'05年11号 No.90

☆作業日あれこれ☆

   前日の昼から雨が降り始め、天気予報は作業日の午前中まで雨とのことでしたが、朝には小ぶりになり、まずは観察会からです。雨の中の作業になるので、できるだけ観察会を長引かせるように三平モドキに言っておきました。最初は草原広場でカヤネズミ(茅鼠)の巣の観察です。(これについては別の項で詳しく触れます。) 次は紛らわしい名前のツルニンジンとツリガネニンジン、日本有数の毒キノコであるドクツルタケの観察です。ドクツルタケは真っ白のキノコで「白い妖精」とか「死の天使」とヨーロッパでは言われており、1本食べれば確実に死ぬそうです。 この日の作業では久しぶりに常緑樹の伐採を取り入れましたが、この作業はスタッフばかりでマルがチェン

 ▲竹筒で炊いたご飯

ソー、フトン屋がチッパー、大先生が運搬車担当なんてことになっていました。トミーはチェンソーで木を伐るのが面白くてはまりそーなんて言ってましたので、下手にチェンソーを渡すとかつての里のタヌキ殿の連続伐採事件のようになるのではと秘かに心配しています。
 ヘムスロイド村御一行様と里のタヌキ殿は入口からササの機械刈りです。一網打尽に刈り払いをしないように木やススキなどを残して丁寧な作業を心掛けておられたようです。
 いつもの竹林整理班は、今月からは用材にするタケを伐る季節になりましたので、クラフト用に使用するものを伐りました。リヤカーの使用を勧めたのですが、時、既に遅し、軽トラ野郎がにこやかに軽トラで現れ、苦笑いです。
 セイタカアワダチソウ手抜班の今月のリーダーはうしまろ、森の中ではケヤキの林以外では余り姿を見かけなくなったのですが、それでも抜き忘れたアワダチソウの穂が黄色くなり始めているのを探して退治です。抜いたアワダチソウを運ぶ一輪車を押して、合羽を着た女性陣を引き連れ森のあちこちで作業をしていました。
 炭焼窯では名人が2週間前に焼いた樫炭を、新人女性を弟子にして、取りだしておられました。午後には遅れてきた女性2人を加え、他の班が作業を中止しているのに奮闘です。作業中、小雨が降っていたのですが、お昼直前には雷鳴も轟き激しい雨となり、誰言うともなく「午後は雨喜びやなぁ」。土曜日の作業は4ヵ月連続の半ドンとなってしまったのです。
 この日のお昼は準備が3人で、目が回る忙しさだったそうです。サツマイモや竹輪の天ぷら、鶏の唐揚げ、切干大根、冬瓜のあんかけに芋御飯、味噌汁といつものとおり品揃えたっぷり。でも雨のために参加者が少ないと見込んでいたので、40人程の出席者にはちょっと量が少なかったかなという感じだったでしょうか。午後は雨喜びになりましたので、炭焼班を除けばドングリ工作に興じたり、差入れの雪中梅をテーブルの真ん中に置いて、民俗学談義など様々な時間が過ぎていきました。もちろん潤滑油に使用された雪中梅は、焼鳥名人が午後は不在であったにもかかわらず空いてしまいました。


 第4水曜日の10月26日は気持ち良い作業日和で、参加者は今日は何やるねん、何でもやるでーという感じでした。しかし、元トラ吉小父さんの軽トラ野郎だけが、前日までタイガースが連日10点を取られて三連敗(この日の夜にも負けてロッテ優勝決定)のせいか元気がないように感じたのは気のせいでしょうか。作業は、森の後片づけです。高校生や中学生が体験学習で木を伐っていますが、決められた時間内に処理をできずに伐り倒したままになっている木の処理や、森の中に置きっ放しになっている薪の大きさに切った木を集める作業です。元気のなかった軽トラ野郎殿は、みんなで薪の置き場を作っている間に軽トラを運転して独りで薪集め、場所が出 来上がった頃に軽トラ一杯の薪を積んで登場です。これらの作業が終わると、観察路沿いに目立つ立ち枯れの木を伐り倒し、不意に倒れたりして利用者を傷つけないように安全対策です。立ち枯れの木は、チェンソーで伐っている間に振動で上から枝が落ちたり倒れたりしかねず、危険な作業です。伐り倒すとチェンソーで玉切りにして、ほとんどを焼き芋用の燃料としてファイヤー・サークル周辺に積み上げます。この日のチェンソーはマルとビデオ小父さん。ビデオ小父さんは久しぶりに充分にチェンソーを使って気が晴れたそうです。もちろんこの日は午後の作業も1時半にはスタート、きっちりとやり遂げたことを報告しておきます。楽しみのお昼ですが、この日は松本レシピの主が所用でお休み、愛子様が仕切ることとなり、困った時のおでん頼みとなりました。煮込み御飯についてはレシピを事前にきっちりと取材してお釜で焚き、好評で、自信を深めておられました。

11月23日(水) 週日活動森の居酒屋は11月9日 午後7時頃〜
11月12日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森・スタッフ・ルーム情報

