'03年3号 No.58

☆作業日あれこれ

作業の様子・柵づくり

 2月の活動日の天気は過去に二度大きく崩れたことがあり心配していましたが、8日の活動日は大丈夫でした。この日の作業は、萌芽更新区域の伐採、竹炭用孟宗竹の伐採、落ち葉かき、柵作り、昼食作りでした。萌芽更新区域で立木の伐採は、腕自慢の男性陣が集まり、予定していた区域の木はほぼ伐採されました。今回伐採した区域と、二年前に伐採した区域は隣り合っており、見比べると自然の成長力に感心させられます。萌芽更新区域から道を挟んだ反対側では、落ち葉かきをしていました。落ち葉かきの作業が3ヶ月みっちり続いたのはたぶん初めてのことですが、その作業のリーダーを3ヶ月続けたK氏の執念もあったのか、落ち葉かきエリアは、これまで一度もたどり着けなかった所まで広がりました。そこでキチジョウソウの群落が見つかりました。赤色の実がなんともきれいです。落ち葉かきは、いつも女性中心で作業していますが、これがなかなか重労働。袋一杯に落ち葉を詰めると男手でも一人でもてない程。「重いですね」と思わず井上が口にしたところ、1月も作業されてた女性から「先月は前日が雨やったから、水を含んだ落ち葉はそんなもんじゃなかったで」と、返事が返ってきました。今年度修復した柵の高さは一番低いところの高さが140cmと、女性にしてみると(実際には男性にとっても)高く、柵に入れるのもかなり苦労するようでした。柵作りの作業は地味な感じがするのかあまり人が集まらず少人数での作業でした。柵の使い勝手については、先のような話をちらほら聞いていたので、今回は約2m四方、柵の高さは120cmと小型化を図りました。設置場所は、野鳥観察壁から奥に入ったところです。落ち葉が溜まっていない今は、最前線の野鳥観察壁という雰囲気です。実際に入って双眼鏡を構えると...良い感じです。切った竹を縦向きに使うと(写真)節に水がたまって蚊の発生源となってしまうので、それに対処することを考えないといけません。後日、柵の様子を見に行くと、しっかりと水は溜まり、そこに(蚊やら蛾やら)小さな虫が落ちていました。蚊の発生源になるという話に、非常に納得のいく光景でした。水対策として、今回は、節の所に水抜きの穴をあけようと考えています。手間ですが、美しさ(!)と強度を保つにはどうしたらいいか、頭をひねってのアイデアです。もっと良いアイデアがあればぜひ!炭窯の中にある炭は後日のイベント時(裏面)に窯から出すので、この日は材料の準備。道路向かいの林で、モウソウチクを伐りました。しっかりと地際で伐りって節は割りました。
 この日の昼食には、一度みんなに食べて欲しかったと語るW氏の手作りこんにゃくが登場。こんにゃくは氏が丹誠込めて5年育てたいもで、豆がらの灰からの灰汁(アク)で固めた、どこにも手抜きのない絶品。柚味噌をつけて食べると箸が止まりません。豚汁には松本さんが黒大豆で作った手作り豆腐−皮を入れると黒っぽくなるので、皮を剥いてからつくるという手の込みよう−が入っていたのですが、これも絶品。そして、お昼休みにはついにクマさんが冬眠から目覚めてきました。詳しくは裏面を。
 26日の活動日は、炭出し・炭材入れと、モミジの林で切り倒されたままになっていた伐採木の整理をしました。昼食ではヨモギの天ぷらが顔を見せ、また、鉢植えの節分草(セツブンソウ)を持ってこられた方がいて、いろいろなところから、着実に春が来ていることを感じます。

☆急告!森から考える福祉フォーラム
 最近、「豊かな自然のなかで福祉を」という動きがあり、里山の中に福祉施設をつくるなどの事例が出てきています。河辺林である河辺いきものの森は平地林でもあり、保育園の子どもたちから老人ホームの方、車いす利用の方など多様な皆さんの利用があります。
 そこで、「自然環境と福祉の融合」について、知見を広め、望ましい方向を考えようと、
 
3月2日(日)13:30〜17:00
「森から考える福祉フォーラム」
を開催します。NPO法人 赤目の里山を育てる会代表 伊井野雄二さん(1月に赤目の里山の中でデイサービスを始められました)に話題提供して頂き、その後滋賀県内の環境系と福祉系のNPOを交えてのパネルディスカッションを行います。場所はネイチャーセンターです。申し込み不要、定員は先着60名です。

3月26日(水)週日活動 森の居酒屋は3月5日午後7時頃〜
3月8日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

食べ頃を少し越えたフキノトウ

 今月に入り、鳥の窓への激突が頻繁に起こっています。激突する鳥は、窓に反射する空を本当の空と勘違いするのだそうです。鳥が激突した窓を見ると、確かに勘違いしてもおかしくないぐらい空がきれいに映っていました。今月の激突の記録は、アオジ2匹(死亡)、シロハラ1匹(気絶)、スズメ1匹(飛べず、保護していたが後日死亡)。このまま放っておいては被害者が増える一方だろうと、ひとまず、鳥が窓の存在をわかるように、数種類の草を窓の外にぶら下げたり、タカのシルエット状に切り抜いた黒画用紙を窓に貼ったりしました。さて、これらの効果のほどはいかに?

