'08年5号 No.120

☆作業日あれこれ

 4月の作業日は地域のお祭りの日でもあります。祭りにも作業にも嬉しい日和で、春真っ盛りの観察会は咲き誇っている花がテーマです。スケッチブックに花の絵などを描いて観察会の準備をしたブンチャンは、小さな花が寄り集まっているタンポポの花の構造を絵を使って説明、わずか3つだけれども実際に分解して数を数えた話、97個から241個まで大分開きがあるけど平均取って164個です、と笑いを取っていました。イチリンソウは作業日に合わせたように前日くらいから咲き始めたそうです。この日の目的のひとつは森の一番奥にあるヤマザクラ。視界を他の木に遮られて見にくいうえに樹勢が衰えているようで華やかさに欠けますが、今年も立派に咲いてくれました。


ちびっこ達も活躍します

   今月の作業メニューは竹尽くしでしたが、ケヤキの林ではお目こぼしタケの絶滅作戦、リーダーは蛇掴み名人です。水辺の南側の林は、保全活動以前は遠目にはケヤキの疎林ですが、20m前後のケヤキの下は10m前後の高さのタケが密生したエリアでした。整備事業でタケを皆伐しましたがタケの地下茎は生きており、養分を蓄えさせず枯らすために発生したタケノコやササ状のタケを刈って、ケヤキなどニレ科の実生を育てています。毎年、湖東信用金庫さんなどの応援も得て刈払機で作業、その後残った物を長刀モドキで刈りますが、いつも南口から西に作業するので西の端までやり終えられず、気が付くと敗者復活状態です。そこでこのエリアで作業したのですがタケは見事に育っており大変な作業でした。これからはキッチリとお目こぼしなく、タケ退治に努めましょう。
 草原広場では堤防沿いからタケを伐り出し、竹柵の材料作りです。初めは長さを揃えるメジャー役の竹が動いて長さが不揃いになりましたが、亀の甲より年の功、戦争中の経験を思い出し、メジャー役の竹の端の手前を欠いて引っかかりを作り、竹の端をこの部分で固定するようにして作業の精度を上げていました。
 炭焼窯の近くでは先月同様に太いモウソウチクを割って炭焼原料作りです。作業小屋の前では、竹炭を洗い長さを揃えて切り、販売用竹炭作りです。リーダーは三平モドキだったんですが、いつの間にかヘムスロイド村突撃隊長が炭を洗う子ども部隊を指導、切り終えた炭を天日乾燥と頑張っておられました。今回もちびっ子達はちゃんと作業をこなしていました。
 昼食準備班には久しぶりにソメヤンハサケガスキー氏が参加、当地の祭りのために少なくなった人手に心強い応援です。メニューは、タラノメやヨモギ、ツバキの花、シイタケなどの天ぷらとカレーです。もちろんタラノメなどの調達は大先生のお仕事であります。

 遠くに祭り囃子が聞こえる中でお昼です。この日はヘムスロイド村御一行様が隊長お一人、山田親方も不在、ソメヤンハサケガスキー氏もソメヤンハサケヤメター氏に改姓したとかで、朝に森まで送ってもらって花見モードで参加したクマは拍子抜けでした。異動した先で休日出勤のうしまろも昼休みにやって来て、入れ替わりの新人と共にご挨拶をしておりました。この時間を借りて、毎年森のコンサートに協力をしてもらっている大阪センチュリー交響楽団の存亡の危機に際して署名活動の紹介とご協力を皆様にお願いしました。遊林会では組織としてはこうした活動に取り組まないことにしていますので、個人からのお願いの紹介と個人が任意での協力という原則は貫かれたつもりです。 午後ももちろん作業、花見モードはどこにもなく、例のピカピカの高校生は竹炭洗いが終わったちびっ子達をリヤカーに乗せ自転車で引っ張って走り回っておりました。


自信満々?、竹柵部隊

   第4水曜日の活動は、好天にめぐまれ汗ばむほどの陽気でした。集まったメンバーは花粉症から復活した軽トラ野郎氏をはじめ人。女性陣は早速調理にかかってくれましたが、男性陣は少し春の雰囲気を味わいに森へ。青空に映えるカスミザクラやウワミズザクラを楽しみました。
 本日の作業、まずは整備当初に既存木に取り付けた支柱杭はずしから。手間がかかりますが、チームワークがよく作業がはかどります。作業をしながら今話題の「後期高齢者」に話が及ぶと、「後期なんて馬鹿にしとるなあ」との意見のある中、その域に達している炭焼き名人が「遊林会の後期高齢者は元気やぞ〜!」と一笑。みんな納得です。予定以上の作業が終わり休憩に戻れば、朝摘みヨモギで作ったお団子が。休憩時間に間に合うようにと大急ぎで作ってくれた女性陣に感謝しつつ、春の香たっぷりのお団子を味わいました。
 その後メイン作業、落ち葉を入れる竹柵の新調です。8年ほど使った竹柵を新しくすべく、第2土曜で準備した竹を使い高さほどの柵を作ります。既存の竹柵がある中、どう新調するかを相談すると、既存竹柵を壊さずその外側に新しく竹柵を作り、あとで内側のボロ竹を取り外すという方法に決定。先ほど調達した杭を打ち込み番線で竹をくくるのですが、作業リーダーのマルは何度見てもシノを使った番線のくくり方を覚えられません。しかしそこはベテラン揃い。あっという間に番線が巻かれていきます。
 
