'06年10号 No.101

☆作業日あれこれ

  9月になると涼しい日が続き、「作業日和になるかな」と喜んでいたら、8日の作業日には残暑のぶり返しに見まわれてしまい体力的に厳しく「こりゃ、今月も午後はお楽しみ会にせざるを得ないか」という感じで始まりました。
 このところ「ネタ切れ状態かな?」という観察会ですが、三平モドキは毎回一生懸命頑張っています。今回は葉の形状から樹木を見極める方法です。作業小屋と森守堂の間の茂みで実物を前にレクチャー開始。まず、葉の縁にギザギザ(鋸歯)があるかないかで、次に枝に対して葉が互い違い(互生)か向き合って付いている(対生)か、最後は落葉樹か常緑樹かで分類するとの解説です。うるさい生徒からは、三平モドキが「キョシがあるかないかで・・・・」と説明を始めると「キョシてなんや?」と質問が入ります。「キョシのキョはノコギリ(鋸)という字です・・・・」「そんならキョシなんて言わんとノコギリバ(鋸歯)と言うてくれたらようわかるのに。」これには大笑いです。葉の形状として面白いのはタラノキやヤマウルシ、ニセアカシアなどです。それぞれの小さな葉状の物が1枚の葉ではなく枝から出ている葉のまとまり全体が1枚の葉で複葉といいます。葉か落ちる時は、小さな葉状の物が1枚ずつ落ちるのではなく、まとまって主となる枝から離れます。あの葉がくっついて枝のように見える部分も一枚の葉なのです。森の中で実物の木を前に観察。三平モドキ用意の分類表で樹木名を確認して、観察会はお終いです。

▲いつも美味しいご飯をありがとう 

 この日の作業は、ケヤキの林でニレ科(この森ではケヤキ、エノキ、ムクノキ、アキニレ)以外のコウゾやタラノキ、ゴンズイなどの木を伐ってケヤキなどを光にが当たって良く育つように間引き作業、水辺付近を中心にクズの手抜き作業、ササの機械刈り作業、久しぶりに青年部長をリーダーにしての竹林整理作業、そして昼食班です。
 間引き作業のリーダーはマル。クズやセイタカアワダチソウも除去、ケヤキなどの実生の若木は3mほどに育っており、今回作業をしたエリアは、この森の整備前は竹が密生していましたので、間もなくそれ以前のニレ科の林に戻っていくことでしょう。
 クズ抜き班のリーダーは蛇掴み名人、太いクズを見つけたらこの秋には重機で根を掘ってやろうとの下心を持ちながらの作業です。途中では水辺でうしまろを生徒に、ザリガニの穴の見つけ方と掴み方の講習などもやっていました。
 ササの機械刈り班は、ご存じヘムスロイド村御一行様中心の作業です。残して欲しい実生などもあるのですが、豪快に刈り払われた御仁もあるようで・・・・。
 竹林整理班は、竹林の周囲から整理、南東の角では投棄されている粗大ゴミも整理しながら大活躍です。
 昼食班は、この日初めて参加の親子&孫2人も含めて、いつもの通りいろいろな料理作りに奔走、そうめんチャンプルー、冷しゃぶ、カボチャや唐辛子の炊いた物、差入れの食用菊の酢の物、梨とにぎやかです。
 これらをあてにお昼の時間には、所謂トラ御用達テーブルでは2横綱、3大関+角番大関がいつものとおり焼酎談義をやっておりました。隣のテーブルはヘムスロイド村御一行様や蛇掴み名人等遊林会中年御用達で、それなりの麦○の消費をしており、クマも年齢相応?にこのテーブルの常連です。朝心配したとおりの暑さで午後は作業中止かと思われたのですが、青年部長はやる気満々で仲間とともに現場に消えて行きました。残された参加者は、暑さに屋外作業の意欲は喪失、作業小屋の周りでなんやかんやらと始めました。まず蛇掴み名人、作業で使用した鎌を研ぎ始めました。ヘムスロイド村御一行様のお一人、通称”カメチャン”は、リヤカーのパンク修理、応援にニシムラ大先生という具合です。念のために申し上げますと、青年部長は作業を終えた後、有志?を誘って時間外延長ミーティングをいつものように開いておられたようです。

▲ザリガニつかみ大作戦

 9月26日に、待望の十年選手の小型ダンプがやって来ました。何と2段階シフトの4駆で、すごいパワーの持ち主です。ぬかるみに泣かされ悪路に立ち往生をしてきた作業も、これからは、エースの登場で改善されます。遊林会の某マニアの皆様に、とっても重宝がられ可愛がっていただけるものと思います。
 第4水曜日の活動日も晴れ、朝夕めっきり涼しく美しい日が続き、活動に最適な季節です。まずはナンバンギセルの観察で、この森ではススキに寄生しています。昨年とは違った場所にも広がり、宿主に守られ密かに咲いて、別名を「想い草」と言います。花姿は、物想いにふけっているかのように頭を垂れていて、とっても可憐です。
 そして今日の活動は、モミジの林の整備です。モミジの林はまだまだ実生苗が小さく、草の背丈に負けてしまうので、まだまだ手入れが必要です。今回は県立大学の学生や大先生の昔の教え子さんを含め4人もの新人さんが来られ、総勢30名を超えるにぎやかな活動日となりました。
 昼食には、春に大豊作だったタケノコを保存していた塩漬けの樽を開け試食したり差し入れのそうめんカボチャの食感を楽しみました。午後の部は、モミジの林の続き、芋掘り、枯れ木伐採、作業小屋での創作活動など、森らしい時間がゆっくりと過ぎていきました。    

