'05年09号 No.88

☆作業日あれこれ☆

   お盆真っ盛りの8月13日の作業日は、未明の雷鳴で始まりました。クマは、愛犬モモが雷に驚いて部屋中を駆け回り寝かせてくれず、少々寝不足状態での出勤となりました。心配した天候は作業が始まる頃には雨も止み、少々蒸し暑いものの作業ができるよう(もっとも雨だと言って作業の中止はなく、合羽を着てでもやるのが遊林会スタイルですが)になりました。

 観察会は作業が午前中だけですので簡略に(作業時間を長く)ということで、センター前を動かずに虫えい(虫こぶ)について三平モドキが説明しました。例として取り上げたのは、クヌギの葉に赤い丸薬のようについているクヌギハマルタマフシ(クヌギ+葉+丸玉フシ)です。クヌギやアベマキの葉の葉脈上にできるこれは、クヌギハマルタマバチが葉に産卵することによって葉から養分を採ってできるもので、卵のように見えますがこれ自身が卵ではありません。この中に入っている卵はやがて秋に葉から離れ地面に落ちて、虫こぶの中で蛹になりハチになります。種類ごとに特定の植物に産卵し、葉だけではなく枝などにも虫こぶを作り、形も様々です。エゴノキの側芽にできる物はネコの足に似ているのでエゴノネコアシと名付けられています。こちらはアブラムシの仲間が作ります。ややこしいことにこの虫こぶに更に寄生産卵をするハチ類もいるそうです。クヌギの葉にできるあの不思議な物はなんだろうという謎解きがこの日の観察会でした。続いてストレッチですが、もちろん担当はフトン屋、この日は余りジョークを交えずに筋肉だけをほぐしておりました。お盆だから少ないだろうと思っていた参加者は、この頃には40人程になっており、いつもの作業メニューの説明をしてそれぞれ希望の現場に散ります。

 もちろん今月も竹林整備班は、青年部長を先頭に積極的に南入口の近くでやっていました。軽トラ野郎が不在で、作業後のタケの搬出にはリヤカーと一輪車のみが使われ、森の中での交通事故の心配をする必要がありません。
 クズ虐め班のリーダーもいつものヘビ掴み名人、草原広場周辺の炎天下での作業は、軽いはずなのに他の作業は日陰があるので一番しんどいかなとも言っていました。作業の合間(?、こちらの方が長かったとの情報もあり)には新人の女子大生を交えてシェルターの下で蟻地獄の観察などもやっていたようです。
 タケ退治クズ虐めゲリラ隊の隊長はうしまろ、こちらも新人の女性を引き連れ森の中をクズとエリア外に発生したタケを求めて転戦しておりました。ヴィオラの弓を持つ手を長刀モドキに切り換えた音楽家はこの長刀の使い方に慣れず、食事の際には茶碗が持ち上がらないとか言っていました。うしまろは作業を、こちらがゲリラ隊というよりは、タケにゲリラ攻撃を受けているようなものだと言っていました。それ位とんでもない所に発生したタケが6年にもおよぶ作業の繰り返しでも多く残り、タケの根はしぶとく生きているのです。
 林床に生えたササの機械刈班は、刈り取りの適期が9月一杯に限られます(光合成で蓄えた養分を地下茎に降ろすまでに刈り取りダメージを与える)ので、なんとしても頑張って欲しい作業班です。里のタヌキ殿を暗黙のリーダーに刈払機持参の新人を入れてこの日は4人、野鳥観察壁周辺のササだけを刈るのですが、木を避ける気持はあっても、遂、手が滑るようで一網打尽状態と反省しておりました。大事な植物はないエリアなので心配はないのですが、来月のエリアでは事前に大先生によるマーキングが必要になります。

 お昼は8月ですので食糧事情の悪かった戦中戦後を偲んですいとんにしたのですが、共通なのは名前とメリケン粉の団子が入っていること位、豚肉入り出汁も利いた美味な別物です。食事の前に全員でいつも豆アジを差し入れて下さった生臭髭仙人のご冥福をお祈りして黙祷を捧げましたが、湿っぽいのは本人も嫌いでしたでしょうから、終わればいつもの食事風景が展開されました。もちろん食事後のミーティングが終わってもトラ御用達テーブルに人が絶えることはなく、遠吠えと鼾が響き、森の代行運転は大繁盛! お約束の午後の酔い醒ましビデオ鑑賞は平和を考えるはずが、うしまろ持参の「マディソン郡の橋」に押し切られ、生を考える場になってしまいました。しかしそこは年齢と経験(?)の差か、各人各様の感想となり、虫愛ずる姫は何が面白いのという顔、うしまろひとりが涙に濡れておりましたとさ。

 
▲クヌギハマルタマフシ

 8月の第4水曜日は森の地蔵盆の次の日、スタッフはお疲れ気味、でも夜遅くまでボランティアとして支えて下さっていた炭焼名人やキノコ博士、そしてもっぱら賄い担当の松本さんや福島さんは元気に参加です。夏バテのためか参加者は少なかったのですが、近江八幡からのグループも参加していつもの作業開始です。この日はササの機械刈りも予定していたのですが、人数の点から竹林整備に集中することにしました。軽トラ野郎を見かけましたが、さすがにお疲れなのかリヤカーと一輪車のみが活躍していました。病気のタケの枝などを燃やすファイヤー・サークルでは、この日もお手伝いにやって来た小学生が頑張っています。

