'07年8号 No.111

☆作業日あれこれ

   遊林会発足10年目の記念の定例活動日(7/14)は、翌未明に台風が接近する気象条件で、きっちりと雨です。中止をしないのが遊林会流。その辺を理解された瀬田文化ゾーン(県立図書館や近代美術館のあるエリア)の仲間はグループで参加です。しかし、午後のコミュニケーションを楽しみにしていたシニア飲ベェ組の姿が皆無に近く、炭焼名人ばかりが目立ちます。30人程集まったところで雨の中の観察会スタート、三平モドキは今回も上の池からです。さすがにハリヨを探すことからは卒業、水路にあるバイカモ(梅花藻)の花の観察ですが、5年前に能登川の垣見から移植して今では水路いっぱいに広がっています。よく観察すると、生えているのは流れがある部分だけで止水した部分には全く生息していません。しかもつぶさに観察していると、これが株を増やすのは冬の間です。春植物と同じキンポウゲ科だからでしょうか。
 ハリヨは、この藻の中に住む虫を餌に、藻によって流れが穏やかになった環境に巣を作るらしいのです。ですからあのハリヨ達のかなりの部分がバイカモの中に生息している可能性があり、見つからない原因のひとつかも知れないということです。いずれにせよ、ハリヨはアユと同じ年魚のため、今期、繁殖をしていなければ、来期には生存が期待できません。水路いっぱいに広がったバイカモに祈るような気持ちです。次に草原広場に場所を移して、管理をしている草原がそれでもススキやパイオニア植物(木本)の森へと遷移をしている様子を確認、どの状態に管理をするか悩むことになります。セイタカアワダチソウやクズは絶え間ない管理のおかげで勢いを減じていますが、逆に勢いを増してきたのはススキやヤマウド、タラ、タニウツギ、ヤナギなどです。以前は一面のオカトラノオが見られたのですが、今では少数派です。この冬には対策を考えましょう。


記念日の昼食

    雨でも作業をするのが慣わし、竹林整備に燃えた青年部長ですが、シニア組が欠席で二人で今年生えた細いタケ退治となりました。逆に先月一人だったタケ退治ゲリラ部隊はスタッフにドブネズミ殿を含めた最強部隊で転戦、最後はケヤキの林で実生のケヤキの中に紛れたしつこいタケ退治をしていました。
 三平モドキは、瀬田から参加のお客様と一緒にナラ枯対策の萌芽更新の森で、萌芽や植えた苗を保護しながら手鎌で下草刈りです。え!、雨なのにマジでやるの!って感じだったかも知れません。切株の直径に関係なく萌芽する株としていない株があり、こればかりは木の勢いの差だなんだろうなと納得するしかありません。
 屋外トイレの横の林床ではササ刈りに5台の刈払機のエンジン音が響いています。もちろん主要なメンバーはヘムスロイド村3人衆、まさか雨の今日はやるまいと様子見だった草刈名人も巻き込まれています。

 この日の作業は午前中のみ、時間が来れば10周年記念パーティです。乾杯の発声は、初めての活動日、その日も雨でしたが、その時の5人衆の一人、ドブネズミ殿です。何をしゃべってくれたかは忘れましたが、ようやくビールにありつけることとなりました。お昼のメニューは初めての試み、各テーブルごとにコンロを置いて各自いろんな物を焼いて食べるという趣向です。他にはちらし寿司と豪華版です。しかし、トラ御用達テーブルは炭焼名人ばかり、隣のヘムスロイド村御一行様を中心とした若者(?)グループのみが盛り上がり、延長戦突入。午後からの恒例のビデオも用意していたのですが、誰も見る者がなくトラの遠吠えが響く雨の森の作業小屋でありました。とりあえず10年目を無事に迎えられてよかった!感慨しきりです。


かいどり大作戦

     第4水曜日の活動日は、第2土曜には顔を見られなかったベテラン組も勢揃いでひと安心です。今回は竹の切り出しと枯れた木の運び出しです。竹は中にご飯を入れて炊くイベントに使われ枯れ木は8月1日から、森のスタッフが指導するキャンプで利用します。木は直ぐに火が着くよう細かくするため斧やくさびを使って割り200人がキャンプで利用できる程の焚きつけが午前中には出来上がりました。お昼には特攻隊長差し入れのウナギの蒲焼きと鈴木さん差し入れの素麺をメインに三平モドキには辛すぎる丁字麩の芥子和え(クマは郷土料理のこれが大好きで、祖母はクマが帰る日には母に許可を得てこれを造ってくれていました。すいとんもそんな料理の一つです。)をいただきました。 今回の昼食にはキャンプのリーダーや小学生が持参の弁当を広げる姿がありました。クイズラリーを解くために一日中森をかけ回ろうと弁当を作ってもらって森へやって来たのです。こうした小学生がいる事は施設を計画した身としては、嬉しくなってしまいます。さて午後からの作業は7月は炎天ですので中止です。今回はついに映画鑑賞会が無事おこなわれました。


   

