'08年7号 No.122

☆作業日あれこれ

   6月の作業日は梅雨入りしていたのですが、さわやかな作業日よりの天候です。観察会は、昨年ハリヨが見つかったハリヨ池の下の池で、チビハリヨを探すことから始まりました。先日、成魚が泳ぐ姿を見かけたのですが、蛇掴み名人は今年生まれたメダカよりも小さな幼魚を発見、みんなで共有することにしたのです。ハリヨの命は1年なので、これらのチビハリヨは昨年生まれた親が育てた子(ハリヨは雄が巣を作り雌を誘い込んで産卵させ、巣を守る)のようです。気になるのは夏場の水温上昇や揚水している地下水の水位低下による供給不足です。無事に世代を重ねて欲しいものです。  次は花の時期が過ぎかけているイチヤクソウ(一薬草:利尿効果があるとか)の観察ですが、この花は光合成が充分にできず菌根から養分の提供を受けている半寄生の植物と見なされています。保全作業を始めた頃は限られたほんの一部のエリアでしか見かけることができなかったのですが、特殊な菌根菌が必要で人工的には栽培の難しいこの花を、現在では森の広いエリアで見かけるようになっています。適度の照度と菌根菌の育つ土壌のなす技ではないでしょうか。


色が優しいギボウシ

 オオバギボウシ、コアジサイと周り、最後はケヤキの林に発生したツチアケビです。花は蕾の状態ですが、5本もまとまって発生しています。葉緑素を持たない、この森でよく見かけるオニノヤガラと同じランの仲間です。秋に実ができると昔ならアケビですが、現代ならバナナの房が地面に突き刺さっているという感じです。ナラタケ菌との共生と言われますが、クマの見るところツチアケビからお返しする物がないようなので寄生ではないでしょうか。ナラタケ菌は林業家の間では生きた木を枯らしてしまうナラタケ病の原因として嫌われており、食菌であるナラタケの栽培方法が確立されているにもかかわらず、栽培が禁止されている菌類です。しかし、その嫌われ者のナラタケから養分をかすめ取るのがツチアケビやオニノヤガラ、上手がいるものです。 ちなみにこの日、おじゃまむし殿に連れられてやって来た学生は、オニノヤガラの花に入り込んで茎から根塊までを食べ尽くす昆虫の研究だと か。更に上手です。ならば秋にバナナに似たツチアケビを我らも味わって食物連鎖の上位に立つというのはいかがでしょうか。  天候に恵まれたこの日の作業メニューは、竹林整備、萌芽更新区域の林床管理、ケヤキの林の機械刈り、ドングリ広場で細竹とクズ退治、昼食作りです。竹林整備はもちろん青年部長がリーダー、いつもより太い筍が発生しているので、できるだけ残して秋に細い古タケを間引いて更新させる計画で作業です。軽トラ野郎はもちろん間引いたタケになりかけの筍の運搬と処分役です。ナラ枯れ対策で萌芽更新を図っているエリアでは、今年も陽当たりが良くなり、林床は草ぼうぼう、これをドングリの苗などを残しながら手刈りです。同じような作業のドングリ広場班とは作業開始前に参加者の取り合いを演じておりました。ドングリ広場班のリーダーは蛇掴み名人、このリーダーならマムシが出ても安心というのでしょうか、親子連れはこちらに参加して、一面のセイタカアワダチソウと挌闘していました。今月もチビッコ部隊はキッチリと仕事をしています。機械刈班はリーダー不在、ひとり親方状態ですが、今回はいつも最後になって刈り損ねる西側から東へ攻めることになりました。草原広場一網打尽事件の関係者が進める作業、午後そのことに気が付いた大先生、「(俺が移植した)イタヤカエデは大丈夫やろか?」とご心配、「先生、あの場所は真っ先に刈ってましたで・・・・。大丈夫です、通った時に見たら大きいのは残っていましたから。」と申し上げました。イタヤカエデの成木はクマの樹木何とかの木として宣言、占有されておりますので、大先生は自分の木は育てているあれと決めておられるのかも知れません。しかし、あの木はまだ3mほどですから、大先生、長生きをしてもらわねば使えませんよ。


