'06年11号 No.102

☆作業日あれこれ

   10月の作業日は秋晴れで、快適な作業日和で作業小屋の周りはシニア組が目立ちます。それでも9時になれば観察会はスタートですから、担当の三平モドキを引っ込んでいるレンジャー・ルームから呼び出すことになります。完全にネタ切れ状態の三平モドキは、今月はフィールドに出ることもなく作業小屋の前で座学状態。今回のテーマは、「なぜドングリには成り年と裏年があるか?」です。この森では、概ね隔年ごとに豊作とそうでない年がありますが、ドングリの成る木が多いせいか、毎年、何千人も訪れる子ども達が拾うドングリがなくて困る年はありません。それでも今年は小振りのドングリが多く、豊作だった昨年の裏年だと誰もが思っています。さて、設問に対するギャラリーの回答ですが、天候の影響というくらいでめぼしいものがなく、三平モドキもやりにくそうです。いつものようにカレンダーの裏側を使用して作成した設問と答えを隠した資料を皆様の前に広げて、「さぁ、理由を考えてください。なぜでしょうか?」とやるんですが、いつもなら食いつきの良い焼鳥名人も声がなく、答えを順番にはがしながらの説明モードです。まず、成り年にたっぷりとドングリを食べて捕食者のネズミなどが増えても、裏年には食糧不足で淘汰され、次の成り年には豊作になってもドングリを食べ尽くすに充分な数の捕食者がいなくなるので、ドングリは食べ尽くされずに生き残れる数が増えるというものです。2番目は、沢山のドングリを成らすと木が栄養を使い果たして疲れるので、次の年は不作になるというものっです。もちろん、日照不足や日照りなどの天候によるというのもありました。まだまだ理由ははっきりとはしないそうですが、あなたはどれだと思いますか?

  作業に入る頃には若者(?)も増えてきたのですが、この日は青年部長も蛇掴み名人も不在、タケ整理のリーダーはいつもの青年部長に代わり三平モドキが代行です。作業小屋の横に立て掛けているクラフト材料に使用する昨年に伐採したタケが古くなったので、焼き芋燃料用に長さを揃えて切り、燃やした時に爆発しないように節をカケヤで叩いて割る作業です。この班はいつものごとく焼鳥名人、軽トラ野郎、特攻隊長、キノコ博士などが加わり賑やかな限りです。これらの方の隅っこでカメチャンは、妙齢の女性の差し出す切り揃えたタケをカケヤで叩いて割っていました。やがてタケを処理すると、タケを立て掛ける場所を整備して、取り出し易く工夫していました。これからは新しいタケが並びます。
 久しぶりのアラカシ伐採班は、リーダーはマル、親方や大先生も加わり屋外トイレと2番目の池の間でチェンソーの音を響かせていましたが、午後も伐採した枝のチッパー処理に精を出していました。この作業はきつかったようで、後で「絶対、処理できへんと思うた枝の山を、チッパーで粉砕しました!」とうしまろ。大先生も「一寸腰掛けようと思うたけど、皆が(仕事を)やっとるでそうもいかんかった。」とのたまわっておりました。
 フトン屋がリーダーのセイタカアワダチソウ班は、ケヤキの林の外側、敷地境界の辺りで一面に黄色い花を付け始めたアワダチソウと格闘です。この森のセイタカアワダチソウは、現在は下流の池になっている砂利採の跡地に埋め戻された土とともに進入した物だと考えられますので、隣接地のケヤキの林は森一番の密生地です。クマも草原広場の今までの作業でお目こぼしのセイタカアワダチソウを徹底的に駆除しました。この何年かの取り組みのおかげで、秋に黄色い花を見かけることは、随分、少なくなったように思います。

   昼食前には、来月の市広報に使う写真を撮影しに担当者が来ましたので、草原広場に全員集合、遊林会の賑わいを記録しました。  
 お昼の準備には手より口の人の90歳のご母堂も参加、堅いカボチャを切ったりしてもらいましたが、昼食時には横綱や大関に負けず、健康の秘訣だと一杯のビールを嗜まれておられました。そういえば、100歳まで遊林会に心で参加されたあの反戦爺も毎日一缶のビールを嗜まれていたなぁー。おでん、リンゴとサツマイモを炊いたもの、椎茸の天ぷら、サツマイモ・チップ、カボチャの煮付け、芋御飯がお昼の献立です。この日からノン・アルコール飲料も用意され、なぜかこれを飲む大先生のお姿が記憶に残っております。
  午後の作業では、セイタカアワダチソウ班はサツマイモ掘り班に変身、その他の班は午前中の続きの作業に専念して作業日和の一日がゆっくりと過ぎ去って行きました。

