'03年9号 No.64

☆作業日あれこれ

  この欄はこのところ悪天候の話題で始まるのが常ですが、今月は極めつけです。当初の予報では、夜の間に通過するはずだった台風10号が朝に西宮付近に再上陸、進路はこれから滋賀県を直撃するという有様で、作業日とまともにかちあってしまいました。しかし、そこは遊林会、夜間の強風で枯れ枝の飛来によるセンターの破損は気になりましたが、作業日のことについては悩むこと無し。中止の連絡など考えたこともないし、あるのかどうかの問い合わせもまずないからです。(幸いに台風によるセンターの被害は樋が少しへこんだだけで済みました。) 来る人が来るわいと考えていると、炭焼き名人が一番乗りです。青年部長も東京で求めたというクマモドキのフェルトの帽子を被り新人を伴って参加、実労部隊では最年少(この春大学生に)のH君も父親と参加です。しかし、これから台風が通過するので、森の見回りや作業も天候が落ち着いてからにしようと、午後の予定を繰り上げ1953年制作の映画、「雲流るる果てに」を鑑賞して台風をやり過ごすことにしました。横道にそれますが、この映画、学徒動員で招集され特攻に志願せざるを得なかった若者達が主人公の映画です。職業軍人達からは、純真な彼等学徒兵が消耗品として扱われる何ともやりきれない内容です。映画の中には八日市でロケが行われましたから東の鈴鹿の山並み、西の箕作(ミツクリ)山が随所に写っていましたし、在りし日の陸軍飛行場の有様が想像される場面も多々ありました。
 この日の昼食は、参加者が少ないので水曜日の感じだねと話しながら、芋茎(ズイキ:里芋の茎を皮をむきお酢で調理したもの)や苦瓜をおいしくいただきました。食事の後は、台風も富山付近へ抜けており、予定していた作業メニューを中止して、台風の後片づけです。観察路を塞いでいる倒木やタケをはじめ、多くの枝があちこちに落ちており、これらの整理です。風で傾いて伐り倒さなければならない木もあるのですが、倒し方が難しく、先送りにせざるを得ない物もあり、これからの作業でも台風の後始末が必要かと考えていると、後日、スタッフがロープで引っ張りながら伐ってしまいました。全体では予想していたよりも台風の被害は少なく助かりました。

学生との交流会でご機嫌の名人達

 第4水曜日は前日の雨にもかかわらず、ようやく晴れの日の作業になりました。この日は明治大学倉本ゼミの学生10人と倉本氏本人も参加してにぎやかな作業でしたが、特にベテラン諸氏は女子学生が多かったせいか大ハッスルのように見えました。こうした異年齢の交流が遊林会の活力です! 作業内容は台風通過のためにできなかった越境タケの成敗、ササの機械刈り、タケ抑えのためのソバ蒔きです。植えたソバより収穫できるソバの方が少ないという畑ですが、今年の結果はいかなることや。そうそう、2ヶ月に渡って改修中だった炭焼き窯にも火が入りました。名人は8時前より駆けつけて我々が来た時には既に点火済みで、新しくした焚き口の塩梅や炎の上がり方、温度などをチェック中でした。いつもありがとうございます。ササの機械刈りは一番危険ですので、ベテラン勢の作業になりますが、一人だけ女子学生が志願しました。ベテラン勢はみんなで極めて親切に機械の使い方、安全に対する注意をしておりました。キノコ博士からは、この日、森に発生した見事なマンネンタケ(霊芝:ガンに効くらしい)を乾燥し磨いて展示物として持参されましたが、ソバ畑組でしたので「俺のこっちゃないで」との発言が聞こえて来そうです。越境タケ成敗組の三平モドキ隊長は、家来の学生を従え、長刀モドキを手に山賊のような有様で現場に向かっていきました。いつも楽しみの昼食は内容がどんどんエスカレートしており、20人程度全員が集めて大きくしたテーブルに向かって食べる水曜日の昼食を楽しみにされている方が増えています。この日もベテランに好まれるヘルシーメニューで、サツマイモの蔓のキンピラやカボチャの煮付け、北海道から直送のサケのムニエル、イクラの醤油漬けなど色とりどりの内容でした。

☆芋掘りと焼き芋

今年も森の隣の建部北町の圃場でサツマイモを育ててもらっています。この天候で作柄が心配ですが、焼き芋には余り大きくならない方が焼くのに都合がよいと考えることにしています。サツマイモを植えてもらおうと考えたのは、まちの人達に芋掘りと森の木を使った焼き芋を体験してもらい、遊林会活動の資金も得ようと考えたからです。今のところ赤字ですが、その内に大きな収益源に育てたいと思っています。来シーズンは近江鉄道新駅が利用できますので、この点でも大津方面や彦根などの方々にPRしなければと考えています。皆様の口コミも期待しています。

第4水曜は、振替休日のため9月25日 週日活動 森の居酒屋は9月10日午後7時頃〜
9月13日(土) 午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