大賑わいの食事タイム

 この日のお昼は約束通り筍尽くし、筍の天ぷら、筍御飯、味噌汁etc、50人ほどの参加者でわいわいがやがやといただきました。絶不調のクマは、親方から「そりゃ、迎え酒やで。」とつっこまれておりましたが。午後ももちろん作業、6月にしては気持ちよい作業日が過ぎていきました。  第4水曜日は曇り空の作業日。作業は枯れた木の伐採と、木カマによる萌芽更新区域の下草刈りです。この日は比較的多く20人が参加。枯れた木の伐採は、竹林の中で立ち枯れしているスギを中心に伐採しました。伐って、倒して、玉切りして、小割りの薪にするまでの仕事です。梅雨にも関わらず涼しげな日でしたので、どんどん作業が進みました。一方の下草刈り班は、実生で芽生えているコナラやイタヤカエデなどの苗木は残し、その他の植物(ササ、アカメガシワ、アオキ、アラカシ…)などを選択的に刈っていく作業です。下草を全滅させるわけではないので結構手間がかかります。それでも何とか、必要な苗木を残し、不要なものを刈ってきれいになりました。しかし、藪をつつけば出てくるものもいて、この日2人がハチにやられました。すぐにポイズンリムーバーで毒抜きをし、水で洗い氷で冷やすという処置を行ったのでたいしたことはなかったのですが、1匹はスズメバチの仲間だったようです。この日のお昼ごはんは旬の野菜をたっぷり使った盛りだくさんの料理。やはり水曜日のお昼は豪華です!しかもどれもおいしかった!午後からは、両作業班合流して、ひたすら枯れスギの薪を小割りにする作業を行いました。

 7月23日(水) 第4水曜日 森の居酒屋は7月9日 午後7時頃〜
7月12日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフ・ルーム情報

    7月に入ると、夏休みまでの秒読み開始。スタッフは、クイズラリーやイベント、キャンプの準備に奔走しています。  その上、今年は森の植物図鑑を作るというので、わずかな暇を見つけてはスタッフは資料写真の撮影を行っています。クマ氏がおNEWのデジタル一眼レフを買うに当たって下取りに出す旧カメラをスタッフが買い取ったのを含めると、ほぼ一人に一台という理想的な環境が整ったスタッフルームです。そういえば遊林会青年部長殿もデジタル一眼レフが欲しいと言っていたなあ…

☆「木ままクラブ」のこと

    2007年4月から「定例活動日の週に属さない木曜日に、気軽に気ままに活動しよう」という趣旨で始まった遊林会「木ままクラブ」の活動は、今年度既に5回;52人の参加で活動を行いました。たいていは、定例活動日よりも難易度の高い集約的な作業をする男性班と、遊林会グッズなどを創意工夫してくれている女性班に分かれて活動を行いますが、昨年までは男性班については7月から9月は作業をするには暑いので休止、ということに(スタッフが!?)していました。しかし、皆さんのやる気とパワーはすごい!軽トラ野郎氏や炭焼名人氏などが「今年は午前中だけでも良いから7月以降もやるよ!」と言ってくださり、通年作業を実施することになりました。木ままクラブはこれまで朝9:30開始でしたが、暑いと言うこともあり、定例活動日と同じく9:00からのスタートとなりましたので、またお越しをお待ちしています!  今月は、3日・17日・30日です。  

☆夏休みイベント情報

    夏休みには小学生対象に種々のイベントを実施しています。大賑わいのザリガニつかみ大会をはじめ、工作など6種240人を対象に実施します。  その中でも毎年人気で二桁のキャンセル待ちが出るのが「森の地蔵盆」。夕方森に集まり、ドングリ鉄砲で的当てをしたり昔なつかしいコマ回しをしたりといろいろな「遊び」を楽しんだ後、すっかり暗くなってから肝試しをしに森へ出かけたりもします。  スタッフのお薦めは、なんといっても「1日レンジャー」。子どもたちにとっては、森に詳しくなれるいいチャンス!スタッフにとっても、森のことを知ってもらういいチャンス!何を体験してもらうか、どんな反応が返ってくるのか、ドキドキしています。  

☆遊林会のホームページが引っ越します

    提携先のプロバイダが9月末で閉鎖になるため、ホームページを引っ越します。また、これにともないメールアドレスも変更になりますので、HPの「お気に入り」やメールアドレスの変更をお願いします。本格稼働は7月後半からを予定しております。よろしく!

■新しい遊林会ホームページ http://yurinkai.org (orgはオーガニゼーション) ■新しいメールアドレス ikimono@e-omi.ne.jp  

☆7月の作業日のお昼は、お祝いです

    活動開始から丸10年が経過し、11年目に突入しています。40代だったクマも50代後半です。気持ちと口は変わりませんが、身体は随分変化がありました。いろんなことがありました。初めての人も歓迎、みんなで作業で汗を流した後、大いに盛り上がりましょう。それに合う料理は愛子様に任せましょう。ビールは三平モドキが池で冷やしてくれることでしょう。しゃべり疲れたら昼寝有り、観察会有り、例の原節子物(青い山脈を予定、ブーイングが多い場合は考え直します。)有りです。久しぶりにトラの咆哮も聞こえるのかな。
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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