'03年11号 No.66

☆作業日あれこれ☆

3本支柱の撤去作業

 雨女・スーザンは惜しまれながらも10月(10/11)の活動日が最後の仕事となりました。嵐を呼んで目に物を見せてくれると言っていたのですが、さすがにパワー切れのようで穏やかな作業日和となり一安心です。まずは、早くもベテランの領域に達しつつあるナカジ指導員の秋の実り、種子についての観察会から始まりました。タコノアシ、ツルニンジン、タケニグサ(春にスミレのエライオゾームの説明をしてくれましたが、この種子にもあるとのこと)の解説に続いて、最後にドングリの種子散布について新学説を発表しました。ドングリは可愛い姿をして人間に拾われ、その生息域を拡大する戦略を持っているとの学説です。この通信でもかつて私が小さい頃、秋にドングリを拾い集めて庭先に埋めてしまうので、母の春の仕事は芽を出したドングリ抜きだったと書いたことがあり、まさにその通りだと思います。新学説誕生です。
 この日の作業は、タケを伐る竹林の間引き作業、ケヤキの林の草刈り(別名セイタカアワダチソウ退治)、屋外トイレ周辺のササの機械刈り、危険な枯損木の伐採とお昼の準備です。ケヤキの林の作業はセイタカアワダチソウの合間に埋もれているケヤキやエノキの実生苗の救出でもあるので、無闇に長刀モドキを振り回すわけにはいかず、細かい作業になります。竹林では、傘を差して歩けるような間隔にするための間引きで、伐ったタケはクラフト材料として使用します。枯損木の伐採は名人芸でチェンソーの達人達の領域です。この日は三連休の初めの日のためでしょうか、若い女性の参加が少なく、シニアの方々の元気さのみが目立っていました。参加者は40人程でお昼前に帰る人もおり、いつもより人数が少なく全員が作業小屋でゆっくりと食事をしました。一番奥のテーブルはいつもシニアのノンベィ達の指定席で盛り上がっているのですが、若い女性がいなくても今日も元気で、向かいの我ら中年男のテーブルでは彼等のパワーに圧倒されてひっそりと麦芽ジュースをすすっていました。
 10月22日、第4水曜日の活動日は夜半の雨もあがりなんとか作業ができると思って準備をしていると、雨が降り出すではありませんか。三平モドキが大声で「ボランティアで参加すると言っていた雨女スーザンに来るなと電話しなくては。」と言ったのですが、そんなところにスーザンが現れ、一同は雨の中の作業を覚悟をし、雨女の威力に脱帽したのでありました。今までは活動日にこんなに雨が降ることはなかったのですが・・・・。この天候のために予定していたセイタカアワダチソウ退治や竹林の間引きを中止して、雨の日メニューとせざるを得ませんでした。この日の作業は、炭焼窯の竹炭の取り出しと整理、後で詳しく書きますが先月号で触れた「森に4畳半の離れを」の材料にする草原広場やセンター周辺で樹木の支えをしていた長い支柱集めをしました。竹炭は炭焼名人によればまぁまぁの出来。金属音のする堅い炭で歩留まりもいつもより良かったのですが、名人は縦にして焼いた下の部分が充分に炭化せず生焼け状態なのに満足できなかったようです。(作業日以後も炭焼窯前で黙々と竹炭を整理する名人の姿を見かけました。) 支柱集めは長さ6m余りの樹木を支えていた3本支柱を解体して建築材料にするのですが、考えていた以上に大変な作業でした。時間の経過とともに各支柱は樹木の支えにはなっていなかったのですが、いざ解体しようと思うと支柱同士をくっつけていた釘がきっちりと効いていたり、根本が地面にめり込んでいたりして、ツルハシ、番線カッター、大きなバールなどを動員しての作業となりました。中でもキノコ博士に乗せられて、ナカジは背丈の半分以上もあるバールを手に4寸余りの釘抜きを全身を使ってすることになりましたが、翌日は背筋が痛いとぼやいていました。作業に従事するみんなの胸には、「離れ」の建設計画がそれぞれ去来しているようで、しんどいながらも楽しい作業でした。支柱撤去作業はまだ残っていますので、11月の作業でも実施します。

☆4畳半の離れの建設計画、その後☆

 10月号で提案した「離れ」造りは幸いに好評で、実現に向けて動き出し、材料の支柱を集め始めたのは先記の通りです。山田親方は市の建築指導課に出向いて相談、建築確認申請の不用な範囲での建築図面を考え始めました。トタン波板葺き合掌造りになりそうです。今後この「離れ」を隠居小屋と呼ぶことにします。炭焼き名人は隠居小屋が出来たら小屋にこもってゆっくりと良い炭を焼くんだとおっしゃっておりますし、これで家を追い出されても行く所ができたと言う声(誰やいな?)も聞こえております。

11月16日(日) 午後1時〜午後8時まで 「湖国ぐるり里山フォーラム」 & 「火祭」

11月26日 週日活動 森の居酒屋は11月5日 午後7時頃〜
11月8日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報☆

