'08年3号 No.118

☆作業日あれこれ

 天気予報は午後から本格的な雪模様になることを告げていましたが、いつもの通り人がやって来ます。雨が降ろうが槍が降ろうが作業日のファイアー・サークルでは、焚き火をするのも遊林会流です。前日より山番さんは腐りかけた太い丸太を立てシートで濡れないように覆って準備万端。皆が来る前に着火したM式焚き火、火を見ると周りに集まりたくなるのは人情、しかし、要注意。この季節、暖かくて乾燥させやすいフリースや防水のためにナイロン系の衣料を身に着けることが多いのですが、いずれも火に弱く火の粉を浴びて焼け焦げを作ることとなります。服に穴が空くのもいやですが、フリースなどではじわーっと燃え広がり下着まで焦がして灸を据えられることもしばしば、クマなどはフリースの帽子でそんなことになり、もう少しで円形禿になるところだった経験もあります。


作業開始直後

   このところ、自然観察会はフィールドに出るよりは作業小屋で準備した教材を相手にすることが目立っていますが、この日もトランプ風に作った常緑樹写真入のカードで、ババ抜きや神経衰弱となりました。ゲームを抜け出した軽トラ野郎と青年部長はサークルの周りで火の番です。終われば今回はプレスリーの曲に合わせてストレッチ、年齢的にはそれほど違和感のない世代のはずですが、趣味が違ったようで照れ臭そうにやってます。その頃には吹雪状態となり作業メニューをカット、野外作業は竹林整備と落葉掻きの二つとしました。
 竹林整備は湿った重い雪で折れたタケや混み過ぎたタケを伐り出して処分します。伐り出したタケの輸送は2台の軽トラ、1台もちろん軽トラ野郎が運転、残りの軽ダンプはうしまろが運転、荷台で嵩張るタケの重し役がオーチです。このダンプ、ファイヤー・サークルに荷下ろしをする段になると、あわててオーチが荷台から滑り落ちて避難するのですが、燃やし役の面々からは「何で燃えさかってるサークルに(オーチを)空けて一緒に燃やさへんのや。」と声が上がります。口の悪い同僚から、すかさず「仕事と一緒でくすぶるばかりで、燃えへんのですわー。」と言ったとか言わないとか・・・・。
 交流広場では湿って重たいのですが、今までできなかった落葉掻きです。この作業、簡単そうで割合重労働なんです。熊手で落葉を掻いてやると、林床には落葉に覆われていたシュンランの花芽が顔を出します。これで4月の初めにはシュンランの花を見ることができます。活動を始めた頃の暗い森ではほとんど見られなかったシュンランですが、最初に林床整備をしたこの場所では足の置き場にも困るくらいのありふれた植物になっています。ほとんど結実しませんので、時には花を採取、塩漬けして味合うのもありかなと風流なことを考えてしまいました。この森でシュンランの結実を見るのは年に1本あるか無しかで、実は株に比べてとても大きく、中には粉のような種が無数に詰まっており、森の中に風で散らばる戦略です。小さくて種に栄養を蓄えていないラン科の植物はラン菌と共生して成長しますが、生息条件が整えば埋蔵種子だけでなく過去に宿主となったランがラン菌によって不死身のような復活もするようですので、シュンランだけでなくギンランやキンランシロテンマの再生の一因かなと考えたりします。脱線しましたが、摩訶不思議なラン科植物の生態です。


お昼前には雪が積もり始める

  この日は、休憩時に吹雪の中の作業で冷えた身体を暖めるのに嬉しい甘酒が用意されました。甘酒といっても麹ではなく酒粕と砂糖を材料にしていますので、アルコールが全く駄目な人は酔うかも知れませんが、一同そんな心配はなさそうな連中ばかりです。青年部長は、昔はこの時からビールを飲み始めたんだよねと相づちを求めてきます。
 お昼は簡単に済まそうとするのですが、いつも盛りだくさんの料理になってしまい昼食班は時間ぎりぎりまで大変です。この日は差入れのブリのアラを使った粕汁と塩焼き、炊込御飯、ひじきの煮物、天ぷら、肉味噌とふろふき大根、日野菜の漬け物、差入れの八朔と苺のデザートと豪華です。

 午後は雪見酒と決めつけた連中がトラ御用達テーブルの横に集合、メンバーはヘムスロイド3人衆+α(最近飲み助が一人増えてます。)、親方、仕事でくすぶり愚痴はこぼしても酒はこぼさずのオーチ、それにクマなどです。 時計を見ながらいつものミーティングの時間を気にしていたのですが、まだ早いと思っている内に時間が過ぎてしまい後悔することしきりです。食事が終われば、子ども達はかまくらを作って大喜び、女性陣は森守堂、先の連中&その他の飲み助は作業小屋のストーブの周りで延長戦と思い思いの時間を過ごしておりました。それぞれに楽しい吹雪の森の午後でありました。

