'04年10号 No.77

☆作業日あれこれ☆

ナンバンギセルの花

 9月の定例作業日は快晴、次から次と参加者がやって来ます。心配していたササの機械刈りの出来る面々も、何人もやって来ました。ササはこの月中に刈ってしまわないと、夏の間に生産した養分を地下茎に降ろして蓄えてしまうので、来年の草丈(勢い)を抑える効果がないのです。

 恒例の観察会は三平モドキのナンバンギセルからです。入口近くの小さなススキの株の根本に発生したこの植物は葉緑素を持たず、ススキやミョウガなどに寄生します。草原広場でも発生しているのですが、こちらは昨年、種を播いたとの情報もあり、入口近くの物を観察会に取り上げました。しかし、観察会の最中にこちらにも種を播いたという自白があり苦笑です。その形からナンバンギセル(南蛮人の煙管)と呼ばれ、名前から帰化植物の様に感じられますが、万葉の昔から知られており、かつては別の名で呼ばれていました。(西洋に対して南蛮と言う言葉が使われるのは室町時代以降でしょうし、煙草を吸う煙管が必要になるのは新大陸からもたらされた煙草が西洋を経て日本に渡来してからのことですから) 三平モドキは、その花の咲く風情から、万葉人はこの花をなんて呼んだでしょうかとクイズにしていましたが、誰も正解はなく珍答が続出していました。正解は、「想い草」で首を傾げてたたずむ美女の姿に例えたのだそうです。珍答の中には、タヌキノツエなどもありましたから、観察会の参加者はそのような風情とは縁遠かったようです。

 この日の作業は、来月のタケの間伐まで休もうと考えていましたが、ベテラン勢のリクエストに応えて実施した竹林整備からです。青年部長をリーダーにこの班の参加者は猛者揃いで、手も動くが口も動く方ばかり、巻き込まれた方は大変だったのではないかと思っております。竹林はすごい勢いできれいに整理されていますが、参加者によれば整理すれどもすれども次の目標が見えてきてしまうとのことです。
 セイタカアワダチソウとクズいじめは、草原広場の周辺で篤農家殿がリーダー、女性陣に囲まれてなさっておりましたが、療養中のクマにとの大義名分をもってツルニンジンの根(朝鮮人参モドキとでも言いましょうか、薬効があるとかないとか・・・・)を掘ったりもしておられました。もちろんこの根、お昼の時間に皆様にご披露した後、味噌だれで焼いて振る舞われました。もちろんクマもお相伴に預かりましたが、精力増進に効果があったかどうかは不明です。
 心配していたササの機械刈りは、草刈名人をはじめ久しぶりに登場の元同僚オーチ、ヘムスロイド村御一行などにより野鳥観察壁周辺のササを午前中で刈り終えてしまい、オーチ殿は午後は作業抜きで交流会に突入、活動終了後も場を変えて延長戦に突入されていました。帰路、大地と喧嘩をしたとかの情報もあります。かつては道路標識のポール激突事件もありましたので、さもありなんです。クマもマウンテンバイク前転・あばら骨折事件等の経験もありますので、人のことは笑えませんが。取り敢えずはセクハラ事件や飲酒運転ではなくお笑いネタ程度で目出度し目出度しです。

  お昼は散らし寿司がメイン、サツマイモの蔓の炒め煮や野菜の天ぷらなどでした。もちろん一番奥のトラ御用達テーブルは賑やかでしたが、生臭髭仙人や焼鳥名人の姿がなく、その分を青年部長が補っていましたけれども、今ひとつ役不足の感がありました。その後、午後の作業を終えた後(青年部長の名誉のために強調)、延長戦を先程のオーチと戦われ(前述の大地と喧嘩事件の原因)、この元気さなら奥のテーブルの主達にも負けることはない感じでした。年長者への遠慮だったのでしょうか。今月からは午後も作業で、他の参加者は各自昼食後のミーティングが終わるとそれぞれの作業に散って行かれました。念のため付記します。

ツルニンジンの根

 9月22日、第4水曜日の活動日は夜半の激しい雨もあがり、昨日までの夏日もこの日はお休みで作業日和でした。最初は在来のヌスビトハギとアメリカヌスビトハギが並んで生えている場所があったのでこの観察会からです。センター前のノシバの中に生えているのですが、服に引っ付いて来たのをベンチに腰掛けて払ったのが原因ではないだろうかと想像しています。マメ科の特徴をした鞘の中に入っている種子の数や花、葉の形などの違いを観察しました。
 作業は、前回の活動日に焼いたムクノキの炭の取出しと窯の補修、次回材料の詰め込みは炭焼名人です。他のメンバーは、資材倉庫の前でアラカシを伐って林床管理作業です。マルが例の赤いヘルメット姿にマイチェンソーで伐り倒したアラカシを、みんなが寄ってたかって鯨の解体のように切り刻んで薪作りです。葉付きの細い枝は、フトン屋がチッパーで切り刻んでカブトムシ・ベッドのフトンにしていました。この日のお昼も焼鳥名人を囲んでトラ吉小父さんなどと盛り上がっておりました。


森の居酒屋は10月6日 (場所変更・参加者要連絡)午後7時頃〜
10月9日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
10月27日(水) 週日活動 
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp
 

