'02年09号 No.52

★作業日あれこれ

ソバの種蒔き作業

 8月の作業日は快晴、少し風のある気持ちよい日でしたが、いかんせん真夏です。いつもは最初にする観察会を後回しにして、少しでも作業のしやすい時間に作業をできるだけ済ませようとの提案を受けました。そういえば最初の頃は、8月の活動は朝7時開始なんてこともしていたのです。作業は前回の竹林整備やクズ退治に加えて、ソバの植え付けとピザ窯の棟上げが新しい作業です。竹林整備では、今年生えたタケの除伐とテングス病対策ですが、いずれも必要な面積を処理できずに次回も作業が必要な状態です。考えていたよりも、テングス病が蔓延しており、一部の竹林では皆伐状態になりそうです。それと、筍の旬が終わった後に発生した細いタケの本数が極めて多く、来年以降の管理方法を検討する必要がありそうです。クズ退治では、夏休みグリーンアドベンチャーの上級者問題で5m以上の蔓を採ってくることという問題がありますが、現在の最長記録は10mですので、それ以上のクズがあれば記録に残しますと言っていたところ、見事11.5mの記録更新者が現れました。本人曰く、探し出したというよりは疲れて木の根っこで休憩していたら横にあったのだと、謙遜されていました。11.5mのクズは途中で枝分かれし所々に根を出し、基部は木質化、充分にその生存戦略の優秀さを見せていますが、こうした作業のおかげで幸いにこの森ではクズが目立つものの、一面クズに覆われた空間はありません。一歩この森から出れば草地は全面的にクズに覆われています。真夏のために炭焼きは今回もパス、名人や博士達は焼いた炭の処分ができずに貯まっており、消費を増やすまではパスという思いもあるようです。先日、100円/sで販売しました杉材の炭は、バーベキュー用に火付きがよいので好評、来夏には販売を真剣に考えます。今年は別の当てがあるのですが・・・。
 この日のお昼は、佐竹、一工夫の山芋(長芋ではない!)、麦飯の冷や汁ご飯、これはうまかった! 大いに食べ飲むクマの横でソメヤンハサケガスキー氏は、一口も食べることなく飯茶碗で、みんなが肉じゃがと冬瓜の煮物を食べる姿をあてに、○○○を飲んでご機嫌です。こちらは彼の作です。ソメヤンハサケガスキー氏とクマは午前中が終われば、肩の荷を降ろしてしまいますので、後は喉をたっぷりと潤すだけになってしまいます。8月の作業は午前中だけになっているのですが、山田親方は午後もピザ窯の棟上げの陣頭指揮をこなしていました。煙草乾燥小屋の廃材を利用しての建物は、炭焼き小屋とは異なる趣があります。合掌の屋根、片流れの屋根と様々な建物を造り出す親方には、脱帽です。一方、丸橋も午後にソバ畑で種蒔き作業をしていました。火入れの届をパスしましたので焼き畑はできず、鍬で土をならしての普通の種蒔きとなったのですが、翌日、カラス共が集まって土をほじくり回しているのを見かけたのでいかなることになるのやら。一部では、播いた種より収穫の方が多いかどうかが話題になっています。3ヶ月待てば結果が出ます。そして、本来の目標であったタケの地下茎にダメージを与えたかどうかは来年の春に結果が出ます。
 第4水曜日28日は、湖南地域振興局の緑の少年団の利用と重なって賑やかなところに、たまたまその日の朝にNHKテレビの取材が入って、てんやわんやの活動日でした。このところクズが誠に元気で、かつては5m以上の蔓を探すのはそれなりの努力がいったのですが、今では簡単に10m以上が見つかるほど、どんどん伸びています。そんなわけでこの日も下草刈りの鎌を手にクズを見つけ次第手繰り寄せて刈って、ダメージを与えることにしました。前回はこの作業、妙齢の女性ばかりで昼休みにもリーダーのK君は帰ってこなかったのですが、この日の作業メンバーではリーダーの青年部長はそんな気にならなかったようです! あとはテングス病が蔓延しているタケの始末、山田親方はひとりでぼちぼちと建設工事、午後はチェンソーの取り扱い講習(周知は前回の作業日にしており、通信ではしていません。)でした。この日、久々に炭焼き名人が体を労りながらの参加となり、みんなの歓迎を受けていたことを最後にお伝えしておきます。涼しくなれば現場監督にと要請しています。                 

