'08年9号 No.124

☆作業日あれこれ

   活動を始める前は、真夏と真冬は作業をしないでおこうと考えていましたが、参加者に引きづられて毎年休まずやっています。前日まで受託業務の「やまのこキャンプ」に従事していたスタッフも全員参加して、今年も8月の作業日が始まりました。キャンプで準備できないから観察会はクマの担当ということにされてしまい、森の居酒屋あたりからネタ探しで苦労いたしました。しかし、日々フィールドにいない身にはかなり厳しい試練でありまして、最終的にはぶっつけ本番となり、森を歩きながらウバユリが毎年咲いている場所で観察です。株の数も花茎に付く花の数も少なく、息も絶え絶えの感じです。初期の森にはこの花だけは今より勢いがあったように思います。原因は咲いていた場所の陽当たりが良くなり過ぎたり、逆に林冠が閉ざされ照度が不足したことのようです。間違っても百合根を森の居酒屋で食べたためではありませんので誤解がなきように。適度に照度をコントロールして、真夏の日陰の花として観てもらいたいものです。(この森の真夏の日向の花はオニユリでしょうか?) 図鑑などには、花が咲く頃には葉は枯れているとの記述があるものがありますが、実物を見れば間違いであることに気づきます。


森のクマによる観察会・ウバユリ

 さて森をほぼ一周してケヤキの林で初夏に花を見たツチアケビのその後の観察が最後です。痩せたアケビかバナナ状態ですが、もう少し太ってくれるのかそれとも今年はここまでしか成長しないのかは来月のお楽しみですが、その頃には、“試食”ができるかも知れません。

 この日の作業は、竹林整備は第2駐車場の所の竹藪の間引きです。テングス病が蔓延していますが、間引いてタケを元気にするくらいしか対策がありません。この日は青年部長が不在で軽トラ野郎殿が実質上のリーダーだったようです。間引いたタケはファイヤー・サークルで、この暑さにもかかわらず課長殿が徹底的に処分してくださいました。彼でなければ、真夏のこの作業は缶ビール片手でもやりたくない作業だと皆が申しておりました。
 草原広場の周囲ではササの機械刈班と手刈班が分かれて作業をしていました。林床に繁茂するササは、林床の植生をササだけにしてしまいますので、多様な生物の生息環境を整備する遊林会の活動ではササ刈りは重要な作業です。時期と回数を計画的に実施すれば草丈を抑えることができ、他の植物が入る環境になりますが、その際にかろうじて生きているササ以外の植物も刈ってしまうと元も子もありません。
 屋外トイレの近くは機械刈り、ただし一網打尽は強く戒めておられますので慎重な作業となっていました。この作業ではどうしても蜂の巣を脅かしますので、毎回犠牲者が出ます。幸いと言ったら叱られそうですが、ハチですので被害もそれなりです。今回は敵討ちだと巣を探し出して蜂の子を召し上がっておられましたので、被害は蜂の方が大きかったようですが。草刈りの時に危険なのは地中に巣を作るオオスズメバチの巣の見落としです。こいつを知らないで刺激すると大変ですが、葉の裏に巣を作るのはアシナガバチと小型のスズメバチですので被害が少なくてすみます。同じ地中に巣を作る小型のクロスズメバチは、高級珍味として有名なジバチですので、見つければいずれ食べようという輩が出てくるに違いありません。




本日は男の料理・焼きそば

 この日のお昼は焼きそばとすいとんがメイン、できるだけいつもの食事班が休めるようにとの愛子様の作戦です。焼きそばは突撃隊長、助手は亀仙人、隊長はコック帽を被り正装で汗をかきながら調理です。見かねてそっと缶ビールの差入れをいたしましたが、隊長はこの日の夕刻から始まる大事なイベントの主催者のひとりで断酒。「大丈夫?」と一様訊いたんですが、日中は空いてるからと頑張っておられます。定年を過ぎたはずなんですが、隊長の体力と気力には脱帽です。
 すいとん担当はソメヤンハサケヤメター氏です。親方はナスの肉味噌など様々な料理の指南役といったところです。真夏は作業は午前中だけですから、お昼からは無礼講です。食事に感謝する「戴きます」の唱和はいつもの小学生の彼が珍しく欠席なので、生臭坊主の高校生の倅が親に代わって導師を勤めスタート。きちんといつものお昼のミーティングもこなしましたが、ご機嫌さんで二次会突入は予定通りでありました。しかし、この日は最新の平和を考える作品を上映しましたのでそちらも賑やかだったようです。最後にはスクリーンに向かって拍手まであったとか。そんなことはどこ吹く風、作業小屋ではトラ達の咆哮も聞こえておりましたが・・・・。