 10月25日(水) 週日活動 森の居酒屋は10月11日 午後7時頃〜
10月14日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   9月は夏のイベントも終わり秋の来場者ラッシュまでの狭間です。スタッフ達はちょっとホッとしながら普段出来ない植物や昆虫等の生態を勉強します。目指すは大先生やキノコ博士。はたまた先人の先生方シートンやファーブルか…です。スタッフルームの机の上は本だらけ、図鑑と首っ引き、若者の向上心はすごいのです。9月20日過ぎお彼岸を境に急にセミの声が激減すると辺りは曼珠沙華、秋が深まってきます。お芋シーズンの始まりです。芋を洗ったりして焼き芋準備をしたり、クイズ・ゲーム・工作準備等々、子ども達に楽しんでもらえる様に、あの手この手の作戦を考えます。そうこうしている内に、森には最も多いお客様をお迎えする事になるのです。   

☆森のザリガニ退治

     森がオープンする時、近くの川で捕まえた魚や昆虫と一緒に軽い気持ちで入れたアメリカザリガニが森の水辺で大繁殖。トンボの○ワダと呼ばれている御仁が、「どうも森のトンボが少のうなった。水棲昆虫のタイコウチなども姿を見ん。こいつはザリ公のせいと違うか。カイ堀をして退治せんと。」と森の作戦会議の居酒屋でのたまい、一同、賛同するところとなりました。9月30日土曜日、子ども達に参加を呼びかけて実施することになり、前日より、レクチャールームで飼っている子ナマズの餌に小さなザリガニの欲しいうしまろは水中ポンプで下流の池の水を抜いたり、それでもだめならと池の底の秘密の扉を開けたりと熱心に準備をしていたようです。当日は晴れ、70人以上の参加者でザリガニ掴みです。
 応援はトンボの何とかさん、蛇掴み名人をはじめ常連の方々、大興奮の内に沢山のザリガニが子ども達に捕まり、大成功です。しかし敵はしたたか、継続した取り組みが必要です。定番のない陶芸家は、自らヘムスロイド村の池で実践されている毎日罠を仕掛けて着実に減らすことを提案されています。興奮冷めやない子ども達が今日の成果を見せ合う中、作業小屋の周辺ではスタッフがポンプを洗ったり後片付けに専念しておりますと、そこへ場違いにも良い匂いが漂って参りました。なんとニシムラ大先生、一緒に採れた小魚を日本酒をたっぷり使って、男の料理だと佃煮作りに励んでおられたのです。さすがに今回は泥の中で捕まえた主役のザリガニを食べようと言うことにはなりませんでしたが、やはり遊林会、食い意地がはっています。この佃煮、いついただけるのでしょうか。     

☆大先生のつぶやき

  仲秋と呼ばれる10月に入っても、森の樹々はまだ濃い緑の葉を茂らせています。8月の大干ばつの折りには萎れて今にも落ちてしまいそうな林も、9月の台風がもたらした雨で息を吹き返し、そのまま未だ緑を保っているのです。しかし、じっと目を凝らして見ると、林床にも木々の枝にも着実に季節が進んでいるのが感じられます。気の早いヤマハゼは1〜2枚だけですが、真っ赤に色づきはじめました。シラキの葉も心なしか緑が褪せて実も膨らみはじめています。アベマキのドングリも落ち始めましたが、例年に比べて実が小さいのです。これもやはりあの日照りの影響でしょうか、これではドングリを目当てにやって来る子ども達を落胆させそうです。林床では、ヤブランの花が目立っています。目にも鮮やかな紫の花穂を伸ばして懸命にアピールしているのですが、秋に咲く花のさだめなのか、なぜかもの悲しい風情なのです。アキノギンリョウソウも薄暗いアラカシの根元で頭をもたげはじめました。葉緑素を持たないこの植物は、純白でありながらどこか陰気な雰囲気を漂わせる花です。  そっと、そして着実に繰り返し行われる自然の営みを観察していると、社会や人生の中で起こる様々な事件や事故には、自然の姿を手本に学ぶことがたくさんある気がします。     

☆10月15日、環境関係団体交流会

     愛知川を挟んで対岸で活動している団体に「宇曽川水系を見守る会」がありますが、今回この団体と共同で環境に関連する団体の交流会を実施することにしました。場所は、対岸のすこやかの森です。おおいに食べ飲み、いろんな人と語ろうという会ですので、興味のある人は誰でも参加できます。注意すべきことは、帰りの飲酒運転防止と参加料の千円のみです。作業日の翌日ですが、皆様の参加をお待ちしています。   

☆10月の作業日のお昼は・・・

   10月になれば建部北町の有志の方に作付けをお願いしているサツマイモが収穫できます。天ぷら、芋御飯・リンゴと炊き合わせ等を考えています。  
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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