'03年12号 No.67

☆作業日あれこれ☆

フユノハナワラビ

 11月の定例活動日は、三平モドキの秋の森観察会からスタートです。カマツカの赤い実やムラサキシキブの薄紫の実、柿の葉と見間違うシラキの紅葉、キチンと刈られた林床の気持ちよさなどを観察しました。今までのスタッフであるスーザンに代わった愛子様は晴れ女とかで、これからは天候の心配をしないで済みそうです。もちろんこの日は絶好の作業日和で、まずは番外作業から始まったのです。それは前日ビデオ小父さんが持ち込んだウコッケイ(烏骨鶏:本当に名前の通り骨がカラスのように黒いのです!)や雄鶏を昼食でいただくために捌く作業です。もちろん指導教官は焼き鳥名人殿、生徒はビデオ小父さん、三平モドキ、最近「虫愛づる姫」と呼ばれるようになったナカジです。彼等は朝8時に集合して塩でお清めをした後、いつも通りの焼き鳥名人の見事な手さばきの指導を受け、解体をしました。やはり命をいただくということで厳粛な気持になります。教育現場などでは残酷だからとかの意見もあるようですが、これらを食しているという事実があるわけで、遠巻きに見ている者もみんな真剣な眼差しになります。名人に学校からのお呼びがかからないものでしょうか。食に感謝する気持になることでしょうに。
 さて話は本筋に戻って、いつもの作業についてです。まずはケヤキの林でセイタカアワダチソウ退治の仕上げ、手刈りと機械刈りでしたが、機動力で午前中に片づけてしまいました。竹林の間伐や整理は森の掃除屋こと青年部長をリーダーに奮闘です。前日の親子フォーラムで作業を体験してこの日も応援に駆けつけた湖東町の中学生3人は、余りの大奮闘ぶりに最初の1時間で逃げられていました。彼等はその後、竹炭を切りそろえて販売用の製品にする作業に大人どもと一緒になって熱心に作業に打ち込んでいましたので、彼等の名誉のために一言付け加えるならば、竹林整備は彼等にはかなりハードな作業だったようです。ハードと言えば、伐った後、運び出すことのできなかった木々の整理も正真正銘の重労働で屈強な男ども作業でした。運び出した木は、火祭をはじめとするセンター前のファイヤー・サークルの燃料に使用します。他には、県の農業試験場で培地培養により増殖してもらって夏の間育成していたエビネを水苔から土に植え替えさらに大きく成長するようにしました。この作業は材料持参で駆けつけてくれた蘭に詳しい八日市南高校の井上教諭の指導で進められましたが、彼は農業試験場で最初の頃に播種された株の育成もしてくれていましたので、持参された大きく成長している株は森に戻しました。来年には花が咲くだろうとのことです。さて最後にお昼のことです。朝から捌いた鶏肉を出汁にしたキリタンポ鍋、サツマイモの砂糖煮、芋ご飯、差入れの豆アジの南蛮漬けやイカの薫製とこの日も賑やか内容で、お昼は大好評でした。一時少なくなった麦芽ジュースの消費量がこのところ、また増加中のようです。お昼からは竹炭作業組以外は全員が建部北町の田んぼでのサツマ芋掘りで、軽トラックに一杯収穫をしましたが、芋はまだまだたくさん残っており、今年も利用方法で悩まされそうな気配です。
 第4水曜日の活動日も前日まで雨が降り続いていたにも拘わらず晴れ上がり、今までとの天候の相違に内心驚いています。作業は、スタッフが空いた時間に頑張っていたのですが、収穫の残っている芋掘りです。さすがに晴れたものの畑は水浸しの状態で大変でした。一方、炭焼き名人は里山フォーラムの際に焼いた炭の取り出しと窯の補修に余念がありませんでした。気になる炭の出来は、焼成温度が高かったこともあり前回よりも良かったようです。午後は道路を隔てた隣のモウソウダケの竹林で炭焼材料の伐り出しでした。いつも楽しみのお昼ですが、この日も生臭髭仙人のとんでもない活躍でおいしいアジのフライがいただけました。先日、同氏が森に現れ、差入れの芋をくれとのことで、わけのわからないままに手渡すと、後日アジになって返ってきました!? どういことかと尋ねると、敦賀の埠頭で泊まりがけで釣っている釣り仲間に、芋を差し入れてアジと交換してきたとのことです。この日のアジは特においしく、こんなに食べられるのかという量だったのですがおいしくいただいてしましまた。調子に乗ってしまい面々は、壁面に吊してある干し柿を差して、次はあれと交換はどうだろう、アジだけでなくたまにはイカもどうかなどとということになり、わらしべ長者を実践する勢いです。この日は参加者も週日の割には多く(スタッフを入れて25人)、少し肌寒い晩秋の活動日でしたが、和気あいあいとした内に終えることが出来ました。

第4水曜日は森の勤務シフトが振替休日で休園のため、翌日の木曜日に変更
12月25日(木) 週日活動森の居酒屋は12月10日 午後7時頃〜
12月13日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