 そして、お昼です。差入れの素麺がメイン、冬瓜のスープ、夏野菜の煮物、テーブルの奥では面々が特攻隊長持参の麦焼酎でお楽しみでした。食後は、地蔵盆でやった独楽を取り出して大人共が独楽回し大会です。その後、例のビデオ鑑賞です。8月のテーマ・平和に少し目を瞑って、「カサブランカ」と「風と共に去りぬ」を持参したのですが、皆様は、風と共に去りぬの後編をご覧になったようです。終わって出てこられた男共の口からは「(ヒロインのスカーレット・オハラを指して)なんちゅう酷い女や、家のカァーチャンの方がよっぽどええわー。」なんぞという言葉が漏れていたそうであります。思わぬところで、遊林会の活動が家庭円満に役立ったものと喜んでおります! このカラー映画、1939(昭和14)年製作で、日本が紀元2600年とか言って戦時体制に突入する前の頃の物であることを考えると国情、国力の違いに改めて気付かされます。

9月28日(水) 週日活動森の居酒屋は9月7日 午後7時頃〜
9月10日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森・スタッフ・ルーム情報

▲森の地蔵盆

  夏休み中は、1週間に一度のクイズ・ラリーの問題更新、様々な教室の開催など、スタッフは準備や実施に忙しく動き回っていました。9月の終わりから12月初めにかけては、連日、利用申込みがありますのでスタッフはまた忙しくなりますが、学校が体育祭で小学生がやって来ない、これから9月の20日過ぎまではホッとする期間です。スタッフはこの期間を利用して休暇を取ることになります。フトン屋は、クマによせばいいのにと言われながらも、この期間に結婚式を挙げるようです。クマに乾杯の発声を頼んでしまったフトン屋、他のスタッフからはクマは前科がある(あの大地と喧嘩したオーチ殿の結婚式の挨拶でとんでもないことを言ったとか。)ので「今からでも遅うない、他の人に頼んだ方がええで。」と忠告を受けています。クマも頼まれれば温和しく辞退させて頂くのですが、今のところ「困りました、あのー、それだけは止めて下さいね!」とは言うもののお断りのお願いはありませんので、セレモニー嫌いのクマはどのようにしたものかと悩んでおります。

☆地蔵盆その後

  森の地蔵盆は、地蔵菩薩像を彫って下さった初代炭焼名人の子ども達に対するありがたいお地蔵様のお話と読経から始まりました。その間、子ども達がおとなしくお堂の前で座っていたのが不思議と言えば不思議ですが、多分、この森のこうしたイベントに希望して参加してくる子ども達だからそうなのでしょう。いよいよ地蔵盆開始です。キノコ博士は得意の独楽回し教室で子ども達を圧倒、クマはビー玉で遊んだことのない子ども達を相手に奮闘ですが、自分達の持っている物を遊びを通じて取り合いしたことがなく、勝って自分の物にする実感がないようです。食事の後は地蔵盆でお馴染みのヨーヨー釣りや輪投げ、スーパーボールすくい、綿菓子、射的、バルーン・アートなどと賑やかなメニューをこなし、最後は森の肝試しです。
 まずは親方の怖い話をみんなで聞いて、3人づつ森の中に入って行くのですが、森の中にある資材倉庫の戸を開けてくじ引きの札をもらってこなければなりません。倉庫の中ではろうそくをつけてうしまろがスタンバイしていたのですが、彼のキャラのせいでしょうか、子ども達は少しも驚くことなく拍子抜けです。森の中は真っ暗で本当に怖いから驚かすことは止めておこうという話だったのですが、我慢できずにヘビ掴み名人や三平モドキは木を揺らしたり林冠トレールの上から水をかけていたようです。しかし、反応はもうひとつ。来年は脅かしたるゾーという気持になったスタッフ達でした。皆様、来年の地蔵盆ではお化け、幽霊を募集します!  フトン屋が一生懸命企画した森の地蔵盆は無事に終わり子ども達も喜んでくれましたが、もう少し学年を越えた子ども達同士で遊ぶ企画を入れるなどの工夫をできればと考えています。開始の時間(17時)を含めて来年の検討課題です。

☆生臭髭仙人のこと

   この通信でも何回か取り上げました仙人が享年65歳で旅立たれました。仮退院をしたら、キノコ博士に運転をさせて、敦賀港で焼鳥名人とアジを釣り、みんなに食べさせるんだというのが闘病中の氏の遊林会に対する想いでした。願い叶わず亡くなられた日、博士は夕刻にも拘わらず敦賀まで車を飛ばして、行きたかったであろう港の写真を撮り、故人に対する餞とされました。遊林会では、故人に生花を捧げ多くのメンバー(12人)でお見送りをさせて頂きました。一部の方からは遊林会を通しての氏への御香典をお預かりしました。遊林会からの香典等の経費として充当しましたことを報告させて頂きます。  

☆9月の作業日のお昼

   9月のお昼はネタ切れです。季節からいえばサンマの塩焼きなども良いのですが、人数が多いし数が読めないのでパスです。第4水曜日や森の居酒屋の方には炭焼のサンマを出そうかなとも考えております。まぁ、作業日当日、何か食べる物は出しますので心配しないで下さい。(マッタケは無理ですが・・・・)  

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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