 3月26日(水) 第3水曜日 森の居酒屋は3月5日 午後7時頃〜
3月8日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

週日の活動日は激しく雪が降る中での作業です。こうなると活動日の天候の悪さは神がかり的です。2月も末ですのに雪の降りしきる中での活動です。今回はドングリの林の大きなアベマキを伐り倒しました。ナラ枯れ対策に森の若返りは欠かせません。幹の部分は玉切りに、枝は薪や柴にしました。雪の中ですので作業にあたっては事故に細心の注意を払いますが、伐った木の運び出しにも足元が滑りやすく転べば伐った枝などの切り口で手に怪我を負いそうです。

第四水曜も厳しい天候

   全てを整理すると軽トラ2台分にもなり作業小屋の周辺まで運び出しました。激しい雪が降り続くため木を切ったドングリの林は11時頃には撤収し勢いに任せて今度は作業小屋周辺に積んだ玉切りした幹の部分の薪割りを薪割り機と斧で行いました。  お昼になると森で言うところの焼き焼きパーティーです。森で炭焼き名人が焼いた炭を使って色んな食べ物をテーブル毎に設置した小さな焚き火台の上で焼いて楽しみます。本物炭火焼き料理では自分の好物を選んで焼き加減を調整しながらアツアツで食べるため大変に贅沢な昼食です。おいしい昼食を済ませた後は午前の薪割りを引き続いておこないました。今年消費して空いた薪棚を今回の活動で出来た新しい薪で補充する事が出来ました。  

☆河辺の森スタッフルーム〜森が解る辞典

  平成20年度の市予算で河辺いきものの森のオリジナル辞典を作る事が決まりました。「こども未来夢基金」を財源として市から遊林会が委託事業を受けて実施します。この基金は市民の方の寄付金をもとに、寄付していただいた額と同じ額を市が積み増して子どもたちが、未来に夢と希望をもてる事業を実施しようとするものです。今回実施する事が決まった「(仮)河辺の森の物知り辞典」ですが内容の写真や解説はこの森に特化した印刷物になるのですからオリジナリティーが無いといただけません。また著作権違反と言う訳にも行きませんので今から冬の植物などの写真を撮り貯め一年を通じて網羅しなければなりません。この事はスタッフも重々承知していて既に写真を撮ったり調べ物をしたりして着々と準備をすすめています。  さてこれに関連してスタッフでは新しい動きがあります。まずは充実した写真を撮るためと物欲に負けてブンチャンは一眼レフのデジカメを買いました。森のカメラに習って同じメーカの小さな可愛い機種を買いました。ここのスタッフのカメラエンゲル係数には尋常ならざるものがあります。また辞典のために森の植物などを調べる過程で撮った写真やトピックスなどを順次紹介するブログを新たに開設してはどうかと言う案も出ています。さてどうなる事やら。

☆森のバード・ウォッチング

    落葉樹の葉も落ち冬鳥が訪れるこの季節は、双眼鏡があると森を歩く楽しみが増えます。  よくみられる野鳥は、ネクタイをしていると形容されるシジュウカラに、尾羽が長い柄(え)に見えるエナガ、文字通り目の周りが白いメジロ、この森で最もポピュラーなキツツキのコゲラなど。これらは混ざって群れをつくりながら移動しているので、一度に見ることができます。  その次によく見られるのが「紋付き袴」の紋を付けているように見えるジョウビタキ、器用に落ち葉をめくりながら地面でエサをさがしているシロハラ、近くの公園などでも見られるツグミ、水辺で可愛く尾を振るセグロセキレイなど。  ここまでは、少し鳥を見る気で森を歩くと出会える種類です。不思議なことに、植物も生き物も目が慣れてくると今まで見えなかったものが見え始めます。次に見えてくるのは、瑠璃色の羽をもつルリビタキ、クチバシの大きなシメ、小さな猛禽モズ、美しい鳴き声のイカル、地面をヒョコヒョコ歩いているアオジ、飛ぶと黄色の羽が美しいカワラヒワなど。さらに運が良ければ、水辺の宝石カワセミ、頭頂部の黄色が菊を戴いたように見えるキクイタダキ、ホオジロに似たモヒカン頭のカシラダカ、コゲラより大きなキツツキのアカゲラなどに出会えます。  この他にも色々いますが、この森は保全のため木を伐採して明るくなったところもあれば、暗い藪も残してあり、さらに草原、竹林、水辺など多様な環境があるので、森林性の鳥から草地性の鳥、水辺の鳥までたくさん野鳥が来てくれるのだと思います。

☆3月の作業日のお昼は?

    3月の作業では、椎茸の菌打ちが季節らしい作業です。これは天候にかかわらず、やり遂げなければならず、1年半後には遊林会の昼食の材料を提供してくれます。さて、お昼ですが、愛子様はおでんにするよとおっしゃっております。また大量に飲んでしまいそうでクマは迷惑をかけないか心配しています。    容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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