'05年06号 No.85

☆作業日あれこれ☆

カモフラージュに興じるみなさん

 5月第2土曜日は週間予報では下り坂だったのですが、バッチリと晴れました。気になっていたのはハチク(淡竹)のタケノコの成長具合、木曜から金曜の朝に掛けて雨が降り、これで伸びるゾーと喜んでいたのですが、気温が低く地表に顔を出していたのにタケノコは伸びず仕舞いです。何でそんなに気になるかと言えば、この日の昼食は筍三昧の予定だったからです。材料のタケノコがなければ、食い物の恨みは怖く、昼食時に酒の肴のない横綱や大関が暴動でも起こさないかと心配したからです(オーバー)!

 さて、いつもの観察会ですが、ネタ切れしたと思われる(?)三平モドキは、木道の所でカムフラージュ(人工物を自然の中に紛れ込ませて、何個見つけるかを競うネイチャー・ゲーム)を参加者全員に課して、自然を見極める目の訓練だと言っていました。最後は草原広場で昨年辺りから目立ってきたタニウツギのきれいな薄ピンク色の花を前に、パイオニア植物の説明をしていましたので、まぁー、ヨシとしましょう。タニウツギは陽の光が大好きなので、山火事の跡などに真っ先に生えてくる木なのです。この森でも、竹林を伐根した後に埋土種子から発芽して増えてきたもので、活動を始めた頃の薄暗い森では全く見なかった木ですし、明るくなったといっても今でも大きな落葉樹の陰になる林の中(照度が不足)では見ることができません。

  この日の作業でも青年部長は竹林整備班でしたが、最初は昼食材料のタケノコ探しからです。余り出ていないためにこの作業はすぐに終わり、明るくなった竹林で目立つ様になったセイタカアワダチソウなどの除草となりました。作業中にここ数年見かけなくなっていたギン(銀)ランが、遊林会の浪人(?)によって再発見されたのはおまけです。数日後には、この森では初めてのキン(金)ランも大先生によって発見され、金銀がそろいおめでたいニュースとなりました。この作業班は午後には森の掃除人として、森の中に放置されていた木材を伐り運び出して焚き火用に整理をしました。
 林床整備班はうしまろを中心に、自分たちの地域で始めるためにここの作業を体験にやって来た新人二人も加えて、草原広場の野外テーブルの近くでアラカシを伐り、薪作りやチッパー作業をしていました。
 セイタカアワダチソウとクズ退治班のリーダーはスネーク・ハンター氏、草原広場から初めて入口、最後は水辺の林付近と転戦していましたが、完全に抜き去ったと思って自信を持って後ろを振り返るとまだ残っているとぼやいていました。水辺の林周辺まで作業を進め、数の多さに圧倒されて腰砕けになって解散状態になってしまったようです。
 作業小屋の周辺では、前月、密造酒製造を疑われた仲間を中心に、販売用の竹炭の整理、切り揃えて洗ったり、かき餅よろしく炭火を使って金網の上で乾かしたりしていました。いつもだと刈払機で作業をしているヘムスロイド村御一行様(俺たちは何で御一行様なんや! ちゃんとそれぞれに名前を付けろと抗議されている様なのですが・・・・。)も、ケヤキの林に細いタケノコが発生するまでは手持ち無沙汰、手よりは口が動く感じでこの作業に従事されておりました。
 この日のお昼は筍三昧のはずだったのですが、タケノコが不作で柿の葉、ヤマウド、餃子などの天ぷら、ヤマウドのキンピラなども食卓を賑やかせていました。少ないながらも筍御飯や筍の煮付けなども出ており、いつもながらに盛り上がったのはもちろんのことです。
キンラン

 みどりのつどい(5/22)は雨天のために翌週に延期になりましたが、5月25日の第4水曜日は大気は澄み渡り高原を思わせる快適な日で、しばし作業を忘れてケヤキの新緑の梢に広がる青空を見上げる様な有様でした。森の作業はタケノコが伸びきるまでは言わば端境期で、全員でシェルターの土間の整地や裏側の壁に屋根(デッキ)に上るために積み上げた山砂がずりおちない様に階段を作る森に直接関係ない作業に従事することとなりました。水曜日はベテラン勢ばかりですのでいつもながらにスピーディに鮮やかに作業は進むのですが、階段を作る作業などでは外野の口出しも激しく、思わず「船頭多くして、船、山に登る」と炭焼名人の口から出る有様でした。しかし、昼前には作業を終え、満足してお昼に臨むことになり、筍三昧の食事に般若湯の売れ行きも進むことになったのはもちろんです。この日は新人女子大生の参加もあり、食事は少し緊張気味で始まったのですが、いつの間にやら自分たちだけで延長戦です。午後には高校生達がミニスカートで写生にやってきたのですが、それもご存じなく作業小屋の奥でお楽しみで、管理者のクマは不良老人達による問題が発生せずに一安心でした。もちろん他のメンバーは、午後もタケノコの収穫や河辺の森駅前広場の整備をしていました。



6月22日(水) 週日活動森の居酒屋は6月8日 午後7時頃〜
6月11日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

クマはこのところシェルターの様子を見に行ったり、人を案内した折などに草原広場でセイタカアワダチソウを見かけると憑かれた様に抜くことにしています。これは奥が深く、何度抜いても、また歩いてみると昨晩生えて来た様にちゃんと生えているのが目に入るのです。賽の河原状態とでも言いましょうか。それでもまとめて手に一杯のセイタカアワダチソウを抜くと何とも言えない充足感に満たされます。今年の秋は草原広場に黄色い花を咲かせないゾー!クマの秘かな楽しみです。しかし、抜く都度、その量にセイタカアワダチソウの生命力の旺盛さを感じます。1日30本、10日で300本、50日なら1,500本・・・・、やるゾー!