☆森の連続講座

 さまざまな視点から里山を斬ってきた里山七彩。次回が、今年度の最終講座となります。第7回目の講座は、
3月14日(金)17:30〜19:00
講師 井上 真 先生(東京大学教授)
テーマ「アジアの森と人」です。
 先生は、東南アジアの熱帯雨林研究の第一人者で、また、国内の森林の現状調査をされているときに、一度この森に来られたこともある先生です。夕方、なかなか来づらい時間ですが、ぜひともご参加下さい。

 

☆炭を利用した水の浄化体験

 先月の通信で少し触れましたが、県の工事で伐採した竹を森の炭窯で焼き、できた炭を八幡川の浄化に使い、これを子どもたちの学習に利用するというイベントが2月15日行われ、炭焼きに関する作業をするために、大勢の親子が森を訪れました。一日で炭焼きの作業を全てすることはできないので、炭出し、炭材詰め、火入れを体験するプログラムで、その指導は炭焼名人にして頂きました。窯から炭を出すところでは、質の良い炭は家に持ち帰り使うことになっていたので、割ったり、叩いて音を聞いたり、親子で真剣に品定めしていました。その後で竹の束を詰めて火入れ。普段、こういう形で火を使わないからでしょう、焚き口から吹き出す火に、みんな釘付けになっていました。お昼に出した焼き芋は今回も大好評でした。子どもたちが大勢来るイベントは、2月はこれだけでしたが、森には元気な子どもたちの姿が似合います。

☆「森のガイド入門講座」を始めます!

 以前から「この森の事をもっと知りたいし、知ったことを人に伝えたい時もあるけど、どんなことをどんなふうに伝えたら良いの?」という声がありました。これに応えるべく「森のガイド入門講座」を行うことにしました。今後、季節ごとに数回実施していく計画です。
 第1回は3月16日(日)10:00〜16:00です。午前は森のスタッフが講師をつとめ、いつも来訪者にどんな案内をしているのかを実際に行い、ポイントを整理します。午後は京都の高田森林緑地研究所・高田研一先生を講師に迎え、「森の見方」についてじっくりとお話しを伺います。高田先生のお話しは、学者的な難しいものではなく、実際の森の例などを見せて頂きながらわかりやすく説明して頂け、しかも奥が深い内容です。
なお、この講座は定員20人で、事前に申込が必要です。お申し込みはネイチャーセンターまで。資料代として300円程度頂く予定です。

☆森の外でのイベント

 3月に開催される世界水フォーラムへポスターを出展しました。今年の秋にマキノ町で開催される全国雑木林会議のブースにです。内容は遊林会のパンフレットに最近の活動の様子の写真を組み合わせたものなので、活動に参加されている人には目新しいものではないかもしれませんが、遊林会を初めて知る人に、活動の雰囲気をわかってもらえるようなものができたと思います。ピアザ淡海で3月19日〜21日の間展示されます。水フォーラムへ足を運ぶ予定がある方は、雑木林会議のブースへもどうぞ。

☆冬眠から目覚めたクマさん情報

 河辺の森のクマさんが、ついに冬眠から目覚めました。5ヶ月ぶりに活動日に姿を表したクマさんが、活動日の翌日にホームページの伝言板へ書いた書き込みを紹介します。
 「妖気(陽気)に誘われるように森に出かけてしまいました。病魔の中で森に戻れることを疑ったことはありませんでしたが、やはり戻れて感激です。いつもと同じように多くの人とにぎやかな活動がそこにありました。嬉しい事実です。いつもの昼食時間のスピーチ、当たる側になったのは初めてでしたが、5ヶ月近く人前でしゃべることから隔離され、アルコールも入っていない身には応えました。後遺症のために手足はなかなか動きそうにありませんが、口と酒だけは回復するだろうと信じております。おつき合いをお願いします。」

☆3月の作業日は

 これまでの作業でしっかりとホダ木が確保できたのでキノコの菌打ちをやります。竹の札と、札かけを作ったのが昨年の3月、来年度分の新しい札も作りましょうか。昼食のメニューは、旬の素材どう調達して、どう調理しようかと山川が頭を悩ませています。

汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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