'06年9号 No.100

☆今月の通信は100号!

  毎月毎月、作業の内容や遊林会の名人の艶話(?)を報告してきた河辺林通信もこの号で100号です。「思えば遠くへ来たもんだ」しつこく長く続けてきたものです。この中にはお出会いすることができなくなった反戦爺、生臭髭仙人、木登名人の在りし日のお姿も記しています。(インターネットをご利用の方は、遊林会のホームページで検索すれば、記述のある号へジャンプできます。) 過去の記事を読むと硬派の意見も多いのですが、この頃は柔らかい記事が多く反省しています。遊林会のモットーは「継続は力なり」ですが、毎月休む事なく発行し続ける事が出来ました。これを区切りとする事なく通過点として河辺林通信は100号を迎えた事をお知らせします。     

☆作業日あれこれ

   梅雨が明けるまでは連日の雨、明ければ一滴も降らない今年の天候です。8月の第二土曜日は、前日までの予報では崩れるとのことでしたが、当日の朝には見事なかんかん照りで活動には情け容赦のない日照りです。三平モドキが作成した落葉樹のドングリの葉のカラーコピーが手渡され、コナラ、クヌギ、アベマキ、クリを見分ける観察です。何回聞いても忘れてしまうクマは樹皮を見て勘で判断しているので、物覚えの悪くなった頭にたたき込みました。クヌギと違い、アベマキは歯の裏が白っぽく小さな毛があるそうです。作業を始めてから増えたタマムシの生きている実物を観察した後、レクチャールーム前の池で見つかった国のレッドデーターブック絶滅危惧T類に記載されているイチョウウキゴケの観察です。夏休みの子ども向け講座で、講師によって発見されました。イチョウの葉の形で水に浮かんでいるのですが、名前の通り日本で唯一水面に浮遊して生活するコケの仲間です。水がなくなって湿地の状態になっても泥の上で生育するそうで、かつては水田で普通に見られたのですが、農薬や水の富栄養化で少なくなったようです。事業で整備した際に余所から土を入れず良好な管理を実施していることと、昨年のウメガサソウと同じように見極め同定する人材があることが新しい発見をもたらしてくれます。草原広場の野外テーブルでは、テーブルの上で見つかった動物の糞の犯人捜しがインターンシップ生によって行われ、開けた場所の糞で内容物からテン(雑食性)よりはイタチだろうとのことでした。

▲男の料理班 

   この日は放送部の取材を兼ねて参加した地元の女子高生や担当の教師、インターンシップの女子大生、寝坊して県外から特急で駆けつけた明るい声の主など若い女性が多く、シニア組は作業前から気合いが入っていました。ササの機械刈は、屋外トイレから西へ…。いつもは3人揃い踏みのヘムスロイド村御一行様は定番のない陶芸家だけ、久しぶりの里の狸殿を入れても3台で作業でした。
 草原広場の西の端から林に向かっての作業は、ササを中心に長刀モドキで選択的下草刈です。フトン屋がリーダーのセイタカアワダチソウやクズ抜班は、多くの女性を従えて賑やかな作業となっていました。直射日光を浴びるケヤキの林での作業で暑くて大変だろうと思い見に近づいて行くと女性の明るい声が響いてきて羨ましい感じでした。
 昼食班は、今回は男の料理で親方は青年部長を従えナスビのそぼろ煮、シシャモの南蛮漬、サラダ。ヘムスロイド村突撃隊長は機械刈を止めて約束通り焼きそばを調理です。

 食事の時間になれば、いつものトラ御用達テーブルでは女子高生達を呼び寄せご機嫌です。いつもは常連の青年部長も勢いに押されたのか、別のテーブルでひっそりと食事です。この日は新人と女性の参加が多くミーティングも賑やかで食後のコミュニケーションも先月同様延長です。昼寝も兼ねた平和を考えるビデオ上映会はリメイク版の「ビルマの竪琴」でした。ヘムスロイド村突撃隊長は汗だらけになって焼きそばを焼き充分にコミュニケーションを楽しんだ後、「夜は別会場で資金稼ぎだ」とボランティアをハシゴするため代行運転で帰られました。この日、代行運転は3台、何事もなく作業は終わりました。  

