'04年07号 No.74

☆作業日あれこれ☆

ツチアケビの花

 6月12日、快晴とはいきませんでしたが、雨も降らず、定例活動日が始まりました。(昨年のこの日は午後からは”アマヨロコビ(雨喜び)”となり作業はできなかったのでした。河辺林通信62号参照) 最初は観察会ですが、この日はフトン屋のデビュー戦でして、前日一日かけて用意したネタを披露していました。咲き始めたオオバギボウシ、ウツボグサ、作業を始めてから増えているイチヤクソウの紹介でしたが、本人はギャラリーの皆様の温かい見守りで自信を得て、「またやりまっす!」と言っています。しかし、準備に一日をかけるようでは採算が取れず、クマはマネージャーとして「うーん」と生返事です。

 この日の作業のメインはタケノコの大発生している竹林の整備です。昨年は作業できる日が悪天候のために少なく、秋には竹林の密度が高くなってしまい大変でしたので、今年はその轍を踏まないように増えすぎた今年のタケを、柔らかくて腐りやすい今の内に刈って処分です。もちろんリーダーは森の掃除人こと青年部長ですが、指示を受ける面々も焼鳥名人やキノコ博士などそうそうたるメンバーで”千切っては投げ千切っては投げ”の大奮闘だったそうです。まず、駐車場の近くの竹林から始め、午後には西の方の竹林に場所を移して作業でした。

 その隣のケヤキの林では地下に眠るタケの根との戦いが続いて(5年目)います。こちらは2ヘクタール以上の草原を相手に、今年発生したタケや順調に育っている草共を一網打尽に機械刈りです。といっても育っているケヤキなどの実生苗は残さなければならず、草刈名人やいつもの機械刈り部隊がかかっても、刈れたのは一部で、後日の造林公社や信用金庫の皆さんの作業に頼ることとなりました。

 賽の河原のようなセイタカアワダチソウやクズ退治は、これらの植物は誰でも見分けられるということで、リーダーのひとりはあのフトン屋(!)です。作業を始めて間もなくです、フトン屋では無視されてしまったでしょうが、こんなこともあろうかと後見人に付けておきました篤農家殿が妙な物を発見、大騒ぎとなりました。もちろんナカジ好みのタヌキの死骸や三平モドキの放ったらかしの空財布(失礼!)が見つかったわけではなく、ツチアケビの花が発見されたのです。ツチアケビはオニノヤガラと同様に葉緑素を持たないランの仲間でナラタケの菌糸から栄養を摂っています。名前は実ができると土の中から赤いバナナが生えてきたようで、バナナが一般的でない時代にアケビと名前が付けられたものと考えられます。初めてこの実を見た時には、お墓の供え物のバナナをタヌキがくわえてきたのかと思ったものです。ナラタケ菌に寄生するオニノヤガラが発生するのでツチアケビもと期待していたのですが、遂に見つかりました。この花、よく見るとさすがはランの花で、それなりの形をしています。その後、別の場所でも発見され、実がなるのが楽しみです。その後、草抜き班は草原広場を経て水辺の林まで作業を進めました。  

 この日の昼食はタケノコづくしでしたが、冷蔵庫で賞味期限の過ぎた豆板醤を見つけた山田親方の一工夫で、タケノコのピリカラ炒めも追加されました。(一応、今迄の所、腹をこわしたのとの報告は入っていません。) 天ぷらはこれも毎度の生臭髭仙人の小イワシや芝エビの掻き揚げ、ヤマウドやタラノメも出て賑やかだったそうですが、この日は私は日本の里地里山30の授賞式のために不在で詳しい様子は不明です。もちろん、各自、午後もきちんと作業を続けたとのことです。

 第4水曜日、23日は台風の通過した後でしたので、竹林で倒れた今年発生したタケの除去と、まだ機械で刈れていない場所の機械刈りです。竹林では、台風の強風で柔らかな今年のタケがかなり折れていました。これは、間引くために選別する手間が省けるとプラス思考で考えることにして作業開始です。水曜日の仕事師集団は、次から次に仕事をこなして竹林をタケノコの出る前のすっきりした状態にしました。お昼はいつも以上に盛り上がり、午後はアルコール燃料機関(!)の面々は一層、馬力が入っていたようです。

 

☆駅前広場整備その後

 斜面の整備に3日かかってしまい、ようやく12日の定例活動日に別働隊が仕上げました。最後の日にはあの木登り名人が参加、あのガッツに引きづられてうしまろ君はへろへろだったようです。さぁ、次は6月26日午後、仕上げた斜面に何を植えるかや広場に植える木などの相談です。後日、メンバーのお一人からシンボルになる木を植える際にでも使って下さいと10万円の寄付をいただきましたのでこの場を借りて披露させていただきます。ありがとうございました。

7月28日(水) 週日活動森の居酒屋は7月7日 午後7時頃〜
7月10日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

