'03年1号 No.56

☆2003年の抱負

 例え話ですが、1時間に軽トラ10台分の薪を生産できるが1年で自然消滅してしまう活動と、1時間に軽トラ1台分の薪しか生産できないが20年以上続く活動があるとするならば、遊林会が目指すのは後者の方だと思います。2003年6月で遊林会活動は丸5年を迎えますが、スローペースでもよいのでこれまでと同様に「自由に楽しく」活動を続けていきたいものです。
 11月に行った里山フォーラムでは、活動10年を経た横浜市の団体に講演して頂きましたが、遊林会が5人で始まったのと同様に、この団体も始まりは数人でした。現在では膨大な会員数と非常に組織的な運営が行われていますが、活動丸5年を迎えるにあたり、遊林会でも一度こうしたことをじっくり話し合ってみるのも良いかもしれませんね。もちろん飲みながら…

☆作業日あれこれ

14日の作業メニューは、モウソウチクの伐採、タケ炭材づくり、アラカシなどの伐採、落ち葉入れの柵づくり&落ち葉かき、昼食作りでした。モウソウチクの伐採は、今回初めていきものの森の外に出て、お隣の森にある松本さんの竹林のものを伐らせていただきました。モウソウは太い!ハチクの2倍かと思うくらい太く、竹を割るのに下手をするとナタの方が欠けてしまいそうです。竹を伐り倒して運び出し、竹炭用に90cmに切って、割ってとかなり大変でした。また先月半分まで伐られたクヌギ(林冠トレイルすぐ脇)が木登り名人によって2mまで伐られました。2mの高さで伐ったのは、これから新しい芽(ひこばえ)が出るかも…という実験の意味があります。また、その後もモミジの林でモミジへの日照確保のため、コナラに登ってチェンソー片手に木を上から順々に切り落としていくという名人芸をたっぷりと見せて頂きました。野鳥観察壁の近くのアラカシも除伐して、昨年より野鳥の姿が観察しやすくなりました。
 昼食には年末恒例となった感の餅つきをしました。市長さんにも手伝ってもらったつきたてを、おろし醤油や汁物に入れて食べました。この日初参加の小学生(北小4年生の総合学習(先月号参照)締めくくりとして遊林会の活動を紹介したところ参加してくれました)が「おいしい」を連発し、残りもののお餅までしっかり食べていました。小学生達は木を伐ったり、落ち葉掻きをしたりして、たっぷりと作業をしてくれました。またこの他にもベトナムからの留学生や、単身赴任で神奈川県に行ってしまったNさんが新幹線で来るなど、多様な顔ぶれでした。
 第4水曜日の活動日は前回と同様、隣の森のの竹林の伐採と竹材作り、炭焼きでした。相変わらずモウソウチクは堅く、メンバーからは「2、3日したら筋肉痛が来るぞ」との声も。また炭窯は今年3月の初火入れから、通算10回の使用を重ねました。3時には少し早めの年越しソバを食べて、無事2002年の活動を終えました。

☆森のクリスマスコンサート

プロと夢?の共演

今年5月も好評に終わった、リチェッタ・ムジカによる弦楽四重奏のクリスマスコンサートが23日に行われました。チケットはかなり早い段階で売り切れてしまう程の盛況ぶり。ビバルディの四季「冬」から始まり、クラシックからクリスマスの定番曲などアンコールを含め、10曲を超える演奏がネイチャーセンターに響き渡りました。
最後の曲はレオポルド・モーツァルトの「おもちゃのシンフォニー」で、遊林会メンバーら11人による伴奏が加わりました。伴奏にはお手製の竹で作った笛3種などの楽器が使われ、賑やかさが際だった演奏になりました。今回の曲は遊林会にも参加するビオラ奏者の清水さんが活動日参加のおりに、竹製のカッコウ笛(子供の工作で今年もよく作りました)を見つけ、「これを使ってあの曲を!」と思いつかれたそうです。楽譜を初めて見たときは「絶対無理だ」と心の中で思ったりもしたのですが、練習を重ね、何とか本番の演奏に間に合いました。結局、本番は練習のかいもむなしく頭が真っ白になり、客席からは「演奏者は笑ってるのに、遊林会のメンバーは引きつってたよ」と大好評?でした。
 来年も、このような気軽に参加できて「本格的」な中にも遊林会らしさのある企画を是非やりたいと思っていますので、皆様方のご支援とお越しをお待ちしております。

1月22日(水)週日活動 森の居酒屋は1月8日午後7時頃〜
1月11日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

