'05年01号 No.80

☆作業日あれこれ☆

餅つき

   昨年は、読売新聞社主催(環境省共催)の「日本の里地里山30選」や国土交通省主催の「手づくり故郷賞」に遊林会が選ばれ、その活動が全国的にも認められるようになりました。また滋賀県内においても、中高年の社会参加活動の面から遊林会方式とも言える当会の活動が注目されるようになっています。7年目に入った活動は、着実に歩みを続けていると言って良いと思います。今年も皆様と共に自然体で「継続は力なり」を地で行く遊林会の活動でありたいと考えています。森を蘇らせ、人を活かす遊林会の活動が少しでも広がりを持つように、新年も共に進みましょう。 

 

☆作業日あれこれ☆

  12月11日、この年最後の土曜日の活動日は朝はどんよりとした天候でしたが、季節風も吹かずまずは作業日和です。観察会を、この日は午後は忘年会のために作業が午前中のみですので、手短に済ませるようにとのクマの指示を受けて、三平モドキは苦慮しながらやっていました。資材倉庫の前で常緑樹を伐採する林床管理をこのところ継続して実施していますが、隣地は7年前にこの森での保全作業を初めて実施した場所であり、灌木などの高さは同じなのですが、この季節になると違いが一目瞭然になります。7年目の場所では低木の木々も葉は色づいたり既に落葉しているのに反して、今年始めた場所では今も青々している常緑のアオキやネズミモチ、ヒサカキなどの低木ばかりが目立ちます。今後、この場所も中層のアラカシなどが取り除かれましたので、林床に降り注ぐ陽の光が増加し、隣地のようにハギやムラサキシキブなどの落葉低木や下草が増えることでしょう。しかしかつての里山ではこうした落葉低木なども定期的に刈り取られて燃料や豆の手(ハギ)などに利用されていたわけであり、先月号でもお知らせしましたが、この冬には全面的にこうした灌木を伐採する計画をしていました。(単に景観上の問題だけではなく、一番低い所に育つ草本類(この場所ではシュンランやリュウノウギク、エビネ、ヤブカンゾウなど)の成長阻害要因の除去という面もあります。) 幸いにこの作業に、かつてお昼を食べていた場所の自主整備を終えられた焼鳥名人とキノコ博士が取り組んで下さることになりました。お二人や炭焼名人は気が向くと森にやって来ては、様々なボランティア活動をされています。定例活動日だけでないこうした活動も大歓迎です。早く森守ハウスが完成して、こうした際の溜まり場にならないかと考えています。  
 午前中だけの限られた時間で進められたこの日の活動のトップバッターは、ご存じ青年部長を中心に進められている竹林整備ですが、いつもの通りパワフルな面々に囲まれてパワフルに進められていました。軽トラックに何台かのタケが伐られたのですが、竹林に目をやるときれいな竹林になったけれど、どこから伐ったんだろうという状態です。地道に、しかし確実に竹林は美しくなっているのですが、手を休めることのできない作業です。
 
 草原広場では一年に一度の草刈りです。これは機械持参の草刈名人とヘムスロイド村御一行様のお仕事です。下草刈りでは刈りっぱなしなのですが、この場所では刈り込んだ草を除去しますので、機械部隊の後から草集め部隊が出動します。このリーダーはヘビつかみ名人(篤農家)ですが、刈払機の危険性を知らない草集め部隊が接近し過ぎるのを必死に注意していました。次回からは、草刈と草集めを別の日、あるいは午前と午後に分ける必要を感じています。集められた草はファイヤーサークルの焚き火に使用しましたが、この作業は「わしは身体が動かんので、もうじき老人ホームに入るんや。」と言っている御仁の仕事でした。この西澤某氏からは、もう使うこともないからと石臼をいただき、今回の忘年会でも使用しましたことを付け加えさせて頂きます。
 資材倉庫の前の林床管理はリーダーはマル、チッパー担当はフトン屋です。半日の作業でしたが、随分、常緑樹の伐採が進んで明るくなりました。
 またこの日も別働隊で木登り名人が、三平モドキを従えてモミジの林でモミジ以外の木を吊し切りで整理されていました。なお名人は、前日は作業小屋で自分で育てたコンニャク芋と豆ガラの灰汁でコンニャクを製造、忘年会のおでんと刺身のコンニャクを提供して下さいました。

