'08年8号 No.123

☆作業日あれこれ

   丸10年経過した記念すべき7月の定例作業日は梅雨にもかかわらず快晴。この日は覚悟?を決めて送迎付きです。森に入ると三平モドキが一輪車でビール・ケースを運び、ハリヨ池に浸けている現場に遭遇。それで良いんだと納得です。
 観察会が始まる頃、意外に少ない参加者数に首をかしげたのですが、それには理由が・・・この日の観察会はネイチャーセンター周辺の水辺からブンチャンが担当です。ここにはこの森の生態系保全にとって象徴的な植物・ハイハマボッスの花が咲いています。この場所は、森の整備前までタケが侵入して暗かったため林床に植物が生えていませんでした。そこでこのエリアのタケを皆伐、重機で根を掘り起こした結果、土をかき回したことになり、林床が多少凸凹のある裸地になりました。そこへ突然陽の光が注ぎ、それまで眠っていた植物の種が目を覚まし、強い光が好きで乾燥に強いのは凸部に、湿地のような場所が好きなのは凹部に生えました。こうした新たに生えたヤマウドの芽を見つけクマなどは酒の肴ができたと喜んでいたのですが、おじゃま虫殿はひとつひとつ分類されたのでした。しかし、彼女の経験と知識を持ってしても同定できない植物が見つかったのです。彼女は大阪自然史博物館の植物同定の第一人者に標本を送り、近畿版レッド・データー・ブックで絶滅と見なされていたハイハマボッスであることがわかったのです。その頃、窪地の至る所にこの花があふれていました。現在では、安定した所からこの植物は消え、復元した水路の水に絶えず攪乱される岸部に限って生育しています。観察会の最後はヤブカンゾウ。ヤブカンゾウの花が咲くためには強い光が必要ですので、花は草原広場と森の境界に咲いていましたが、本来ですとマント群落が成立する場所なのですが…

 この日は午後の作業はなし、記念パーティ?ですから、皆様、午前中に集中して作業です。いつもの通り竹林整備のリーダーは青年部長。今回は地域の方がお奉りされている野神さんの周囲の竹整理がメインでした。一方、昨年萌芽更新を図った野鳥観察壁の向かいでは、手作業の草刈りと切り株から出た萌芽枝の間引きです。本格的な間引き(もや掻き)は後3年くらいしてからですが、あまりに多いので少し間引こうということになったようです。早い時期に間引いてしまいますと、切株と萌芽の活着が弱く、残したはずの萌芽が風や雪で切株から外れてしまうことになります。草原広場ではクズやセイタカアワダチソウ退治です。この班の参加者で小学生の樵君のお母さんの一言、「記念日だというのに駐車場に着くと車がいつもより少ない、何でだろうと考えながら入ると駐輪場に自転車があふれていたのですべてわかりました!」。そうなんです、この日の参加者は自転車で参加。理由はわかりますね。観察会の頃、参加者数が少なかったのはこれが理由のようです。皆さん午後に覚悟を決めて参加なんだ、こりゃ、いかにも遊林会風だと感心した次第。ケヤキの林では腕に覚えの方々が刈払機で除草の続きです。今月は実生苗が混み合った場所ですので、それなりの注意をしていただいたものと思っていますが、細タケ退治でこの場所に至ると大先生の大きな声が聞こえるではありませんか。もう少しで今年も発生したシロテンマ(オニノヤガラと同種とされるが花の色と数、草丈、咲く時期が異なり別種と分類される可能性大)が刈払われるところでした。刈払機を操作している者に注意を伝える作業は、非常に危険(振り向き際に刈払機で脚を刈られる)ですが、シロテンマ、大先生共に無事でありました。めでたしめでたし。  
お昼は名付けて「焼き焼きパーティ」、各テーブルに炭火を用意して各自好きなものを焼いて食べる方式です。丸10年ですので、この日は大先生の発声で乾杯です。


丸10年、お疲れ様でした!

クマは心の中では、この間、遊林会の活動を支え既に鬼籍に入られた方々を思い出し感謝しながらの乾杯でした。反戦爺、生臭髭仙人、木登名人等の方々です。もう少しでクマもその列に加わるところだったのですが、悪運強く、未だこちら側におり、遊林会の有様を記させていただいております。人の運命を感じたからいけません、それなりにビールを飲むことになってしまいました。それでも恒例のミーティングも無事にこなし、二次会突入です。例の原節子主演「青い山脈」はどうなったのやら知る由もなく、トラの咆哮が久しぶりに作業小屋に響いておりました。その日、一部では四次会まで催され、青年部長は翌日、出処進退を問われるようなことはなかったかと確認してまわったとか。クマは家で平身低頭の日でありました。

 8月27日(水) 第4水曜日 森の居酒屋は8月6日 午後7時頃〜
8月9日(第2土曜日) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp


