'04年12号 No.79

☆作業日あれこれ☆

 11月の第2土曜日は13日、前月は台風がらみの天候でしたが、この日は前日までの雨もあがり作業日和になりました。恒例の観察会は、たわわに赤い実を付けたレクチャールーム横のアキグミから。これは鳥の観察用に愛知川の河原から4年程前に移植した物ですが、今では河原では見かけない位の大きさにまで成長しました。先月より羽の白い点が紋付きのように見えるので紋付鳥の異名のあるジョウビタキが、しょっちゅうやって来るのを見かけており、当初の目的を達したように思っています。アキグミには根に共生菌類を持ち空中の窒素分を固定する能力があるので、痩せた河原のような土地でも育つことができるのす。この森には、秋に花が咲いて苗代の頃に実ができるナワシログミと、春に花が咲いて秋に実ができるアキグミの2種類のグミがあります。ナワシログミは林床に生えているために充分な照度を得ることができず実もパラパラとしか実りません。しかもこちらが食べる前に小鳥達に食べられてしまうのが常です。アキグミの後にはキチジョウソウの観察などを終え、いつもの通り作業前のストレッチです。

 この日の作業のひとつは、河辺の森駅広場でヒガンバナと水仙の植え付けです。ヒガンバナは、植えろ植えろとクマがうるさかったのですが、駅広場ワークショップ担当の三平モドキは球根も売っていないしどこかで掘ってこようかと悩んでいました。見かねた炭焼名人が自分の耕作している畠の畦に群生しているのを大量に起こして来られ、問題解決となりました。この作業班は三平モドキがリーダーで、午後は芋畑でサツマイモ掘りでした。掘り起こされたサツマイモを見たフトン屋は、その前の週に遊びに来た小学生に、土産にサツマイモをあげるからと誘って掘らしたのですが、その時に掘った量の方が多かったと自慢しています。「なんと言っても二畝(うね)掘りましたからねー!」
 竹林では、青年部長といつものメンバーが中心になって、クラフト材料にする竹材の間伐作業でしたが、いつも通りにパワフルでした。 お昼前にはご一同は、伐った竹の枝を束ね竹を天秤棒にして担いでセンター前に現れました。失礼ですが何ともユーモラスな姿でした。
 林床整備班は、資材倉庫の前で常緑樹の伐採と薪作り、小枝をシュレッダーで粉砕していました。この場所で林床管理作業を3ヵ月続けましたので、資材倉庫の前に立つと、大分林床が明るくなったのがわかりますが、この冬には続く交流広場と共に林床の低木も伐採して、かつてのようなすかっとした場所にしようと考えています。
 下草の機械刈班はお馴染みの湖東町ヘムスロイド村御一行様です。屋外トイレの奥のササをはじめとする下草を黙々と刈り続けて折おられる後ろ姿が見えていました。

 お昼はサツマイモの芋ご飯、里芋の煮物と芋づくしで、もちろん、あの奥のトラ御用達の席では横綱連を中心に盛り上がっていました。この日は新人が多く、4人もいたのでお昼のミーティング「新人の一言コーナー」も賑やかです。この中には三平モドキの仕事ぶりを見に来た大学の後輩の女性もいたのですが、通常こうした若い女性が目に入ると焼鳥名人がいつの間にか横で人生訓を垂れているというのがいつものことなのですが、この日は横綱同士で盛り上がったせいか横にお姿がありませんでした。もちろん横綱も大関の皆さんもお昼からの作業に従事されたことは間違いございません。かつてですとこの席にクマやソメヤンハサケガスキー氏が混じってトラの遠吠えが森に響き渡るという感じだったのですが・・・・。来月の作業日は午後は忘年会です、遠吠えが聞こえるかも知れません。

  今月は第4水曜日が勤労感謝の日の代替え休園日になりましたので、定例作業は翌日の木曜となりました。少し例年より紅葉の遅い森での作業は、色づき始めたモミジの林から、モミジを生かすために除伐(モミジを傷めないための伐採は吊し切りで木登り名人が作業済)したアベマキなどの大木を玉切りにして運び出し、薪にすることです。こうした作業にはキャタピラーの運搬車や油圧の薪割機を使用します。薪割機は汎用品の建設機械用油圧装置とガソリンエンジンを使用した物で、斧で割れないようなねじれの入った木なども易々と安全に割ります。負けじと斧を使って割っている腕に自信ありの面々もいるのですが、到底作業量ではかないません。ファイヤー・サークルの付近では、大先生が頼んで来てもらった市内林田町の無形文化財級のお二人が、駅広場の池の護岸にする蛇篭を竹を使って編んでおられます。「長いことやってへんで、忘れたなぁー。」なんて言いながら無事完成です。弟子入りさせた三平モドキは、早い時点でギブ・アップ、技術の伝承はなりませんでした。


森の居酒屋は12月8日(水) 午後7時頃 
12月11日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
 12月22日は週日活動日 週日活動 
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp
 