 8月22日(水) 第4水曜日 森の居酒屋は8月8日 午後7時頃〜
8月11日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

  

  

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   今年の夏休み期間中はスタッフにとって特に厳しい日々です。イベントの量もさる事ながら去年大活躍してくれた頼みのインターンシップが今年は応募が少なくて大変です。昨年の応募者を酷使しすぎて悪い評判が伝わったてしまったのでしょうか。8月の初めには市の教育委員会主催のキャンプの業務を一部、遊林会が請け負っています。このキャンプは永源寺地区の愛郷の森で実施され、スタッフの多くが出払います。河辺の森は留守部隊が預かる状態になるのです。真夏といえどもセンターにはやせ我慢の伝統がありまして、エアコンがあるにもかかわらず、冷房が入らないのです。これは冷房のないフィールドで楽しんでいただくお客様に、即、サービスが出来る様にするためです。冷房のある場所で涼んでいると、つい相手をするのが億劫になるとの事で、クマがいた時からそうです。(実際には、平屋で木陰にならないセンターの室内温度は38度を超えることもあり、屋外以上の厳しさもあります。)鬼の居ぬ間の何とやらでキャンプの期間中はセンターに残されたスタッフはエアコンの試運転を行い、いつでも使える様に機器のコンディションを整える楽しみがあるのです。8月中旬以降もイベントやクイズラリーで大忙しの河辺の森ですので、たまには機器調整も兼ねて温度調整も致します。あきらめずにインターンシップの応募者が来るのをお待ちしています。(昨年より待遇改善中)

 さて、東近江市の文化芸術会館で8月12日に開催される大阪センチュリー交響楽団のオーケストラ名曲コンサートですが参加者が少ない様です。遊林会の活動に参加されていてこの森での年2回のコンサートでもお世話になっているセンチュリーの清水さんは特に気にしておられます。いてもたっても居られず市内の各所に飛び込み営業もかけています。是非とも東近江で実施される機会にフルオーケストラ演奏会にご参加を…。  


今年のシロテンマ

 

  

☆シロテンマ、いかに分類されるのか?

   6月上旬ある大学の学生から遊林会へ電子メールが送られて来ました。内容はオニノヤガラ属の系統に関する研究をしているとの事でシロテンマとオニノヤガラが別の種かどうかを研究しているのだとか。分子系統学的に(DNAを使って)確認したいとの事でシロテンマが今年発生した場合は研究材料として使わせて欲しいとの事でした。河辺の森に出る事は遊林会のホームページで見たそうで、検索エンジンで調べて見ると遊林会のHPの写真以外、他のHPにこれと言った良い写真が見あたりません。それ程珍しい植物なのです。見ず知らずの者どうしがHPを通じて簡単に知り合いになれるのは、インターネットのすごいところです。 しかし残念な事はシロテンマは2003年以来この森でも見つかっていませんので依頼に応えるのは難しいと思っていました。ところがなんと7月の作業日に2箇所で発見されたのです。今回の発見は4年ぶりの事で前回に見つかった時も4年ぶりでしたので、まるでオリンピックの様な植物です。前回発見された時にもDNAを調べようと試みましたが材料が不十分ではっきりせる事ができませんでした。さっそくクール便で東京まで送り4年越しの懸案事項がどう解決されるのか楽しみです。  

  

☆とれとれピチピチかいどりイベント

   昨年の9月に河辺の森のビオトープで初めて行ったかいどり大作戦は70人が1時間で何と1,300匹ものザリガニを捕まえました。今年も夏休みのイベントとして7月29日に開催する事になり40人の定員で募集しました。いくつかあるイベントの内でも人気があり直ぐに定員がいっぱいになりました。当日は昨年の成果でザリガニが減っているだろうし、参加者の子どもも低学年の子が多くて500〜600匹つかまえれば上出来と思いつつ「目標1,000匹だ!」と伝えてイベントを始めました。ビオトープの下流から順に水の少なくなった泥をすくい捕まえました。魚や昆虫は少なくザリガニばかりが目立ちます。1時間30分経って泥遊びイベントの様にどろどろの姿で子ども達と一緒に、つかんだザリガニを1匹ずつ数えると1,930匹!!。数え漏れや既に干上がった場所で死んでいたザリガニの事を考えると、軽く2,000匹以上を退治した事になります。よくがんばれたと思うのと、昨年あれだけ退治したのに恐ろしいザリガニの繁殖力には恐れ入ります。これで水生昆虫や小魚達はしばらくの間は安心ですが先が思いやられます。かいどりは子ども達にはとても人気で、水辺の生態系にとっても意義のあるイベントですので今後も継続的な取り組みが必要です。

  

☆8月のお昼は10周年記念

   8月のお昼は「男の料理」と愛子様に宣言されてしまいました。ヘムスロイド村突撃隊長は、「いいよ、焼きそばやるわ。」と受諾、すんなりと決定。他には敗戦後の生活を偲んですいとんでもしようかなというところです。もちろん、午後は平和を考える映画鑑賞会です。    
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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