'02年07号 No.50

☆作業日あれこれ

本田氏寄贈の
カーウ゛ィング サンコウチョウ

 6月の第2土曜日は快晴、最初は自然観察会を開催しても参加者がなくいつも空振りのスタッフ・泉のデビュー戦として定例作業前の観察会担当に指名しました。これが大失敗、早く作業にかかりたいと思っているのに、いつまで待っても帰って来ないのです。ギャラリーの人数に気をよくしたのか、持っている知識をすべて発揮して長い観察会にしてしまったようで、カラオケでマイクを独り占めにしてしまったような感じかなと苦笑しておりましたが、本人は未だ気がついておりません。とりあえず、デビューを終えました。作業前のストレッチ指導は、いつもの元体育教師殿が見えず、現役だからやれよと教師に連れられて来ていた女子中学生2人を捕まえてデッキに上がらせてしまいました。ちゃんとそれなりに年寄り共の筋肉をほぐしてくれたところはたいしたものです。
 この日の作業は、ニョキニョキと生えてきた筍との戦いがメインです。ケヤキの林では地下に生きているタケの根から無数に発生したタケを、刈払機部隊を中心にケヤキなどの実生苗周辺は手作業でと、タケに浸食された林をニレ科の林に戻す作業です。今回は、県造林公社の皆さんに数日前に応援作業をしてもらっていますので予定した面積を終えました。ドングリ広場のタケ駆除は信用金庫の皆さんの作業を予定しており、今年もタケに勝てそうです。一方、竹薮では筍を間引き、健全な竹林にする作業です。ナギナタモドキを手に間引きなのですが、刃物を持つとつい余計に伐りたくなるようで、リーダーは伐り残すことに心をくだいていました。入口から続く草原では、地味な作業ですが帰化植物やクズを取り除いて健全な草原を維持する作業です。作業小屋の前では、これはすっかり松下電器退職組の作業になりつつあるコウモリの巣箱作りと、炭焼き組によるおくどさんとピザ窯建設部分の整地作業、この日はタイ風カレーの昼食作りが進んでいました。
 大抵、いつも見学組があるのですが、この日も某町の地域活動を考えておられる皆さんと大阪大学の学生諸君の姿もありました。数日後、某町の方から楽しそうだから次回から夫婦で参加したいのだがと連絡が入ったそうです。それはいいのですが、あっちはどうなるのかなと少し気になるところです。
 6月26日の週日活動日は梅雨真っ盛り、この日も雨を覚悟していたのに前日来の雨が止み、予定通りに作業を進めることができました。私はこのところいただいた補助金の後始末という役所らしい事務に忙殺されて参加できなかったのですが、雨男がいないから作業日和になったのだという意見もあるようです。作業はタケを駆除しているエリアの後始末やコウモリの巣箱掛け、ピザ窯建設準備などでしたが、前の県道を走っていて森に漂う煙に誘われて入って来た老人がいます。永源寺町で炭焼きをしているので、煙を見てこれは炭焼きの煙だとわかったので来たのだとのこと。炭焼きのプロを相手に炭焼き談義となりました。炭を焼いても、(輸入品の価格に引きづられて)金にはならん、材料は昔は買うたもんやが今は炭を焼いとる言うたら、トラック1杯持って行くで言うて5杯ほど処分に困った木を持って来よるetc。アマチュアで炭を焼いている人からは、あれやこれやと技術指導があって閉口することもあるのですが、プロからは思い出話や失敗談はあっても技術指導はなく、むしろこの窯の効率の良さに感心する様子で、焼き上がっている炭にも杉でこれくらい焼けるのはたいしたものだとほめていただきました。この窯、3ヶ月間に6回の火入れを実施しており、里山保全活動の一環として設置したこの種の窯としては、稼働率は日本一ではないでしょうか。これは焼く労力を徹底して省力化し、断熱材などを使用して熱効率を高めた浦田光雅氏の設計と指導のおかげです。2立米の原料を24時間で焼けます。