 12時過ぎからいよいよ忘年会モード、いつもですと市長が餅つきの手返しなのですが、この日は多忙で現れず、代役で餅つき開始となりました。外野がうるさく、こね方が悪いとか腰が入ってないとか言われながら、衆人環視の中での餅つきは大変です。つき上がった餅は、大根おろし、きな粉餅、あんころ餅、草餅にします。ひとりで20数個を食べた御仁もおったようです。餅を食べ終わるとおでんや刺身コンニャク、差入れの薫製、漬け物で一杯です。トラ御用達テーブルは横綱や大関で賑やかな限りで、若い女性新聞記者の取材もあったのですが、珍しく焼鳥名人の姿が女性の横にないなと話すと、みんなから「気付くのが遅い、既に逆取材済だよ。」と指摘されました。お見事! 午後から別にグリーン・ツーリズムのフォーラムをレクチャールームで開催したこともあり、皆さんと最後まではお話しできなかったのですが、翌朝の駐車場では何台かの車が夜露にうたれていました。

12/24 クリスマスコンサート

 本年最後の定例作業は22日、これがもう少し押し詰まっていると家の大掃除でつわもの共も家から解放してもらえないのでしょうが、小雨が降る天気にもかかわらずいつもの顔が見えていました。作業前の焚き火を囲んでの雑談では、如何に硝子を磨くかなどの話が出ていたのも季節柄です。
 この日の作業は、このところ継続している資材倉庫付近の林床整備だったのですが、炭焼名人に言わせると「第4水曜日は人数は少ないが作業量は第2土曜日以上」というわけで、キノコ博士などが自主作業を進めているエリアのアラカシなどもどんどん片付けられ、見違えるようになりました。お昼は差入れのシャケのアラを使った粕汁にお稲荷さんなどで、例によって三平モドキは気持ち良く食べていましたし、横綱や大関の皆さんも盛り上がっていました。午後の作業はどうなるのかと思って見ていたのですが、時間になると三々五々現場へ・・・・。こうして本年の作業納めとなりました(森守ハウスや自主整備作業は続いていますが)。 


1月26日(水) 週日活動森の居酒屋は1月5日 午後7時頃〜
1月8日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報☆

   長い間、東京見物(!?)に行っていたうしまろも間もなく現場復帰をします。彼の復帰第1日目が忘年会です。市の他の部局では、2月11日、新市誕生に向けて調整や引っ越しが進められていますが、この森を担当する花と緑の推進室は合併する他町に同様の施策や施設がないためにそうしたことから逃れており、いつもと同じような時間が過ぎています。個人的には、クマはこの仕事が長くなり過ぎているのですが、合併の混乱の中でも今年も大丈夫だろうとたかをくくっています。それより気になるのは、厳しさを増している来年度の予算のことです。見積もり通りに認められない場合、運営体制を大きく負の方向へ変更しなければならず、気が重くなります。取り越し苦労であることを祈りながら沙汰を待っています。

 

☆里山七彩、第3話は☆

   第3話は島崎洋路(島崎森林塾主宰)氏による「日本の山と山づくり」でしたが、この日は林業従事者、森林ボランティア、県の林業行政関係者、果ては飛び入りで赤目の森(三重県)の飯野氏まで受講する始末で、久しぶりに賑やかな講座となりました。と言っても受講者数35人なのですが。
 
 お話はこれからの日本の林業をどうするかと言うことなのですが、林業従事者1人が年間100haを管理する(過大とも言える厳しい数値ですが、不可能ではない数値)という前提で、現在の林業従事者(6万人)の退職補充と途中での離職率を考慮すれば、今後10年間にわたって年間3万8千人(累計28万人)の新規従事者を育てなければ、日本の森林は維持できないとのこと。現実は一桁少ないようです。目的を達成した場合の人件費は年間約1兆円(300万円/人、現在の林業生産費は年間4千億円)だそうです。また小規模山林所有者が多くて画一的で効率的な管理ができないことや国産材利用促進が進まない問題点、外材輸入の制限は工業製品輸出の見返りのような視点も必要であり現実的でないことなどもお話しして下さいました。八方塞がりとも言える林業の現状に行政は効果的な施策を打ち出しておらず、林業を取り巻く情勢は極めて厳しいが、「路は厳しいがとにかく前へ進もう」と(非常にお元気なのですが残された時間の限られる)77歳のこれからはプロの林業従事者を育てることに専念したいと最後にお話になり、今回の講座を締めくくられました。
   
里山七彩第4話は、1月15日(土)14:00〜16:00 宮崎猛京都府立大学教授による「身近な環境を活かすグリーン・ツーリズム」です。

 

☆今年も多くの支援をいただいています☆

   遊林会の活動では、参加は身体だけではないと言っていますが、今年も支援を様々な方々から様々な形でいただいております。駅前広場の整備にと戴いた寄付でウメの木を植えさせていただいたり、こども未来基金に寄せられた寄付金で草原広場の雨の日のためのシェルター整備をさせていただいているのが代表的なものですが、日常活動にも多くのカンパもいただいています。皆様、ありがとうございました。

 

☆1月の活動日のお昼は餅供養?☆

   毎年1月のお昼は鏡餅を利用した雑煮とぜんざい、安倍川餅などです。家で残っている鏡餅がありましたら持参して下さい。  

  汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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