☆シェルター完成

  先月も触れました草原広場のシェルターが5月末に完成しました。この施設は滋賀県建築士会湖東支部の協力によって建設された物ですが、遊林会のメンバーも様々な形で協力しました。中でも完成間近の5月21日、暑い日でしたが、北側の壁面に屋根に登れる様に土砂を積み上げる作業では、共に大変な苦労をしました。基礎を打つ際にかきだした土砂が雨ざらしで山になっていたのですが、この土をまず壁面に寄せる作業からです。この土、スコップを受け付けてくれない堅さで、「山を動かす」作業に暗雲が立ちこめた時です、元祖炭焼名人が例の重機をトラックに載せて登場されました。参加したメンバーによれば、あの機械がなければ作業は午前中で「棒が折れた」とのことです。お陰様で機械と人海戦術による作業は順調に進んで(途中、軽トラ野郎の土砂運搬車が山のてっぺんで横転するという事故もあるにはありましたが・・・・)、夕刻には予定していた作業を終えることができました。
 このシェルター、口の悪いのに言わせれば、1階は焼肉ハウス、2階はビヤガーデンだそうです(一応、そんな利用は考えていないことを付け加えておきます)。キノコ博士からは滑り台、炭焼名人からはロープを垂らそうなどと、子ども達が楽しく遊べる様な提案が寄せられていますが、昨今の世知辛い世相の中で、管理者のクマはどうしたらよいもんかいなとない頭をひねっています。今のところ、雨宿り、日除け、展望デッキ、そんな利用ができる施設ができました。建築士会の皆様、子ども未来夢基金に浄財を寄せて下さった皆様、ありがとうございました。

☆河辺林通信、85号に!

  この通信は毎月発行していますので、84号で丸7年経過、今月号から8年目に入り、活動の経過年数と一致します。最初の頃は何月何日に作業をしますよとのお知らせだけだったのですが、号を重ねる内に現在のスタイルに落ち着きました。(ホームページにはすべてのバック・ナンバーをupしていますので、興味のある方はどうぞ。) かつては会の運営方針についての意見や自然に対する考察も書くことが多かったのですが、最近はもっぱら森の様子ばかりを書いています。少々これでよいのかと自問することもありますが、そんな時は、「継続は力なり」と居直って取り敢えず書ける記事を書くことにしています。
 この通信と好対照なのが大先生の手による「林田通信」でこちらは現在75号、毎月、集落の行事や地名、自然などについて資料を駆使していつも詳しい考察を加えておられます。(八日市図書館かネイチャー・センターでご覧になれます。) 今まで、療養のために6回分がスタッフの手によって発行されましたが、それ以外は大半をクマが思いつくままに書いています。林田通信を横目で睨みながら、これからもこちらはこのスタイルで続けるしかないかなと考えています。歳の違いと同じで85号と林田通信の75号との号数の間隔は縮められてはならじと思いながら、それしかこだわるものがないのかよと苦笑中です。読者の皆様、これからもお付き合い下さるようにお願いします。

☆みどりのつどいあれこれ

  雨天のために大凧まつりと連動、1週間順延して5月29日にみどりのつどいも開催しました。当日は、木酢液や炭、苗、クラフト製品などの遊林会のバザー・コーナーのテントでは、例年、お歴々が売り子です。しかし、なぜか焼鳥名人は後ろに引っ込んで監督状態で精が出ません。みんなの話では、他のコーナーに連れ合い殿の姿があり、そのせいだったのではとのことです。昨年はよく売れた木酢液ですが、今年は蒸留して物が良くなったにも拘わらず売れ行きがはかばかしくなかったのは、家電会社の営業担当だった生臭髭仙人の姿が療養中でないからだと思い当たりました。炭焼名人はヤーコン苗、売り子新人の盆栽小父さんはサツキ苗に月下美人苗と販売好調でしたが、2年間育てこれで缶ビール2ケース位はもうけんとと鼻息荒かった大先生のこの森のヤブツバキ苗は低調(失礼)のようでした。それでも、今年は当市にエージング・セラーのあるサントリーさんから提供されたウィスキーの樽材を使用したお箸、森のクラフト教室の先生のみならず弟子の作品なども販売して、なんとか1ヵ月分位の活動費を稼ぎ出しました。売り子の皆さん、ありがとうございました。

☆お昼はタケノコ三昧を予定しているが?

  5月の作業日には余り発生してくれなかったハチクのタケノコですが、6月の作業日には旬を過ぎてしまい、やはり充分な量が確保できないかも知れません。それでも予定は筍三昧のお昼です。  

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:東近江市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ


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