'07年6号 No.109

☆作業日あれこれ

 5月の第2土曜日は、連休も過ぎ世の中も落ち着いたように感じる中で迎えた快晴の定例作業日でした。観察会は、今回もハリヨ池でハリヨ探しからですが、一同が目を皿にして見つめても見つかるのはカワムツとツチガエルばかりです。クマは、先日2匹が並んで泳ぐ姿を目撃していますので、居るのは確かなのですが・・・・。
 次は木道沿いに歩き、先月号で紹介した「ぽぽハウス」の披露です。終われば木道を挟んで反対側の水路の近くに、この森の植物調査を最初からしていただいている通称「おじゃまむし」殿が今年発見されたコブシの観察です。愛知川の河口の林にはコブシが多いのですが、中流域の河辺の森の周辺ではほとんどなく、この森でも竹藪を抜根した入口近くの裸地でかつて実生を見ただけでしたが、やがて他のパイオニア植物たちに駆逐され、消えてしまったのです。この地域の箕作山などにもコブシといわれている花が咲いていますが、これは正確には乾燥地に育つタムシバで、コブシは適度の湿り気のある場所に育つ木です。見分ける方法は、花が咲いた時、花の下に小さな葉が1枚付いているのがコブシです。今回発見されたコブシは高さが2m以上で、多分、先のと同時期に発芽して成長していた物と考えられます。種子を鳥が運んだか、埋土種子が目覚めたか、二通りの可能性がありますが、薄暗い竹藪から解放されて照度が上がって直ぐに発芽しているので埋土種子の可能性の方が高いと考えてもよいのではないでしょうか。大先生は、俺の命が尽きるのが早いか、この木に花が咲くのが早いかとおっしゃりながら、観察会の後、作業の別働隊で周りの木を伐ったり、これも埋土種子から発生したと考えられるヤマジノホトトギスが一網打尽に草刈りをされないように竹で囲ったりして、それぞれが育つように手入れをされていました。
 この日の観察会は北の端のドングリ広場まで足を延ばして、キンラン、ギンラン、エビネ等の花、木ままクラブ作業現場をたっぷりと観察、少々時間オーバー、三平モドキは時計を眺めては「ええんですか?」と絶えず合図をしていました。


いただきます!

  この日の作業のメインは、竹林整備、リーダーはもちろん青年部長、パワフルなメンバーを引き連れて南の境界付近でテングス病のタケの伐採、清掃、タケ以外の木の除去などの作業です。輸送は最初はリヤカー、これではならじと途中から軽トラ野郎が登場したのですが、園外の市道を一部走るため愛用の構内用車検切れ軽ダンプは使用できず、無念な思いでの作業となったようです。
 草原広場では、セイタカアワダチソウやクズの除去作業です。リーダーはうしまろ、楽な作業に見えて炎天下の作業のためにそれなりにしんどく、いつの間にか見かけないなと思ったら、メンバーに引っ張られて日陰もある森の中に転戦して作業をしていました。
 三平モドキは、子ども達も引き連れみどりのつどいの商品や販売する炭の箱詰めをしていました。
 炭焼窯周辺では、ナラ枯れ対策で伐採した木の薪割りや竹割りです。薪は機械で割るのですが、木の直径が大き過ぎて余りにも重く作業がしにくいので手作業で半分に割ることになりました。力と技の必要なこれらの作業は、久しぶりに揃ったヘムスロイド村御一行様3人組、クサビと大ハンマーを使用してベテランの技を披露しておりました。午後には、斧を使って割る新人の指導もやっていましたが、後日、新人達は筋肉痛に悩まされたことでしょう。


緑のつどい、遊林会店

  熟練の調理人が何人も欠けた昼食班は今月も大変、愛子様の号令でそれぞれがかかるのですが、品数が多くなってしまい時間との競争でした。天ぷら、ヤマブキの煮物、ヤマウドの酢味噌和え、具沢山の豚汁、炊込御飯、そして前々日にスタッフが山番さんの連れ合い殿の指導を受けて作ったちまきなどでした。

 お昼はこの日から、ナラ枯れ対策ですっかり名前を売った小学生のレオン君の提案で、食物と作ってくれた人に感謝しなければと「いただきます!」をみんなで唱和して始まりました。午後の作業でも軽トラ野郎の竹林整備の成果を満載した軽トラが何回も何回も往復していましたし、薪割り機のエンジン音、斧や大ハンマーが振り下ろされる音が響いていました。作業終了後も機械の手入れや炭焼窯の改良案の検討など、熱い遊林会の作業日です。





 6月27日(水) 第4水曜日 森の居酒屋は6月6日 午後7時頃〜
6月9日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

