'06年8号 No.99

☆作業日あれこれ

 雨だと思っていた7月8日の作業日は、曇り空で雨喜びを期待していた人にとっては見込み違いになりました。この日は三平モドキが休みのため、観察会は久々にフトン屋の担当です。まずは池の端にいつの間にか生え、今年始めて咲いたネムノキの花から。地元では太鼓を打つバイに使用される木で、人が関わらなくなって暗くなった森では陽樹のネムノキは成長できずに少なくなっていました。借地する時に、保全作業の時も残して地元青年団が伐る事を認める事が条件になっています。ネムノキのバチはほどよい堅さで粘りがあり太鼓の皮を破らないのです。この場所が暗く荒れた竹林から陽の射す広場になって6年になります。実生から花が咲くまでにその位の時が必要なのです。草原広場ではオトギリソウ(弟切草)のいわれの説明です。傷薬に効く秘伝の薬草であるこの植物を人に教えた弟を兄が怒って切り、そのときの血が葉に斑点になって残っているのだとの説明にギャラリーからは「弟が切られるまではなんて呼んでたんやー。」との声有り! そんなヤジは無視して「質問はないですね。」と答えもせずフトン屋は次のフィールドへ。オカトラノオやヤブカンゾウの花を見て、草庫(森の真ん中にある屋根に草を生やしている倉庫)の前を通り作業小屋に戻る近道を通り、作業全力モードです。
 準備体操のストレッチに続く作業メニュー説明はマルです。午前中だけの9周年目記念日ですから作業リーダーは変則で、竹林整備(清掃)のリーダー青年部長に代えて、うしまろがリーダー。
 竹林整備の常連、森の暴走軽トラ野郎も他班で活動です。代わりにと言っては何ですが、この日初参加の県立大学女学生二人の参加が得られて少し雰囲気の違う作業です。鎌を手に竹林の草やササ状のタケを刈りました。
 セイタカアワダチソウ退治班もリーダーはようやく抜き去る草と残す草の区別ができるようになったとかいうフトン屋、正面入口から草原広場を経て一番奥のドングリ広場まで転戦しました。目指すはセイタカアワダチソウとクズの撲滅です。何を思ったか例の軽トラ野郎、この班に出没しておりました。
 ササの機械刈班はヘムスロイド村御一行様他総勢5人、屋外トイレの裏側や野鳥観察壁周辺で作業です。ササ刈りは、光合成の成果を地下茎に蓄える9月末までに行う作業で、雨が降ってできないと困りますが森に響く順調なエンジン音に一安心。ササが入った森では林床の植生がササだけになり、他の草や木が生えない困ったエリアになるのです。(河辺の森では見本で林床のササを優先させたエリアも設けています)
 さて、いつも竹林整備や除草作業のリーダーをしている青年部長と蛇掴名人、山田親方は、作業小屋で焼鳥の串刺しに専念。この日のお昼はこの焼鳥にニシンとナスビの煮物、キュウリと豚肉の炒物、炊込御飯、味噌汁です。食後のミーティングは新人4人&9年目の記念日ということで長めでした。お馴染みのビデオ鑑賞は、「酔ってから字幕は読めん!」とか「雨が降っているような白黒の古いのばっかり」と不評で今回は最新作を用意したのですが、観客4人という有様。青年部長やヘムスロイド村御一行様達は、作業小屋で酒税納付に尽くされておりどこかの役所が学校の成績に愛国心を評価するとの事ですが、国税納付に熱心な彼等は間違いなく優等生では…と苦笑です。泡の出る飲み物は冷蔵庫だけに留まらずケースごと池で冷やしていましたが、延長戦で売り切れました!

▲ 薪で炊いたご飯

   第4水曜日の活動も夏場のため半日で終了ですが、ベテラン勢揃いの水曜日のこと、並みの作業ではありません。森のスタッフもなかなか手が出せずに困っていたドングリ広場の下草刈りを精鋭部隊で行いました。見るからに手強そうな場所でしたが、コナラなどを残してアカメガシワやヤマウルシ、ゴンズイ、センダンなどを伐採し、観察路沿いはかなりすっきりしました。作業も順調かと思えたその時、木彫り名人が、藪の中に仰向けに寝て黙って顔の前でナタを振っています。どうしたんだ!?何かの発作か!?と思ったら、スズメバチの群れに襲われているではありませんか!幸いなことにどこも刺されませんでした。氏曰く「作業してたら地面からハチが出てきたので、刺されないように地面に伏せた。顔だけは守ろうと思いナタを振り、何匹かは追い払えた。助けを呼んだら来た人が刺されるので声を出さなかった」と。日頃、子どもたちに「スズメバチに出会ったら静かにじっとして!」と言っているスタッフですが、こんなに冷静に対処できるかは自信がありません。さすが!その後も蜂の巣を避けて作業をしましたが、作業をした1,000uほどの林の中だけで3つも蜂の巣が確認されました。

 8月23日(水) 週日活動 森の居酒屋は7月5日 午後7時頃〜
8月12日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森のスタッフルーム情報

