'04年06号 No.73

☆作業日あれこれ☆

技術を人数でフォロー

  5月の活動日は文字通り五月晴れの天候でした。センターは連休の調整で前日まで二日間の休みでしたので観察会の打合せは当日の朝、三平モドキは担当と聞いて鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしていました。しかし、まぁなんとかエビネを題材にこなしておりました。
 この日の作業は前月に再開した交流広場周辺の林床管理がメインです。常緑樹のアラカシを決められた方向に倒すためにみんなでロープを引きます。直径30センチ程のアラカシの下敷きになっては大変ですの作業は慎重に進めなければなりません。始めて参加した人から「伐る木は予め決めてあるんですね、何でも伐るのかと思ってました!」との感想がありましたが、森を生かすためですからもちろん伐るためのルールがあります。まず森に光を入れるために常緑樹、ツツジやサクラなどの意識して残す木に被っている木(落葉樹も)などを優先的に伐ります。常緑樹でもツバキやヤブニッケイは伐採を見送ることが多いです。この日もマルのマイ・チェンソーとヘルメット姿が見えていました。
 彼等が作業をしている隣の草原広場ではセイタカアワダチソウの手での引き抜き作業が始まっています。この作業のおかげで森の入口から草原広場周辺にかけては、秋に黄色い花を余り見かけずに済んでいます。
 竹林では、この日もベテラン勢の枯れたタケの除去などの清掃作業が青年部長を中心に進められ、ホームページに載せる作業写真には、俺たちの姿は良いから作業前と作業後の竹林の様子を撮ってくれとの注文が入っていました。もちろんそれに応えましたが、本当にきれいになっていましたよ。(インターネットを利用されている方は、毎月の作業内容を写真で紹介していますので、是非ご覧下さい。それと河辺林通信の送付をできれば電子メールでの通知に切り換えていただける方はセンターまでメールをお願いします。)
  こうした通常の作業とは別に、三平モドキが別動隊を率いて木道沿いのベンチやテーブルの材料の丸太を草原広場に運び出していました。この作業は4人でそこそこに重い木を、野越え山越えではありませんが、小川を跨いででこぼこの草原を越えての作業で、途中で川に足をつっこんだり背の高い者が損(?)をしたりして大変っだたようです。従事したうしまろ君によると、し終えた後では気の抜けたビール状態だったそうです。
 お昼はシーフードカレーに生臭髭仙人差入れのイカやアジのフライでしたが、参加者が多く作業小屋に入りきらず外で食べるグループがでる始末でした。恒例の食後のミーティング「始めて参加して一言コーナー」は、若い女性が多かったので、いつもの奥のテーブル(トラ御用達の席)の焼鳥名人をはじめとするベテラン勢などから質問が飛び交い賑やかな時間になっていました。

へっぴり腰の行進中

 26日の第4水曜日も快晴、作業は竹林でタケノコの間引きと河辺の森駅広場整備の竹柵の竹の調達と加工です。今年はタケノコの当たり年で大豊作ですが、その分、間引き作業は賽の河原状態です。タケに育てるタケノコを残し、伸びすぎたタケノコをナギナタ(長刀)モドキで刈り、食べられそうなタケノコは昼食の材料と参加者のお土産用に集めて回ります。 一輪車に何杯ものタケノコが集められたので昼食は筍ご飯かと思っていたら、この日は豆ご飯(心憎い季節の献立です!)で、タケノコはみそ汁や天ぷらに使われていました。

 午後は全員で竹柵用に伐り出した竹の加工、長尺の竹を割く、かけやで叩いて節を取り柔らかくする、丸めて運搬できるようにする作業です。割いた竹を台の上に置いて、順繰りに竹を送りながら別の二人がかけやで叩くのですが、送り出すスピードが速く、かけや組は悲鳴を上げていましたし、出来上がった竹を丸めるのも戻ろうとする力がとても強く、生き物相手の格闘のようでした。どうにかやり遂げた時には全員かなりのお疲れ状態したが、おやつに用意されたこの森のヨモギを使った草餅にご機嫌でした。「水曜日は人数は少ない(この日は20人余り)が、やり遂げる作業量は土曜日より多いで」、との自慢の声も聞こえていました。ご苦労様でした。


☆河辺の森駅広場整備情報

 5月22日、この日も快晴、頭も使うが手も使う広場整備のワークショップの作業がスタートしました。総勢25人、土盛りの斜面に杭を打ち、その杭の間に用意した竹を絡めて柵構作りです。出来上がった所や斜面の上部の平面にはバーク堆肥や発酵豚糞を混ぜて土壌改良です。お昼は現場で弁当を食べるつもりだったのでクーラーにはいつもの物が入っていたのですが、青年部長、てっきりこれは休憩用と解釈されて、昔のクマやオーチが作業をしていた頃の悪習(?)を思い出され、至極ご満足だったようです。もちろん休憩時間に栓を抜いてご賞味されていたのは言うまでもありません。後ほど、柵構の竹が不足してしまい、お昼を現場で食べるはずだったのですが、午後の森での材料確保作業が必要になり作業小屋に戻ってすることになった時点で青年部長はあのビー○は昼食用だったお気づきになられたようです。遊林会のエネルギーの基は○ールだとクマも賛同しておりますので、大いに作業と両者を楽しんでいただきたいものです。そんなわけで午後は森での作業になってしまいましたが、この日の暑さと作業のきつさもあってそれなりの時間でお開きとなりました。次回の続きの作業は6月5日(土)です。昔懐かしい厳しい作業と弁当とビー○が待っています!参加をお待ちしています。

