'06年12号 No.103

☆作業日あれこれ

   11月に入って良い日が続いていたのに、作業日はその日だけ選んだように雨です。当日、ある顔を見つけて納得しました。この人が観察会をやっている時、雨の中で合羽を着て参加した思い出しかないのです。遊林会のホーム・ページの伝言板に時折、「おじゃまむし」というネームで登場されるご意見番役の女史です。今年は水辺のビオトープの経過観察をする年になっており、うしまろが観察会の大御所をお願いしていたのです。森守堂の横に生えている、滋賀県ではここでしか確認されていないコガラスザンショウ:小烏山椒(カラスザンショウとイヌザンショウの自然交配種とか)の解説からです。
 森守堂を建設する時に、この木を伐らぬようにと厳しくご指導頂いたことを思い出しました。これが終わって本筋の観察会がスタート、まずは、水中ポンプからはき出されるこの水路の最上流の池からです。水辺に生えているタコノアシの解説が始まりましたが、クマのお隣におられた大先生は水の中を覗いて「小魚が増え過ぎとる。次の作業日には、少し上げて炊かんといかんな。」、「先生、カワムツ(骨が硬くあまり美味くないとか)ばっかりですよ。」とクマ、「いいや、炊いたら結構いける。」と…。
 
 今回の観察会では、せっかく女史がおいでになりましたのに記憶に残っているのは、並んで生えていたエゾギシギシとナガバギシギシの違いは、葉裏の葉脈に乳頭突起があるかないかで見極めるという説明で、乳頭という言葉に盛り上がっていたことのみです。突起があるのがエゾギシギシで、名前は牧草と一緒にヨーロッパから北海道(エゾ)に持ち込まれ、その後、日本各地に広がって行ったからだそうです。クマはこんな調子で他の解説を聞き逃してしまい、大変申し訳なく、もったいないことをしてしまいました。あいにく雨ですが、遊林会の活動に中止はありませんので、作業前のストレッチ、作業メニューの説明が続きます。


美しい森で観察会

  参加者が30名程ですのでアラカシ伐採作業を止めて、竹林整理、炭焼準備、昼食準備がこの日の作業です。竹林整備のリーダーは青年部長改め社長(転職のため)が担当です。タケを間引き伐採して、枝を払いクラフト材料の確保とそれぞれの運び出しです。軽トラ野郎のいない森では、トミーがスキンヘッドの頭に手拭いをかぶってタケの枝を積んだリヤカーを引いていましたが、一瞬、ウシが引いているように見えたのはクマだけではないと思います。
 炭焼準備は、リーダーはもちろん炭焼名人、久しぶりに弟子を従えて窯の周りで作業です。販売用の炭の袋詰め、炭焼原木の薪割り、窯入れと作業が終われば、火入れを待つばかりとなりました。(名人は、その後火曜から土曜朝まで炭焼きをされていました。)
  お昼は、芋煮をメインにしようと話していたのですが、愛子様と芋煮に対する概念の相違があり、少し現場で混乱してしまいました。芋煮といえば東北で秋の風物詩にもなる野外でする里芋の入った鍋料理だと思いこんでいたのですが、言葉のままにとれば里芋を炊いた料理と考えられるわけで、あれ?という感じです。それでもお昼には、鍋風芋煮、サツマイモと竹輪の天ぷら、ほうれん草の胡麻和え、大豆とヒジキの炊き込み御飯をいただくことができました。食後のミーティングでは、新人一言コーナーは女性ばかりでしたが、いつもだと事前に私的インタビューを済ませている焼鳥名人がこの日は不在、お留守の間に氏を肴に盛り上がりました。外は相変わらず時折雨の降る天候でしたが午後も作業が続けられました




森の素材で綺麗なリース

   第4水曜の活動日の朝は晴れました。晴れて、冷え込みが厳しく肌寒い日になりました。朝一番の観察会では、モミジの紅葉やイタヤカエデの色づき具合を観察して森を回り、秋の深まりを楽しみました。
 この日の作業は、まずは竹工作の材料となる様に残すための竹林の間引きです。今年は例年にも増して多く残しています。前回の作業日や中学生の作業体験でもおこないましたが、もう少し追加する事にしました。11時頃からは南西のタイヤ屋さんの方まで張り出した木を切り倒しました。車の寄り付けない場所から玉切りした幹を運び出しました。降雪シーズンを迎えるまでに作業を終えることが出来て一安心です。
 季節感を折り込んだ食事を提供しようとお悩みの料理班は、班長の松本さんがお休みなので愛子様は冷や汗モノです。お昼までのタイムレースなので台所は大わらわ。生姜たっぷりののっぺい汁と春菊のおしたし、小芋とイカの煮付けなどなど、とても美味しく出来上がり、寒くて疲れた身体を癒してくれました。
 午後からは、切り出した木を薪割り機にかけて薪にしていきます。機械に木を載せれば一定のペースで薪に割ってくれるので有難いのですが周りの人間は機械に合わせて大忙し。割れた薪は作業小屋裏の軒下に積見上げて1年以上乾燥させてから薪ストーブなどで有効に使います。さて女性陣ですが、森で採った実や花でリース作りに余念がありません。とても美しく出来上がりました。何やら作戦があるようですが‥。  