3年目になる夏休みの子ども向けの教室は、申込受付開始当日午前中に満杯となってしまう程の盛況です。しかし、小学生全学年が対象となっており、もう少し対象学年を絞ることや特定の子どもばかりが受講できる方法を改める必要があるかも知れません。依然、こうした教室には高学年の生徒の申し込みはほとんどありませんが、何年かすれば低学年の時の受講生が高学年になっても申し込むのではと淡い期待もしています。ところで一番人気の教室はなんだと思います? それはクラフト教室で、森のタケを使って箸や鳩笛などを作ります。
 一方で毎週問題を10問考え、スタッフが苦労した「誰でもいつでも参加できるクイズラリー」は天候のためでしょう、昨年よりは多かったのですが、もうひとつでした。リピーターや夢中になる親子は多いのですが、森に来る子どもが雨で少なく新しい参加者が予想よりは少なかったのです。今年の夏は集客面で考えると厳しい状況でした。 

☆学生合宿

 明治大学の倉本助教授には、この森の保全の必要性を訴える97年の河辺林シンポに際して、都立桜ヶ丘公園での里山保全活動の取り組みを紹介していただいて以来、お世話になっています。今回、里山に関して興味を持つゼミ生(3回生7人、修士3人)が多いので、一度作業にも参加したいとの申し入れを受けました。もちろん大歓迎で、雑魚寝で良ければセンターも開放しますよと申し上げたところ、雑魚寝を選択、2泊目にはセンターの裏にあった釜で、倉本氏自ら学生諸君とともに薪で焚いた風呂を浴びてご機嫌でした。しかし、宿泊用には設計していませんので、レクチャールームの堅い床に寝ることになったりして気の毒ではありました。それでも作業や交流会を通じて、手前味噌ながら学生諸君にも得る所があったのではと思っています。願わくはこうした学生諸君には、活動の下準備の段階から参加してもらって、スタッフの経験もして欲しいというのが当方の希望です。これからも可能な限りこうした申し入れを受け入れるつもりです。しかし、先日、作業にだけ参加して里山保全活動をまとめようとしているように感じた学生からの電話についつい苦言を呈してしまいました。マルは電話に出たのがクマで気の毒だったと学生に同情しています。この森での活動は、今では設備に恵まれており、作業小屋やトイレなどの施設があればどこででもできる活動と思われる心配があり、施設整備前の活動や細かい配慮、活動の目指す方向などを学んで欲しいと考え熱くなってしまいました。(反省!)

☆森を出発点にサイクリング、その3

 ようやく2回書いて、サイクリングに2件の反応がありました! 賛成とできることがあれば協力しますとの内容です。後は中心になって事を進めてくれる人が現れないかと虫の良いことを考えています。まだこのこと、諦めてはいません。

☆炭焼き窯改修とピザ窯製作

 昨年の1月から制作して3月に完成、それからほぼ毎月火入れをしてきた窯ですが、今年の5月の炭焼きで密閉した後、前面から煙が吹き出してしまい、炭焼き名人はその場は応急措置で乗り切りました。完璧主義者の名人は、その後、窯をチェックして改修計画を立案、こつこつと作業を始められました。設計者の浦田氏から前面の耐火煉瓦を二重にするように言われていたのですが、トンネルのように奥深くなる焚き口を嫌って一重にしていたのです。やはりこの面に問題が生じてしまい、改修計画の中で名人は、前面を断熱材と耐火煉瓦を使って二重にすると同時に窯の内部の角や目地の手入れをして、より熱効率の良い窯を目指しました。来る日も来る日も改修作業を重ね、お盆過ぎにようやく完成しました。今回の改修により熱の逃げる部分が少なくなり、焼き上がり時間がより短縮できるのではと考えています。間もなく結果が出ます。

ピザ釜製作の現場、もうすぐ亀甲墓状態

 その一方でもう一人、こつこつと作業にいそしむ人物、それは山田親方ですが、変則勤務の合間を縫ったり、休日の時間を利用してピザ窯の制作に余念がありません。最初は何が出来るのかと誰もが首をかしげていた代物も、最近では説明を聞けばようやく納得できる形をとってきました。(最初は地蔵さんの台、次は墓石、現在は沖縄の亀甲墓という感じですが。)本人は10月には完成しなければとプレッシャーを感じているようですが、耐火煉瓦の一枚一枚にレベルを確認しながらの作業は想像を絶する時間を要し、年内完成かなと秘かに思っています。 

☆9月の作業日は、要注意 

 9月の第4水曜日は、センターは秋分の日の振替休日に当たりますので、翌日の木曜日(25日)に週日活動を実施します。
 9月の作業は終日です。今年の天候は異常ですので、暑いのか涼しいのか想像も出来ませんが、身体に気を付けて頑張りましょう。8月に予定していた作業が台風のためにできませんでしたので、ササの機械刈りや越境侵入したタケの除去がメインになりそうです。

  汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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