☆今年も里山フォーラムを開催

 今年も里山を様々な面から考える「里山七彩」や教師や地域のリーダーのための講座を、県や市の支援を受けて開催できるようになりましたので、詳細をいずれお知らせできると思います。もう一つ、昨年の「湖国ぐるり里山フォーラム」を少しやり方を工夫して是非継続しようと考えています。(これらのことは、6月の森の居酒屋で説明し了承されています。森の居酒屋はこんな協議もしているのです!) 昨年の11月に実施したフォーラムは、里山保全活動の連帯・交流・拡大など初期の目的を達成したとは言えないのですが、だからこそ続ける意味があると考えています。日程も大筋も勝手に決めています。11月9日(土)の定例作業日から10日にかけて、夜を徹してやってみましょう。メインを他の団体との交流に置いて、定例作業後、夕闇の中でセンター前のファイアー・サークルの火を囲んで縄文式土器モドキを焼く野焼き、ノンベイによるノンベイのため(ゴメン、ホットラインの皆さん!)のコカリナ・コンサート、もちろん食べて飲みながらゆっくりと時間を過ごしましょう。雨が降ったらどうしようかなぁ? この日は、テントの持ち込み、建物の中での雑魚寝もO・K、翌日は堅いフォーラムを、そんな気力は残っていないかも知れませんが、やりましょう。いかがでしょうか、あなたも11月の予定表にこの2日間をキープして置いてください! 野焼きのための土器作りは9月頃から村松氏の指導で始まります。賑やかにする皆さんの提案と参加をお待ちしています。

7月23日(水)週日活動 森の居酒屋は7月10日
7月13日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始 & 記念日
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-24-5658 Fax 0748-24-0752 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

★河辺いきものの森情報(雑談)

 環境学習がらみの利用が週の半分以上あり、そうした申込みがない日は気が楽で、老人には、たまには休まれたらと勧めてもくれます(煙たいのかも知れませんが・・・・)。居てもほとんど役に立たないし、役に立とうとしても声を出せない事情もあり、時には貯まっている代休を取ることになります。丸橋は、4月まで休みの日もほとんど毎日この森に通っていました。ああはなるまいと意識して休みにはとにかく森に行くまい、仕事モードになるまいとしているのですが、休日のずれている役所の会議や問い合わせが携帯にあったりしてなかなか思うようにはなりません。最近は丸橋もきっちりといっても1週間に1日くらいですが、何とか休みを貫いているようです。先日、そんな休日にアウトドァ・ショップを覗いていたらサバイバル・ゲームに誘われたそうで、何故かと不思議がっていました。スポーツ刈の頭とジープに乗っている姿を見れば、その手の趣味があると思われても仕方ないと思いますが、自分のことは客観的には見えていないようです。おまけがあります。レンジャーらしさを演出するためにカーボーイ・ハットを購入して来たのですが、派手さに今ひとつ被る勇気がなく、席の後ろにぶら下がったままになっています。先日、中学生の作業体験の際に他のスタッフが無理矢理被せたのですが、午後には頭がむせると置物に戻っていました。只今、自分のスタイルを模索中のようです。みんなで、できるだけ目立つスタイルを無責任にアドバイスしてやりましょう。

★センターの展示品

 ネイチャーセンターでは、剥製や昆虫などの標本を展示するよりは、フィールドで自分の目などの五感を使って自然そのものを感じてもらうことを大事にしていますが、ぼちぼちと展示品も増やそうとはしています。先日、市内外で個展を開いておられる本田正臣氏から、サンコウチョウやエナガなどの精巧なバード・カーウ゛ィングの寄贈を受けました(ありがとうございます。展示方法を検討中)。また、この森の蝶の顧問だと勝手に決めている森石雄氏が急遽入院(わしには養わないかん扶養家族がおるので入院と言われても、はい、そうですかとできん事情がある。自分の命と蝶とどっちを取るのかと言われても・・・・。入院までにはこんなやりとりがあったようです。)、大量の幼虫を預かることになりました。氏は、これらの幼虫の食草を求めて、入院する前日まで片道20キロを自転車で採取に行かれていたようです。スタッフの佐竹が隠れ蝶お宅だったようで、せっせと世話をして、すべてを無事に蛹や成虫にさせることができ、必要なものは標本にもしました。いずれ展示の機会もあるでしょう。

★生きた化石を発見!

