'02年05号 No.48

☆作業日あれこれ

フデリンドウも見つかる!

 4月の第2土曜日も気持のよい作業日、春の息吹を感じる観察会から始まりました。オニユリ、ウバユリ、ギボウシの新芽、カスミザクラやウワミズザクラの咲き始めた花、すっかり開いてしまったモミジと、森に一斉に春がやって来ています。この日の作業は、前月に引き続いてキノコの菌打ち、炭焼きと次回焼くための材料の準備(竹だけでなく次は木を焼く予定で杉の集材と薪割り)、竹藪の整備、コウモリの巣箱作りなどです。野鳥観察壁を作った本人を中心に、観察壁の前の常緑樹を伐採して鳥の来やすい環境を整備しているグループもいました。この日は前日にW氏が雄鳥を持ち込んでおり、朝から焼き鳥名人がいつも通りの見事な包丁さばきで引導を渡し、お昼には歯ごたえのある焼き鳥にありつくこととなりました。賄い係は、この日は何でも屋の山田親方の指揮の下、野草の天ぷら、すいとんの準備です。途中で人数が不足し、焼き鳥の応援に入った私は、山田親方の勧めるムギチャ(?)をいただきご機嫌状態でありました。この日から、参加一覧ボードの自分の参加している作業の場所に名札をつるすことになり、思い思いに竹の札に名前を書いてぶら下げてあるので、誰がどの作業に参加しているか一目でわかるようになりました。次の作業までそのままにして置きますので、森に来られた時に作業小屋を覗かれれば、直前の作業参加者がわかります。ここでも凝った名札をぶら下げている誰かさんがおり、制作を承るという話もあります。ただし、遊林会へ制作費をカンパしてくださいとのことです。お昼の後には、いつもの新人の一言やその時々の話題を話すコーナーで賑わい、この通信では草刈り名人で通っている、3月まで私の上司で退職記念に部下から草刈機とゴーグル付きキャップを贈られ自他共に大爆笑の御仁の今後の決意などもありました。その後、午後の作業に従事もせずに、作業小屋で楽しんでおられる人の高歌放吟が作業をしている面々に聞こえていたという話もあります。かくして春の一日はお終い。

☆炭焼き、その後

 2回目の炭焼きは、隣の森のモウソウチクを加えて炭焼き名人と焼き鳥名人が準備万端整え、作業日に点火となりました。この森のタケはハチクで厚みがモウソウチクに見劣りするので、炭焼き名人はあの厚いタケを焼いて、店で売っている竹炭に負けない物を生産したいという夢が昔からあったのです。今回、2回目の炭焼きではモウソウの竹藪の所有者である松本さんに頼んで伐り出したのです。しかし、太くて見事なモウソウはハチクとは比べ物にならない重さで短く切らなければ担げないほどでした。夢を詰め込んで焼く炭焼きは、前回の反省の上に慎重な火加減で24時間以内に終わり、竹酢液も今までとは比べ物にならず18リットルも採れました。その後、冷却期間が終わっても名人は森に現れず、いかなることやと心配していたのですが、第4水曜日にはお出ましになり、心ときめかせて窯開けをされたのです。期待の結果ですが、今回は残存率も高く、大量の竹炭が生産できました。

