'02年12号 No.55

☆作業日あれこれ

吉事のしるしキチジョウソウ

 第2土曜日の活動日は久しぶりの雨。冬型の気圧配置で、気温は低く−鈴鹿山系では積雪有り。綿向山の頂上は50cm(!)の積雪−強い雨が断続的に降るという悪天候で、「今日は作業、無理かもなぁ」とセンタースタッフが顔を見合わせる中、いつもの顔がちらほらと見えだしました。ちなみに昼食時に人数を数えたところ、この雨の中、なんと28人もの参加が。人が出てきたら活動するのが遊林会。準備していたメニュー通りの作業ができたのは、屋根があることで天候に左右されない炭焼きで、今回は杉が窯に入れられました。雨具持参組は外でできる作業をと、高校生の体験学習で集めたままになっていた杉の丸太の整理を行いました。これは長さ数メートルの丸太を、薪割り機にかけられる長さ50cmに刻み、薪割り機のそばへ運び積んでいきました。雨具をどろどろにしながら、かなりの丸太を刻みました。雨具が無い組は屋根の下でできる作業をと、以前の活動や体験学習などで90cmの長さに切ってあった竹を割る作業を行いました。今回の炭焼きで、次に詰める材が無くなったのです。あとは活動を支える昼食準備で、この日は、炊き込みご飯、かもうりを上品に炊いたもの、おでん、焼き鳥、朴葉味噌でした。人数が少ない分、腹が割れんばかりの量がありました。午後からの作業は悪天候のため中止でした。
 好天ならこの日の夕方は、翌日の里山フォーラムに向けて素焼きの植木鉢を焼くはずでした。「午後からの作業が無くなったんやし、せっかくやから焼いてみようやないか」と、焼き鳥・朴葉味噌を焼いた後のバーベキューコンロを使い、植木鉢を焼き始めました。はじめのうちは要領がわからず、乾燥の作業をしっかり行わなかったものは破裂したりしましたが、しっかり乾燥させたものについては、真っ赤になった炭で囲んでやると、白く輝きだし、しっかり熱が通っただろう、と思ったところでコンロから取り出すと、きれいなうす茶色に焼き上がった植木鉢ができていました。「これは七輪陶芸ならぬ、バーベキュー陶芸として売っていけるんとちゃうか」などと話しつつ、十数個の植木鉢を焼きました。焼いていない植木鉢はまだたくさん残っています。なかなかおもしろいので、興味の有る方は是非一度焼いてみて下さい。(要事前打ち合わせ)
 第4水曜日の活動日は、前回焼いた炭を窯から出し、古くなった竹の柵を作り替える作業と、炭焼き用の竹を確保する作業を行いました。炭はかなり上質のものが焼けたようです。柵はしっかりと作り直されたので、これからの落ち葉かきの季節も安心です。炭用の竹は、かなりの量を用意できたのですが、まだ一回の焼き分に達していません。割ると本当にかさが減ります。

☆里山フォーラム

 11月10日は里山フォーラムが行われました。話題提供者として来て頂いた、横浜市の舞岡公園をボランティアで管理している「やと ひと 未来」の小林哲子さんに話して頂きました。都市の中に浮かぶ島のように存在する森ということで、常に周りの人口圧にさらされていることから、森にあるものは枝の1本についてまで「宝物」だと認識されている(枝の一本でも採取を許可すると、あっという間に取り尽くされる恐れがある)ことや、30haの面積に(いきものの森は15ha)年間で延べ2万人が(同じく約1500人)活動に関わるので、作業ごとに部会が作られ、組織的に運営されているということ、活動の後継者を育てるための充実したカリキュラムの講座を運営していることなど、興味深い内容をたくさん聞かせて頂きました。小規模な活動が多い県内の活動団体にとっては、ある意味で刺激のある内容だったと思います。

☆森のクリスマスコンサート

 今年も、大阪センチュリー交響楽団のメンバーによる室内楽、弦楽四重奏のコンサートを行います。12月23日(祝)16:30開場、17:00開演です。チケットは12月1日より受け付け開始で、料金500円、定員80人です。これまでのイベント申し込みのペースを見ていると、すぐいっぱいになってしまいそうなので、参加希望の方はお急ぎ下さい。子供さんのお申し込みについてはコンサートマナーを守れるというのが条件です。お申し込みは下記連絡先・ネイチャーセンターまで。

1月23日(水)週日活動 森の居酒屋は12月11日(水)午後7時頃〜
12月14日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(丸橋)090-3352-3163
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

