'05年07号 No.86

☆作業日あれこれ☆

ウメガサソウ

 6月11日未明、枕元には雨の音が聞こえています。あぁー、なんとしても細いタケノコだらけの竹林の作業をしないとーと気が焦り、浅い睡眠になってしまいます。それこそ鉄砲が降ろうが槍が降ろうが中止はないので連絡の手間は要らないのですが、どれ位の参加者があるかが気になります。こんな日でも出勤すると木登名人差入れの瓶ビール・ケースがセンターのドァの前に鎮座ましましています。ありがとうございます。
 空を眺めながら竹林整備作業の青年部長と、とにかく竹林の整理をやろうと改めて確認、参加者の人数を読むことにします。9時には20人を越え一安心、いつもより長めに雨の中の観察会を三平モドキの案内ですることにします。まず最初は、木本と草本の違いをシュロやクズを例に出してやっていましたが、最後はこうした区分は余り意味がないのだと閉めくくっていました。続いてこの日はこの森で大先生が発見したウメガサソウ(滋賀県では絶滅危惧種)が目玉です。一見、同じ場所に育つテイカカズラの葉にそっくりのこの植物は、花が咲かなければまず気が付かない代物です。こうして先月のキンランやコアジサイなどに続いていろんな植物が次から次に発見されることは、如何に森の土が様々な種子を埋蔵種子の形で保存しているかということと、この森での保全作業が確かなものであることの証明と喜んでいます。

 1時間に及ぶ雨の中の観察会を終え、いつもの通りの準備体操です。この日は山田親方は不在、大先生に振るのですが、「何せー、手本の身体がもう動かんしなー。」と思わしくありません。急遽何とかなるだろうとフトン屋を指名すると、これが大当たり。パチンコばかりしていてはとジムに通い始めたとかで、この日車上狙いにあって落ち込んでいたにもかかわらず、きっちりと決めてくれました。この頃には、こんな天候でしたが30人程になっており、昼食準備を含めて4班の作業を開始しました。もちろんメインは竹林のタケノコ整理、まず細いタケノコとくっつきあったタケノコの除去です。来月にはタケに育てる今年発生したタケの選別をします。
 スネーク・ハンター氏は、竹林整理に人手を取られて少数精鋭で草原広場の周りのクズとセイタカアワダチソウ退治です。雨は降っていましたが、雨の少ない今年はこれくらいの雨では濡れているのは上辺の土だけだと言っていました。
 ヘムスロイド村御一行様と言ってもこの日はひとりだけだったのですが、草刈名人改め里のタヌキ殿とふたりでケヤキの林で刈払機を使用して細いタケノコと草刈、タンクのガソリンがなくなったところでこちらの作業はお終い。
 残る昼食作りですが、この日は元スタッフのナカジがダチョウの卵を持込み、注射器を使って殻を大事に残しながら中身を取り出し、卵焼きにしてくれました。(殻は昔、祖母の大事にしていた家宝の卵を割ってしまって、そのまま別離を迎えてしまったクマの祖母へのお供え物として頂きました!) いつもの筍三昧に新タマネギのスライス、キャベツの酢の物など、この日もお昼が進んだのはもちろんのことです。取材に訪れた女性記者の姿があったのですが、焼鳥名人はなぜかお休み、彼女は逆取材にあわなかったかというと・・・・、そこは遊林会のシニア組、出席者できっちりと逆取材や自己紹介の催促やらをしておりました。午後ももちろん、雨喜び(アマヨロコビ:雨で作業を中止し楽しむこと)ということはなく、竹林整理班は森のあちこちを回って出てはいけないタケ退治ゲリラ戦に転戦、スネーク・ハンター氏は相変わらずクズやセイタカアワダチソウ相手に格闘していました。作業は雨でも中止はないのです!
ダチョウの卵 調理中!

   22日、第4水曜日は、この日も枕元で雨音を聞き、やれやれという感じだったのですが、作業を始める頃には曇り、焼鳥名人は愛子様が作った豚の角煮をアテに朝から泡盛ともいかず、みんなでタケ退治ゲリラ戦とケヤキの林の機械刈り作業にかかりました。三平モドキは里のタヌキ殿と炭焼名人で、6年目になるのに今年もしつこく地下茎から発生するタケの機械刈、皮算用では7年でタケの根の息の根を止めるはずなのですが・・・・。
 この日のお昼は職業体験の中学生も参加していたのでカレーがメインです。大先生によれば焼鳥名人他のテーブルの奥の御仁達は、儂を含めてカレーはあんまり食わずに先の豚の角煮や野菜サラダ、ダチョウの卵焼きなどをアテにしていたとのことです。このグループは午後は自主的に雨喜び、他のメンバーは新人を含めて機械刈りや水路の清掃作業に午後も励んでいました。センター横より下流に帰化植物のコカナダモが繁茂していますのでこの除去などをしたのですが、持ち込んだ犯人はイモリやナマズを自分の分身の様にかわいがってレクチャールームで飼っているうしまろが水と共に持ち込んだということに多数決でなっています。

7月27日(水) 週日活動森の居酒屋は7月6日 午後7時頃〜
7月9日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