 ここでお昼。お昼は差し入れのタケノコづくしで、水曜ならではの豪華メニューでした。午後からも引き続き竹柵づくりにかかりましたが、立てていく竹の高さをカケヤで細かく調整してそろえるなど芸の細かさはさすが遊林会で、最後に内側のボロ竹もきれいに取り去り、午後2時頃には立派な竹柵ができあがりました。  

 

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

    うしまろと交替でやって来た藤田、このところ、髭を伸ばし始めたようです。うしまろも剃り残したようなナマズの顔に見えなくもない髭を伸ばそうとしたこともあったように思いますが、ここで仕事をすると髭を伸ばしたくなるようです。最初はオーチ、そしてクマでした。オーチは役所の中で髭を伸ばすのにやましさを感じていたようで、剃刀負けをするのでと言い訳をしておりました。それなら口の周りだけでなくリンカーンの様に揉み上げも残さなくてはと笑った覚えがあります。この髭ですが、伸ばし放題とはいかず、それなりの手入れが必要なのは森の自然と同様です。さて、新人の髭は今後どのようになるのでしょうか?   

☆フデリンドウと落ち葉掻きの提案

    久しぶりにフデリンドウが咲いているのが見つかりました。草原広場の縁で防火水槽の近くです。6年前にも咲きましたが、その時の場所はドングリ広場の近くの観察路沿いでした。背丈が10pほどしかない春に咲くリンドウは、他の草が背丈を伸ばして陰になる前に活動を終えるキクザキイチゲなどと同じ戦略を取る春植物ですが、咲いた場所を観察すると保護をするには対策が必要なようです。今回、かなり離れた場所で再び見つかったので、埋土種子としてそれなりの数が森の土に含まれているものと考えられますが、いずれの場所も厚い乾燥した落ち葉に覆われており、発芽したとしても落ち葉を貫いて陽の光を浴びることがかなり難しそうです。そのような理由で、この森ではたまにしかフデリンドウの花を観ることができないのではないでしょうか。
 そこで提案です。現在落葉掻きをしているのは、交流広場と名付けた高林管理をしているエリアだけですが、観察路沿いの落ち葉の吹きだまり状態になっている部分を集中的に季節にかかわらず落葉掻きをすれば、そのような場所で見つかっているフデリンドウ、キンラン、ギンランなどが発芽し成長することを助長することができるのではないでしょうか(助長の言葉の由来のように芽を引っ張って枯らしてはいけませんが)。 今までどちらかというとおざなりになっていた落葉掻きに今年は力を入れたいと考えます。  

☆5月からのイベント

    毎年5月第4日曜日には愛知川河川敷で大凧まつりが開かれますが、その会場に隣接する森では「みどりのつどい」が行われます。今年は5月25日(日)に開催ですが、毎回遊林会もクイズラリーの実施や物品販売を行っています。今年は木ままクラブで活躍中の女性のみなさんがたくさんの作品を準備している他、おなじみの竹炭なども販売します。いずれも保全活動で出た枝や竹を有効に利用したもので、少しでも活動資金になればと思っています。皆様のご協力を!というより、一緒につどいを楽しみましょう!

 また、こちらも恒例のみどりのつどい前夜祭として実施している春の室内楽コンサートは、今年はまさに前夜祭の24日(土)17:00より実施です。今回は弦楽に加えて、大阪センチュリーの主席奏者による初のクラリネットが加わります。今回もおなじみの曲を用意してくれています。お楽しみに!

   さらに、昨年度よりはじめた50代以上の男女を対象とした「いい大人講座」を今年も実施します。観察会あり、連続講座あり、工作ありと多様ですが、今年は新しく染色講座もあります。6月から来年2月まで7種類の講座を行い、詳しくはHPで紹介しますが、とりあえず6月からはじまる連続講座のみお知らせしておきます。申し込みはネイチャーセンターまで。
■連続講座「里山の四季」(4回連続)

季節のうつろいを楽しみながら地域の里山のことを知り、保全活動を体験します。
68日(日)、927日(土)、126日(土)、228日(土)
10:0015:00、定員20人、料金1,200   

☆5月の作業日のお昼は?

    間もなくハチクの筍が出るのですが、少し早いので頂き物のモウソウチクの筍がなければ、筍料理は来月までお預け。ヤマウドはたっぷり採れるのであてにはよいでしょうが、あれでは腹の足しにはならず、葉っぱを天ぷらにでもしましょうか。いつものように季節感あふれるお昼になることでしょう。    容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


▲前の号 | 河辺林通信トップ | 次の号▼

| ホームに戻る |