 9月25日(木) 水曜が振替休園のため、第4木曜日に変更します 
森の居酒屋は9月10日 午後7時頃〜

9月13日(第2土曜日) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp


 第4水曜日には20人が参加、ここ数日は涼しく過ごしやすい日が続いていたのですが、作業日には蒸し暑さが戻りました。この日はクズなどの機械刈り班と、手刈りによる林床管理班に分かれての作業です。  機械刈り班は、60ウン歳にしてここで初めて草刈り機を使って以来すっかり得意作業になった軽トラ野郎氏はじめ3人で実施。ここ数年ほとんど手つかずだった旧仮設トイレ付近の一角に手をつけてもらいました。先日の「木ままクラブ」以来この区域の機械刈りをしているので作業はずいぶんはかどり、クズに覆われていた区域は見違えるほど開けました。しかし、当然ながらクズの下にはほとんど幼樹は生育していません。手を入れるといい林になると思うので、今後この区域をどうしていくかは、ひとつの楽しみです。  一方の手刈り班はドングリ広場でタラノキやゴンズイなどの低木を選択切りです。冬にこの区域のナラ類を伐採した時には広々とした伐採地になりましたが、植物の力はスゴイ!今では2m先を見通すことができないくらい、ドングリの萌芽枝やタラノキ、ウルシの仲間、多くの草本などが密生しています。ここで思い出すのは2ヶ月連続で続いているハチ被害。毎回、草刈り作業ではハチに刺される人が出ています。今回はどうか…と思いながら作業していると、またまた特攻隊長殿に攻撃が!しかも今度はスズメバチの仲間でした。さすがに前回よりも傷むようで、珍しく早退されて念のため病院にも行かれたようですが、大事に至らずホッとしました。これでハチ被害は3ヶ月連続です。やはり今年はハチが多いのかも。

☆河辺いきものの森スタッフ・ルーム情報

   イベントやキャンプなど行事盛りだくさんの夏休みには、スタッフだけではまわりきらないこともあって、3年前から遊林会はインターンシップ制度を始め、こうしたフィールドで環境学習などを実施・運営してみたいと考える学生に来てもらっています。  今年は6人の学生が参加してくれ、入れ替わり立ち替わりしながらも夏休みのクイズラリーやイベント運営などに携わってもらいました。今年は「森に初めて森に来た」という人は皆無で、今まで大学から来ていたり、個人的に来ていたり、遊林会活動に参加していたりと、いわばリピーターばかりでしたので、要領もよく大いに活躍してくれました。遠く淡路島から来てくれたKさんはじめ、みなさんお疲れ様でした。引き続き森に来てくれることを願っています。  

☆遊林会が支援できること

   先日、東近江市野生動物保護管理対策協議会の設立総会にお呼びがありました。役所主導の設立総会ということで、遊林会が「動かない組織」として反面教師にさせていただいている通り、規約制定・会長就任とルール通りに進みます。この組織、たいそうな名前が付いていますが、実態は有害鳥獣の駆除を自然保護の観点も加えて実施しようということが目的で環境省の補助金が付いています。会員の中心はサル、シカ、イノシシによる獣害に悩まされている地域の方々です。活動方針等に議事が進行すると、それでは手ぬるい、役所は何をやってくれるんだと会場から意見が出ましたが、感心したのは事務局の対応でした。要旨は「獣害は地域が主体になってやらねば防げない、役所任せにするようでは解決できない、皆さんの地域の問題です」と真正面から答えたことでした。こやつなかなかやるなーとやる気を感じると共に、遊林会を呼んだ下心を知りました。自然保護団体として呼んだわけではなく、最近、獣害を防ぐために田畑と森の間に見通しの効くバリアー地帯を築くことが進められていますが、その際に木を伐るのでそうした活動を進めている団体として遊林会に声をかけたようです。10年間、木を伐って森を観察してきた遊林会には木を伐ればその後どうなるかのノウハウがあります。むやみに伐ってバリアーを作ったつもりでも、翌年になればすっかり草地となり獣たちの隠れ家にならないとも限りません。我々には、どうすれば毎年の管理を省力化できるかとか、どう労力を集中させるかなどの積み重ねがあるわけで、こうした知識が役に立ちそうです。求められれば協力しなければと感じました。と同時に市内で竹藪の伐採等の活動を知ったりするのですが、一時的な作業では返って逆効果になりそうな例もあります。といってお節介にも出かけて行って相手に迷惑顔をされるのも嫌ですので心の底に引っかかりが残ったりするわけです。組織形態は役所の枠を超えられないけれど、やる気がある担当者達が声をかけてきたことに敬意を表します。  

☆河辺いきものの森スタッフ・ルーム情報

   残暑が厳しくなければ9月は終日作業です。料理は愛子様に任せて、作業日の二日後に実施される初めての研修旅行の体力を温存しておいてください。研修旅行について通信でふれるのは初めてですが、7月の作業日で提案、その場で定員に達したために広報を控えました。キャンセルがあれば対応できますので興味のある方はお問い合わせ下さい。場所は富山県・杉沢の沢杉の見学です。15〜16日、マイクロバスで一泊二日の研修になります。自己負担1万5千円程度です。  なお先月号でもお伝えしましたが、9月第4水曜日が祝日の翌日でネイチャーセンターの休館日に当たるため、定例活動日を25日(木)に変更します。
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://yurinkai.org or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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