 去年は営業不振で売れ残ったサツマイモですが、営業努力の甲斐あって連日焼き芋(1個200円也)の注文が入っています。今年は不作で収穫が少ないこともあり、昨年のように売れ残ることもないでしょう。焼き芋の注文の入っている日には、スタッフは朝から夜露で湿ったファイヤーサークルで焚き火を起こさなければなりませんが、これにも技術が必要で今のところ山番さんの薪を縦に立て掛ける松本方式にはかないません。しかし何事もチャレンジ、特に人生の火遊びをどこかに置いてきたようなスタッフ達(複数形、人生を楽しみ苦しんできたクマとしては彼等の存在に心が痛みます!)が熱心にいかに上手に焚き火をするかを競っています。無事に火が熾っても、次は焼き芋にも技術が必要で、時には生焼けになったりして反省をしたりしています。その内、森では火遊び名人、焼き芋名人が誕生することでしょう。ナカジは、私が余りに火遊びと言うものですから、火遊びにはお寝小をする火遊び以外に別の意味があるらしいと、ある日、辞書を調べてにっこりとしていました。
 毎年、春の作業ではシイタケ菌の打ち込みを行っていますので、ほだ木が増加して活動日のお昼にいただくには多すぎる量のシイタケが収穫できるようになりました。そのことを見ておられた方が売ってあげようと声をかけてくださいましたので、渡りに船とお願いすることになりました。そう決めると、意地悪なものでなかなかシイタケが発生してくれません。今も沢山のつぼみを見つめながら猿蟹合戦の蟹よろしく、大きくならないと鋏でちょん切るぞという心境です。いずれは成長して遊林会の活動資金を少し潤してくれることでしょう。森ではいろんな形で活動資金を得るための工夫をしています。

珍しいタコノアシの紅葉(?)

☆エコステーションのその後のこれから☆

 近江鉄道の八日市駅と五個荘駅の間にこの森への玄関にもあたる新駅が出来るとの情報をかつて書きましたが、その後の詳細な情報がお伝えできていません。新駅は来年3月末に近江鉄道の協力、県の支援を得て、駅前広場の一部を残して八日市市が建設を終える予定です。この駅で降りると、田園の中の直線、1キロ余りの野道を歩いてこの森にやって来られます。連日森に環境学習や自然体験にやって来ている子ども達に可能な限りバスから電車に替えてもらうのはもちろんですが、それ以外に新しい森への訪問者を開拓する必要があると考えています。森を起点とした東近江ののサイクリングとレンタサイクルについては以前にもこの視点から書きましたが、ウォーキングについても魅力的なスポットを紹介して新駅を起点としたコースを提案する必要があると考えています。そうしたことが年間平均して新駅の利用者増を計ることになると考えます。地域の鉄道を残せと言うことは簡単ですが、利用者がいなければ誰かがこの経費を負担しなければ鉄道の存続はできません。現在、近江鉄道の経営は極めて厳しいと聞いています。遊林会では、新駅の設置に対してこの駅と近江鉄道を新たに利用する人を開拓して応える必要があると考えています。サイクリングコースやレンタサイクルだけでなくウォーキングコースも必要です。皆さん、魅力あるスポットを持ち寄っていろんなコースを造っていただけないでしょうか。情報はメールやファックスでも歓迎です。こうした作業をしても良いという人はもっと歓迎です。

☆スタッフの交替他☆

   事務職のスタッフは制度上、6ヶ月しか雇用ができずスーザンこと諏訪は10月の初めに田中と交替しました。この田中嬢(?)、姉御タイプ(実際に姉御です!)で、レンジャールームでは、三平モドキやナカジはお姉様の出現に戸惑っているようです。
 またこの秋から県社会福祉協議会や労働金庫の制度による研修生の派遣を3名受け入れており、活動日だけでなく環境学習などのアシスタントを務めていただいております。遊林会では、NPO活動に興味のある方を今後も研修生(無給)として受け入れます。大学生のインターンや卒業後のスキルアップを図りたい人(有給)も歓迎です。興味のある方はメールや電話で武藤まで連絡下さい。 

☆遊林会に寄付をいただきました☆

   某氏から快気祝いの一部を遊林会の活動資金にと20万円のご寄付をいただきました。氏によれば皆様から寄せられた病気のお見舞いは、自分が健康になって再び遊林会の活動に参加できるようにと寄せられたものでしょうから、こうして動けるようになったのでその一部を遊林会に届けることは皆様のお許しをいただけることでしょうとのことでした。遊林会では、氏からの申し出をありがたくいただき、隠居小屋作りの資金とさせていただく旨、伝えました。ありがとうございました。

☆11月作業日のお昼は?☆

   スーザン名コック長がいなくなった活動日のお昼には少し不安が残るのですが、いつものボランティアの方の応援は今後もあるので大丈夫でしょう。キリタンポを入れて里芋の芋煮なんかはいかがでしょうか、変更があるかも知れませんが。
 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ
この通信は、林野庁の「里山林のあらたな保全利用促進事業」補助を受けて発行しています。


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