☆あちら立てれば、こちら立たず

コウモリの巣箱

 毎朝、出勤すると森のパトロールをする(他のスタッフからは趣味の世界を楽しんでいると言われているかもしれません。)ようにしています。まず最初に、わくわくしながら水辺の森にでかけます。先週はレンジャクの水浴びを見ることができましたが、今は、いつ帰るのか気になるシメ(冬鳥)の水浴び、おなじみになったカルガモ、そして新顔のアオサギを見ることができます。カルガモは営巣場所を探しているようです。いつもは2匹で泳いだりしているのですが、今朝は一匹で水辺にいましたので、どこかに新居を構えたのかもしれません。しかし、先週にはこの水辺でフンコロガシ殿が見事な金色のイタチの写真を撮りました(センターのTODAY'S MAPコーナーに掲示しています。)ので、奴の犠牲になるのではと気にもなります。カルガモ夫婦に居着いて子育てを無事に終えて欲しいのですが、イタチはだめだともいえません。もちろん、空ではカラスが雛が育てば狙うぞとばかりにカァカァと鳴いていますし、厳しい生存競争をいやでも感じてしまいます。一方、アオサギは、水辺でじっとたたずんでいるのですが、こいつは春休みの活動で子ども達と捕ってきたりK氏がこまめに採取してきて放した小魚やカエルを狙っているのは間違いありません。注意して見ているのですが、水中を泳ぐ放流した小魚やカエルを見ることはできないくらい少ないのに、ちゃんとアオサギに見つかってしまっているようです。こちらも、魚やカエルには増えて欲しいけれど、誰にも見易いアオサギにもいて欲しいものです。
 特定の種をどの程度保護するのか、感情と食物連鎖の現実の間で悩みますが、自然の摂理に反することをしないようにと考えています。(カブトムシの幼虫保護のための防鳥ネット程度は許していただきましょう。相手はあまりにも強く、餌に不自由しないカラスなのですから。)
 朝のパトロールは子育て中のコゲラの巣穴を横目で見て、屋外トイレのチェックをして終わりになるのですが、最近、センターまでの間にマムシグサが出現したり、橋のたもとにタケノコが出ていないかのチェックも加わりました。

5月28日(水)週日活動 森の居酒屋は5月8日
5月11日(土)午前9時(遅刻可)より 作業開始
主 催 者 : 遊 林 会

連絡先:八日市市 花と緑の推進室 Tel 0748-20-5211 Fax 0748-20-5210 当日連絡先:携帯(武藤)090-3729-2344
Eメールでも、ご意見をお待ちしています。E-mail:ikimono@po.bcap.co.jp

★河辺いきものの森情報

 4月の異動でやって来た横山(ニックネーム募集中、なぜか酪農専攻とか)は、ただ今、森の事柄、修行中です。土日・祝日が休みでない変則勤務にも文句を言わず、慣れることに一生懸命です。残念なことは、今度もまた酒を飲む(ビールは飲むと通風で手痛いしっぺ返し?にあうようですが)奴だということです。なぜかって、たまには飲んだ時に運転手になるのがおれば、大いに助かるではないですか。飲まなくて酒飲みにつき合いの良い人物こそ、我らの理想です。ちょっと外れです。
 遊林会のスタッフは、昨年からの井上、今年度から緊急地域雇用枠の泉、佐竹、そして顧問格の西村、作業小屋の主、松本です。夏までに助手を一名追加する予定ですが、以上の者でワークシェアリングよろしく勤務日数を調整しながらセンター運営と環境学習コーディネートに従事します。

★コウモリを増やせプロジェクト

 黄昏時に不思議な飛び方をするコウモリは、注意してみる人でなければ気がつきませんが、知ればたくさん飛んでいることに驚きます。思わずどこに住んでいるんだろうと考えてしまいます。彼らは、人家のちょっとした隙間などに潜り込んでいるようです。あのコウモリに注目したのは、餌が我々が夏の作業で悩まされているカだからなのです。一晩に4〜500ものカを食べるのだそうです。10匹のコウモリがおれば一晩、4千匹のカ退治、1ヶ月ならば12万匹!これです。コウモリを増やすにはどうするか? コウモリ用の隙間のような巣箱を作って、森に住み着かせ、せっせとカを食べさせようと考えたのです。ヤブカ共よ、覚悟せよ! うまく住み着くようでしたら、来年にはコウモリハウスを作って集団越冬ができるようにしてやるというのも、いかがでしょう。夢はカのいない夏の森です! バランスの取れたスズメバチもマムシもいる生態系という日頃の言葉からすると、ちょっと後ろめたい気がしないでも・・・・。しかし、このアイディアを聞いた面々はみんな大賛成、それほどヤブカに手を焼いていると言うことでしょう。やりますぞー!