   長雨が止んで夏らしくなった陽射しの森に久しぶりに行くと、冷房の効いた施設に慣れている者には、スタッフ・ルームはサウナ風呂状態です。昨年まではこの中でクマも仕事をし、アセモは夏の職業病とあきらめていたのですが、部外者となるとスタッフの我慢強いのに感心してしまいます。それでもいわゆるブーヤンズ・トリオには、同じ動物なら暑い所ほど体重当たりの表面積が多くて体熱の発散効率をよくするために痩せるという法則があり、健康の為にふさわしいのでしょうが、三平モドキなどはその必要もなく我慢して夕食のビールを楽しむという習慣もないので気の毒な限りです。まぁ、フトン屋や大先生は夕食の一杯(?)の味わいのために耐えておられるのでしょう。目を外に転ずると、うしまろは、ニイニイゼミの鳴き声が降ってくるようになった草原広場の風通りの良い東屋で、緑の少年団全国大会の打合会議を開いていました。これも本人は良いでしょうが、他の会議の参加者は「なんという場所で…!」という思いでしょう。皆様、今年もセンターはアツイ情熱あり冷房なしでがんばってます。  

▲緑の少年団全国大会・工作 

 

☆インターンシップと夏休みのイベント

   先月の河辺林通信にも書いたとおり遊林会で環境教育を学ぶため7名の若者がインターンシップにて活躍中です。大学在学中の方が長い休みを利用して就業体験をするために森で修行しているのです。インターンシップをみなさん方に上手く紹介できないうしまろなどは「船の人?です」とか言って紹介しています。やまの子キャンプの準備等で忙しいスタッフに代わって夏休みスペシャルクイズラリーにやって来る子ども達の相手をしたりしています。8月上旬のやまの子キャンプ終了後にやって来る夏休みのイベントラッシュにも大車輪の活躍をしていただく予定です。インターンシップの方々に来ていただくため座る余地も無い荷物満載のレンジャルームが整理されて綺麗になったのは残念ながら少しだけの期間でした。    

☆緑の少年団全国大会開催される

   7月29日土曜日に緑の少年団全国大会の交流集会が河辺の森を会場に行われました。県内8ヶ所の会場の一つとしてです。当日は、北は青森、南は沖縄の人が来てくれました。東近江地域からも多くの人が来られて総勢140人の大賑わいでした。遊林会では昼食に出すカレー調理に前日からお手伝いいただいた方々や当日の竹工作のヘルプにボランティアとして多く参加していただきました。当日は、来場した多くの団員を3班に分けてクイズラリー、森は宝物、竹笛工作のプログラムを順番に体験してもらいました。
 「クイズラリー」はフトン屋氏の大きながなり声を先頭に集団でクイズを探しながら森を一周回ります。「森は宝物」はマル隊長を先頭にしてクイズラリーのコースと重ならない様にしながら森の見所を説明します。愛知川と森や集落の位置関係を実際に目で確かめたり手入れした森とそうでない森の様子も比べたりして宝の地図を完成させました。「竹工作」では遠くから来たお客様ですのでケガをさせられない等の安全管理の事もあって、たくさんの人にお手伝いいただきました。長い竹から切り出して最後はピーピー・ブーブー鳴る笛が完成して団員は大喜び。皆で合奏していました。今回最大の山場は昼飯前にやってきました。雨が降り始めたのです。雨が降ると食べる場所がテントやシェルター下に限られるため雨が降ったり止んだりするたびにスタッフは右往左往して大変でした。150人前のカレーも大きな鍋に2個と子どもが風呂として入れる程もある大きな釜のご飯が2つ薪を燃料に炊きあげられました。50人前までの調理は活動日で経験済みですが、これだけの量はさすがに初めての経験で松本炊事長もプレッシャーがかかりましたが参加された方達からは大変美味しいと好評で遊林会活動と同じ美味しいご飯をふるまう事ができました。多くの方が河辺の森での活動に満足して帰っていただけたと思います。   

☆8月の作業日も半ドン、午後は…

   真夏の8月は、地獄の釜は休みでも、遊林会の作業はいつもの通りやります。但し、半ドンです。午後は毎年、平和を考える映画祭にしています。今まで邦画ばかりやってきましたので、そろそろ洋物もやろうかと思うのですが、大先生の「酔って字幕が読めるか!」という声が聞こえてきそうです。しかし、いつも口ほどになく、お昼寝の時間にされていますので無視しましょうか。そうなるといろんなタイトルが浮かんできます。「個人的趣味で選んで・・・・。」という声も聞こえてきそうです。しばらく考えます。  さてお昼ですが、ヘムスロイド村突撃隊長殿が焼そばの出張調理をするそうです。また、山田棟梁が夏野菜のアラカルトをふるまってもらえそうです。名付けて「遊林会~男の料理班~」とでもしましょうか。午後は語らうも良し、寝るも良し、ビデオを観るも良し、参加をお待ちしています。

☆最後に一言!

  他のイベントで飲酒運転により重大な事故が発生しました。重ねて今まで以上にこのことには気をつけなければなりません。もちろん、代行運転等も行いますが、来場手段にも配慮していただくようにお願いします。あなたの事故が遊林会活動を中止に追い込むかも知れません!是非ご一考をお願いします。

   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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