 これからの季節、日が照ればスタッフ・ルームは日中、サウナ風呂の様な状態、雨が降れば湿度でキーボードに手がくっつく状態になります。ふくよかなうしまろなどは仕事中もサウナに入れて健康のために良かろうとも思うのですが、彼やフトン屋は油断をすると「エアコンの試運転をしないといざというときに困りますから・・・・(実際、昨年は故障して2週間程8月に動かすこともできなかった! それでも誰からも文句は出ませんでした。)」なんて言ってスイッチを入れようとします。残念なことにマルや三平モドキに阻止されてしまいますが、新人のこれまたふくよかなトミーはどのように思っているのでしょう。彼はここに勤務する様になって家族と休日のローテンションが違う様になり「休みの日に独りでエアコンをガンガン入れて無駄な電気を使わんといて・・・・。」などと可哀想なことを言われているようですので、本当は空調の効いた事務室で仕事をしたいのだろうと思っているのですが・・・・。
 クマもかつてはこんな事務室で一日仕事をすれば、帰ってからの一杯がという楽しみもあったのですが、胃がなくなってからは炭酸系の飲み物はパスで同じ麦ジュースでも濃縮タイプばかりですし・・・・。さぁて利用者にエアコンの効かないフィールドで気持ち良くサービスを提供するために始まったスタッフ・ルームの夏のノン・エアコン運動、今年の結末は如何なることになるのやら。  最近、蒸留済の竹酢液の売上げが順調です。これは京都新聞で、炭焼で生じた竹酢液を蒸留精製できるようになったという記事を取り上げて頂いた結果です。307号沿いの菜の花館でも販売(500cc:500円)しており、貴重な活動資金の一部となっております。

☆滋賀報知新聞の花便り

  このところ当地で新聞折込されている日刊紙「滋賀報知新聞」に数日に一度、「河辺の森の花便り」が載ります。常にマクロレンズを使用してアップで撮られた写真は新聞ではモノクロですが、新聞社のホームページではカラーで紹介されていますので非常に見栄えがします。現在、20数件目になり、10件を越えた頃より「いつも見てるよ。」とか「よう続くねー。」とか市民の皆さんから声を掛けて頂けるようになりました。目標は1年間で50件以上の記載だと考えていますが、この調子だと軽く上回りそうです。この企画は記者の方から持ち込まれたものですが、身近にある自然の花や実を河辺いきものの森を通して紹介するその視点にクマも共感して協力しています。
 1週間に一度程度、写真を仕込みに記者が見えるのですが、その前になるとスタッフ・ルームには、「ネタを考えろ! 何がいける? それはインパクトが弱い!」とかいうクマの声が響きます。こうしたことでも読者(利用者)の視点に立って新鮮だと思われる情報提供ができるかどうかが試されることになり、スタッフにとっては良い勉強になると思っています。ただむやみに今咲いている花を紹介するのではなく、そこにこの森との関係を織り込んだり、読者に共通の思い出を語ったり、見過ごしていた視点を解説したりと気を使います。しかし、記事を書くのはスタッフではありませんので、仕上がりは記者任せになり、如何に彼にアッピールするかにかかります。クマは新聞に記載される都度、渡している残りのネタが何件あるかを頭の中で勘定して一安心したり、焦ったりすることになります。

☆今年も造林公社と湖東信用の応援

   毎年、ケヤキの林に地下茎から発生するタケで困る頃になると2団体がボランティアで応援して下さいます。造林公社の皆様は日頃鍛えた技で一掃、信用金庫の皆さんは若い女子行員さんを交えた手刈部隊から理事長先頭の機械刈部隊までと数とパワーで一掃です。今年も信用金庫さんは遊林会に資金的な支援もして下さいました。例年同様にこの資金はクリスマス・コンサートの経費に充てさせて頂く予定です。ありがとうございました。

☆森の居酒屋で決まったこと

   遊林会の会としての方針は、会の役職に関係なく森の居酒屋に出席した者の同意で決定されることになっています。6月8日の森の居酒屋では、市の本予算を受けて委託業務の年間予算(790万円&163万円)と常勤職員の退職金制度創設、協議事項の記録制度が決定されました。退職金は勤務期間1年ごとに20万円の割合で積み立てることになりました。この原資(2人分40万円)は自ら働いて積立てよということで、遊林会で実施する各種体験教室などの協力金、焼芋の売上げなどを充てることになり、その分(& +α)を遊林会会計に繰入れることになりました。頑張って稼げよー、若者達!

☆7月は会の発足8周年記念日

   毎年、7月の作業日は午前中だけ作業をして午後は発足記念パーティとしています。この日は冷蔵庫で冷やすだけでは例の物が足りず、例年ハリヨ池でケースごとマルが冷やしています。今年もその予定ですし、恒例の酔い醒ましビデオ大会、それでも駄目な人には河辺の森代行運転もスタンバイですが、一番確かなのは運転して来ないことです。河辺の森駅やバスの利用、あるいは乗り合いで来られるようにご検討をお願いします。午前中に作業で汗を流し午後は喉を大いに潤しましょう。料理については、これから考えます。簡単でおいしい物があれば提案をお待ちしています。

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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