☆河辺いきものの森情報

 センターでは、このところ土日になるとある業務に真剣に取り組んでいます。それは、来園者に焚き火で焼いた焼き芋を販売することです。マルなんかは、視察者に視察の終わる頃に焼けますからと説明の前に予約を取る始末です。フトン屋は、ネイチャーゲーム協会のイベントが終わる頃を見計らって焼いています。そうしたことが何にもない日には、タッキーや三平モドキは何時頃に焼き上げれば森にやって来ている親子連れなどに売り込むのにいいだろうと相談しています。こうしたことはお役所の管理下では困難なことですが、センターの運営管理の一部をNPO団体である遊林会が担っているので可能なわけです。焼き芋を購入された利用者の皆さんにも、秋の森の風物として喜んで頂いていますし、遊林会の活動資金にもなります。焼き芋販売は今までのところ生産費とトントンなのですが、今年は・・・・。クマは「頑張って売ったらボーナスを出すでなー!」と去年から言っているのですが、今年は少し出せるかな。否、売り上げに拘わらず、この努力に報いるために出さなければと考えています。ほんのちょっぴりですが。

  ☆今年もクリスマス・コンサート

 今年も奉仕活動の際に湖東信用金庫さんから活動に対するご支援をいただいていますが、その資金を元手にクリスマス・コンサートを開催します。奏者はすっかりお馴染みなった大阪センチュリー交響楽団の弦楽器奏者のグループ、リチェッタ・ムジカの皆さんです。日程の都合でクリスマス・イブ当夜となってしまいました。「人が来ないんじゃない?」という意見もあったのですが、「いいや、遊林会に関係のあるような人は、子育ても終わったような人が多いので、クリスマス・イブといってもすることもなく世間的お付き合いでケーキなんぞ食べているだけだろうから、大丈夫、来るよ。」と強気です。もちろん、イブをホテルでなんぞと思う若者のカップルも歓迎します。冬の(雪が降ってもらうのは困りますが)河辺の森のコンサートで、ロマンチックなクリスマス・イブをお過ごしになるのはいかがでしょうか。

12月24日午後6時半開場、7時開演
演奏曲目

  ドボルザーク作曲 弦楽四重奏曲 アメリカ
 
  チャイコフスキー作曲  バレエ組曲 クルミ割人形から

  その他クリスマスにちなんだ小品
チケット代は800円です。予約はネイチャーセンターまで (この公演につきましては、湖東信用金庫さんのご支援をいただいております。)

  ☆国土交通省、「手づくり郷土賞」受賞

 毎年、国土交通省主催で実施されています「手づくり郷土賞」に、近畿地方では当会が唯一選ばれました。日頃からの活動が評価されたものと考えています。12月6日に認定証伝達式が大阪の近畿地方整備局であり、26日の作業に参加されていた例の横綱や大関の皆さんと出席する予定です。なお、焼鳥名人はご婦人達とのグランド・ゴルフに忙しいそうで欠席です! その埋め合わせに空いた時間に森の清掃活動をするそうです。先程も堤防沿いで拾った缶やペット・ボトルを振り分け荷物にして現れました。

  ☆駅広場整備ワークショップ進んでます

 計画段階を終え、11月27日(土)には現地で植樹作業が実施されました。造園業者が植えるような大きな樹木を植える経験はみんな初めてです。根鉢の重さに驚きながらも全員で土壌改良をした場所になんとか運び、無事にウメ、カキ、キンモクセイを植えました。しかし、作業はこれからもたくさん残っています。次回の作業日は、12月12日午後に予定しています。定例作業の次の日ですが、参加者を待ってます。

  ☆里山七彩、3回目の講義

 嶋崎洋路(嶋崎山林塾主宰)「日本の山と山づくり」です。独自の山の手入法を説き実践されている嶋崎氏はテレビ等でも取り上げられており、ご存じの方も多いかと思います。場合によっては実際に森を舞台に話をしようかとおっしゃってました。前回までは夜でしたが、これからの講義は土曜日の日中になります。予約とかは必要ありません。受講をお待ちしています。

12月18日(土) 14:00〜16:00

  ☆12月の活動日は、午後は忘年会

 例年、12月の活動日には作業を午前中に終え、お昼からは餅つきとおでんで忘年会にしています。三平モドキは、今からお餅が食べられると楽しみにしています。確か昨年は20個近く食べたんじゃないでしょうか。今年はこの日に「ほんもの体験」と名付けたエコ・ツーリズム発展のためのイベントも同時開催(他団体との共催)しますので、その方達も加わられます。もちろん、こうした日には恒例になりましたビデオ鑑賞も実施します。必要ならば河辺の森代行運転も開業しますが、チョコットバス、近江鉄道、自転車等のご利用をお願いします。楽しくやりましょう。  翌日(12日)にも、東近江環境保全ネットーワークがらみで環境ボランティアの皆さんと里山保全体験交流も10時から実施します。こちらも大勢の参加をお待ちしています。(午後は駅前整備ワーク・ショップ)    
容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

   
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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