 第四水曜日の活動日も晴天に恵まれました。体を動かすと汗ばむほどです。今回の作業は、竹を切り出す班とそれを保存して置くための場所を造る班に分かれて作業を行いました。河辺いきものの森に環境学習にやって来る子ども達が竹を使った工作を行うための材料を一年分確保する重要な作業です。最近は多くの子どもが工作を楽しむため大量の竹をストックします。腐ったり虫が入る事を防ぐため立て掛けて保存するのですが倒れると危険ですから新たに保存場所を整備します。特に来年からは県の「やまのこ」事業を受託する決まっていますので量も例年にも増して残す必要があるのです。今回の作業では竹を根元から切り出し葉を綺麗に落とす班とストックする場所を安全で取り出しやすいように工夫しながら作り上げる班が並行して作業をおこないました。他にも午前中に豊田市からのお客様もあって森は大忙し。助っ人の説明員としてクマも森に出勤です。お昼には、ちらし寿司、おから、そうめんかぼちゃ、味噌汁、天ぷら、ほうれん草のおひたしのメニューを美味しく頂きました。午後からは、作業小屋のはるか上空に張り出した枯れ枝を取り除こうと炭焼名人と三平モドキが木に登って作業です。(気が)若い2人の身軽さには脱帽です。枝を落とした後は、玉切りにして積んである木を燃料として使えるように薪割り機や斧で割って加工しました。  

11月22日(第4水曜日) 週日活動 森の居酒屋は11月8日 午後7時頃〜
11月11日(第2土曜日) 9時〜(遅刻可)作業
主 催 者 : 遊 林 会
連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

 

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   一年間で最も忙しいこの時期。学校などの団体が森を知るためにその時の森を知ると言う意味から森全体にクイズを配したクイズラリーを行っています。季節や来る子どもの学年によって内容を変えています。毎日1団体以上の来場があるこの時期には、担当のフトン屋氏は、さしずめクイズ職人と化しています。しかしさすがにこう毎日ではクイズも種切れ気味。少しでもクイズのネタを求めて様々な人に「竹林の辺りのクイズを考えて下さいね。」と強制的に依頼しています。フトンヤ氏には越えねばならない高い壁があるのです。当日の問題に出題されるまでにはマル隊長のチェックが入るのです。遅くとも前日の夕方にはフトン屋氏の問題案がマル隊長により赤ペンチェックを受けます。「×がつくと却下。△は不採用。」だそうで、×も△も大差は無く意味は同じで、違う問題を考えなおさなければならないはめになります。日々、問題が採用かどうか激しい駆け引きに様々な人間模様が展開されています。思えば同じ小学生でも低学年と高学年では考える力も違うため相手に合わせてレベルを考えねばなりません。特にクイズラリーは河辺の名物でもあって知識を問うものではありません。五感を使えば答えが導き出されるように作成せねばならない微妙なものなのです。

☆森は大賑わい、イモ焼き4年

 10月と11月は森がお客様で最もにぎわうシーズンです。森にはドングリが落ちて木々も美しい姿を見せてくれます。保育園や幼稚園がドングリ拾いを楽しんだり中学生の里山保全体験学習も数多く実施され多くの人で賑わいます。10月は、3,707人の入場者があってスタッフは1日たりとも気が抜けません。この季節はクイズラリーとともに森の名物になっている焼き芋も大繁盛です。  条件が揃って上手く焼けるとトロトロで甘みたっぷりの大変美味しい焼き芋が完成します。本格的に焼き芋を始めて四年ですが、気象条件やイモを掘った時期によっても焼き加減を調整するため、まだまだ修行の日々です。40分程かけて灰の中で焼きますが、その途中で「美味しく出来そうですか?」と聞かれると「後は神の領域です。美味しく出来るかは神だけが知っています!」と言う事にしています。何事にも自然が相手の事ですので…。  

☆湖東信用金庫、ボランティア研修

 市内に本店のある湖東信用金庫職員のみなさん方は毎年6月に、たくさんでボランティアに来ていただいています。その時には寄付金もいただいてクリスマスコンサートに使わさせていただき大変助かっています。今年は新たに企業研修として9人の方が3日間ボランティア活動のため森に来ていただきました。何ヶ月も前に打ち合わせをした時、「何でもしますよ」とは聞いていたのですが、さすがに「どこまでお願いしょうか」とスタッフも悩みました。木造の林冠トレイルにこびりついたコケをデッキブラシで落としたり焼き芋の為のサツマイモ掘りやネイチャーセンター周りの掃除・整頓、また子ども達への対応などをお願いしてご活躍いただきました。普段の仕事と勝手が違って大変だったと思いますがスタッフは大助かり、あっと言う間に3日間が過ぎました。大変ありがとうございました。  

☆11月の作業日のお昼は?

 焼鳥名人を囲むと、「今年はあの合鴨(この春、皆の腹に収まったお役御免の合鴨農法の鴨)、餌をたらふく食わせて太らせような。」と他人様の田んぼの鴨にもかかわらず、捕らぬ狸の皮算用をしていますが、いずれにせよ鴨や鶏はまだ来ません。それじゃーと鮭のチャンチャン焼きなんかも浮かんでくるのですが・・・・。まぁー、空きっ腹では午後の作業はできませんので、なんとかします。お昼にお楽しみの方は、お帰りの手段に配慮を!    
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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