 12月20日(水) 注意!第3水曜 森の居酒屋は12月6日 午後7時頃〜
12月9日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

  東近江市の11月号の広報で「里山を元気にしよう」という特集記事があり遊林会が写真で大きく取り上げられました。(市のホームページでも見る事ができます。)9月の市議会で「にぎわい里山づくり条例」が成立した事を受けて広報の特集があったのです。10月の第2土曜日の作業日のお昼ご飯の前に撮影されました。河辺の森のスタッフも写りこんでいますが、超常連の青年部長や蛇掴み名人、定番のない陶芸家や大学生などの若い女性など普段なら当然の様に活動に参加されている常連様が写っていないのは非常に残念です。広報に載る写真を撮るからといって特に呼びかけもしないのは当会らしいのですが‥。カケヤや大きな鎌の様な長刀モドキ、ノコギリなどを持って写っていて説明がなければ、一揆か打ち壊しの前の集合写真といった感じです。勢いとやる気は十分に伝わると思います。   

☆ビオトープの変化

   河辺の森のは施設整備が終わりオープンして5年目です。ビオトープの整備の翌年、3年目、5年目と隔年毎に国の補助を受けて生態系の調査をおこなっています。今月の活動日の観察会はこのために水辺を中心にしておこなったのです。  今年9月にはザリガニが大繁殖してしまったため初めてカイドリをおこないました。この様に、魚や水生昆虫、植物が少しづつ変化が見られ始めるとビオトープ自体にも変化が見られる様になってきました。一番下流の池の水位が少なくなってきたのです。ビオトープは南東から北西へ森のほぼ中央を流れていますが、どこかで水漏れを起こしているとしか考えられません。河辺の森は1級河川愛知川の隣にあるため少し掘れば砂利だらけの地質でそのままでは、水を吸います。そのためビオトープの下には耐水シートを引いて水の漏れを抑えています。このシートは優れもので例え小さな穴が開いても水漏れが起きにくい様にとベントナイトという鉱物を付着させています。水を吸うと自らの体積の10倍以上に膨張し、さらに多量の水と混合すると強力な粘性を発揮するのです。しかし、大きな穴があいてしまうとこれとて無力です。
   05年の8月に一番下の池のシートが破れ水がもれが起きて水位が低下しました。水漏れ部分を土嚢でふさぎ、何とか水位低下を防いだことがあったので再びそこが漏れたと考えて根気良く土嚢を積み直しましたが水位は回復しません。よく探してみると深い池と池を繋ぐ浅い場所で水が渦を巻いてすごい勢いで地下に吸い込まれています。表土から20センチ程下にある黒いシートは拳大の穴が空きシートの下の土は永い間の漏れた水で洗い流されてしまっています。ちょうどシートが宙に浮いた様な状態になって水を四方から集めています。水を吸う力はもの凄いもので奈落の底に吸い込まれるようなイメージです。水位の下がった池では群がる魚を狙って狐やイタチの様な足跡が水辺に点々とついています。大きな鳥も近づいて、小魚にとっては採られ放題のかわいそうな状況でした。たまたま森にやって来られたこのビオトープを設計した会社の人の尽力でシートの素材会社の方が来て下さり穴のふさぎ方を指導していただきました。修理後は何事も無かったかのように水が満々と貯まり静けさを取り戻しました。めでたしめでたし。今後もメンテナンスの方法を確立して大切にしていきます。   

☆森のクリスマスコンサート開催

   今年も大阪センチュリー交響楽団のメンバー6名によるクリスマスコンサートを12月16日の夕方からネイチャーセンターで行う予定です。今回も湖東信用金庫の皆様に春のボランティア活動をしていただいた時に寄付をいただいていますので使わせていただきます。いつも有難うございます。今回は森のコンサートでは初登場のホルンを始めバイオリン、ビオラ、チェロによるモーツァルト作曲・アイネ クライネ ナハトムジーク・バイオリンとビオラのための二重奏曲やベートーベン作曲・ホルン六重奏曲変ホ長調、クリスマスソングなどの演奏です。本格的で楽しいコンサートは毎回好評です。チケットの販売は準備が出来次第、遊林会のホームページと図書館にチラシを置いて告知いたしますので、今しばらくお待ち下さい。お楽しみに‥。   

☆12月の作業日、午後は忘年会

   12月の作業日は、午前中の作業を終えると餅つきが始まります。いつもこの餅を、三平モドキとヘムスロイド村突撃隊長が、どちらが沢山食べるか競争しています。今年はいくつ食べることやら。おろし餅、あんころ餅、きなこ餅、大先生は勿論おろし餅です。それ以外にも料理を用意します。午後はコミュニケーションの時間です。ビデオ鑑賞会もやります。お楽しみの方々はお帰りには気をつけてください。代行運転や送りもいたしますが、送る数に限りがありますので、皆様も工夫して参加下さるようにお願いします。  
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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