★河辺いきものの森情報

北小4年総合学習発表会

 ある日から、最下流の水辺にカワウが姿を見せるようになりました。小魚たちに気がついたのでしょう。様子を見ようと近づいても、ふてぶてしいもので全然逃げるそぶりを見せません。かなり近づくと、水の中に逃げ、水中をすいすいと泳いで行ってしまいます。このままでは小魚がみんな食べられてしまうということで、フォーラムの日の夕方に、魚の隠れ家となるようアラカシの枝葉の部分を水につけておきました。さらに、カワウを数人で脅かしたところ、以来そのカワウは来なくなりました。ひとまず水辺の魚は大丈夫そうです。
 5月より試行錯誤しながらやってきた、北小4年生の総合学習授業の最後を飾る授業が11月8日にありました。「森の博士になろう」と始まった授業は、ネイチャーゲーム、地図作り、工作などなど、子供たちが森の魅力を感じてくれるよう、これまでいろいろと頭をひねってきました。最後の授業は、子供たち主催で保護者の方々に森を楽しんでもらうイベントを開催するというものでした。この発表会は県の総合学習のモニタリングに選ばれる(県内で2校、その1校に)という栄誉にも預かり、この森を教育面の利用について大きくアピールできたと思います。しかし何より、参加した子供も保護者も本当に楽んでいたのが良かったと思います。
 23日はライオンズクラブの人たちが、竹切りの作業を行いました。若い頃はみなさんが日常的にされていた作業ということもあって、非常に手際が良く中高生の作業を見ているのとは全然違う安心感がありました。この日に伐採された竹は、これから炭焼きや工作などにつかっていく予定です。この日の午後に、林冠トレイルが囲んでいる枯れたクヌギの枝伐りで、木登り名人にたっぷりと職人技を見せて頂きました。

 

★開講中の連続講座

 11月8日の里山七彩 第2回目の講座では、テーマ「水辺の環境保全〜魚の目線から〜」で岐阜経済大学助教授 森誠一先生に話していただきました。自然を守るには、まず対象をよく知ることが必要、そして生態学的な知識なども必要になるが、対象についてカワイイと思う感情をもつとか、そういう根本が無いと続けていけないのではないかと語られました。森については非常に興味をもたれて、また明るいときに来てみたいとのことだったので、先生の話を再びこの森で聞くことができるかもしれません。
 第3回目の講座は22日、テーマは「身近な環境の移入種」でジャーナリストの平田剛士氏に話して頂きました。移入種というと滋賀県では「琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」に「バスやギルなどの外来魚のリリース禁止」が盛り込まれていることで注目を集めていますが、そのことにも触れられ、効果があるかをしっかりと調査しながら対策を行っていくことが必要であろうと語られました。
 次回は12月7日(土)14時より、テーマを「福祉と環境の融合」としてゴジカラ村代表の吉田一平氏にお話頂きます。

 主に教師を対象とした森の環境学習講座の方は、17日(日)に「イヤーゲームの実戦 その2」が行われました。次回は12月8日(日)テーマ「子供と自然」で京都たかつかさ保育園の藤井修先生に来て頂きます。この講座は事前申し込みが必要です。詳細問い合わせ及び申し込みはネイチャーセンターまで。

★武藤さん仮釈放

 遊林会のホームページをごらんの方は既にご存じだと思いますが、武藤さんが退院しました。以下、本人の書き込みを紹介します。 「皆さんにご心配をおかけしていましたが、11月23日に仮釈放になりました。その間、様々な形でご支援をいただきありがとうございました。しかしながら、整形外科のお務めは済んだのですが、そもそもの原因となった内科疾患の方が頸椎損傷のために充分な検査ができず、再度、収監されそうです。そんなわけで復帰には、今少し時間がかかりそうです。収監されるまでの間、あちこちで目撃されそうですが、本人はこうしたこともリハビリの一環として取り組んでいますので、今少し、野に放した状態にしてやってください。
 追伸:仮釈放前にアルコールの大好きな内科医に酒を飲んでも良いかと尋ねると「いいですよ、飲み過ぎると血を吐きますから気を付けて。」、家人にこの話をして飲んでいると、「よく、どうしようもない患者が、仮釈放はひどくなる前に少し娑婆の空気を吸いに出されるようなもの、酒を飲むのが認められているのは積極的に治療を施しても無駄な症状だから。」と解説していました。なるほど、うまいことを言うなと感心していますが、間違いなく職場復帰をするつもりですのでご心配なく。」  武藤さんの退院後、吉事があると開花するといわれのあるキチジョウソウが花を咲かせているのを森で見つけました。

★12月作業日は

 12月は忘年会。昼からも作業をやりますが、恒例?の餅つきもやりたいと考えています。昼食は体の芯から暖まる料理を考案中です。

 汁物を入れる容器やコップは数に限りがあります。食器の持参をお願いします。

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yuurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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