☆ソバの植え付けと、その後

成長するソバ、既にツボミが

 この森でのソバの植え付けは、栽培して収穫するよりはソバのアレロパシー(植物が出す化学物質、生物の成長抑制・殺菌等の多用な効果がある)を利用して、里山のギャングのようなタケを抑えることができるかの実験です。おまけとして、ソバの収穫も密かに期待しているのですが。なるほどナァーと考えさせる現象が発生しています。種蒔きは10日土曜日、なんと火曜日あたりから芽が出て、今日(15日、5日後)は既に7〜8センチ以上に成長しています。特筆すべきことは、森の中に新たに開いた場所だから雑草の種も土中にはたくさんあるはずなのに(焼き畑でないので雑草の種も焼かれず生きている!)、ソバの一人勝ちです。他の雑草が芽を出すまでに独占的に日照を確保し、その後は化学物質で抑えるという作戦なのでしょうか。植えてから10日経った頃から小さな雑草の葉が見えるようになってきていますが、その後、ソバはどんどん上へ上へと伸び、遅れて生えてきた雑草に光を与えないで打ち勝つ作戦のように感じます。今のところ、成長の早さで他の植物を圧倒しており、こうした性質は開墾したての雑草の種が無数にあるような環境では、抜群の適応力を発揮するようです。今後も、ソバの近況を通信やホームページで伝えます。

9月25日(水)週日活動 森の居酒屋は9月11日午後7時頃〜
9月14日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

★河辺いきものの森情報

 冷房なしで乗り切っているセンターの楽しみのひとつが午後のおやつです。あまりの暑さにこちらから提案して始めたのですが、暑さ対策という意味からこのおやつはかき氷のカップを食べることです。クマなどはビールの方がよいやという向きもあるのですが、そこは勤務中、そんなわけにはいきません。それに、あのような物をいただくと最終的に体の中から熱くなってしまい、逆効果です。冷凍庫の中に買いだめをしたカップを仲良くいただくことになるのですが、その時のスタッフの佐竹の表情が何とも言えないのです。まさに至福のひととき、満足しきった表情でかき氷を楽しんでおります。おい、おい、そんな表情は人生の伴侶のために残して置けよって感じなのです。皆様も、うら若き乙女のうっとりとした表情を見てみたい場合は、灼熱の午後、かき氷のカップを差し入れがてらおいで下さい。この通信が届く頃はちょっと遅いかも知れませんが。
 地方公務員であるセンターの市職員には、夏休みという制度があるのですが、今のところこれを使っているのはクマと横山、丸橋は週休を消化するのがやっと。自治体学会の大会に、分科会「森を守る−森に手を差し伸べる人たち」のパネリストとして呼ばれ、奈良県の郡山と思って引き受けたら、なんと福島県の郡山、謝礼はおろか旅費も出ない有様に愕然。かといってもこの場合は小さな市といえども八日市市を背負っている職員としての立場(大きく出ているでしょう!)として欠席するわけにもいかず、市当局を泣き落とし、八日市市をPRしてくることを条件に宿泊費無し、旅費のみ支給を受け、ちゃっかりと夏休みを組み合わせて東北へと旅立ったのです。参加して最後に一言、自治体職員と団体関係者の2足のわらじを履くクマはいいのですが、草の根の活動を苦しい資金の中でやりくりしている団体のことを考慮できているのかなと感じています。事情はあるでしょうが、こうしたやり方では本当に聞きたい活動や発言に触れることができるのかとも思っています。片足がこうした自治体側にあり、それなりに十年一日の仕事を改めようとしている者としては割り切れません。