☆河辺いきものの森情報

雪の森と落ち葉工作

 初冬のイベントとして、昨年も来ていただいた水野政雄さんご指導の下、落ち葉や木の枝を使っての工作教室が行われました。朴葉を使っての顔作りから始まり、落ち葉の魚(一部ネイチャーセンターに展示してあります)を作り、森の木々に貼り付けました。なんとも言えない味がでて、良い雰囲気でした。そしてキツネ、ウサギ、フクロウなど、子供も大人も思い思いにいろいろな形を落ち葉で作り、お気に入りの作品を持ち帰りました。最後は水野さんお得意の紙ヒコーキやサンタクロースを折り紙で教えて頂きました。別れ際には子供一人一人に切り紙でカブト虫やちょうちょを作ってくれるというサービス付きでした。次々と出てくる手品を見ているようで、3時間という時間も過ぎてみればあっという間でした。
 26日は河辺の森に雪が積もりました。部屋から森をみると一面真っ白の銀世界です。丸橋は早速カメラを抱えて森に行ったようです。これが届く頃には雪は残っていないかもしれませんが、雪が積もった森もまた格別ですよ。

☆連続講座いろいろ

 12月の里山七彩は、7日に第4回目が「福祉と環境の融合」と題して、愛知県長久手町「ゴジカラ村」代表の吉田一平氏にお話し頂きました。吉田氏は、子どもの頃から慣れ親しんだ地元の雑木林を残したい、という一心から森の中で幼稚園や特別養護老人ホームなど福祉関連の施設を運営されています。ちょっと聞くと施設の周りに木があるのかと思いきや、さにあらず、まさに施設が木をよけながら森の中に共生しているという感じです。木々の持つ癒しの力と魅力を最大限に活用した施設運営が非常に参考になりました。河辺の森の持つ潜在能力の高さや今後の活用方法の検討にも参考になる運営でした。
 20日は草刈り十字軍の創始者の足立原 貫氏に「身近な環境保全と市民活動」と題してお話し頂きました。造林地への除草剤空中散布に反対して始められた、草刈り十字軍も来年30周年を迎え、益々盛んに様々な活動を実践をされています。草刈り十字軍はあくまでも活動の一環であり、「人が土に根付いた生活」が根本なんだという思いがよく伝わって来ました。足立原先生の人柄と「言葉より実践」「継続は力なり」を実感する大変迫力のあるお話しでした。
 今回のお二人は両方とも自分の信条を実践する活動家であり、その意志の強さを惚れ惚れと眺めていました。ただ、眺めているだけでは意味がありません。この森でも反映させていきたいと考えています。
 また、主に教師を対象とした森の環境学習講座では、8日に京都たかつかさ保育園の藤井修先生に「子供と自然」をテーマにお話し頂きました。「育った自然が原体験になる風景を」ということで保育園に木や植物を植えておられます。木を植えすぎて運動会がやりにくいと苦笑しておられたのが印象的でした。
 22日には辻田良雄先生に「ネイチャーゲームの実践ととらえ方」について、実演、お話しをしていただきました。午前中はネイチャーゲームを体験、午後からは参加者自らが問題作りに挑戦し、いかにして子供達に森を楽しんでもらうか、に頭を悩ませていました。
 次回の里山七彩は1月25日(土)13時30分より、テーマを「生物多様性と市民活動」として東京大学教授、鷲谷いづみ先生にお話しをしていただきます。また、教師向け講座は1月18日(土)13時30分から「たんけん・はっけん・ほっっとけん」として蒲生野考現倶楽部の井阪尚司先生にお話しをしていただきます。この講座は事前申込みが必要です。お問い合わせ・お申し込みはネイチャーセンターまで。

☆武藤さん情報

 2週間ほどの仮退院中には森にも足を運んでいた武藤さんですが、内科治療のため12月に入って再入院し、手術は無事成功しました。しばらく療養が必要ですから、退院にはしばし時間がかかりますが、回復は順調とのことです。以下ホームページの書き込み(12月7日)を紹介します。
「…こうしてインターネットにアクセスできるのも数日となりました。またしばらく療養生活です。今の時間、森では「里山七彩」が開講されています。直前まで受講しようと考えていたのですが、風邪気味で取り止めました。来年の井上氏の講座はなんとしても受講したいものです。では、皆様、良きお年を。」

☆1月の昼食は、どーんといきます

 新年初めての作業日ですから、何かどーんとお腹が一杯になるものを考えています。お腹が一杯になるといえばお餅?そのころは見るのもいやになっているかも知れませんが、鏡餅が余っているといる方差入れをお待ちしております。

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします!

☆今月号は・・・

 武藤さんのいない間通信を書いていた井上がちょうど修行の旅に出てしまい、今月号は森のスタッフ総出で通信を書きました。文体がバラバラですが、ご容赦のほどを。

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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