'07年5号 No.108

☆作業日あれこれ

  4月14日の朝、目覚めると雨が音を立てています。普通ですと屋外作業をやる活動では頭を抱えることになるのですが、天候にかかわらず活動する遊林会では、「今日は参加者が少ないかもしれないぁー」と考えるだけです。それでも森に着く頃には、時雨れるものの風もない作業日和となりました。観察会は、無事引っ越しの終わったハリヨの観察からです。一同、ハリヨ池の周りで水面をのぞき込み、ハリヨを探すのですが、誰も見つけることができません。死んだ姿も見ていませんし、カワセミやアオサギの食害対策も万全ですので、隠れるのが上手いのだと心に言い聞かせながら、当地ではハリンパと呼ばれたこの魚のオスが巣を作る習性などを解説です。その後、下の池を観察していると流れに堰を作りハリヨが下流に降りられないようにしているはずの池で姿を見つけ、頭を抱えることになりました。クマは上の池ではハリヨを見つけられないのですが、魚掴みも大好きなスネークハンター氏によりますと、見つけたそうですので安心しました。その後、“春の花を探そう!”ですが、観察会はセンター横の池の周囲に移り、春の花16種を探そうというメニューです。タンポポやレンゲ、タチツボスミレ、ホトケノザ、カラスノエンドウなどはすぐに見つかるのですが、一株しかないキランソウ、指定されたエリアの端にある木本のヒサカキなどは引っかけ問題風、疑問があるのはツクシ(正確に言えばシダ類の胞子体であるツクシは花ではない。)と難問珍問も含めての16種でした。


第2土曜日活動風景

  この日の作業は、枯損木の伐採、竹林整備、竹割り、薪割り、昼食準備&別働隊二班です。観察路に接した場所にある枯損木は、森を利用する人に危険があるので時々伐採しています。危険がなければコゲラ(小さなキツツキ)などが巣を作る場に残してもいます。作業を見に行くと、ナラ枯れ対策で自信を付けた面々がずらりと揃っています。リーダーはマル、倒して捌いた木の輸送は軽トラ野郎・・・・。これでは、竹林整備班リーダーの青年部長が期待していたメンバーの大方がこちらです。竹林整備はこのところのナラ枯れ対策に追われて手薄になっていたので、青年部長のたっての希望で復活したのですが、前途多難です。案の定、竹林整備班では口がよく動くオーチや新人などが雪で折れた竹や混み過ぎた竹の除去を軽トラ野郎の輸送支援もなくやっていました。昼食時のミーティングでは、口がよく回る御仁がタケの生えている密度が高まっていることや、細いタケが多くなっていることを指摘し、今後の竹林管理に問題提起をしていました。付け加えますならば、ご丁寧に作業後もオーチと青年部長はこの話題で盛り上がり潤滑油も入りボルテージUP。2人の車と自転車が、その夜、夜露に濡れておったそうな。

 炭焼窯の周辺ではいつもの通り窯から上がる煙の色や温度を睨みながら、炭焼名人をリーダーに竹割りです。薪割りは事務所の裏です。別働隊は、食材確保班とエビネ管理班です。食材班のリーダーは大先生、高枝ばさみを持った三平モドキを従えタラの芽採取です。2本のタラだけでお昼の材料はゲットできたそうです。タラが終わればシイタケ採取、それぞれ天ぷらにして供されました。
 木道付近では、パパ一年生の二人(スネークハンター&うしまろ)が、以前に植えたエビネを落ち葉の中から見つけ周りの草を刈ったり、補植をしておりました。来月の作業日には、少し遅いかも知れませんがエビネの花を見ることができることでしょう。
 この日の昼食は、松本指揮官が不在のため愛子様は手抜き作戦でカレーです。にもかかわず意外に手間取り、棟梁や90歳の婆や、天ぷら名人など時間との戦いでした。天ぷらとカレーに加えて鶏肉の炭火焼き、ワケギのヌタ、鹿肉の叩き、ヤーコンのキンピラなどととても手抜きとはいえない内容に一同、大満足の時間を過ごした次第です。恒例のミーティングでは「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰のお知らせや新人一言コーナーで5人の自己紹介があり、少しタイム・オーバーとなりましたが、終われば午後の作業、今月もきっちりと体を動かしました。


木ままクラブ・活動開始!

   25日の第4水曜日の活動日もあいにくの小雨でしたが、20名ほどの参加がありました。皆さんカッパを準備されていたので屋外での作業を行ないました。ネイチャーセンターに近い木道沿いの水辺に近い場所で枯れて他の木にもたれ掛かって倒れていたりした木を取り除きました。木の股に引っかかった木を取り除くのは大変な労力で大きな梯子を持ち出して木の真ん中を結んで引っ張って大変な作業でした。木を取り除くと林床まで光が射し込んで明るくなりしました。木道から見た景色も一変して森の奥まで見通せてスッキリとしました。お昼ご飯は、おから・ヤーコンサラダ・豚生姜サラダ・ウド味噌・各種山菜天ぷら・ひじき煮・山菜きんぴらなど季節を感じさせる美味しい料理をいただきました。昼からも引き続き午前中の作業を続けると共に炭焼き準備に木を運んで炭焼窯に詰めました。今回でカシノナガキクイムシの入った木は全部炭になりました。  





