'05年12号 No.91

☆作業日あれこれ☆

   11月12日、週間天気予報では朝の内にあかる雨でしたが、前日の午後には朝の内残るという予報に変わり、明け方まで賑やかな雨音がしていました。「やれやれ今月も充分な作業ができんのか。」と思っていたのですが、起床して朝刊を取りに外に出ると雨は上がっているではありませんか。
 この日の観察会は、三平モドキによる種子散布についての講義からです。植物が種をどのような手段で遠くに運んで分布域を広げるかの説明です。その方法は、

1.風に運ばれる(例:タンポポ、モミジ)
2.弾けて飛ばす(例:カタバミ、ホウセンカ)
3.水に運ばれる(例:水草)
4.重力散布(ただ落ちるだけ 例:ツバキ)
5.動物の力を借りる(引っ付く、食べられるetc)

 以上5種類です。ドングリなんかは重力散布とアカネズミやカケスなどの動物による貯食行動と二通りの方法を持っていることになるでしょう。フリップを用意したりして解説していましたが、単なる机上の講義ではなくフィールドを使うのが観察会です。三平モドキは、ちゃんと今日のこの森のビックリ発見を用意していまして、参加者に足下に風が吹き寄せているケヤキの葉を手に取るようにと続けました。手にしてみるとケヤキの落ち葉は、1枚ではなく小さな枝に何枚もの葉が着いた形で、それぞれの葉の根元には小さな種が付いているのです。小さな枝を軸に葉をプロペラにして風に舞う仕組みになっています。モミジの仲間は種にプロペラができますが、ケヤキは葉と枝を使って風に乗る戦略を採っているわけです。一同、ケヤキの落ち葉は知っているのですが、その中にこんなしたたかな仕組みが隠されていたことを知って感嘆の声を上げていました。

▲ケヤキの種付き落葉

   ストレッチに続いて作業です。いつもの青年部長をリーダーに竹林整備、少し違うのはリヤカーが大活躍していたこと。答えは簡単、軽トラ野郎が休みだったのです。この日の作業はモミジの林の林床整備がメインです。事前に大先生は伐られては困るコマユミなどの灌木にテープを巻き、ヘムスロイド村御一行様刈払機による一網打尽の害を予防。灌木が少ない手刈エリアはヘビ掴み名人の指導により 丁寧に選別をしながらの作業です。午後は刈り払った灌木や草を掻き出して1日の作業となりました。この作業は紅葉までに紅葉狩りができる位にすっきりしようと実施したのですが、作業を終えた林は月末の紅葉が待たれるように美しくなりました。落葉樹の高木の下に茂るアラカシを伐採する林床整備班は先月の続きです。マルはそろそろこのエリアは、中学生などの体験のために残しておかないといけないかなと言い始めました。遊林会の毎月の活動が順調に進んでいるので、常緑樹の中低木を伐採するような場所が少なくなっているのです。
 昼食班は、前日に里のタヌキ殿から差入れのあった名古屋コーチンの鍋や唐揚げ、その他の揚げ物、鶏釜飯です。もちろん鶏の捌きは焼鳥名人の仕事ですが、当日は所用ができ参加できないのでと、前日にうしまろを助手に3羽をいつもの慣れた手付きで捌いてくださいました。この日の昼食は三横綱不在で、いつもの奥のトラ御用達デーブルはどうなるかと思っていたのですが、そこは良くしたもので三大関+αで差入れのイカの薫製をアテにそれなりに賑わっていたことを報告しておきます。この日、午後の作業をしなければ5ヵ月連続、12月は忘年会のために半ドンに決まっていますので都合6ヵ月連続の半ドンになるところで心配していたのですが、大丈夫でした。時間が来ると作業開始です。午後からは木登名人も参加、モミジの林で三平モドキを助手に吊し切り、ヘムスロイド村御一行様他は芋畑でサツマ芋掘りと水洗いなどと新しい作業もありました。3時のおやつはピザ窯で焼いた石焼き芋でとても好評でした。

 今月の第4水曜日は勤労感謝の日でしたので土曜日だけの参加者の顔も見えるかと思っていたのですが、蓋を開けてみるといつものベテランばかりです。作業日和のこの日は、モミジの林の東隣の林床に生えたアオキ退治と屋外トイレの裏側の刈り残したササの機械刈りです。アオキ退治では、根元から刈るよりはできるだけ引き抜こうということにしたのですが、新しい発見です。アオキの根は直根が地中深くに入り込むことがなく、横の腐葉土の多い部分に延びているので、草のように容易く抜き取ることができるのです。午後からは大津の生涯学習カレッジの有志の飛び入り参加もあり、資材倉庫の辺りまで作業を終えることができました。機械刈部隊は、新調のヘルメット持参のビデオ小父さんを筆頭に3人が大活躍、これも予定以上の作業を終えました。お昼はこれまた差入れの名古屋コーチンの焼鳥がメイン、調理人はもちろん焼鳥名人です。この日は三横綱、三大関の揃い踏みでしたが、お昼の延長戦もなく午後も作業で汗を掻いておられました。