▲地蔵盆ヨーヨー釣り

   第4水曜日の活動日も晴れ。まずはマル隊長による大人向けの五感を使う観察会からスタートです。今回は名詞を使わずに匂いを表現し仲間をさがす楽しい観察会でした。
 作業は萌芽エリアを長刀モドキを装備してドングリの実生を残しつつ大きくなっているタラや笹・ウルシ等を刈り取っていく選択的草刈りです。ベテラン揃いの人ばかりなのでドングリの実生が切られることなく!?どんどん進んでいき、休憩を多く入れながらも予定していた場所を終えることができました。
 軽トラ野郎は以前にウルシにかぶれた教訓を生かしウルシをフトンヤにまかせ軽トラに乗れないストレスを笹やタラにぶつけるかのごとくバシバシ切っておられました。作業を終え小屋に帰るとテーブルの上には特攻隊長からの差し入れのウナギ!が並び、夏の疲れた体に冷たい●ールとともにしみわたっていきました。作業日の昼からは、夕方にある地蔵盆の準備です。今年のメインイベントは手回しかき氷。昔、氷屋さんで順番待ちをして胸をワクワクさせた夏の日を思い出します。作業に参加したベテランの若者は地蔵盆の用意しておいたコマを上手に回しています。さすがに昔とった杵柄。綱渡りなど若者には到底真似できません。日も暮れ始めると、森さんの地蔵和讃が始まり子ども達は神妙に唱えています。終わると「わっ」と遊びに興じます。輪投げやメンコ等。ヨーヨーつりでは30個も取る子どもいて盛り上がっていました。しかしスタッフは気を許せません。去年の肝試しでは「怖くなかった」と言う反省から準備を進めました。真っ暗な森の中を提灯1つで進みます。怖がらせようとあちこちに隠れて驚かせるのですが子ども達は期待ほど驚かず帰ってきました。  帰ってくるとみんなが楽しみにしていたかき氷です。スタッフは手を凍らせながら作りましたが、終わり頃になるとシロップが無くなってしまいました。スタッフにとってもあこがれのかき氷は氷だけの無味無臭でほろ苦い物になりました。   

 9月27日(水) 週日活動 森の居酒屋は9月6日 午後7時頃〜
9月9日(第2土曜) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:東近江市 花と緑の推進課 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森スタッフルーム情報

   キャンプが終わり夏休が始まると思いきや、イベントラッシュの始まりです。例年通りなら森のスタッフはクイズラリーの問題作成や対応に追われるのですが、今年はインターンの方々がクイズ職人となって総勢280人の元気な子ども達の対応や景品作りを頑張ってくれました。イベントラッシュ中もスタッフにはない専門的な知識や20代前半のノリで、森の地蔵盆では輪投げや射的係、肝試しのお化けに変身し大いに盛り上げてくれました。31日で卒業を迎えますが作業日などに顔を見せてくれる事でしょう。サウナ状態のレンジャールームでは、愛子様とフトンヤがマル隊長の目を盗みエアコンのスイッチを…。それに気がついたマル隊長は怒るかと思えばそのことにはふれず、涼しい顔で打ち合わせをしていました。隣の事務室の面々の額の汗は見なかった事にしておきましょう     

☆やまの子キャンプ報告

   8月1日〜6日まで「やまの子キャンプ」が永源寺の愛郷の森キャンプ場で行われました。みんなの日頃の行いが良かったのか(!?)一滴も雨が降らず晴天に恵まれ夏空のもとでのキャンプとなりました。三平モドキ氏はキツツキコース3・4年生が対象の2泊3日です。大きな怪我なく子ども達はとても楽しそうに帰還しました。その後はマル隊長のフクロウコースです。マル隊長は大きな愛で高校生リーダーや子ども達を包み込み3泊4日を無事終えました。今もなおリーダー達はマル隊長を慕い次の作業日にも顔を出す約束をしていました。さてフトンヤ氏ですが5泊6日で力尽きそうになりながらも何とか乗り越え、子ども達は少し大人の顔になって帰って行きました。教育委員会から依頼を受けた初めての事業でしたがスタッフのリーダーシップや計画の評価も高く教育委員会の方には大変喜んでいただけました。     

☆遊林会と河辺の森の今後

   今年の正月に能登川、蒲生が加わりより大きな東近江市が誕生しました。鈴鹿の峯から琵琶湖まで大変広い地域が1つの市になったのです。遊林会は、河辺いきものの森だけを活動地域としている訳ではありません。他の地域を活動地域として整備していく事も出来ます。大きくなった市では10を超える団体が保全活動を進めています。遊林会も地道な活動を今後も大切にしながら先駆者としてこれらの団体と連携してますます頑張っていきたいと思います。遊林会は里山保全活動団体として活動を始めて9年目の活動を迎えました。来年には10年の節目を迎えます。「10年に向かって」という訳ではありませんが、今年から新たに取り組んだ、やまの子キャンプの受託やインターンシップの受入により環境教育部門は新しいステップに差し掛かった感じがします。積極的な一歩により環境教育に深みが増し活動の選択肢を増やす事が出来るようになりました。また来年からは県の森林税による環境教育「やまの子」(キャンプと同じ名前ですが全く違うモノです)も河辺の森で受託する事になるかも知れません。これは県内の小学校に通う全ての4年生が県内、10か所の施設で森の大切さを学ぶ事になり忙しくなりそうです。また、市では、にぎわい里山づくり条例や東近江市民の豊かな環境と風土づくり条例(環境基本条例)を整備して環境問題に重点を置いています。特に里山づくり条例は、人を含めた全ての生き物でにぎわう場所として整備するようにしています。このように新しいステージに向かって新たな10年が始まります。また、遊林会ではタイムリーな情報提供に向けてホームページの充実に力を入れています。こまめな更新と充実した内容で現在の森のニュースを知ることが出来ます。是非ご覧下さい。     

☆9月の作業日は一日だけど…

   残暑が厳しければ考慮せざるを得ません。過ごしやすい天候であれば終日作業の予定です。それぞれご自身の体力に合わせてですので無理はしないで下さい。昼食は夏の暑さに弱った身体をいたわるメニューにできればと考えています。
   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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