 5月23日(水) 第4水曜日 森の居酒屋は5月9日 午後7時頃〜
5月12日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

 例年は静かな春がゆっくりとやって来る感じの森ですが今年からは県のやまのこが始まる事もあって打ち合わせや準備に大忙しです。4月 27日には県下でトップを切って実際に子ども達がやって来て一日かけて森を楽しみました。昨年でも忙しかったのですがちょっと回りきれない感じですので今年度新らしくもう一人勤務していただく事になりました。詳しくは来月には報告できそうですのでお知らせいたします。  また、かつて聖徳中学校で教鞭をとっておられた故中島保典先生が市に寄付していただいた浄財を元に自然観察用の建物がネイチャーセンター裏の木道沿いに出来あがりました。名前を「ぽぽ(保保)ハウス」と名付けました。森の中に2階建てでデッキのついた可愛らしい建物です。   

☆木ままクラブ発足

 先月号でもお知らせしたとおりナラ枯れ特掃班の活動が一段落した後も引き続き木曜に活動を続けようという趣旨で遊林会「木ままクラブ」がはじまりました。定例活動ではできないような活動で、森のスタッフもおともできないこともあるので、参加者の自主性にまかせた活動をという趣旨です。初回の19日は6人もの参加があり、引き続きナラ枯れ対策の作業として、カシノナガキクイムシの穿入を受けた樹の切り株と守りたい大きな樹を白いビニールで巻く作戦を実施しました。木の中で繁殖したムシが穿入した穴から出て来るのを閉じこめるためたりムシの攻撃から樹を守るためです。森の中に白いビニールを巻いた木があるのは悪戯でも白装束集団のスカラー波対策ではありませんのでご安心を。活動は、定例活動とは異なり作業班リーダーがいないのですが、さすがは熟練のメンバー、スタッフ不在でも淡々と作業は進み、予想以上の作業をこなして初めての木ままクラブの活動は終わりました。普段はなかなか見てもらえない森の様子や、細かい点まで知っていただくことができたので、とても良かったです。次回の木ままクラブは5月17日(木)9:30からです。どなたでも、お気軽にどうぞ   

☆自然環境功労者菅大臣表彰

 みどりの日を記念して実施されている表彰は今年度で9年目になるそうですが、今年度の保全活動部門19件の1件に遊林会が選ばれました。25日に新宿御苑にて環境大臣による表彰式があり、僭越でしたがクマが代表して列席しました。他には、いきもの環境づくり・みどり部門(5件)、自然ふれあい部門(12件)、調査・学術研究部門(5件)があり、合計で41団体と個人の表彰です。受賞者の中に3団体ほど既知の団体があり、会場で旧交をあたためました。式典が終われば大臣を囲んでの記念撮影とレセプションです。滋賀県から同時に受賞した山門水源の森の事務局・藤本氏とさぁこれから飲もうと構えた瞬間、大臣はお忙しい方です、退席のためお開きとなってしまったことが記憶に残ったことであります。そうそう、御苑はアルコールの持ち込みは禁止されていますが、中にあるレストハウスではお手軽な価格でワインとビールが楽しめます。雨に煙る木立を眺めながら式典の前にゆっくりと昼食をしました。食事が苦痛なクマは食欲増進のために飲もうかとも思ったのですが、もしも遊林会に泥を塗るようなことがあってはならじと思いとどまりました。とんぼ返りで、翌朝には、遊林会の重鎮達と共に市長に受賞を報告し、力を入れている地域のドングリを守るナラ枯れ対策について盛り上がりました。環境大臣表彰で浮かれることもありませんが、今まで同様にやることをやっていきましょう。     

☆八日市・ライオンズクラブから寄付

 4月のゴルフ日和だった日の夕刻、三平モドキとクマが場違いのクラブ・ハウスに参上。カメラマンとして同行した三平モドキは、名門ゴルフ場のクラブ・ハウスにキョロキョロ。ライオンズクラブ設立45周年記念チャリティ・ゴルフ大会で集められた浄財を頂戴するためです。通常ですと社会福祉にということになるのでしょうが、遊林会の活動をよく知っておられる関係者のご尽力で当会に寄付してくださることになったのです。12万5千円、当地域のドングリの木を守るために使わせていただきたいと考えています。また、ライオンズ・クラブ会員のお一人は、毎月決まった金額を遊林会の活動に「体では参加できんが・・・。」とおっしゃって寄付していただいてもおります。あの木登り名人こと、故若吉保一氏もクラブ会員でした。他にも奥様が健康であることを感謝しての寄付など、多くのご支援を頂いております。ライオンズ・クラブの皆様、ありがとうございました。     

☆5月の作業日のお昼

 5月は差入れがあれば筍、なければ塩蔵の昨年の筍を使って煮物にしましょうか。ヤマウドもまだいけそうに思うのですが。  
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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