 土曜日のことでした。出勤すると丸刈りで半ズボン、小さなザックを背負った小学生2人が森の中から出てきました。帰ることもなく、それから丸一日彼らは森の中を行ったり来たりしています。カブトムシとクワガタ探しにやって来たようです。余りに目につくものですから声を掛けると、これまた人なつっこくてすれていません。気になるので、水分を取っているか、食事をしたかと尋ねると、お昼もだいぶ過ぎていましたが、そうやお昼を食べようとザックの中から手作りと思われるサンドウィッチを出してきました。親に弁当を作ってもらい、一心に休みの日にこの森にやって来て、森をむさぼり尽くしているこの子ども達を見ていると嬉しくなってしまうのは私だけでしょうか。私は昆虫少年ではなかったので虫掴みには熱中しませんでしたが、水晶や鍾乳石などのきれいな石や化石を求めて自転車で走り回った同時代があり、自分の姿を重ねてしまいます。その後、この少年の一人を放課後に、今度は女の子を連れてやって来ているのを見かけることになり、彼我の違いに呆然としました! 山下画伯風の少年は化石のようでもありましたが、なかなかに現代っ子なのかも知れません。それ以降、森で遊ぶ学年を超えた子どもの一群が見られるようになり、そんな様子を見たK君が「川行っても山行っても子どもの姿なんて見られへんのに、ここだけやわー、子どもが外をうろちょろしとるのを見るのわー。」と話してくれました。この森に関わってきた者としては嬉しい事実です。

★湖東信金さんの支援とコンサートの実施

湖東信用金庫さんの奉仕作業と寄付金の贈呈

 6月15日に昨年に続き、この森の竹林や草原で、使い慣れた刈払機持参組をはじめとする湖東信用金庫の50人程の方々が環境奉仕活動をして下さいました。作業後には、遊林会の活動に使ってくださいと寄付までいただきました。その場で、この森を知る機会として開催しています弦楽四重奏コンサート開催経費の一部に当てさせていただく旨、お伝えしました。チケットの売り上げ(若干の値上げを検討中)と合わせれば、湖東信金さんのおかげで、何とか年内にもう一度と言ってましたコンサートを実施できそうです。地域に密着した企業として、こうしたすばらしい支援をしてくださった湖東信金さんにあらためて感謝をするとともに、会報を通じて皆さんにお知らせさせていただきます。12月クリスマス・コンサート予定。

★最近のことと国民の義務の関係

 前回の通信記事は、タケやセイタカアワダチソウの生態的なことばかりに字数を割いており、一部ではいつもの調子の記事がないと不評でした。そんな話をしていると、スタッフの面々は事情があって禁酒をしている私を、アルコール切れの禁断症状ですよと、笑っています。横から山田親方は、ふるえはありませんか、飲むのを再開したらしばらくはビール1本で酔えるんじゃないですかとおっしゃっております。充分に飲んで、厳しい状態にある日本国へ納税をしようと思っています。それなら、発泡酒でなく税率の高いビールをというお言葉もあるでしょうが、そこは甲斐性に合わせてとさせていただきます。この記事を書いている現在は、節酒モード中です。

★7月作業日は、活動開始記念日です

 真夏の7月は毎年、作業は午前中だけ、お昼からは活動開始記念日として楽しんでいます。今年も同様に活動の継続を祝う日としましょう。気になるお昼のメニューですが、最後(飲んだ後)は湯がきたての手打ちうどんというのは決まっているのですが、最初に何でお腹を満足させるかはただ今検討中。暑い時ですが、たっぷりのおでん、その後、酒飲み大将一門の皆さんからうどんの手打ち指南を受けたりしながら、ゆっくりといただくというのはいかがでしょう。

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html
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