'07年2号 No.105

☆作業日あれこれ

   新年初めの作業日は、この季節としては穏やかな作業日和です。炭焼名人が火を入れたサークルの周りで暖まりながら新年の挨拶です。始めにフトン屋が担当する冬の鳥観察会です。森で観察ができる鳥の絵や鳴き声を準備し鳴き声はボイス・レコーダーと携帯用のスピーカーを用意してやる気満々です。大勢で森に入るので鳥が見られるかと心配していたのですが、フトン屋の熱意に応えるようにまずコゲラが登場、飛び去ることもなく、充分に姿を観察する事が出来ました。そうこうしていると、梢にシルエットで別の鳥が目に入って来ましたので、ギャラリーから「あれはなんやー」と声が上がりました。想定外の質問にフトン屋は、すかさず澄ました声で「鳥です!」とバックレて笑いをとっておりました。実を言うとフトン屋はこの日がスタッフとして最後の日です。クマはこのフトン屋流とも言うべき受け答えが聞けなくなるかと一抹の寂しさを感じました。その後もメジロが現れたり、コゲラのドラミングの音が聞こえたりと森の鳥達に応援してもらったような観察会です。


ナラ枯れ特創隊

  終盤には三平モドキに選手交代し野鳥観察壁の周辺でナラ枯れの仕組みと今回から始める対策の説明です。この周辺では、高齢化してナラ枯れに弱い高木のコナラなどを伐り、萌芽更新を計り抵抗力のある若い木の林に転換する計画です。中低木を伐り払い高林管理をしている交流広場周辺では、カシノナガキクイムシの侵入痕跡を見つけ次第、穴に栓をしたり殺虫剤を注入して広がりの予防をする予定ですので、継続した幹の観察が必要になります。説明を聞いた軽トラ野郎から、「活動日以外にも参加できる者だけでもやろうや」というありがたい声があがりましたので、早速、お昼のミーティングには日程と参加者募集のお知らせが行われました。観察会後に行われるストレッチもフトン屋のインストラクターは最後。いつもご苦労様でした。

 作業はチェンソーを何台も使ってナラ枯れ対策のための高木伐採が予定されていますが、説明を聞き初めて母親に連れられて参加した小学校2年生が、木を伐る班に参加するんやと頑張っています。母親は落葉掻きに連れて行こうとされているのですが彼の意志は固く、「周りの者が充分に注意しますから」と母親の同意を取り、見事、彼は目的を果たし、ノコギリを手に伐り倒したコナラの枝を切りそろえて柴を作る作業を一日やり通しました! 高木を伐る作業はあらかじめ予定した方向に倒すため、ロープで引っ張ったり受け口を調整したりして作業を進めます。危険な作業ですので全員ヘルメット着用、リーダーのマルもいやが上にも緊張します。倒せば枝を払い、主幹はチェンソーで薪の長さに切り揃え、軽トラで薪割りをする場に運びます。
 落葉掻班は、前回の作業で刈った草原広場の草の運び出しと処分からです。それが終われば交流広場で落葉を掻いて柵の中に放り込むのですが、湿った落ち葉は考えるよりは重く疲れる作業です。
 炭焼班は、90pに切り揃えられたモウソウチクを割り、定められた長さのひもでくくって次回焼成の準備です。モウソウチクは肉が厚くて堅く、これを割る作業はなかなか大変です。炭焼窯からは県から受託した竹チップ焼成の煙が上がっています。(チップを焼くのは初めてで名人は日にちをかけて還元状態で温度を上げられたのですが結果は生焼け。後日、再び火を入れ、完璧な焼成に)
 昼食班は鏡餅を使った料理で餅焼きです。ぜんざいだけにしようという意見もあったのですが、それでは承知しそうにもない顔ぶれに雑煮も加えました。結果は、やはり雑煮の方が売れ、納得した次第です。クマはドブネズミ殿の90歳を過ぎたご母堂が前日より炊かれた小豆を使用したぜんざいをいただきました。他にはクマの大好きな焼き豆腐や切り干し大根の煮物などでした。この日のお昼はフトン屋のお別れの挨拶もあり、送別に来た子ども達も参加して和やかに時間が流れておりました。午後には、少し寒く感じる天候になりましたが、それぞれの作業の続きです。ナラ枯れ対策班は、一日で5本の高木を伐って捌きました。


ありがとうフトン屋さん

   第四水曜日の活動日は約30名の参加者でにぎわいました。作業内容は、第二土曜に引き続きナラ枯れエリアの整備です。高木を伐るために朝から森の中にチェーンソーの音が響き渡ります。木が倒れるとみんなで寄ってたかって薪や柴にします。常連が多い水曜日は快調に作業が進みました。お昼までに3本を捌き、空き時間には柴づくりも行いました。昼食には薪で炊いた炊き込みご飯&かす汁、ブリのぬた、干し柿のなます、大根の浅漬け、カブの炊いたもの、おから、日野菜の漬 け物で美味しく頂きました。午後からも伐採班と薪割り班に別れて活動に汗を流し、充実した時間を過ごしました。  