★遊林会ホームページは、こんなコーナー

 遊林会のホームページをオープンしてからまもなく1年になります。他とのリンクをほとんどしていないこともあり、アクセス状況は平均500〜600件/月ほどですが、最近はリピーターが多いためでしょうか、場合によっては日に50件を超えるアクセスのある日もあります(この記事を書いている8月15日、アクセス数が6,000件を超えました。) 調べ物があってホームページを訪れた方から、その情報量と鮮度に感嘆の声が寄せられているのは嬉しい限りです。自ら言うのはなんですが、同様な施設や団体の中では、群を抜いているホームページだと考えています。
 「森の歳時記」コーナーでは森や活動の最新情報を写真を使用して届けること、最低、1週間に一度は更新することをモットーにしています。写真が多く親しみやすいコーナーで、最新の写真1枚が表紙に使用されており、写真の下にある「続きを見たい」をクリックすれば、その月の写真と記事、更に月の欄をクリックすれば過去の季節季節にお届けした写真と短文すべてを見ることができます。同様にそれぞれのコーナーに入れば河辺林通信や作業メニューのすべてのバックナンバーを読むことができますし、通信については用語の検索システムまで組み込まれているので、記事を書く際の参考に私が使用するというオマケまであります。掲示板は一番にぎやかでホットなコーナーです。よくあるような仲間内だけにしか通じない符丁のような言葉を使用したりして閉鎖的にならないように気を遣いながら、森やスタッフの様子・皆様からのご意見を誰でも投稿できるコーナーにしています。2日に一度は、外部からの書き込みがなければ新しい書き込みをするように心掛け、旬の話題と森に親しみを感じていただけるようなコーナーを目指しています。新人の方の書き込みがあると、嬉しくなってしまいます。ホームページを訪れる方の半数がこのコーナーまで立ち寄られている勘定になっています。皆さんも是非どうぞ。お粗末なのが行事などの紹介コーナー、これは実際の活動は目白押しなので、余裕の手抜きかとも思っていますがー(弁解)。
 新鮮な情報を流せ、新しくなければ情報ではないとハッパをかけているホームページですので、数日に一回アクセスする常連が何十人かいるようです。そうすると常連以外のアクセスは極めて少ないのかいな、広く情報を提供するということからすると、限られたメンバーだけにしか提供できていないのかと落ち込むこともあります。ホームページをお持ちの皆さん、リンクフリーですので、遊林会のホームページをご紹介下さい。アクセスしていただいた方が嬉しくなるページを目指して、今日も担当の井上が頑張っています。

★センター、警官の訪問を受ける!

 見て欲しい物があると派出所の方の訪問を受けました。実を言いますと、先日、真夜中に窃盗に入られましたので、その時の物でも出たのかと、期待しながら招き入れたのですが、その件ではありませんでした。持参された物は、ペットボトルに入った小さなヘビです。毒ヘビだと困るし、輸入動物も紛れ込むこともあるので、名前を教えて欲しいとのことです。佐竹がてきぱきとインターネットを使って画像検索を開始、それらしいヘビを見つけました。ジムグリというおとなしいヘビで無害とわかり、派出所の方々は一安心、何でも民家からの通報で捕獲をして後処理なんだそうです。我々役所の職員も何でこんなことまで役所に言うて来るんかいな、自分らでなんとかせーよ、と内心思うこともあるのですが、ここにも気の毒な方々、同じ立場の仲間を見てやれやれと我がことのように感じたのです。でも、こうした問題で訪問を受け、この施設が役に立ったことを嬉しく思うと同時に、そうした人材が恒常的に確保できているわけではない不安を管理者として感じてしまいましたが・・・。

★9月には、そしてお昼は

 11月のフォーラム前夜祭では、土器の野焼きをしながらコカリナを聴いて飲み語り合う計画ですが、そのためのダシにする植木鉢風の土器を9月から作る予定です。土をひねり炎で焼きたい希望者は事務局まで連絡してください。
 9月のお昼にも好評だった冷や汁のリクエストが再度あるのですが、カボチャ等も煮付けたりしようか、どうしようかと佐竹は悩んでいます。取り敢えず食物はあります。

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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