 非常に暑かった第4水曜の活動日は参加者18人。作業はササ・アオキ刈りと、薪の小割り作業です。ササ・アオキ刈りは、かつてこの森の保全活動をするにあたって植生調査を行った際、最も多様性が高い区域(つまり最も遅くまで森が利用されていた区域)での作業です。この区域は高林化が進んでいたもののヤマツツジなどが林床に咲き、しばらく手入れしなくてよかろうということで放置してきました。しかしあれから10年、さすがに林床にササやアオキが生えるようになり、うっそうとした樹林になってきました。そこで、今回ササとアオキを中心に下刈りを行ったのですが、結果かなり明るくなりやりがいのある作業でした。しかしこの時期のササ刈りにはハチへの注意が必要で、この日も2名がやられました。幸いスズメバチの仲間ではなく、ポイズンリムーバーと冷水と氷で処置したのでたいしたことはありませんでしたが、先月の第4水曜にも2名が刺されており、今年はどうもハチが多い気がします。もう一方の薪の小割り作業は、遊林会で受託している「やまの子キャンプ」事業などで利用するため枯れたスギを焚きつけ用の薪にするための作業で、暑い中大量の割り木を作っていただきました。  この日のお昼はたくさんのウナギの差し入れ(ありがとうございました!)があったほか、ナマリブシの素麺煮、夏野菜を使った品々など豪華メニューでした。しかし7,8月の作業は午前中で終了。さて午後からもう一汗、と思った方も多く、作業をやり足らなさそうに帰って行かれました。ぜひ次の機会に!

☆河辺いきものの森スタッフ・ルーム情報

   巷では7月からクーラーのスイッチが入るところが多いですが、ネイチャーセンターでは森と事務所との出入りが頻繁なことや、暑くても子どもたちは森を走り回っているという理由で、クーラーのスイッチは入れない慣例でした。しかし最近は事情が異なり、暑さに耐えかねて思わずスイッチを入れるスタッフも…何しろ平屋の建物の室温は38℃になることもあるのでやむを得ないのですが、今まで優勢だったスイッチ切派のマルは、多数のスイッチ入派に圧されているようです。遊林会常連組が事務所に寄った時、クーラー入っているか否か?…お楽しみに。  7月は学校の利用が一段落し、2ヶ月ぶりくらいに団体の入っていない日が出てくるのですが、かといってスタッフは休めるわけでもなく、夏休みのクイズラリー作成やイベント準備、インターンシップ受入手配、そして120人の子どもたちを連れて行く「やまの子キャンプ」の準備と、相変わらずどんどん日が過ぎていきます。  夏休み期間に募集するインターンシップは、今年も元気一杯の学生が参加予定で、中には淡路島から来る強者もいます。短い期間ですが、実際に子どもたちに触れ、スタッフのノウハウの一部を知ることができるインターンシップは、彼ら・彼女らに得難い経験になると思います。  

☆夏休み恒例イベント「森の地蔵盆」

   現在、夏休みのイベントをあれこれ実施中で、去る7月25日には60人の定員が1日で埋まり20人がキャンセル待ちという人気イベント「ザリガニつかみ大会!」を行いました。メダカやヤゴを食べてしまうアメリカザリガニを退治しようと2年前から行っているイベントで、毎年森の川の水を抜いて同じ区域で実施し、初年は1,300匹、2年目は1,950匹も捕獲しました。そのせいか今年は、以前いたのに最近姿を見せなかったショウジョウトンボやコシアキトンボなどが再び見られるようになりました。さて、今年の捕獲数は700匹。実はイベント開始前に水を抜きすぎて川が温水になってしまい、この時点でいくらかザリガニが死んでしまっていたという状況ではありましたが、それを含めて考えても昨年よりザリガニは減ったように思うので、やはり続けた甲斐があったようです。これで来年はさらにトンボなどが増えることを願います。
 このザリガニつかみ大会を上回る人気イベントが「河辺の森の地蔵盆」です。今年は定員を10人増やしたのですが、申し込み開始後40分で定員50人に達し、現在キャンセル待ちが30人弱。昔懐かしい遊びや定番の肝試しなどを現代の子どもたちに楽しんでもらおうというイベントで、8月第4水曜の作業日である27日の17時から行いますので、コマ回しを教えてやろう、かき氷を作ってやろう、お化け役になってやろうという方々、ぜひ応援をお願いします。  

☆8月の作業日のお昼は、男の料理

   8月も作業は午前中のみ、午後は平和を考える時間です。地獄の釜も休む時期ですので、いつもの賄い方も休憩。8月恒例の「男の料理」はソメヤンハサケヤメター氏のすいとん、ヘムスロイド村突撃隊長の焼きそばの予定です。先月のお昼には、久しぶりに池の水で冷やしたビールもすべて飲み尽くされたそうです。8月も平和をかみしめ飲むもよし、名作に涙するもよし。古い作品が続きましたので、本当は「我が青春に悔いなし」が脳裏に浮かんでいるのですが、大先生のご要望「酔って字幕が読めるか!」も考慮に入れながら新しい作品を考えることにいたします。

☆9月第四水曜日は日を変更

   9月第4水曜日が祝日の翌日でネイチャーセンターの休館日に当たるため、定例活動日を25日(木)に変更します。  
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://yurinkai.org or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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