 要注意! 12月21日(水) 週日活動
森の居酒屋は12月7日 午後7時頃〜

12月10日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

 

☆河辺いきものの森スタッフ・ルーム情報☆

▲カヤネズミの巣

 11月18日、出勤したばかりのうしまろから重大発表がありました。「11月22日(いいふうふの日だそうです。)に入籍することにしました!」とのことです。いたる所での目撃情報が寄せられていました(ホームページの伝言板では、「森でクマにあったらどうするか、街でカップルのうしまろにあったらどうするか」という話題までありました。)ので、河辺の森にシカやサルが出たという情報程には驚くこともありませんでした。クマはやれやれこれでまた人生の墓場に入る奴が出るのかとため息ばかりが出たのですが、他の面々は我がことのように喜んで、やれ結婚式はどうするのだとか、あの時のあの人ですかとか、どこで住むんですかなどと質問攻めです。本人発表によれば、今朝、親にも入籍することを告げたばかりであること、セレモニーは考えていないこと、相手は10年程前から仕事を通じて知り合った女性であることなどがわかりました。ここまでこぎ着けることができてホッとしたのでしょう、顔からは笑みがこぼれていました。希少動物のカヤネズミが生息している自然環境の豊かな地に新築の家があるのですが、当分の間、職場に近い彼女の家に転がり込む算段のようです。この日の帰宅時、偶然、クマの前をうしまろの車が走っていたのですが、今まででしたら警戒していたのでしょうが、この日は無警戒で彼女の家のある路地に消えていきました。フトン屋は、「一緒に夕飯のメニューを考えましょうよ。交替で材料の買い出しに行きません?」などとラブ・コールを送っていますが、男女共同参画型社会とはいっても少数派のフトン屋の仲間ではないようです。それから数日後、うしまろはいつもの母親特製の朝飯代わりの大きなおにぎりと保温弁当を持参して出勤してきました。出勤途中に彼女の家に寄って弁当を預かってきたようですが、その顔からは隠そうとしても笑みがこぼれておりました。まずはめでたきニュースです。  

☆クリスマス・コンサートの日程他決定☆

  恒例になりましたクリスマス・コンサートですが、下記のように決定しました。

日時:12月24日(土)午後3時30分開場、4時開演
 前半の曲目は、   オペラ「フィガロの結婚」序曲
              フルート四重奏 K.285 ニ長調等のオール・モーツアルト
 後半の曲目は、   日本のうたメドレー、クリスマス・ソング他

   今回の演奏では、第二バイオリンに代えて大阪センチュリー交響楽団フルート首席奏者の長山慶子さんを迎え、フルートと弦楽器のカルテット演奏をお楽しみいただくプログラムとなっています。チケットの販売と予約受付は12月6日(火)よりとさせていただきます。    

☆活動資金のこと☆

   毎月の作業時の昼食の材料代などは、利用者の協力金、講演料、カンパや寄付金などによって賄われています。最近、「また仕事が回ってきたので一部を寄付しとくわー。」という方がありましたし、「歳も取ったし身体もいうことをきかんので活動には参加できんが、少しだけでも協力さしてもらうわー。」と毎月の資金支援を約束してくださる方も現れました。今までにも触れたとは思いますが、こうした活動について、道具を買ったりイベントを実施するお金は補助金など支援があるのですが、活動を継続していくための潤滑油にあたるコミュニケーション経費は出所がなく、どことも苦労しているのです。幸いに遊林会は、独自の資金を得る活動の質と、こうした理解ある人々の支援のおかげで活動の継続ができているのです。ありがとうございます。    

☆12月第4水曜日の作業日変更☆

   12月の第4水曜日は、年の瀬も押し迫った仕事納めの28日となります。如何に皆様でも出にくかろうと思いますので、第3週の21日に変更します。お間違えのないように!   ☆12月の作業日、午後から忘年会モード  毎年12月第2土曜日の作業日は午前中のみ、お昼は餅つきです。つきたてのおろし餅やきな粉餅、あんころ餅がふるまわれます。例年ですと餅つきの場面では市長の見事な手返しが拝見できるのですが、今年はどうでしょうか。この餅を沢山食べるのは三平モドキとヘムスロイド村御一行様のお一人、今年はいくつ食べられるのでしょう。その他には、おでんも用意しようと思っています。午後はゆっくりとコミュニケーションの時間、忘年会とします。河辺の森代行運転も営業しますが、できるだけ乗り合わせや自転車等でおこし下さい。ビデオ上映も予定しています。トラ連中からは字幕スーパーは読むのが面倒だと言われていますので、考慮しておきます。

   容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!  

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


▲前の号 | 河辺林通信トップ | 次の号▼

| ホームに戻る |