'07年3号 No.106

☆作業日あれこれ

   2月の活動日は、ナラ枯れ対策を進めるためなんとしても晴れて欲しいという願いが通じたのでしょう。夜の雨も止み、作業日和となりました。観察会は、いつもは屋外なのですが、この日はレクチャー・ルームでパソコンを使った解説からです。年次別にナラ枯れが発見された区域を示して県内の南下状況やナラ枯れのメカニズム、枯れた木の断面の映像等を三平モドキが説明しました。参加者からは、今年度から徴収の始まった森林税を「こうした緑を守る対策にも使うべきだ」との声もありました。説明が終わればフィールドに出、まず萌芽更新エリアで「伐ってきちんと管理すれば6年後にはこんな森になります」と解説しています。きちんと管理するとは、伐りっぱなしではないという事なのです。面的に伐採した林床には陽が降り注ぐようになりササや草本類が勢いを増して、切り株から萌芽した新芽に覆い被さり、そのままでは枯らしてしまうのです。また、萌芽して1年目はアブラムシと毛虫の集中攻撃を受け、成長阻害が発生します。伐採した後の継続した草刈りと、いつもはしないのですが、除虫作業も必要です。萌芽更新エリアの対面は現在の里山管理に多用される高林管理エリアですので、こちらは幹の観察と殺虫作業が必要になります。一同、しなければならない作業は今だけではないんだなと改めて確認しながら、ナラ枯れ対策のために新たに萌芽更新を進めている野鳥観察壁の周辺に移動して作業の進み具合やどこまで伐るかを確認しました。


萌芽伐採・玉切りアート

  観察会が終われば作業前の準備体操・ストレッチですが、今月からフトン屋に代わり愛子様の登場です。365歩のマーチをテーマ・ソングにして本人は軽やかにストレッチなんですが、これにあわせてやる方は結構大変で言葉が出ません。ようやく昼食時間にレオタード姿でやって欲しかったとかの声がシニア組から上がっていました。まぁ、予想通りの反応といったところです。

 作業開始は、ナラ枯れ対策班は改めて作業の安全を徹底するため、木登名人2代目とクマが期待している前田小隊長のチェンソー操作、ロープワーク等の講習からです。今回も先月の小学生がノコギリを腰にぶら下げヘルメット姿で参加、午後に至るまで薪作りと運搬に従事していました。また、これが似合っているんです。朝一番に大きな声で「丸橋さん、おはようございます。」と挨拶して参加したとか。彼は現在10歳以下ですので、遊林会はこれから70年は大丈夫と考えましょう。
 落葉掻班は先月に引き続き交流広場付近で作業です。こちらは修学前の子どもも参加して賑やか、午前中のリーダーは蛇掴み名人、午後は家人から家を追い出されてきたオーチです。
 猛威をふるっていたタケを駆逐してニレ科の木を育てているケヤキの林で、冬枯れの林床にひときわ目立つササ状のタケを退治のリーダーは大先生です。長刀モドキを手に頑張った大先生、休憩にオチャ(ケ)を所望されたのですが、小屋に取りに走った青年部長殿は正真正銘のお茶を持参、がっかりだったとか。このところノン・アルコール飲料を嗜んでおられるのですが、この日は近所のマルを運転手に用意を整えての出陣でしたのに…。この季節はタケに与えるダメージが少なく作業に適さないのですが、冬枯れの中でタケの青さだけが目立ち一網打尽にできるメリットがあるのでやっています。
 炭焼窯の前では炭焼名人の指導で竹炭焼きの準備、モウソウチク割りと結束です。この日大変だったのは昼食班、メンバーが少なく愛子様がストレッチの間は山番さんの連れ合い殿お一人、見かねた親方や女性の参加で何とか間に合いましたが…。この日のメニューはイワシの煮付け、塩蔵したハチク(三日前から塩抜き)を使用したチンジャオロースと炒め物、エビ大根、炊込み御飯、山堀自然薯のトロロ、そしてデザートは差入れの見事な岐阜産の干し柿でした。飲み助共は酒を飲んだ後は干し柿に限るとか申しておりましたが、羊羹で酒を飲む突撃隊長殿は御飯の前に真っ先に食べて、皆にあきれられておりました。午後には午前中の仕事に加えて、ハリヨ池の底をハリヨが巣を作りやすいように土壌改良や他の魚が池に入ることがないように堰作りを、蛇掴み名人別名カッパチャン(今も川ガキ状態なので家人はそう読んでいるとか)を中心にやっていました。作業が終わればファイヤー・サークルの周りでたき火を囲んで雑談をしてこの日はお開きです。


未来の幹部候補生?