★遊林会、岩波書店発行 環境と公害に

 岩波書店から発行されている季刊紙「環境と公害」の最新号(4月発行)は、「自然環境の再生」特集です。その中で現状報告として、遊林会の活動が2ページに渡って紹介されています。これは同誌編集幹事のお一人である井上真氏(河辺林通信02年2月 33号 東大助教授でフィールド・ワークと空手で鍛えた氏の酒量と弁舌に・・・・と、この森を訪問された時のことを紹介しています。)の推薦によるものです。全国に向けて遊林会の活動内容を発信できたのは、木造建築研究フォラム会誌「木の建築」50号に続いて2回目のことです。編集同人としてそうそうたる方々のお名前の拝見できる同誌に、自然環境の再生例として取り上げていただいたことを素直に遊林会の名誉とさせていただきたいと思います。やっていることは「BE-PAL」(月刊誌・小学館発行)的なのりやないかーというお言葉も聞こえて来そうなのですが、遊林会活動の奥にある深さを感じましょうね。なお、同誌はセンターのふくろう文庫および八日市図書館環境コーナーで読むことができます。

★河辺の森と近江鉄道

 近江鉄道の五個荘駅と八日市駅間の田圃の真ん中に、河辺の森へのアクセス手段としてエコ・ステーション(新駅)設置が現実のものになりつつあります。環境に配慮した手作りの施設整備が理想ですが、それについては遊林会の皆さんにも協力をいただきたいと思っています。これについては、別途、呼びかけをする予定です。今回、この欄で触れたのは、地域の鉄道である近江鉄道は極めて厳しい経営状態にあり、応援団として利用者を増やすために、河辺の森から情報を発信しようと考えたからなのです。私は地域の子ども達を鉄道に乗せる必要性ばかりを考えていましたが、近江鉄道の役員の方と話していて、都市のウォークに熱心な中高年の方のニーズに気付いていないことを知らされました。インターネットを使って近江鉄道を利用した河辺の森と湖東の農村を訪れる、魅力あるルート情報を提供する必要を痛感しました。幸いに遊林会のホームページにこのところアクセス数が増加していることや、こうした目的でリンク依頼を積極的にすれば、近江鉄道を利用してこの森へ来てみようと言う人たちを増やせるのではないでしょうか。ただ今、八日市駅や五個荘駅から河辺の森への経路や途中の見所を紹介するページを制作中です。一面の麦畑と上空でさえずるヒバリや島のように見える大きなケヤキの鎮守の森の点在する湖東の田園風景も売りにしましょう。皆様も是非、近江鉄道を利用してこの森へ来られる方への情報提供と、歩く楽しさを広めてください。眠っている湖東の魅力、どっぷり浸かっていて気付いていない農村の良さを再認識し、何にもない当たり前の地方の良さを必要とする人に伝えようではありませんか。秋には芋掘り付き里山体験ツァーなども企画する予定です。

★今年の「みどりのつどい」

 昨年より布施公園から河辺いきものの森に場所を移し、時期も大凧まつり前日に開催した「みどりのつどい」ですが、今年は大凧まつり当日に実施することとしました。食べ物のバザーなどは、大凧まつりの方にお任せして、この森にふさわしい祭を模索中です。前夜祭として25日夜には、昨秋好評だった弦楽四重奏のコンサート、当日にはセンター前でアカペラとコカリナのみんなの知っている歌のコンサートも開催します。ハチクの筍の試食、木のクラフト、丸太や竹切りのチャレンジ、森を巡るクイズ・ラリー、遊林会グッズ販売なども計画中です。参加を歓迎しますが、応援スタッフはそれ以上に歓迎です。

★5月作業日は、勿、筍づくし

 昨年の5月の作業日には筍づくしを予定していたのですが、ハチクの筍の発生が遅く気を利かせて前日より準備していただいた松本さんちのモウソウの筍で間に合わせたという冷や汗ものの話があります。今年は春の訪れも早くそんなことはないでしょう。5月の作業日は、筍ご飯、天ぷら、みそ汁というところでしょうか。器が不足しますので、マイカップ、マイチャワンなどの器を持参していただくようにお願いします。

みどりのつどいは、5月26日(日) 大凧まつりと同時開催、前夜祭は弦楽四重奏コンサート

発行者:八日市市建部北町 河辺いきものの森ネイチャーセンター内 遊林会 世話役 武藤精蔵 Tel 0748-20-5211
遊林会URLは http://www.bcap.co.jp/ikimono/yurin/index.html あなたの思いを掲示板へ


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