 遊林会のスタッフ2名が入れ替わって3ヶ月です。以前、三平モドキはレンジャールームで歴戦の女性陣相手にいつも寂しい思いをしていたようですが、ナカジの代わりに年下のしかも男(猪八戒改めフトン屋)が入ってきたので、これからはレンジャールームの牢名主になれるわい位に考えていたようです。パンばかり食べて学生生活4年間で一度も料理をしたことのないフトン屋と、帰りにスーパーでお買い得品をあさって夕食を作っている三平モドキのレンジャールームの牢名主をめぐる争いはいかなることやら。冗談はさておいて、いつも個性豊かな面々の集まるセンターは、今年度も例外ではありません。そうそう、フトン屋の口癖は何を頼んでも、極めて軽い口調で「任しといて下さい!」です。皆さん、彼のこの返事に安心しないで下さい。

里地里山の盾
 

☆遊林会「日本の里地里山30」に選定

 読売新聞社主催(発刊130周年記念事業だそうです)、環境省共催で標記の選定が実施されました。日頃こうしたコンクールに遊林会は無頓着なのですが、日本の30団体にも選ばれないようでは、知っている団体が選ばれた時に悔しいではないかと、応募書類の作成者であるうしまろ君に最大限のプレッシャーをかけていました。このほど5月に選定が行われ、願い通り遊林会も30団体の中に入ることができました。めでたしめでたしです。
 ありがたいことに東京までの授賞式の旅費が1名分出るということで作業日にもかかわらず(作業日だからこそ、口だけしか参加できない)クマが出席しました。あの箱根駅伝のスタートとゴールでおなじみの東京大手町の読売新聞社屋まで途中で外人に道を聞かれたり(お上りさんには見えなかったのだ!)しながら到着です。受賞団体は、北海道、四国該当団体無し、九州1団体、他は本州ばかり29団体、それも東高西低で関東周辺が多かったのですが、これはそのままこうした活動の地域による密度を表していると思われます。会報をやりとりしている熊本の「里山クラブどんごろす」や噂には聞いている団体も数団体がありましたが、ほとんどが初めて聞く団体で、活動内容も広義の里山、あるいは(水田耕作を中心とした)里地に関わる団体ばかりで、遊林会のように狭義の純然たる里山に関わる団体は少数派です。選定基準は、生物多様性の保全、地域興し、先駆性等だったようですが、選定者の言外にはこれでもある程度地域バランスも考慮したとのニュアンスもありましたので参加161団体のベスト30では必ずしもないということもありそうです。しかし、遊林会は自信を持って良いのではと言う思いを胸に、手には缶ビールとシュウマイを持って新幹線車中の人となりました。(実際にはカロリーメイトとお茶というところが辛い!)
 戴いた盾はセンター展示ホールに、副賞の賞金10万円は建設途中の倶楽部ボックス建設資金の一部に充当したいと考えています。後日、市長に受賞報告にいきましたが、激励の賞状と共に金一封(5万円)もいただきました。これは皆さんとの研修旅行等の費用にと思っています。

 

☆仮称「倶楽部ボックス」は「森守ハウス」に

 隠居小屋と呼んでベテラン達から大ひんしゅくをかったボランティアの溜まり場・仮称倶楽部ボックスですが、命名の応募1点で自動的に決定しました! 応募者は、彼の炭焼名人で「読むのはどうとでも読んどくれ、森守ハウスはどうや?」ということです。「モリノカミ」と読むわけにも行かず「モリモリハウス」というところでしょうか。この建設、またもや親方による精緻な工事となり、親方、炭焼名人のコンビで進んでいます。名人は爪を隠しておられたのですが、経歴から電気工事士の資格を持っておられるだろうと探りを入れると、やはりその通りで電気配線一式もしていただけることになりました。現在、森守ハウスはマルがリフォームする家屋から古いサッシをパクって来るのを待つばかりとなりました。夏の間は風の吹き抜けるこのままでも良いなぁと言う意見も出ております。ある日の日中、昼食後に午睡を取る親方の姿がハウス内にありました。フトン屋は昼休みに寝過ごしたとか言ってました。恐妻家の皆さん、もうすぐ家を追い出されても何とか雨露をしのげる場が完成します。

 

☆例年、この季節の応援

 いつもタケノコが出てタケとの戦いに苦労する頃になると県の造林公社の皆さんが刈払機持参でケヤキの林を刈りに来て下さいます。今年も6月15日、総勢10人のプロ達が一網打尽に刈ってくれました。6月19日には、これもおなじみになった湖東信用金庫の皆さんが刈払機持参組を含めて70人程の人が参加して竹林整備などに参加して下さいました。人手が要るこの季節、とても助かります。また、湖東信用金庫さんは、これも毎年なのですが、活動にお使い下さいと金一封も下さいました。これで今年もクリスマス・コンサートを開催する旨、その場で発表させていただきました。皆様、ありがとうございました。

 

☆7月の作業日は午前中のみ、 午後は発会記念(7年目)の懇親会

 お飲みになる方はチョコットバスや近江鉄道を利用して下さい! 例年通り午後には、酔い覚ましビデオ鑑賞会も実施します。お楽しみに。
 容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

 

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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