   第4水曜日平日の活動日はみどりのつどいの準備のためにセンター前に積まれた丸太を割って薪にして積み直したり、炭を販売しやすい様に袋詰めたりしました。今年は、ナラガレ対策として高齢木をたくさん伐採して森の若返りを目指したのでセンターの周囲には玉切りにした木が積んであったので多くのお客様を迎えるみどりのつどいを前に事故防止のためにも最後の追い込みで薪にしたのです。この作業は何度も行っているのでお行儀の良い割りやすい木は既に薪になっています。後に残る物ほど割りにくい曲がったり二股になった木が残っています。特に大物は薪割り機にも乗らず一度クサビを打ち込んで4つに割る事になり重労働です。今回活動に初めて参加された保育園の若い先生は斧で挑戦。若いとは素晴らしい事で勢いに任せて一日中割り続け山の様な薪が出来ました。手の皮は大丈夫でしょうか?お昼の献立はひじきご飯、タケノコかき玉汁、タケノコときぬさやの炒め物、豆腐ハンバーグ&スペシャル、スナックえんどうと卵の炒め物等々。美味しくいただきました。

 

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   先月号でもご案内していた様に新しいスタッフとして5月12日から福島かおりさんに勤務していただいています。今年から始まった「やまの子」で多くの子どもが森にやって来ています。今年は実施初年度で参加校は少ないのですが3年後には全ての小学校の4年生が県内10カ所の施設での学習に参加する予定でますます忙しくなります。また現在夏のキャンプの準備があってスタッフは既に大忙しで大車輪の活躍です。よろしくお願いいたします。  

☆緑のつどいとコンサート

   5月20日は緑のつどいのプレイベント、森の室内楽コンサートです。遊林会にも参加いただいている清水さんを中心に毎回、親しみやすいプログラムを考えてもらい演奏いただいていますが、今回は正統派モーツァルトやベートーベンに始まって多国籍カフェバー的なコンサートになりました。夕暮れ時の優しい緑をバックに素敵な時間が過ぎていきました。8月12日には清水さんの所属する大阪センチュリー交響楽団のオーケストラが東近江市八日市文化芸術会館でコンサートを行う予定です。  みどりのつどいは27日に河辺の森を会場にして行われました。大凧まつりと同日開催です。晴天に恵まれ風も時間の経過とともに良い感じで吹きはじめ大凧まつりも大成功の予感です。大凧まつりは市の一大イベントです。河辺の森の隣の河川敷で行われるため、つどいの人出はどうしても影響を受けるのです。多くのお客様を予想しながら準備を進めます。森守堂の2階を拠点に活動する工房「櫻」は、この日のために木の実などをあしらったクラフトを作り準備をされていました。森で焼いた竹炭や木炭、木酢液や育てた苗を持参してサツキや月下美人などの育て方を解説しながら販売する人、クイズ・ラリーの受付、答え合わせをするスタッフ、そして作業小屋で黙々と昼食の準備をする方々など多くの方にご協力いただきました。また遠く岐阜県からの強力看板娘が参上し売り上げアップに貢献していただきました。昼前には大凧まつりの大きな主役が河辺いきものの森にお越しになりました。朝の内は良い風が吹きはじめたと喜んでいたのですが、河川敷に吹く風は複雑で方向が定まりません。風を受けて上がった大凧ですが風の神様のいたずらか風向きが変わり河辺いきものの森の竹林の上へと落ちてしまったのです。大凧まつり関係者も大あわて、繁茂した竹の上に乗り上げた百畳の大凧を取り出すことは誰が考えても大変な作業です。すぐに遊林会のメンバーも駆けつけ救出作戦を決行し2時間後には大凧まつり会場へ無事帰っていただく事が出来ました。

 

☆5年間、待ちました!

   森のコウモリ・プロジェクトと名付けたコウモリ誘致作戦を開始したのは、5年前(2002年)の5月のことで、河辺林通信48〜50号にそのことに関する記述があります。作業時にヤブカに悩まされ、その対処方法として一晩に400〜500匹のカを食べるコウモリが10匹、森におれば1日4,000匹、1ケ月では12万匹のカ退治ができるだろうと取り組んだのです。アメリカの開拓時代には、森を伐り開く前にバットハウスを設置してコウモリにより昆虫を減らしたという話しもあるようです。森の水路沿いにコウモリ用の巣箱を設置して誘致を開始したのです。しかし、待てど暮らせどコウモリは現れず、いつしかあきらめの境地から忘却の域に達していました。ところが今年の5月、森の居酒屋の日、黄昏れていく空にマルが1匹のコウモリを見つけたのです。嬉しくなってじっと空を見上げていると、ケヤキの梢に見え隠れするコウモリは複数で、同時に5匹を確認しました。森全体ではそこそこの数のコウモリが生息しているだろうと想像できます。このコウモリですが、市街地に生息するアブラコウモリが通って来ているのか、それとも樹洞に住む森林性のコウモリがかつて設置した巣箱などに住み着いたものなのかは不明です。コウモリは6月から8月までが出産と子育ての時期ですので、万が一にも無用なストレスを与えないように、森に設置しているバットボックスを叩いたり、近づいて大きな声を出したりして住家や育児の放棄の原因にならないように注意してください。当方でこっそりと糞が落ちていないか調査をして、皆様には、後日報告します。クマは捕らぬ狸の何とか、コウモリが食べてくれるヤブカの皮算用をしてにんまりです。今年の里山七彩は、コウモリの講座もどうでしょうか? 

 

☆6月の作業日お昼

   6月のお昼はハチクづくしです。今年は裏作の年で、少々気になるのはいつもより発生の少ないハチクの旬が過ぎてしまうのではということです。  
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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