 2月28日(水) 第四水曜日 森の居酒屋は2月7日 午後7時頃〜
2月10日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   04年4月から 2年10ヶ月間森のスタッフとして活躍してくれたフトン屋(横田)が1月をもって退職しました。数々の伝説を作り上げた森の名物男がいなくなるのは寂しい事です。特に去年行った、受託事業「やまの子キャンプ」では中心になって企画をまとめ上げ大成功に導きました。貴重な戦力を失う事は痛手ですが、新しい選択にスタッフ一堂笑顔で送り出す事にしました。この前、森にやって来た近江八幡の子どもは退職を聞いて「フトン屋さんに会いたかったのに…」と残念がっていました。お世話になった学校や※※など営業のついでに回らなきゃね…。  

☆森のハリヨ・プロジェクト

   森の入口にハリヨ池があり説明板も設置されているのですが、「引っ越し準備中」の立て札があるばかりで主はおりません。立て札を見落とした方の中には、カワムツの姿をハリヨと見間違えられているケースもあるようで気に掛かっておりました。この程、市役所の水槽に期間限定で展示されたハリヨを見て、いい加減に何とかせなあかんなと長年の宿題を終える決心をしました。そこで今もハリヨが生息する合併して東近江市になった能登川地区の関係者に話して合意を得ました。ハリヨ池は、年間を通して水温は問題ありませんが、池底が砕石ですのでハリヨが営巣しやすい泥に替えたり、営巣のじゃまになりそうなザリガニとカワムツの除去が必要です。また、毎朝、隣の池にやって来ているアオサギ対策もしなければなりません。プロジェクト参加者を求めています!    

☆ナラ枯れ対策はじまる

     先月号でもお知らせしたとおり「ナラ枯れ」対策を1月18日から始めました。県を南下するナラ枯れの報告はされてはいますが行政による具体的な対策を聞きません。考えるとマツ枯れが問題になり始めた頃、原因になる線虫を媒介するカミキリムシを防除するための農薬散布などが実施されましたが「生態系を破壊する」との指摘もあり下火になりました。そうしたことも影響しているのでしょう。特に人が燃料として利用しなくなった近年の里山は老木が増え、枯れても燃料として伐り出されることがないので余計に爆発的に広がっていくのでしょう。
 かつてこの地の箕作(みつくり)山は岩山でしたのでアカマツばかりで季節による色の変化はなかったのですが、現在はマツが枯れて秋にはナラ類の黄葉が目立つようになりました。しかし、いずれはナラ類が枯れその下に生えているカシ類やシイ、ヤブツバキ、ネズミモチなどが大勢を占め、常緑の木ばかりになった山は秋にも黄葉することはなくなります。これはマツ枯れやナラ枯れといった病気の流行がなくても、自然の摂理として人が利用しなくなればこうした変化がゆっくりと進み避けては通れない現象です。里山保全活動は、人が関わる事によりかつての人が利用していた時代の山の緑の質を保つことであると考えますので、河辺の森では地域の里山の主な樹木であるナラ類を保護しようという事になる訳です。
 
里山を守るため、皆様方の支援を待っています。ナラ枯れ特別活動日は、2/1、2/15、2/22、3/8、3/15いずれも9:30から15:00まで。柴作りなど、簡単な作業もあります。遅刻・早退OK!昼食は弁当を用意します。   

☆団塊の世代出発シンポジューム

     団塊の世代の退職男性がいかに地域社会にデビューしていただくかを考えるシンポが開催されました。そこで頭をよぎるのは、我らが森の山番殿、退職時にこれからどうするのかと会社で尋ねられて「これからは地域のために生きます!」と即答されたらしいのです。それまでも充分に地域社会のために生きておられたのですが…。こうした人は良いのです。今まで会社の仕事を理由に地域社会では何もしてこなかった人たちは、退職後の数ヶ月は自由を満喫するのですが、その後引きこもり状態か図書館、パチンコ屋通いだけで人と交わることができずに健康を害していく可能性が大きいのです。そうした時、誰でも参加自由、汗をかいてみんなでわいわい言いながら食事もできる遊林会の活動が注目されてクマがシンポで披露する事になったのです。特に遊林会は、様々な世代や性別が参加する活動ですので余計に楽しくなります。炭焼名人の言葉を借りれば、「若い女性がいるのでときめきがある!」ともなります。これで不満足な場合は焼鳥名人の様に、若い女性を見つけるとインタビューを敢行するという積極的パターンも有りです。   

☆遊林会の会計

     遊林会の事業会計(受託事業等の実施)は、会計調書の作成と通帳の管理は愛子様、決済はクマ、支出入の調書チェックと払出の印鑑は日頃活動に関わらない外部の会計監事が管理しています。別にボランティア活動の賄いや保険料の支払い、寄付金の受け入れの会計は、調書作成と通帳の管理は愛子様、決済と払出の印鑑はクマが管理し、いずれも誰か一人では資金を動かせません。活動方針の決定や内容については既存のやり方に拘らない自由度の高い遊林会ですが、会計は厳密に管理を行っていますのでご安心下さい。今月もご自身の健康を記念しての寄付や半年毎にまとまった金額を寄付して下さる方に活動を支えていただきました。ありがとうございます。  
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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