   第四水曜日の活動日は、晴天でしたが風が強すぎて、大木の伐採は心配されました。しかしナラ枯れ対策を休むわけにはいきません。慎重にそして確実に作業は進むのです。昼食班の愛子様によると「遠く離れたセンターに居ても大きな木が倒れるときは森の奥から地響きが走る」との事で人に利用されずに大きくなりすぎた木に複雑な思いです。
 今回の昼食は、昼食班に多くの人員が参加して頂いたおかげで、炊き込みご飯、みそ汁、ふきのとう味噌かけふろふき大根、白和え、豚肉と白菜煮、ネギのヌタ、水菜の煮浸しと充実した内容でした。とても美味しかったのか、それとも静かな参加者が多かったのか、みんなもくもくと食べる昼食でした。午後からも作業は続き作業終了予定の午後3時を過ぎても熱心に行われていました。今回までの作業で新しい萌芽更新区域 約2,000uの大きなコナラ・クヌギ・アベマキ32本を伐りここでの作業は完了しました。今後は屋外トイレ周辺に場所を移して活動を続ける事になります。  


 3月28日(水) 第四水曜日 森の居酒屋は3月7日 午後7時頃〜
3月10日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   街中でよく聞かれる花粉症ですが、河辺の森でも例外ではありません。自然を相手にする仕事をやっていても発病するものは仕方ありません。スタッフの中では愛子様を先頭にうしまろも重症でこの時期は活性が落ちています。花粉症予備軍の三平モドキも「目がかゆい」だの「鼻が出る」と騒いでいます。その上、親知らずがうずく様で今日も病院を探しています。みなさんも寒い冬のうちに体の治療に専念して暖かくて気持ち良い春を迎えましょう。楽しい春の足音がすぐそこに来ていますよ。準備を怠らずに…     

☆森のごっつお、法事料理のレシピ?

  森のお昼、特に第4水曜日のメニューを、仲間内では「法事のごっつお(ごちそう)」と言っています。焼き豆腐やヒジキの炊いたのやエビ大根、ぬた、おから、白和え、丁字麩の芥子和えなどが代表的な物で、郷土料理です。これらの料理はシニア組だけでなく若者にもとても新鮮な味で好評です。クマも婆ちゃんが、孫が帰る日に作って待ってくれていた料理の味を思い出して、感激することもしばしばです。総料理長は山番さんの連れ合い殿で、愛子様は新しい料理が出る都度、作り方を詳しく聞いて整理、記録していますが相手は料理名人。分量などは、秘伝というか名人芸であって経験の部分は書き切れないのが残念です。資料を求める人にはコピーを提供したりしているのですが、まとまればいずれ代表的な郷土料理だけでもホームページに載せられないかとも考えています。良い郷土料理の記録集が出来そうで楽しみです。    

☆ナラ枯れ対策は終わりません

     高齢木を伐採して萌芽更新を図るだけがナラ枯れ対策ではありません。萌芽更新ができない植生遷移エリアや高林管理エリアなどでは、コナラなどの根本からビニールを巻いてカシノナガキクイムシ(以後通信ではカシナガと略します)が、穿孔して幹に入れないようにするとか、粘着剤と殺虫剤を混合した溶液を幹に散布して忌避効果を期待するとか、有効だと思われる方法を試みたいと考えています。萌芽更新のエリアでも下草刈りが必要なのは先述の通りです。定例の作業日以外にも有志で作業をしていただいていますが、できるだけ継続してこのような作業もしていただければと期待しています。さて、例年実施している里山七彩は予算の都合で年々回数が減っていますが、今年はせっかくの機会ですのでナラ枯れの最新情報について京都府林業試験場の小林正秀先生に3月17日(土)14時からご講演していただく事になりました。時間の許す方は、この機会に是非ご参加下さい。    

☆炭焼名人のチャレンジ

     愛知川の下流に生えている竹をチップにした物を依頼を受けて炭にする事になりました。竹を炭にしてからチップにした方が確実で早いのですが、そこは依頼主の要望を聞かない訳にはいきません。チップを炭に焼くのが初めての名人(焼いた人はほとんどいない)は、いつもとあまりに違う調子に心配で焼き上がるまで何度も何度も炭焼き窯の調子を見に来ておられました。  実は焼けたと思って窯を開けてみると全然焼けておらず、もう一度チャレンジ。再び火を入れて見ると今度は窯の温度が下がりません。約一ヶ月後に温度が下がって依頼主が取りに来られる事になった2週間程前に、検査として名人と三平モドキが覗いたところ、ふんわりとした炭状のチップが見えて一安心していたところ、炭の下から煙が立ち始めたため慌てて閉めたそうです。検査当日にドキドキしながらも改めて蓋を開けて見てビックリ。1メートル近くあった材料がほとんど消えてしまい窯の底に10センチ程の灰に成ってしまいました。依頼主には「全て灰になる事もある」と予め伝えてあったので良かったのですが、貴重な経験になりました。依頼主はこの灰を全てお持ち帰りになりましたが次回は是非とも炭焼きの後でチップにしていただきたいものです。現在窯には、ナラ枯れ予防のため切り出された木材を炭焼きされています。慣れた材料なら我らが炭焼名人にお任せあれ…。    

☆3月の作業日のお昼

     あの合鴨農法の鴨はどうなったのでしょう、鴨ネギで来いとは言いませんが…。頭の中では、鴨がだめならどこぞに鶏がいなかったかいなという思いが巡っています。    
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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