6月23日(水) 週日活動森の居酒屋は6月9日 午後7時頃〜
6月12日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

 4月にスタッフが一部入れ替わりました。三平モドキこと泉には今年もリーダーとして頑張ってもらいますが、ナカジの代わりに横田(チョウハッカイと名付けたのですが本人のたっての希望で家業のフトン屋と呼ぶことにします。)が入りました。かつて三平モドキはナカジ姉御に適当にあしらわれて歯が立たない状態だったのですが、このフトン屋も相当な人物で三平モドキはやはり手こずりそうです。事務の仕事は愛子様に代わって前田の担当です。これから各種新聞のモデルには彼女が登場することになります!市の方も異動があり安村が出て吉滝が来ました。スタッフの間では三平モドキが4月初めをもって禁煙したので、これで誰も吸わなくなると喜んでいたのですが、フトン屋と吉滝が吸うので今回の移動で逆に増えてしまいました。マルは禁煙の害について書いてある新聞記事などを置いたりしているのですが・・・・。

 

☆今年のサクラ

 この森にはサクラは4種、咲く順に、ヤマザクラ、カスミザクラ、ウワミズザクラ、イヌザクラがあります。昨年までヤマザクラは1本しかないと思っていたのですが、今年、花の時期に丹念に探し出すと他に2本が見つかりました。しかし、それぞれ樹勢の強い樹ではありませんのでやはり将来が心配です。ヤマザクラより十日位遅れて咲くカスミザクラは本数も多く大木もあるのですが、今年は天気周りが悪く開花時期に強い雨に当たってしまい、充分に花を楽しむことができませんでした。これらのサクラに遅れてサクラらしくない穂のように密集した花を付けるのはウワミズザクラとイヌザクラですが、今年は異変がありました。いつもは見ることのできるウワミズザクラの花をほとんど見ることができなかったことと、逆に例年、花を見ることが困難なイヌザクラ(先月の通信の写真参照)が沢山の花を付けその小さな花びら(2ミリ位)を吹雪のように飛ばせていたことです。この森に関わって10年近くになりますが、これほどのイヌザクラの開花に気づいたのは初めてのことです。なおイヌザクラの名前は、サクラ類なのに花が見劣りするのでイヌと付いているようです。犬好きで社会運動家として刑事に付きまとわれた荒畑寒村は、刑事のことを自分の大好きな犬と同列に蔑称で呼ぶ人間を嫌ったということを自伝で語っています。私も犬好きですのでイヌと言う言葉を蔑称として使用するのはどうもいただけませんが、そういうことなんです。脱線です。

  長年、放置された里山では木々は陽の光を受けるためにつま先立ちのような状態で上に伸びていきますが、サクラ類はこうした競争でコナラやクヌギなどに負けてしまう敗者です。この森の立ち枯れの木の多くはこうしたサクラ類です。この森ではこうしたサクラを保護するために周辺の高木を伐採したりしていますが、樹勢の弱った樹を回復させるまでには至っていない状態です。

 

☆森では、作業が待っています

 昨年中学生や高校生の保全管理体験(中低木の常緑樹の伐採)を実施したエリアでは、常緑樹がなくなったことと横が広場であることもあり充分な採光ができるために、一面ササのカーペットを引いたような状態になっています。このままでは笹原になりシュンランなどを見ることのできない単調な林床植生になってしまいますので、林床管理作業(ササ刈り)に励まなければなりません。ササはこれ以外にも野鳥観察壁周辺などでも目立ってきており、林床管理作業の重点対策にする必要が生じてきているように感じています。  竹林をケヤキなどの林に戻すエリアでは、今年も生き残っている竹根から細いタケノコが発生していますが、戦いはタケ撲滅7年計画の5年目、今年も手を抜かなければやがては勝てそうな雰囲気です。(7年では終わらないかも知れないけれど・・・・)しかし、一度手が回りかねた西の端ではタケノコは元気で手抜きの恐ろしさを示しています。今年も湖東信用金庫と県造林公社の皆さんの応援が期待できますので何とかなるでしょう。

  管理している竹林では、タケノコが大発生しています。昨年はこの時期、発生量が少ないにも拘わらず活動日に雨が多く充分な除去作業ができず密度が濃くなってしまった部分がありましたが、今年もそんな具合になると大変なことになってしまいそうです。まず、活動日の天候について神頼み、そして、しつこく作業を続けるゾーと言うこと以外に解決の方法はありません。

 

☆6月の作業日は、やはりタケノコづくし!

 これでもかと言う程、タケノコをいただいてもらいましょう。タケノコご飯に・・・・。お楽しみに。  

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html or ”遊林会”で検索  あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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