▲カヤネズミの巣

   フトン屋は、かつては仕事が終わるとアフター・ファイブを謳歌するために、真っ先にセンターを後にしていました。新婚後の今もセンターを後にするのは変わらないのですが、理由は変わったようで、途中のスーパーで材料を仕入れ、帰りの遅い彼女に変わって夕食作りにいそしんでいるのだそうです。愛子様は料理の指南、うしまろはいつまで続くのかと半信半疑でなんやかんやと話を向けては冷やかし状態。結果を見極めてから身の振り方を考えると言った三平モドキは無視、マルは仲間が増えたわいという感じでしょうか。
 さて少し経済観念の出てきたフトン屋には、この秋の天候が気になります。それは焼き芋を焼く予定の日になると決まって雨なのです。焼き芋はサービスではなく、有償で提供していますので、雨で芋が焼けないと売上げ減になるのです。クマは給料のアップ分は自ら稼げと言っていますので、焼き芋の売上げが少ないとただでさえ形ばかりでわずかな12月のボーナスに影響するかも知れないのです。このところアフター・ファイブの独遊全天候型球技も断っているフトン屋は、雨の度に売れなかった芋の本数と単価を掛け合わせて取り逃がした狸の皮算用をしています。これ以上雨に降られないことを祈るしかありません。

☆秋の森の利用状況☆

   今年も秋の森は多くの子ども達で賑わっており、9月末から12月初めまでは、連日、団体の利用申込みが入っています。ほとんどの場合、1日2団体の利用で、午前の対応が終われば午後の団体をという状態です。昨年までは雨天予備日の申込みを受け付けていましたので、予定の日に雨が降らなければ予備日は空いてしまうということもありましたが、今年はより多くの団体に利用をしてもらうために予備日を設けてもらうことは結構ですが、こちらでの対応はできませんという形にさせていただいています。一番多い利用パターンは、森を1周しながら自然に関する問題を解いて回るクイズラリーをした後、ドングリなどを使った工作をするというものです。変わった所では、マッチを使って薪に火を付ける火付け競争や焚き火を使った炊飯やバームクーヘン作りなどもあります。中学生や高校生は、保全活動の実践で木を伐ったり、タケの始末、セイタカアワダチソウの除去など環境ボランティア体験です。クイズラリーの問題作りは個々に問題を変えていますので、担当のフトン屋がない知恵(失礼)を搾りながら、学年や相手の希望、問題を設置する場所、季節などに配慮して作成しています。工作の準備は三平モドキの担当で、材料を用意したり、ナイフを研いだりして備えることになります。利用申込みの際には、資金稼ぎのために焼き芋はいかがですかと勧めるようにしています。営業成功で注文があるとその他のスタッフの出番で、ファイヤー・サークルで焚き火に励むことになります。雨が降って焼き芋がキャンセルになった時など、三平モドキやフトン屋は、本当に恨めしそうにしています。秋真っ盛り、皆様の力で蘇った森は、子ども達の自然にふれる場として利用されています。

☆カヤネズミと遊林会の活動☆

  カヤネズミは日本一小さな体長6センチ、500円玉1枚の重さのネズミです。ススキやチガヤなどの葉を利用して球形の巣を作るので、カヤネズミという名前が付けられています。かつては農村周辺に屋根材料や飼料などに利用するための茅場(ススキの草原)があり、生息場所になっていましたが、それらの場所が毎年ススキが刈られなくなり植生の遷移が進んで雑木林化したり、道端近くのススキの原はセイタカアワダチソウやクズに覆われてしまったり、または開発行為などにより消失し、生息域が狭められ、急速に数が減り、地域によっては絶滅危惧種にもなっています。 そんな絶滅の心配されるカヤネズミですが、この森では、ケヤキの林で数年前からメリケンカルカヤの群落の中に作られた巣を確認していました。カヤネズミに注目している方からは、対策を要望されていましたが、このエリアはニレ科の林に戻していく場であり、将来に渡って草原状態を保つ場ではないので苦慮していました。一方、草原広場のロープで囲った一画は、クズやセイタカアワダチソウを除草、冬には木本を含めて一網打尽に刈り取って、植生の遷移を止め、オカトラノオやヤマジノホトトギスをはじめ多種多様な草原の植物が繁茂するように管理しているエリアです。ススキやメリケンカルカヤも群落になって生えており、カヤネズミがこちらに移動してくれれば良いのだがと考えておりました。よくしたもので、今年の秋、草原広場のメルケンカルカヤの群落の中に、数個のカヤネズミの巣が見つかりました。直線距離で200m程の森を移動して無事に安住の地にたどり着いたようです。この森では里山と同様に小さいながら草原も人の手で管理して維持することを重要視していますが、その結果としてカヤネズミを保護することができたようです。森の中に様々な環境を保全、場合によっては創り出す遊林会の活動の方向が間違っていないことを、今回は植物ではなく小さなほ乳類が示してくれました。もっとも、絶滅危惧種になっているカヤネズミですが、シカやイノシシに悩まされる山裾のうしまろ家の田んぼでは、今も普通に生息しているようで、この話を聞いたうしまろは田刈りで見つけた巣を持参して来ました!  

☆11月の作業日のお昼☆

   キノコの具だくさんのキノコ汁にでもしましょうか? それとも今回もサツマイモをメインにしたお昼としましょうか? /P>  汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/ or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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