 スタッフの詰めているセンターの壁に干し柿が鈴なりにぶら下がっています。これは大きな袋に2杯の柿を半日かけてFさんとYさんが剥いて下さった結果です。12月の活動日にはいただけそうです。そういえば柿は、アルコールの解毒に絶大な効果がありますので・・・・。
 10月、11月は森が一番賑わう季節ですが、今年も幼稚園(保育園)から高校まで連日利用申し込みがあり、10月だけでこうした利用者が3千人を越えました。そのほとんどに当方のスタッフが付いて様々なプログラムを実施しているわけですから、環境教育の実践については日本有数の施設であると言っても過言ではないと確信します。来年度以降は近江鉄道の新駅を利用する団体の増加を図る施策や効率の悪い作業体験学習を他の時期にずらしてより多くの子ども達に自然に触れる機会を提供したいと考えています。

火祭 コカリナ・コンサート

☆里山フォーラムと火祭☆

 11月16日に実施した里山フォーラムは、三重大学の前出健太郎君の見聞きした滋賀県周辺の里山保全活動の実態と、ボランティアとして二夏に渡って体験したアメリカ国立公園のボランティア制度や実際に従事した作業についての講演から始まりました。一口に里山保全活動と言っても実態は様々、活動内容も作業中心もあれば環境教育や森に入って遊ぶことに重点を置いた活動あるし、活動形態も行政との関わりが深いものから自治会や団体が独自に行っている活動もあるという具合です。一通り彼の講演を聴いて思ったことは、手前味噌ではありますが、遊林会の活動は保全活動から環境教育までととても幅が広く、女性の参加も多く、且つ今のところ順調に進んでいると言うことです。このところ大阪や兵庫、岐阜、福井、長野からと視察や体験が増えているのですが、充分、その要求に応えられているように感じます。国立公園のボランティアでなるほどと思ったことは、アメリカでは私有林のボランティアなど存在しない、それは所有者のすべきこと、国立公園は国民の財産であるからそのために労力を提供することは納税者として経費節減の観点からも当然のこという考え方です。この国では国の金は他人の金でいかに取ってきて自分たちだけのために使うかという考えが幅を利かせており、彼我の違いに少々悲しくなりました。
 夜の火祭では、火付け競争を企画、杉の薪2本にマッチ10本で火を付け、10分後にいかに大きな炎にするかという競争です。これについてはサクラになるべく遊林会のメンバーの数人が午前中に鉈で薪を削り小さな木片にして火を付ける練習をしていたのですが、飛び入りの家族に負けてしまいました。やはり、古狸の遊林会のメンバーは不器用で火遊びなどは出来ないようです。その後はおでんで中から暖めた後、ファイヤーサークルを囲んでコカリナ・コンサートでした。暗闇の中で炎を囲んでのイベントは少し寒かったのですが、木の燃える音、臭い、暖かさ、明るさを感じられて良い雰囲気でした。残念だったのは参加者が少なかったことですが、子ども連れの家族での参加も目立ちそれはそれでいいんじゃないという感じで、贅沢な催しではありました。

☆12月26日クリスマスコンサート☆

  恒例になりつつある弦楽四重奏コンサートですが、今年も湖東信用金庫さんの支援で一日遅れのクリスマス・コンサートを開催します。テーマはイタリア、これは山田親方の造っているピザ(ピザと言えばイタリア)窯の完成を記念してのことです。演奏者達は、通信のバックナンバーを読んで超スローペースで造られている窯が完成するのかと半信半疑なんですが・・・・。当方は、親方が主催しているイベント「石窯を使った料理教室」が12月14日に計画されているので、それまでには・・・・と思っています。曲目はクラシックのヴォルフのイタリアンセレナーデやロッシーニのセヴィリアの理髪師から曲、そしてイタリアを題材にした映画音楽などです。イタリア映画音楽と聞いて、ブーベの恋人や鉄道員はどうだろうと言ったのですが、ブーベの恋人は演奏者からも一人を除いてそんな映画知りません、鉄道員はナカジからポッポ屋がどうしてイタリア映画なんですかと言われる始末。ゴッドファーザーやロメオとジュリエットなどになりそうです(これってイタリア(製作)映画じゃないぞ!年寄りのぼやきです。)。間もなくチケットの販売を開始します。800円の予定です。

☆遊林会に寄付をいただきました☆

 この森の保全活動で知り合い誕生したカップルから結婚の記念にと5万円のカンパをいただきました。結婚直後にも義理のお母さんから、「婿殿の飲み分です」と過分の寄付をいただいていますので、K君には充分に飲んでいただかなければなりません。忘年会ではお祝いと冷やかしがてら、彼が寄付分を取り戻せるようにみんなで協力しましょう。ありがとうございました。

☆12月の作業日では忘年会を☆

  毎年12月には餅つきをして楽しんでおりますが、今年もやりたいと思っています。それに完成しているだろうピザ窯で熱々のピザも・・・・。お昼をいただきすぎた人のためには、ビデオを用意したりもしようかと思っています。
 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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