡されたスギの割り木に火をつけること。よく燃えるスギ葉や小枝は自分たちで森の中に入ってとってこないといけません。誰が・どこに・何を取りに行くのか、まずは班ごとに作戦タイムです。一斉にスタートし、焚き火台にスギ葉や小枝を詰め込んで、スギの割り木2本に火をつけます。使えるマッチは5本だけ!マッチをすったことのない子も多いので、あっという間に箱は空っぽ。あせる子どもたちは火の神様を呼んでマッチをもらえるようにお願いをします。日によっては意地悪な神様がいるので子どもたちは必死です。すったもんだしたあとは、燃えた割り木の火の出ていない部分にマシュマロをかざして召し上がれ!ぷくっとふくらんで少し焦げ目のついたマシュマロの中身はふんわりとあまくって、食べた子から順に顔が明るくなるんですよ。


人気のマシュマロ焼き

   学校の受け入れも一段落して、迫っているのは図鑑の締切。なんとか12月中にできたらなぁなんて言いながら、編集作業に追われるスタッフです。みんながみんな無言でパソコンに向かう日々、疲れが出てくると順に森に消えていきます。鳥の声や姿を見て心おどらす者、日だまりに咲く椿の花に心やすめる者、ドングリを拾っては子どもの心を取り戻そうとしている者、、、森との関わり方はさまざまですが、森の恩恵をたっぷり受けている点は同じみたいです。

☆クリスマスコンサート

  今年のコンサートはクリスマス・イブ。大阪センチュリー交響楽団の皆様からのプレゼントは、となりのトトロ、赤鼻のトナカイ、崖の上のポニョ、、、かわいらしくってウキクキするような曲あり、カノンやきよしこの夜のようにしっとり聞き入る曲あり、他にもイパネマの娘やビバルディの冬から1曲(「四季」より)などなど、クリスマス・イブにぴったりで素敵なミュージック・ボックスでした。今回はいつもの弦楽四重奏にフルートが加わって、森はひととき華やかな雰囲気に包まれます。満員御礼、しんと静まったエントランスで奏でられる音色は趣深く、みなさんうっとりされていました。 会場では工房さくらの”木の実のリース”や”マツボックリのクリスマスツリー”、来年の干支でもある”牛のスライス工作”、パッチワークの作品が飾られたフォトフレーム”などが売り出されました。工房さくらで作り出される作品たちはどれも愛嬌とアイデアがたっぷりでスタッフは作品ができあがるのをいつも楽しみ にしているんですよ。5月の緑のつどいコンサートの日、緑のつどい(大凧祭り)でもお目にかけることができます。 恒例となった森でのコンサート、こういうもよおしが毎年開催できるのは湖東信用金庫からのあたたかいご支援があることにも感謝いたします。

☆大人講座・木ままクラブ

   2009年初となる”いい大人講座”は冬の里山散策です。年明けの落葉した、明るい森をのんびり楽しく散策します。家にこもりがちなお父さん、お母さん!正月気分を満喫した後は、お一人はもちろん、ご夫妻でもお友達同士でも、身近な里山に足を伸ばしてみてはいかがですか?少し寂しい感じのする冬の里山ですが、その寂しさも日本の大切な季節感です。
講座日時は1月17日(土)10:00〜15:00から。 また、今月の木ままクラブは1月15・22日です。  

☆1月の作業日のお昼はぜんざい

   1月は餅を持ち寄っていただいてぜんざいや雑煮を食べることにしています。  忘年会の次は新年会やろという向きもあるかも知れませんが、そう言うことは午後の作業を終えてからに願います。クマ本人が、「わかりました。」と申しております。
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://yurinkai.org or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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