☆河辺いきものの森情報

  ホームページの伝言板欄で「うしまろ」と名告っている横山が、職員研修のために東京出張をしますので、2ヶ月余りセンターを留守にします。その間、東京から伝言板にうしまろ節を投稿してくれることでしょう。しかし、この研修、本人は東京見物に行く位の気持だったようですが、かなりハードとも聞きますので、それどころではないかもしれません。留守の間、イモリやメダカの世話は誰がするのでしょう。寂しい彼の心を癒すこれらの生き物に代えて、かつて流行ったゲームの「シーマン」でも持参してもらって、水槽の生き物ならぬテレビ画面のシーマンとでも対話していただきましょうか。他のスタッフは、携帯電話を持たない主義(単なる意地のような気がしますが)の彼に、出張を認める条件はいつでも連絡できるように携帯持参を条件にしているのですが・・・・。彼に言わせれば、なくても不自由することはないとのことですが、こちらは連絡できなくて大いに不自由しているのです! まもなく、うしまろ、携帯を持つ!となって欲しいものです。うしまろ、これを機会に携帯電話をゲットして、ついでに話し相手もゲットして下さーい!  もうひとつ、揚げ物は福島さんや生臭髭仙人の教えに忠実で絶品の腕前になった前田も、残念ながら半年の雇用期間が切れて交替です。こうして二人の仲間を欠いて、10月からのセンターの運営管理は、近づきつつある市町村合併(一市四町→東近江市 来年2/11誕生)の慌ただしさの中で迎えることになります。もちろん、森の利用申込みは例年通り11月末までほとんど予約で埋まっています。今まではノンビリとスタッフに任せていたクマも少しはお役に立たねばと思っているのですが、身体が動くのでしょうか、心配です。ボランティアの溜まり場の森守ハウスは、山田親方の名人仕事で未だ未完成ですが、中学や高校の実習の際にはボランティア・スタッフとしての応援を、皆様、よろしくお願いします。

☆ナツズイセンとレッド・データー・ブック(RDB)

8月の観察会で対象にしたナツズイセンですが、これが近畿地方のRDBに取り上げられている理由を、リスト作成者のお一人である滑ツ境設計の梅原徹氏からお知らせいただきました。ナツズイセンは種子ができない雑種なのですが、これの両親と考えられる植物が現在は中国にしか存在せず、そのことをもってして中国から渡来した帰化植物だとの論があるようです。しかし、帰化植物とする確固とした証拠もなく、栽培を除けば河辺に生息することが多く、それをもとからの自生地とも考えることも出来、それほど多くの産地があるわけでもないので、RDBに記載されたのだそうです。以上、補足説明です。

☆河辺の森駅ワークショップでのプランニング

 新駅の開業に前後して広場の斜面の土留工事をした後、暑い夏の期間を広場の植栽をどのようにするかと相談を続けていました。この程、最初に決めた「唱歌を口ずさむ懐かしの原風景」を具体化するプランがほぼ決まりました。  こういった場所はどうしても綺麗な物ばかり植えてしまい、公園風にならないように注意しました。落葉樹としてはクリ・カキ・ウメ・アジサイ・ハギ・ウツギを、常緑樹としてヤブツバキ・キンモクセイ・クチナシなどの馴染みの深いものを選びました。フェンスには駅の利用者がすぐ食べられるようにとアケビを巻き付かせます。次はどの木をどこに植えるのかを決めなければなりません。後もう少し、ワークショップは続きます。(この項、三平モドキ・泉)  次回は、10月17日(日)、13:30〜 ネイチャーセンター集合です!

☆今年も「里山七彩」、間もなく開講

 今年の里山七彩は下記の日程で開講します。

  10/13(水)18:30〜 柳生博(俳優) 文芸会館    森と暮らす、森に学ぶ (他との共同開催)
  10/16(土)19:00〜 小椋純一(京都精華大教授)   草原の利用と変遷
  12/18(土)14:00〜 嶋崎洋路(嶋崎山林塾主宰)    日本の山と山づくり
   1/15(土)14:00〜 宮崎猛(京都府立大教授)    身近な環境を生かす「グリーン・ツーリズム」
    2/ 5(土)14:00〜 高見邦雄(GEN事務局長)    中国黄土高原での森づくり
    3/ 5(土)14:00〜 藤田敦子(・・ケア市民ネットピュア)    ケアの世界にとって身近な環境
 第7番講座 日程・講師未定    雑木林を守るとはどういうことか(仮題)  


 柳生博氏以外の講演は、無料・ネイチャーセンターのレクチャールームで開催します。今年も第一線の講師陣で身近な自然から世界を考える講座です。

☆10月の活動日、鶏が来そうです!

 10月より、竹林で竹材の間引きが始まります。2年間育てたエビネを森へ移植します。炭焼きもシーズンを迎え本格的にやります(定例作業日以外も焼いています)。生きた鶏の寄付がありそうで、焼鳥名人に捌いてもらう予定です。栽培してもらっているサツマイモも収穫時期を迎えます。寂しいのは生臭髭仙人が入院中のため、芋で釣る魚(? バックナンバー参照)が来ないことです。秋本番、作業も本番です。雨よ、降らないで!    
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


▲前の号 | 河辺林通信トップ | 次の号▼

| ホームに戻る |